Savvy Games GroupのCEOが退任、巨額買収後の運営方針に注目
2026年09月01日 | #その他 | Eurogamer
サウジアラビア政府系のSavvy Games Groupを率いてきたBrian Ward氏がCEOを退任しました。Pokémon Goの開発会社Nianticや、Monopoly Goで知られるScopelyへの巨額投資を主導した人物だけに、Electronic Arts(EA)の買収直後となる今回の人事は、同国のゲーム事業全体が転換点を迎えた可能性を示しています。
Brian Ward氏がCEOを退任
Ward氏は社内向けメッセージで、Savvy Games Groupが次の成長段階に進むにあたり、「その変化には新しいリーダーシップが必要な時期だ」と説明したと、Bloombergが確認しています。後任が正式に決まるまでの暫定CEOには、サウジアラビアの政府系ファンドPublic Investment Fund(PIF)で副総裁を務め、国際投資部門を率いるTurqi Alnowaiser氏が就任します。
Ward氏の在任中、同社はゲーム企業への買収・出資を積極的に進めました。2025年には、Pokémon Goの大ヒットで知られるNianticに巨額の資金を投じ、さらにそれ以前にはモバイルゲーム大手Scopelyを買収しています。Savvy Games Groupはゲーム企業の保有だけでなく、サウジアラビア国内にゲーム産業の基盤を築く役割も担ってきました。
成功した買収と利益を生みにくいeスポーツ投資
Savvy Games Groupの実績には、評価できる案件と成果が見えにくい取り組みの両方があります。Scopelyの買収は主要な成功例とされる一方、複数のゲーム関連企業へ投資し、eスポーツにも大規模な資金を投入しました。
ただし、eスポーツは現時点で大きな利益を生む分野にはなっておらず、サウジアラビア政府にとっては収益事業というより、国際的な存在感を高めるマーケティング施策として機能してきた面があると原文は指摘しています。サウジアラビアのリヤドで開催されていたeスポーツ・ワールドカップも、中東情勢の混乱を受け、直近の大会はパリへ移されました。
ゲーム業界メモの執筆者で、Power Playの著者でもあるGeorge Osborn氏は、Eurogamerの取材に対し、政治的な評価とは切り分ければ、Ward氏は難しい任務に対して着実に仕事をしたと評価しています。Osborn氏によれば、Savvy Games Groupは価値を生む買収と産業エコシステムの構築を比較的バランスよく進め、Embracerへの投資を適切なタイミングで打ち切った点にも、投資判断の規律が表れていたとのことです。
EA買収後に浮上する組織再編の懸念
Ward氏の退任は、サウジアラビアがEAに対してレバレッジド・バイアウトを実施した直後のタイミングでもあります。この取引は同国によるゲーム業界への投資として過去最大であり、同種の買収としても史上最大規模とされています。Bloombergに話した関係者によると、EA買収を巡っては、サウジアラビアが所有する巨大なゲーム企業2社を今後どのように運営するのか、Savvy Games Group内で懸念が生じているとのことです。
Osborn氏は、Savvy Games GroupがEAほど世界のゲーム市場で強いブランド力を持たず、PIFほどの経済的な影響力もないと指摘しています。しかも、サウジアラビア政府が支出を引き締めるなかで、同社はコストの大きい国家戦略の中心に置かれています。
今後についてOsborn氏は、Savvy Games Groupの役割がサウジアラビア国内のゲーム産業に限定される可能性、EAの傘下に組み込まれる可能性、あるいはVision 2030の一環としてPIFに再統合される可能性を挙げました。どの形になるにせよ、同氏は現在のサウジアラビアのゲーム産業の多くをSavvy Games Groupが築き、Ward氏がその形成に大きな役割を果たしたとしています。