ソニーとマイクロソフト、関税返金を消費者に還元する義務はないと主張
2026年09月03日 | #その他 | Eurogamer
関税の影響で値上げされたゲーム機を購入した消費者に対し、ソニーとマイクロソフトが、政府から受け取る関税返金を分配する義務はないと主張しています。両社はそれぞれ別の訴訟で、購入者は表示価格どおりの商品を受け取っており、法的な損害は発生していないと訴えています。値上げ後の価格が維持されるなか、企業だけが返金を受け取る構図が問題になっています。
ソニーは集団訴訟の早期棄却を要求
ソニーを訴えたのは、カリフォルニア州の複数の購入者です。原告側は、2025年に関税を理由とする価格上昇分を支払った消費者にも返金されるべきだとしており、集団訴訟への移行を目指しています。これに対してソニーは、訴えを早期に退けるよう裁判所へ申し立てました。
ソニー側の弁護士は、消費者が自発的に購入した商品について市場価格を支払っただけであり、それは法律上認められる損害には当たらないと主張しています。つまり、購入時に提示された価格の商品を実際に受け取っている以上、後から関税返金を求める根拠はないという立場です。
マイクロソフトも価格差の立証を要求
マイクロソフトの訴訟は、ワシントン州の個人購入者が起こしたものです。原告は、関税によってXboxの価格が上昇したとして返金を求めていますが、同社もソニーと同じく請求の退けを求めています。
マイクロソフト側は、原告が広告に表示された価格でXboxを購入し、その価格に見合う商品を受け取ったと説明しています。さらに、関税が価格に与えた具体的な差額を原告は示しておらず、当時の価格設定から関税分だけを切り出して算出することも、現在になって同じ計算を再現することもできないと反論しました。市場価格には、関税以外にもさまざまな要因が影響するため、関税分だけの返金額を特定できないという主張です。
値上げの理由として関税を直接明示せず
米国では2025年、関税をめぐる措置を受けてソニーとマイクロソフトがゲーム機の価格を引き上げました。ソニーが8月にPlayStation 5の価格を変更した際は「厳しい経済環境」を理由に挙げ、マイクロソフトが5月にXboxの価格を引き上げた際は「市場環境と開発コストの上昇」に言及しています。両社は、値上げの直接的な理由として関税を明示していませんでした。
その後、米国最高裁は関税を違法と判断し、影響を受けた企業が政府に返金を請求できる状況になりました。ソニーとマイクロソフトはいずれも返金を受け取る見通しですが、関税の影響を受けて高い価格を支払った消費者への補償は行われていません。原文筆者は、両社が関税を理由にした値上げを公には強調しなかった一方、返金は企業側が受け取る点を指摘しています。
任天堂の主張と消費者の不満
同じ問題をめぐり、任天堂も値上げされたSwitchを購入した消費者から訴えられています。任天堂は7月、関税返金を購入者へ還元する義務はないと説明しており、ソニーとマイクロソフトの主張はこの見解と重なります。
消費者側からは、企業が値上げ後の商品を購入した人から代金を受け取り、さらに政府から関税返金も受け取ることで、同じ影響に対して二重に利益を得ているとの不満が出ています。ソニーは7月、投資家に対して米国政府から相当額の関税返金を受け取る見込みで、その大部分がPlayStation関連になると説明しました。3社はいずれも、関税が違法と判断された後もゲーム機の価格を引き下げていません。
現時点では、ソニー、マイクロソフト、任天堂の主張を認める判決は出ていません。一方で、携帯ゲーム機Playdateを販売するPanicは、関税の適用期間中に購入した顧客へ差額を返金すると発表しました。PC冷却製品メーカーのArcticも同様の対応を約束し、一定期間は製品価格を引き下げる方針を示しています。