Saber Interactiveが休眠IPを次々と復活させる理由を説明「どんなIPでも獲得できる」
2026年09月03日 | #その他 | Eurogamer
Saber Interactiveが、過去の人気シリーズを復活させながら多数のタイトルを並行して開発できている背景を明らかにしました。Chief Creative Officer(CCO)のTim Willits氏は、休眠状態にあるIPの活用と、規模の異なる作品を組み合わせる事業構造が成功の鍵だと説明しています。同氏は「どんなIPでも獲得できる」と自信を示し、Microsoftなど他社にも眠っているシリーズを活用するよう提案しました。
ヒット作を足がかりに旧作シリーズを再始動
Saber Interactiveは、World War ZやWarhammer 40,000: Space Marine 2の成功を足がかりに、長期間新作が出ていなかったシリーズへ積極的に取り組んでいます。現在はTurokシリーズの新作Turok: Originsや、Stuntmanの新作、さらにStar Wars: Knights of the Old Republicのリメイクなどを進めています。新たに発表されたJohn Wickの三人称視点アクションゲームも、同社が扱うIPの一つです。
大作の発売後に長い空白期間が生じやすい近年のゲーム業界に対し、Saberは複数のプロジェクトを継続的に投入している点が特徴です。Willits氏は、同社の判断基準について、プロジェクトを承認するのは「開発費の4倍を稼げる」と見込める場合に限ると説明しました。知名度のあるIPを使うだけでなく、成功の可能性を事前に見極めたうえで企画を進めているとのことです。
小規模タイトルの収益が大きな挑戦を支える
Willits氏が具体例として挙げたのが、2020年に発売されたドライビングシミュレーションゲームSnowRunnerです。同作は1人のアイデアをもとに、少人数のチームで開発され、開発費は約600万ドルだったといいます。しかし、その後の売上は数億ドル規模に達しました。
World War Zも同様の例として紹介されています。比較的小規模なチームで制作された同作は、累計3200万人がプレイし、追加コンテンツも好調を維持しているとWillits氏は話しました。同氏によれば、こうした予測しやすく管理しやすいタイトルが安定した収益を生み、Space Marine 2のような大型プロジェクトや、今後のSpace Marine 3といった大きな挑戦を支えています。
Stuntmanについては、SaberがEmbracer在籍時にIPを取得し、Universalと協力して知名度のあるシリーズをゲームへ展開していると説明しました。Space Marine 2ほどの規模ではないものの、複数の事業を組み合わせることで、大作だけに経営を依存しない体制を整えているとのことです。
眠っているIPは「掘り起こされるのを待つ金脈」
id Softwareで23年間勤務し、DoomやQuakeに関わってきたWillits氏は、過去のシリーズを再びゲーム化する可能性にも言及しました。1996年にデザイナーとして携わったStrifeとHexenについて尋ねられると、Strifeなら獲得できるかもしれないとして、「電話を1、2本かければいい」と冗談交じりに答えています。
一方、HereticやHexenの新作が長く登場していない理由については、Activisionが出版権を、id Softwareが開発権を所有していたためだと説明しました。現在は両方の権利がMicrosoftに属しているとのことです。Willits氏はMicrosoftの担当者に連絡すると冗談を述べつつ、現在の権利関係がシリーズ再始動の障壁になっていた経緯を示しました。
同氏は、大企業の書庫や資料室に眠っている旧作IPを「掘り起こされるのを待つ金脈」と表現しています。Microsoftを例に挙げ、「多くのIPと才能ある人材を持っているのだから、少人数のチームに古いゲームを任せてはどうか」と提案しました。具体的には、近年新作が見られないMechWarriorやPitfallを例に挙げ、20人ほどのチームでも新作を作れるのではないかとしています。
AI利用への見解と今後の開発タイトル
Saber Interactiveは現在、Turok: OriginsとClive Barker's Hellraiser: Revivalを開発しており、両作はGamescomにも出展されました。Warhammer 40,000: Space Marine 3にも取り組んでいますが、発表後の詳細はまだ多く伝えられていません。John WickのアクションゲームやStuntmanの新作を含め、同社は大作と中小規模の作品を組み合わせたラインアップを形成しています。
Willits氏は、Saberの別タイトルRideshare Simulatorをめぐる議論を受け、生成AIの利用方針についても説明しました。同社には生成AIに関する全社的な統一ポリシーはなく、Rideshare Simulatorでの利用はあくまで「実験」だったとしています。生成AIに対する世間の受け止め方は今後変化する可能性があるとし、「誰かがAI版のHalf-Life 2を作るだろう」との見通しを示しました。