← 最新記事一覧

『Village in the Shade』海外発売が決定、10月27日にリリースへ

2026年09月05日 | #発売情報 | Polygon

『Village in the Shade』海外発売が決定、10月27日にリリースへ

日本で先行して人気を集めている農業シミュレーションゲームが、いよいよ海外にも登場します。Nippon Ichi Softwareの『Village in the Shade』は、海外向けに10月27日の発売を予定しており、農場生活と日本 folklore 風の怪異、そして閉鎖的な村に漂う不穏な人間ドラマを組み合わせた作品です。海外版の発売に先駆けて行われたプレビューでは、穏やかな昼と恐怖に満ちた夜を切り替える独特のゲームデザインが紹介されました。

農場生活のすぐ隣にある異変

本作の舞台は、山あいに位置する鹿月村(Kagatsu Village)です。プレイヤーは村の外れにある農場で暮らし始め、作物を育て、家具を配置し、雑草を取り除きながら生活の基盤を整えていきます。農場ゲームとしての基本的な作業は、作物への水やりや家畜の世話など、親しみやすい内容にまとめられています。

ただし、物語は平穏な農場生活から始まりません。プレビューでは、プレイヤーが最初に飼う動物であるニワトリが、何者かに惨殺されている場面から翌朝が始まりました。鶏小屋には血と羽毛が残されているものの、太陽はいつも通り昇り、作物への水やりや家具の設置といった日課をこなさなければなりません。前夜に起きた惨劇を無視するように、農場の時間だけが進んでいく構成です。

海外版のローカライズディレクターを務めるMike Stebbins氏による実演では、農作業を快適にする機能も確認されました。じょうろはボタンを押している間、1回のアニメーションで水をまき続けるため、広い畑でも作業をすばやく終えられます。テーブルのような大きな家具に小物を置く際は、家具のどの位置に置くか、どの方向を向けるかを決めてから設置できます。

ゲーム内の時間は、作物の成長や住民との交流を急かしすぎない、ゆったりした速度で進みます。原文筆者は、時間の流れが速い農場ゲームよりも、Stardew Valleyや牧場物語に近い落ち着いたペースを好ましく感じたとしています。日中は農作業を中心に過ごしながら、村の様子を見て回り、山や鉱山へ向かうこともできます。

「何も問題はない」村の不自然な日常

鹿月村は小規模ながら、春には桜が咲き、緑の多い景観に彩られています。通りには古びたトラックのそばで商品を並べる行商人がおり、装飾品や食料、衣類などを購入できます。死装束まで売られている点は、この村の日常が一般的な農村とは異なることを早くから示す要素です。種や所持品の拡張など、農場運営に必要なものは近くの雑貨店で扱われています。

村の人々は互いに暮らしていながら、深く関わろうとはしません。道の先にある祠では、無神論者を自称する男性が、信じていないはずの神々に若い女性を助けてほしいと熱心に祈っています。プレイヤーは、その女性が誰なのか、何に苦しんでいるのかを知りません。村人が抱える問題と主人公との間には距離があり、村人同士もまた互いに孤立しているように描かれます。

鹿月村には、問題について話すこと自体を避ける厳格な行動規範があります。何かがおかしいと認めることは、村に隠されているものへ目を向けることにつながるためです。村人たちは「ここでは何も問題ない」と振る舞いますが、その否定の強さこそが、村に潜む異変を印象づけています。原文筆者は、ニワトリを襲った存在だけでなく、村全体を覆う孤独や断絶が、作品の恐ろしさを形作っていると受け止めています。

店内では、気の弱そうな少女と、険しい表情をした尖った歯の大工が会話する場面も描かれました。大工は、よい子にしていたご褒美として店内の商品を何でも買ってやると少女に伝えます。少女が選んだのは、2人で分けて食べるための大きな袋入りのキャンディでした。大工が彼女を少しでも喜ばせようとしていることが伝わる一方、少女の周囲には強い孤独が漂っています。怪異だけでなく、住民たちの不器用な優しさや孤立も物語の重要な要素になりそうです。

山、鉱山、そして村人の居場所

マップには図書館や診療所、屋敷、建設現場などの施設が表示されます。農場の先にある山道を進むとハイキングコースのような場所があり、その頂上には釣り場が用意されています。山の反対側には滝のそばの釣り場も存在し、マップ上では各村人がその時点でどこにいるのかも確認できます。

プレビューでは、農場から山道を進み、素材を集められる鉱山へ入った後、夕暮れの森を抜けて村へ戻る流れが紹介されました。最後は、村人たちが集まる小さな食堂で食事をする場面へつながります。そこにいる人々は同じ空間を共有しているものの、互いに心を開いているわけではありません。原文では、この食堂の様子が「孤立した者同士が集まる場所」として描写されています。

本作の美術表現もプレビューで強調された要素です。村や山道は油彩画から抜け出してきたような見た目に仕上げられ、川面には陽光がまだらに揺らめき、橋の下にはスイレンの葉が浮かびます。釣り場のそばでは、村人が折りたたみ椅子やクーラーボックスを持ち込んでいることもあります。こうした小さな生活の痕跡が、穏やかな村の雰囲気を支えています。

一方で、光と線の使い方は恐怖の演出にも直結しています。鉱山では、にじんだような暗闇と輪郭の曖昧な景色が、内部に何かが潜んでいるような不安を生み出します。夕方になって木々の影が日光を遮ると、村の周囲に正体の分からない悪意が迫っているように感じられるとのことです。明るい農場と不穏な鉱山を単純に分けるのではなく、日中の景色そのものに少しずつ異常を混ぜている点が特徴です。

夜に始まる怪異と、まだ明かされない謎

夜になると、村の決まりを破って外へ出られます。鹿月村では夜間の外出が禁じられていますが、死んだニワトリの幽霊に導かれ、主人公は農場から村へ向かうことになります。夜は、日本の folklore に登場するような怪異が通りを徘徊する、本作のもう1つの側面です。ただし、今回のプレビューで示されたのは導入部分が中心で、夜の時間に何が起こるのかは詳しく明かされませんでした。

紹介された場面では、大きな頭部を持つ老人のような姿の霊が、村の狭い通りを主人公に追いすがります。その後、主人公は森の開けた場所へ逃げ込み、中央に立つ大きな光る木を目にします。木の中には誰かが閉じ込められており、助けを求める声が聞こえます。ここでプレビューは終了しました。

Stebbins氏は、導入後の夜の場面は、今回の実演ほど一本道ではないと説明しています。夜間パートの目的や怪異の正体、村の規範が作られた理由などは、今後のプレイを通して確かめていくことになりそうです。原文筆者は、夜の内容がまだ断片的だった一方、昼の農場生活と村の描写だけでも本作の方向性は十分に伝わったとしています。

日本ではすでに発売され、Nippon Ichi Softwareのここ数年の作品の中でも特に人気を集めている本作。海外版では、農作業のゆったりした日常、住民同士の孤独、そして夜の怪異がどのように結びつくのかが注目されます。海外向けの発売日は10月27日です。