RPGの恋愛要素、物語との結びつきが強い8組を紹介
2026年09月05日 | #レビュー | DualShockers
RPGの恋愛要素は、単なる寄り道ではなく、登場人物の変化や物語の結末にまで影響することがあります。原文筆者は、キャラクター同士の相性、メインストーリーとの関わり、苦悩や葛藤の描かれ方を重視し、特に印象に残った8組のロマンスを選びました。なかでも1位には、恋愛を通じてキャラクターの悲劇性が深く描かれる関係が挙げられています。
キャラクターの対照が魅力になるロマンス
8位は、Cyberpunk 2077のジュディ・アルバレスです。本作には複数の恋愛ルートがありますが、原文筆者はジュディの人物描写とロマンスの完成度が際立っていると評価しています。彼女は知的で、仲間や所属するギャングへの忠誠心が強い人物です。メインストーリーにも一定の存在感を持ちながら、物語全体の混乱から少し離れた場所にいるため、主人公Vにとっては安らぎを感じられる存在として機能します。
ジュディの恋愛は、ゲームにおけるレズビアンのキャラクターと関係性の描写としても重要だと原文筆者は見ています。人を守ろうとする彼女の姿勢と、落ち着いた物腰は、危険と暴力に満ちた本作の世界でVを支えるものです。恋愛が物語のすべてを変えるわけではないものの、ジュディ自身の価値観やVとの距離感が丁寧に描かれる点が評価されています。
7位は、Star Wars: The Old Republicのヴェットです。男性シス・ウォリアーのストーリーで恋愛対象となるキャラクターで、シスの戦士とは一見すると釣り合わない組み合わせに見えます。しかし、原文筆者はこの正反対の性格こそが、ふたりの魅力だとしています。
ヴェットが不安を抱えやすく、抜け目のないユーモアの持ち主であるのに対し、シス・ウォリアーは自信に満ち、正面から相手を打ち破るような人物です。性格は大きく異なりますが、その衝突が優れた化学反応を生み出します。ふたりの会話には軽妙なやり取りが多く、Star Wars: The Old Republicに用意された恋愛ルートの中でも、特に楽しく、印象に残る関係として紹介されています。
6位は、The Witcher III: Wild Huntのイェネファーです。ゲラルトの恋愛相手をめぐってはトリスとイェネファーのどちらを選ぶかが議論になりますが、原文筆者はイェネファーとゲラルトの結びつきが、ジンの魔法だけでは説明できないほど深いとしています。ふたりはシリにとって親のような立場にあり、互いに対して別の関係では得られないほど強い思いを抱いています。
イェネファーは必要に迫られて冷酷に振る舞う人物ですが、ゲラルトの前では自分を守るための壁を下ろし、彼を信頼することができます。ふたりはともに多くの苦難を経験しており、関係の中では一方が他方に従うのではなく、対等な立場に立っています。信頼、愛情、尊敬によって成り立つ関係として描かれる点が、原文筆者にとって大きな魅力です。
時間をかけて育まれる関係と、意外な組み合わせ
5位は、Kingdom Come: Deliverance IIのヘンリーとハンスです。Warhorse Studiosがこのふたりの恋愛を盛り込んだことは、原文筆者にとって予想外の展開でした。作中では、ヘンリーとハンスの関係を中世文学に登場するランスロットとガレハウドになぞらえる描写があります。この物語については、ふたりの関係をクィアなものとして読むことも可能だと多くの研究者が考えている、と原文筆者は説明しています。
ヘンリーとハンスの関係が印象的なのは、2作にわたって積み重ねられた友情が恋愛へとつながっていくためです。突然生まれた感情ではなく、互いを尊敬し、相手を理解してきたふたりが自然に距離を縮めていく展開として描かれます。騎士の伝説にはあまり知られていない側面があることを示す、意欲的な描写だと原文筆者は評価しています。
4位は、Star Wars: Knights of the Old Republicのバスティラです。彼女は天才的なジェダイとして知られていますが、主人公と出会った当初は口数が少なく、無愛想で、傲慢かつ冷淡な態度を取ります。高潔なジェダイという評判からはかけ離れた人物として登場するため、主人公との関係は反発から愛情へ移り変わる「敵対関係から恋愛へ」の展開になります。
バスティラが主人公の正体を知ったうえで接していたことは、物語の中で大きな裏切りとして描かれます。同時に、その秘密を抱えていた彼女自身の葛藤も、恋愛の説得力を高める要素です。バスティラは本来なら距離を置くべき相手に惹かれていき、主人公との間には強い相性が生まれます。原文筆者は、その過程をシェイクスピア喜劇のようだと表現し、当時の技術的な制約がありながらも、人物の変化と関係の流れは現在でも魅力的だとしています。
3位は、Baldur's Gate 3のアスタリオンです。本作には多くの恋愛ルートがあるため、ひとつだけ選ぶのは難しいとしながら、原文筆者はアスタリオンの抱えるテーマと苦悩が、多くのプレイヤーにとって重要な意味を持つと考えています。物語の進行に伴って印象が弱まる恋愛ルートもある一方、アスタリオンのルートは、彼が自分の感情を表現し、過去と向き合えるようになるにつれて、むしろ深まっていきます。
特にダークアージとの関係では、ふたりが抱える苦しみの類似性が強く表れます。スポーンの道でもレジストの道でも、両者は長い間、虐待的な力に支配されてきました。しかし、その支配を乗り越え、よりよい生き方を選ぼうとします。ほかの恋愛対象にも過去の苦悩や成長はありますが、アスタリオンとダークアージは互いの葛藤を鏡のように映し出す存在です。相手が見ている人物へ近づこうとする過程が、ロマンスそのものとキャラクターの再生を結びつけています。
物語全体を変える深い結びつき
2位は、Mass Effect Trilogyのリアラです。シリーズには優れた恋愛関係が複数あるものの、原文筆者は最終的にリアラを選びました。Mass Effect 1の時点では、彼女のことを特に好意的に見ていたわけではないとしながらも、1作目から2作目にかけての成長は非常に印象的だと評価しています。2作の間でリアラの人物像は大きく変化しますが、それはシェパードが不在だった期間に彼女が経験した出来事の結果として理解できます。
シェパードとリアラの関係は、無条件の愛情と互いへの献身によって描かれます。リアラがシェパードに贈る記憶ボックスや、リーパーとの決戦を前にした最後の時間など、ふたりの結びつきを象徴する場面も多くあります。銀河規模の危機を描くシリーズにおいて、ふたりの関係は「守る価値のあるもの」が何なのかを示す役割も担っています。原文筆者は、穏やかで温かい関係でありながら、性格の異なる者同士が惹かれ合う組み合わせでもあるとしています。
1位は、Dragon Age: Inquisitionのソラスです。原文筆者は、複雑な人物が数多く登場するシリーズの中でも、ソラスは特に興味深いキャラクターだと評価しています。外見から話し方に至るまで、彼の描写には意図が込められており、作品世界の歴史の中心に位置する人物でもあります。ソラスは世界の救済者であると同時に、物語における主要な敵対者でもあり、その二面性が恋愛ルートによってさらに明らかになります。
審問官との関係では、ふたりの人生が鏡写しのように描かれます。審問官はセダスで最も強大な勢力のひとつを率い、やがて宗教的な象徴にもなります。一方のソラスは、ゲーム内の世界を形作った古代の魔術師です。立場や背負っているものは大きく異なりますが、ふたりは互いを対等な存在として見ることができます。
この恋愛ルートで明かされるソラスの一面は、彼のキャラクターをより悲劇的なものにします。ふたりの間には強い憧れや愛情がある一方で、それだけでは埋められない隔たりも残ります。原文筆者は、この関係を「愛だけでは足りないことがある」という悲しみに満ちた物語として捉えています。恋愛がキャラクターの背景を補足するだけでなく、世界の歴史や本作の対立そのものを理解する手がかりになる点が、8組の中で最も高く評価された理由です。
原文筆者が挙げた8組は、すべてが同じ形でメインストーリーに影響するわけではありません。それでも、相性のよい会話、互いの価値観を変える関係、過去の傷を乗り越える過程などを通じて、それぞれの作品に恋愛要素を組み込んでいます。プレイヤーが進む道を選べるRPGだからこそ、恋愛が単独のイベントではなく、キャラクターの生き方や物語の結末と結びつくことに価値がある、というのが原文筆者の見方です。