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『Viva Piñata』はかわいい庭づくりにRareの過酷さを潜ませた

2026年09月06日 | #その他 | GamesRadar+

『Viva Piñata』はかわいい庭づくりにRareの過酷さを潜ませた

かわいらしい動物たちを集める庭づくりゲームでありながら、住人同士の捕食や病気、取り返しのつかない事故まで描いていた点が、『Viva Piñata』の大きな特徴です。原文筆者は、Slime RancherやPalworldのような作品が登場した現在でも、Rareが生み出したこの独特なゲーム体験の続編を求めています。本作は、子ども向けの明るい見た目と、Rareらしい厳しさを同居させたタイトルでした。

Rareの再起を担った庭づくりゲーム

Rareは1990年代、任天堂とともにスーパーファミコン、ゲームボーイ、NINTENDO 64向けの代表作を手がけました。しかし2002年にMicrosoftがRareを買収すると、同社はMicrosoftのゲーム機向けファーストパーティー開発会社へと立場を変えます。その移行期に発売された4作品は、任天堂時代のヒット作と同じ規模の批評的・商業的成功には届きませんでした。

2006年に発売された本作は、そんなRareの再起を担う作品として位置づけられました。対象は若年層で、ゲームだけでなくアニメーション番組を含む大規模なフランチャイズ展開も想定されていたとされています。実際には、期待されたほどの成功を収めたとは言いにくい結果でしたが、過去のRareが持っていたデザイン面の魅力が失われていないことを示す作品になりました。

プレイヤーに与えられるのは、手入れされていない土地です。そこへ植物を植え、装飾を配置し、動物の姿をしたピニャータを呼び込んで、にぎやかな庭へと変えていきます。登場するピニャータは60種類で、ArocknidからZumbugまで、それぞれ菓子を思わせる名前と個性的なデザインが用意されています。

ピニャータを庭の住人にするには、種類ごとに異なる条件を満たさなければなりません。巣作りに必要な木を植えたり、水場を用意したり、食べ物となる植物や別の生き物をそろえたりする必要があります。最初は穏やかな作業に見えますが、庭を整えた結果として新しい種類が姿を現し、条件を満たすことで訪問者が正式な住人になる流れには、確かな達成感があります。

訪れたばかりのピニャータはモノクロですが、住み着くと青や黄色、紫などの鮮やかな色に変化します。努力の成果を見た目で実感できる仕組みであり、原文筆者はこの変化を、本作がプレイヤーに与える視覚的な報酬として捉えています。動物たちの細かな動きも愛らしく、庭を歩く、食べる、争うといった何気ないアニメーションまで丁寧に作られていました。

かわいさの下にある食物連鎖

本作は、見た目のかわいさだけで成り立つゲームではありません。進行に合わせて新しい課題が少しずつ追加され、庭の管理は次第に複雑になります。その代表が、ほかのピニャータを食べなければ住み着かない「piñatavores」です。

たとえばMousemallowを庭に呼び、それをSyrupentに食べさせ、さらにSyrupentをMacaracoonの餌にするというように、上位の生き物を呼ぶために下位の生き物を犠牲にする必要があります。動物を繁殖させる場合も、別の条件を満たして機嫌を整えなければなりません。結果として、かわいがっていた住人を別のピニャータの餌にするかどうかを判断させられます。

この仕組みは、単純な収集ゲームとは異なる感情を生みます。たとえばPretztailsを繁殖させるために、庭に住み着いた2匹のBunnycombを利用したいとします。Bunnycombを繁殖させれば頭数を増やせますが、生まれたばかりの個体をPretztailに食べさせることもできます。庭を効率よく発展させるための行動が、同時に住人への愛着を裏切る行動にもなり得るのです。

さらに進むと、庭を脅かす要素が増えていきます。Sourと呼ばれるピニャータは、住人を毒する菓子を落とします。雑草は突然生えて既存の植物を枯らし、仮面を着けたRuffianは庭を荒らして住人同士の争いを引き起こします。ピニャータを増やし、植物を育て、好きな住人のために家を建てるという穏やかな作業は、少しずつ危機への対応に置き換わっていきます。

Rareらしい「子ども向け」の残酷さ

Rareは、Banjo-Kazooieのような親しみやすい作品だけでなく、Killer Instinct、GoldenEye 007、Perfect Darkといった刺激の強い作品でも知られていました。Diddy Kong Racingに登場した愛らしい動物キャラクターのConkerを、下品な言葉を使い酒に酔い、短銃やチェーンソーを振り回すリスへと変えた例からも、同社がかわいさと過激さを切り替えてきたことが分かります。

本作の暴力表現は、あくまで子ども向けの範囲に抑えられています。ピニャータが倒されると、体が割れて中から菓子がこぼれ、子どもたちの歓声が響きます。しかし、プレイヤーがその個体を庭に呼び、名前を付け、時間や資金をかけて育ててきたなら、単なるコミカルな演出では済みません。機械的な報酬によって名前を付ける行動を促し、固有の名前を持つ住人への愛着を自然に積み上げる設計になっています。

そして、こぼれた菓子は別のピニャータに食べられます。大切にしていた個体の残骸を、かつての仲間や伴侶だった生き物が口にする場面すら起こり得ます。子ども向け作品でも、愛着を持った動物の死を描くこと自体は珍しくありませんが、本作は食物連鎖を通じて、その後の光景までプレイヤーに見せます。原文筆者は、こうした表現を、明るい世界に残された生々しい「命の循環」として紹介しています。

病気になったピニャータを狙って庭に現れるDastardosは、その残酷さを象徴する存在です。地面から少し浮いたまま移動する、ピカソ風の仮面を着けたキャラクターで、病気の住人を「治療」する名目で大きな棒を振り下ろします。ゲーム内の説明では、ピニャータを落ち着かせるための陽気な歌を発明したとされていますが、実際に行うのは住人を叩き割ることです。庭が忙しくなるほど、Dastardosは頻繁に姿を見せるようになります。

事故を防げない操作とセーブの重み

本作が緊張感を高める理由の1つは、操作がわずかに不正確なことです。ゲームはリアルタイムで進み、プレイヤーは庭全体を完全に把握できません。シャベルは強力な道具ですが、狙った場所へ正確に介入できるとは限らず、長い棒を使って繊細な作業をしているようなもどかしさがあります。

野生のピニャータが庭へ侵入すると通知が表示されますが、対応が遅れれば、住人が襲われてから気づくことになります。植物の水切れ、住人同士の争い、開きっぱなしの柵、Sourが残した種や毒のある菓子など、同時に複数の問題が発生することもあります。通知が次々と届くため、単なる水やりの知らせに埋もれた重大な危機を見落とす場面も生まれます。

たとえば、2匹のお気に入りが争っていることに気づいてシャベルを手に取った時には、片方が病気になっているかもしれません。肉食のCocoadileが、衣装まで用意したQuackberryを食べていることに気づいても、救出が間に合わない可能性があります。Sourが残した種を探している間に、赤く醜い植物が庭いっぱいに広がり、炎や毒ガスでピニャータの集団を閉じ込めることもあります。

こうした事故が起きても、素早くセーブやロードを行ってなかったことにする手段は用意されていません。完全なアイアンマンモードではないものの、基本的には発生した結果を受け入れて庭を立て直すことになります。どうしても回避したい場合は、プレイ中にゲームを終了し、都合のよいオートセーブが残っていることを願うしかありません。

原文筆者は、この仕様があるからこそ本作への愛着が強まると見ています。十分にゆっくり進められる序盤で、プレイヤーは庭や住人に感情移入します。その後に本作は、病気や捕食、侵入者、操作の遅れによる事故を突きつけます。Banjo-Kazooieの明るさと、Killer InstinctやBattletoadsに通じる厳しさが、同じ庭の中で交差しているのです。

独自性を持ちながら広がりきらなかった作品

本作は続編やスピンオフを複数生み出せる程度には支持されましたが、Rareの最大級のヒット作と比べると売上は小規模でした。子ども向けのかわいらしい作品でありながら、住人を餌にし、育てたピニャータの死を見届け、セーブで簡単にやり直せないという性質は、想定された市場の中で立ち位置を難しくしたと原文筆者は指摘しています。

その後、RareはMicrosoftとの結びつきを強め、Xbox Live向けのアバターやKinect用タイトルを手がけるようになりました。2018年には、Sea of Thievesによって同社が再び注目を集め、新たな代表作を目指す転機に立っていたとされています。ただし、そこで本作の新作が登場したわけではありません。

原文筆者が現在も新しいViva Piñataを望む理由は、動物を集めるゲームが増えたからというだけではありません。植物、住居、繁殖、食物連鎖、リアルタイムの危機管理を1つの庭に組み込み、愛着を育てた直後にその愛着を試す構造は、単なる癒やし系ゲームとは異なります。明るく無害に見える世界の中へ、Rareが得意としてきた不安定さと過激さを自然に溶け込ませた点こそ、本作が今も記憶に残る理由です。