『Super Street Fighter 2: Turbo』開発関係者が30年以上越しの再調整に意欲
30年以上にわたって対戦環境が研究されてきた格闘ゲームに、オリジナル開発者のひとりが再調整の可能性を持ちかけました。『Super Street Fighter 2: Turbo』に関わった西谷亮氏が、発売から32年を経た2026年9月、バランス調整に挑戦してみたいとの考えをX(旧Twitter)で示しています。長年愛されてきたゲームだけに、実現すれば歓迎よりも慎重論が先行する可能性があります。
西谷氏が30年越しの再調整に関心
西谷氏は、Street Fighter 2やFinal Fightのオリジナル開発者のひとりです。1994年にアーケードで稼働した本作について、EventHubsが紹介・翻訳した投稿では、「もう一度調整しても大丈夫だろうか。自分はそれほど深く関わっていなかったが、可能なら挑戦してみたい。弱体化祭りになったら申し訳ない」といった趣旨を語っています。
この発言は、単なる過去作の振り返りではなく、長年固定されてきた対戦バランスを現在の視点で見直す構想として注目されています。一方で、西谷氏は1995年にカプコンを離れて自身のゲーム開発会社アリカを設立しており、現在も同社でゲーム開発を続けています。そのため、実際に再調整を行うには、カプコン側の判断や権利上の調整も必要になると考えられます。
コミュニティからは慎重論
本作は、強力すぎる技やキャラクター間の不均衡を抱えながらも、30年以上にわたって支持され、現在も対戦コミュニティが活動を続けるタイトルです。その完成度やゲーム性だけでなく、長年積み重ねられた攻略知識や対戦経験そのものが作品の一部になっているため、バランス変更が必ずしも歓迎されるとは限りません。
長年の格闘ゲーム実況者であり、コミュニティ史の研究者でもあるJames Chen氏は、変更の方向性によってはプレイヤーから受け入れられない可能性が高いと指摘しています。Chen氏によれば、春麗がスーパーコンボのゲージを保持できる仕様を削除すれば、キャラクターとしての面白さが失われる一方、E・本田の溜めた大銀杏投げをなくせば、対戦相手にとっては戦いやすくなるものの、本田の個性は変化します。
同氏は、理屈の上では修正すべき要素があっても、変更によってゲームが良くなるとは限らないと説明しています。別のプレイヤーも、不均衡な部分を含めて愛されている作品であり、30年以上経っても活発な対戦環境が残っている以上、調整する場合は変更内容を極めて慎重に検討すべきだとの見方を示しました。
過去にも再構成版は登場
カプコンはこれまでにも、シリーズの過去作へ新たなアレンジを加えてきました。2008年にはSuper Street Fighter 2 Turbo HD Remixを発売し、当時の批評家から好意的に受け止められています。2017年にはSwitch向けにUltra Street Fighter 2を展開し、グラフィックの更新や追加キャラクター、バランス変更を盛り込みました。
ただし、これらは元のゲームをそのまま変更するのではなく、追加要素や新たな仕様を備えた再構成版です。今回話題になっているのは、長年親しまれてきた本作そのものに、あらためて調整を施すという発想です。なお、アリカは格闘ゲームFighting EX Layerでも知られています。同作は1990年代半ばのStreet Fighter EXシリーズにつながる作品として位置づけられており、西谷氏の格闘ゲーム開発との関わりは現在も続いています。
Street Fighter 6が成功を収めている現在、カプコンが30年以上前のタイトルを再び大規模に見直すかどうかは不明です。仮に企画が進むとしても、単純な強キャラクターの弱体化ではなく、既存プレイヤーが積み上げてきた本作の魅力をどこまで維持できるかが大きな課題になります。