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音楽の物理メディアが再浮上 CD売上58.6%増でゲーム業界にも示唆

2026年09月10日 | #売上・ランキング | GamesRadar+

音楽の物理メディアが再浮上 CD売上58.6%増でゲーム業界にも示唆

デジタル化が進むなか、米国ではCDとレコードの売上が大きく伸びています。RIAAの2026年上半期報告によると、CD売上は前年同期比58.6%、アナログレコードは17.7%増加しました。ストリーミングが主流であり続ける一方、所有できる物理メディアの価値が改めて注目されており、ディスク離れが進むゲーム業界にも重なる動きとなっています。

CDとレコードが伸びた米国音楽市場

米国の音楽市場全体の収益は6.9%増加し、米国のインフレ率を上回ったとRIAAは報告しています。ストリーミング収益は4.7%、有料サブスクリプションは6.4%伸びましたが、成長率で目立ったのは物理メディアでした。録音音楽の総収益に占めるストリーミングの割合は82%に達しており、CDやレコードが市場の中心に戻ったわけではありません。それでもRIAAは、レコード、CD、音楽を映像などに利用するシンクロナイゼーション・ライセンスがいずれも2桁成長を見せたことについて、アーティストがファンとつながる手段の幅が広がっているとしています。

このCD売上の急増には、規模の大きいK-popアルバムが一部影響したとするLuminateの以前の報告もあります。ただし、その特殊要因を考慮しても、CDは音楽を再生するためだけの媒体から、手頃なコレクターズアイテムへと位置づけが変わったとLuminateは分析しています。購入者のなかには、買ったCDを再生できる機器を持っていない人も少なくないとのことです。Luminateは、若い世代にとって物理メディアを買う行為は、音楽を聴くことだけでなく、デザインを含めた所有感やアーティストへの直接的な金銭的支援にも結びついていると説明しています。

ゲームのディスク市場にも重なる構図

この動きは、物理メディアの存続が問われているゲーム業界にも示唆を与えます。音楽とゲームではディスクの役割や販売構造が異なるものの、デジタルが大半を占める市場のなかで、熱心なファン向けの物理商品が所有感を生み、作品を日常のなかに残す手段になるという点は共通しています。物理版は、単なるデータの受け渡しにとどまらず、クリエイターがファンに届けられる接点を増やす商品にもなり得ます。

一方、ゲーム業界ではPlayStationが2028年1月以降にディスク対応を終了する可能性が、物理メディアをめぐる議論の大きなきっかけになっています。音楽でCDやレコードが再評価される一方、ゲームではディスクを利用できる環境そのものが狭まりつつあるという対照的な状況です。デジタル購入はサービスやアカウントに依存し、アクセスが取り消される可能性があるのに対し、原文筆者は手元に残るディスクなら好きなメディアへのアクセスを確保できると指摘しています。

「所有」の意味が変わるデジタル時代

物理メディアの再浮上は、デジタル配信が失敗していることを示すものではありません。音楽ではストリーミングが収益の82%を占め、デジタル販売が主力である状況は変わっていません。そのうえで、物理商品には、ジャケットやパッケージを含めて作品を所有する感覚、アーティストを直接支援している実感、サービス終了後も手元に残る安心感があります。

原文筆者は、ゲームのデジタル所有をめぐる議論として、Sonyの弁護士が「誰もデジタルゲームを本当に所有しているとは考えない」と主張した例にも触れています。デジタル販売では、同じゲームを複数の人が購入できる仕組みが必要になるため、物理的な所有権とは異なるという理屈です。音楽とゲームの物理版を単純に同一視することはできませんが、CDを再生機器なしでも買う消費者がいるという事実は、物理商品が機能だけでなく、所有感や支援の意思を届ける存在になっていることを示しています。