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『BrokenLore: Don’t Lie』が発売、引きこもりの女性とAIコンパニオンを描く心理ホラー

2026年09月11日 | #発売情報 | Xbox Wire EN

『BrokenLore: Don’t Lie』が発売、引きこもりの女性とAIコンパニオンを描く心理ホラー

記憶と現実の境界が崩れていくなか、ひきこもりの女性が封じ込めてきた過去と向き合う心理ホラーが登場しました。Serafini Productionsが手がける『BrokenLore: Don’t Lie』は、単独で楽しめる作品でありながら、社会的な問題を異なる人物の視点から描くBrokenLoreシリーズの一編でもあります。Xbox Series X|SとPCで購入できます。

ひきこもりの女性、Junkoの物語

本作の主人公は、外の世界から長年距離を置いているJunkoです。彼女は過去に受けたトラウマを抱え、現実から隔絶された生活を送っています。しかし、閉じこもる時間が長くなるにつれ、Junkoの周囲では記憶と現実の境界が少しずつ壊れていきます。

彼女にとって見慣れた場所は、やがて過去を映し出す空間へと変化します。探索を進めるなかで、抑圧してきた人々、出来事、感情が再び姿を現し、Junkoは自分が逃げ続けてきたものと向き合わなければなりません。記憶や恐怖が現実の風景に入り込み、プレイヤーが見ているものの信頼性も揺らいでいく構成です。

作品紹介では、Junkoは「父親がいつもそばにいながら、心から寄り添ってくれることはなかった」環境で育ったと説明されています。わずかな交流の試みも拒絶や屈辱に結びつき、彼女は外界との接触を避けるようになりました。こうした背景を踏まえ、物語は単なる怪異との遭遇ではなく、孤立に至った経緯と、その内面にある傷をたどるものとして描かれます。

現実を疑いながら進む探索

ゲームは日本を舞台にした一人称視点の心理ホラーで、探索、調査、身を隠す行動を通じて物語を進めます。主な舞台となるJunkoのアパートや、その周囲に広がる歪んだ空間を調べ、メッセージ、ファイル、環境に残された手がかりから隠された事実を読み解いていきます。

恐怖を前面に押し出した派手な展開ではなく、ゆっくりと不安が積み重なる進行が特徴です。見慣れた環境はJunkoの記憶に形づくられた異質な場所へ変わり、現実の風景と、記憶や恐怖が具現化した空間とのあいだを行き来することになります。どの光景を現実として受け止めるべきか分からなくなる状況そのものが、本作の緊張感につながっています。

また、プレイヤーの行動を追跡する正体不明の存在も登場します。常に正面から対峙するのではなく、姿を見られないよう注意しながら移動し、相手に気づかれないことが重要になります。探索によって情報を集める要素と、行動を慎重に選ぶステルス的な緊張が組み合わされています。

Don’t Watchとのつながり

本作のJunkoは、BrokenLoreシリーズの別作品であるDon’t Watchの主人公、Shinjiと関係があります。2人は2020年、リハビリテーションセンターで出会いました。異なる精神疾患の治療を受けていた2人は、それぞれの事情からひきこもりになったとされています。

Don’t WatchではShinjiが孤立することになった経緯が描かれ、本作ではJunkoの物語が中心になります。両作品は同じ世界の出来事を扱いますが、本作単独でも物語を楽しめる構成です。シリーズ全体では、各作品がそれぞれの人物やテーマを掘り下げながら、より深く読み込むことで断片同士がつながっていく物語を目指しています。

ホラーを通じて描く社会的テーマ

BrokenLoreシリーズは、ホラーゲームであることだけを目的にした作品群ではありません。Serafini ProductionsのCEO兼創設者Sebastiano Serafini氏は、ホラーを物語を伝えるための手段と位置づけ、その中心には人間的な体験があると説明しています。作品ごとに異なる社会的問題を取り上げ、独立した物語として成立させながら、シリーズ全体では複数の視点をつなげていく方針です。

本作が扱うひきこもりは、日本だけに限られる問題ではありません。一方で、Serafini氏は日本で長く暮らした経験を通じて、社会からの撤退や孤立が日本でどのように語られ、受け止められているかに関心を持ったとしています。その関心が、Junkoという人物と彼女の閉ざされた世界を描く出発点になりました。

さらに本作では、AIコンパニオンとの関係もテーマのひとつになります。AIツールは情報を調べるためだけでなく、個人的な悩みを相談したり、助言を求めたりする目的でも利用されるようになっています。そうした周囲の変化が、作中のキャラクターであるMiki-chanを生み出すきっかけになったとのことです。孤立した人間がAIとどのような関係を築くのかは、Junkoの物語と並ぶ本作の重要な要素として描かれます。

Serafini Productionsは、Wired ProductionsおよびShochikuの支援を受けながら、BrokenLoreの世界で今後もさまざまなテーマ、人物、物語を扱っていく考えを示しています。今回の作品は、Junkoの過去と孤立を軸に、記憶、トラウマ、現実認識、そしてAIとの関係をホラーとして描く一作です。