『My Time at Sandrock』は2027年登場予定の続編に備えて遊びたい一作
2026年09月11日 | #ゲーム紹介 | DualShockers
続編My Time at Evershineの登場が2027年に予定されるなか、前作にあたる『My Time at Sandrock』を今から遊ぶ意味が大きくなっています。砂漠の町を再建するクラフトゲームでありながら、RPGらしい物語やキャラクターとの交流も楽しめるため、ジャンルをまたいだ魅力を持つ作品です。原文筆者は、続編の舞台や登場人物をより深く理解するためにも、本作を先に体験しておく価値があるとしています。
続編に向けて物語を振り返る価値
My Time at Evershineは、My Time at Portiaと本作から続く物語の流れに位置づけられています。舞台や設定の詳細は異なるものの、Evershineには本作で主要NPCとして登場した人物の一部が関わる見込みで、Sandrockで描かれた出来事が新作の背景を形作ることになります。Evershineだけを遊んでも物語を追える可能性はあるものの、先に本作をプレイしておけば、世界観や登場人物、次の町が必要とされる理由をより理解しやすくなると考えられます。
本作の後半では、Free Citiesの北方国境に新たな発展の場としてEvershineが設立される経緯につながる情報も描かれます。Evershineでは、従来のシリーズ作品のようにBuilderとして工房を運営するのではなく、町の知事として地域を導く立場になる予定です。本作から3年後の時代が舞台となり、Free CitiesとDuvosの緊張がさらに高まる可能性も示されています。さらに、本作ではEvershineに関係する人物や、恋愛対象となる候補のうち少なくとも2人が登場しています。
そのため、本作は単独で完結した作品であると同時に、次の物語へ移る前の重要な章にもなっています。続編の設定を予習したい場合はもちろん、シリーズの世界がどのように広がっていくのかを見届けたい場合にも、今から遊ぶ理由があります。
癒やし系の雰囲気とRPGの手応えを両立
本作の基本は、工房を運営しながら資源を集め、町の再建に必要な部品や建造物を作っていく生活です。ただし、静かに作業を繰り返すだけのゲームではありません。会話や物語上の出来事を通じて主人公の立場が変化し、戦闘や工房での活動によってスキルも成長していきます。戦闘を行えばCombatスキルに、工房を使ったり機械で完成したアイテムを回収したりすればWorkshopスキルにポイントが加わる仕組みです。
プレイヤーは決められた一本道を進むのではなく、自分が重視した行動に応じて能力を伸ばせます。戦闘を中心に探索することも、製造や町の整備を優先することも可能で、行動そのものが成長につながります。会話の選択やストーリー上の反応も主人公の体験を形作るため、クラフトゲームの気軽さに加えて、キャラクターを育てるRPGとしての満足感も得られます。
この組み合わせは、癒やし系ゲームを好む人だけでなく、物語や戦闘を重視するRPGファンにも向いています。反対に、RPGに慣れていない人が落ち着いたペースでキャラクター育成や探索に入っていく作品としても機能します。原文筆者は、リラックスできるゲームループと、長時間遊び込めるRPG要素のバランスを本作の大きな魅力として挙げています。
砂漠の環境と町の住人が世界を形作る
舞台となるのは、かつての文明の遺跡の上に築かれた砂漠の町です。砂嵐によって新たなスクラップや遺物が地表に現れ、変異した動物も周辺を徘徊します。資源は豊富に用意されているわけではなく、限られた材料をどう再利用するか、どの資源を優先するかを考えながら町を発展させることになります。環境そのものがゲームシステムと物語の両方に関わっており、単なる背景ではなく、町の再建を迫る存在として描かれています。
本作では、砂漠という環境に合わせたクラフトや農業も採用されています。スクラップを回収して別の用途に作り替えたり、水の代わりとなる露を集めたりしながら、工房や町の設備を維持していきます。農業では、一般的な生活シミュレーション作品で見られる方法とは異なり、中国で砂漠の拡大を防ぐために使われる「ストローチェッカーボード技法」を取り入れています。乾燥した土地で作物を育てるという設定が、独自の農業システムにも反映されています。
町で暮らす住人たちも、本作を支える重要な要素です。住人とは会話やプレゼント交換ができるほか、決闘やカードゲーム、友情関係や恋愛関係を築くこともできます。PlaydateやDateを通じて、普段の会話だけでは分からない過去や価値観に触れられる場面もあります。原文筆者は、住人の1人であるHeidiが、がんと闘う子どもたちへの連帯を示すために髪を切ったというエピソードを例に挙げ、主要人物に限らず、町の住人それぞれが独自の人格や来歴、人間関係を持っていると説明しています。
100時間規模の物語とPatheaへの信頼
本作のメインストーリーは、原文筆者の見積もりで約100時間に及びます。物語の軸は大きく2つあり、1つは盗賊Loganへの対処、もう1つは砂漠の環境を立て直す取り組みです。前者は危険や戦闘を伴う展開が中心となり、後者では土壌の状態を改善し、木を植え、町へのアクセスを良くするインフラを整備していきます。
性質の異なる2つの物語は別々に進むのではなく、互いに影響し合いながら町の未来へとつながります。プレイヤーの行動によって土壌や設備が改善され、住人の生活が変化していくため、世界に実際の変化をもたらしている感覚を得られます。全体の雰囲気はユーモラスで、登場人物の騒動や軽妙な台詞が多い一方、町の過去や失われた人々をめぐる場面では感情的な展開も描かれます。
原文筆者は、住人たちが大切な人を失いながらも、Sandrockが繁栄する未来を信じて町に残っている点を評価しています。町の創設者と、すでに去った人々の写真について語る場面や、砂漠で木を育てる方法が見つかったときの住人たちの反応は、物語の希望を強く感じさせる場面として紹介されています。現実世界の気候変動への不安とは対照的に、問題を抱えた共同体が少しずつ未来を作っていく構図が、本作の温かさにつながっています。
本作を手がけたPatheaは、My Time at Portiaに続いて本作を送り出し、前作の要素を発展させながら長時間遊べる作品に仕上げたと原文筆者は評価しています。Kickstarterのプロジェクトには不確実性があるものの、同スタジオは約束した内容を実現し、コミュニティへの情報発信や意思疎通にも取り組んできたとしています。Evershineのトレーラーでは本作からのビジュアル面の改善が確認でき、プレイテスターからの意見を反映するために発売時期を1年延期したことも伝えられています。
新作を待つ時間に前作を遊ぶことで、砂漠の町の再建、住人たちの過去、Free Citiesをめぐる情勢をまとめて把握できます。癒やし系ゲームとしての気軽さ、RPGとしての成長要素、そして続編へつながる長編ストーリーを求める人にとって、今こそ本作を始める好機だといえるでしょう。