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『X-Men Origins: Wolverine』PS3版は映画延期でクランチなし、開発者が明かす

2026年09月12日 | #その他 | GamesRadar+

『X-Men Origins: Wolverine』PS3版は映画延期でクランチなし、開発者が明かす

映画のタイアップ作品でありながら、いまなお評価される『X-Men Origins: Wolverine』の背景には、異例ともいえる余裕を持った開発期間がありました。映画版の公開延期によってゲーム開発も時間を確保でき、スタッフはクランチ(長時間労働)を経験しなかったと、元開発者のAllison Salmon氏が明かしています。

映画の延期がゲーム開発に余裕をもたらした

Salmon氏はBlueskyへの投稿で、映画版の延期が理由となり、ゲームの開発では「実際にクランチをしたことがなかった」と説明しています。映画と同時展開するタイアップゲームでは、公開日に合わせるため開発終盤の長時間労働が発生しやすいものの、本作では公開スケジュールの変更によって通常より長い制作期間が生まれました。

映画版はもともと2007年に公開延期となっています。理由として、ヒュー・ジャックマン氏も出演するBaz Luhrmann監督の映画Australiaが、20世紀フォックスのサウンドステージを使用していたことが挙げられています。その後、2009年には豚インフルエンザの流行を受け、メキシコでの公開も延期されました。最終的に映画は2009年5月1日に劇場公開されています。

開発者が振り返る「遊ぶ時間」

Salmon氏は自身の開発参加時期について、ゲーム制作の初期には産休を取得していたものの、復帰後もまだ余裕があったと振り返っています。スタッフはその時間を使い、Unreal Engineをディファードレンダリング方式に変更する試みまで行いました。ただし、この仕組みは最終的にゲームでは使用されなかったとのことです。

つまり、開発期間に余裕があったことで、採用されるか分からない技術的な実験や、スタッフが「遊ぶ」ような試行錯誤にも時間を使えたことになります。Salmon氏は、こうした環境について「まだ冗談を言ったり、いろいろ試したりする時間があった」と説明しており、締め切りに追われ続ける制作とは異なる現場の様子を伝えています。

映画版との評価の差

映画版のX-Men Origins: Wolverineは、公開当時から厳しい評価を受けました。GamesRadar+の原文レビューは5点満点中3点で、初期X-Men映画3作品にあった大胆な民族浄化の筋書きを置き換え、軍がより強力な兵器を求めるという、ハルク映画を思わせるありふれた物語にしてしまったと批判しています。

一方、ゲーム版は年月を経ても好意的に語られています。映画に合わせて発売されるタイアップゲームは、作品の宣伝費を兼ねた高価な広告のように扱われがちですが、本作は単独のアクションゲームとして楽しめる内容だったと受け止められてきました。映画そのものが低評価だったからこそ、同じ題材を扱ったゲームの出来の良さが、より強く印象に残ったともいえます。

2009年前後のゲーム業界では、Red Dead RedemptionやDragon Age 2など、大作の開発現場で睡眠不足や長時間労働が問題になっていました。そうした時代に、本作のスタッフは映画延期の影響で過酷な追い込みを避け、実験的な作業にも取り組める環境を得ていたことになります。今回の証言は、創造性を発揮するには、締め切り直前まで働き続けることよりも、余裕のある制作環境が重要だと示す一例です。