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『God Save Birmingham』最新プレビューで中世ゾンビサバイバルの方向性が明確に

2026年09月12日 | #ゲーム紹介 | IGN

『God Save Birmingham』最新プレビューで中世ゾンビサバイバルの方向性が明確に

中世のイングランドでゾンビの大群から生き延びるという着想を軸にした『God Save Birmingham』が、最新ビルドで作品の狙いをよりはっきりさせています。PAX West 2026で試遊した原文筆者によると、導入部分の物語や生存要素に加え、前回のプレビューから戦闘と物理アクションも大きく改善されたとのことです。正式版では協力プレイにも対応する予定ですが、今回のデモでは体験できませんでした。

中世のゾンビ災害を描くサバイバルホラー

本作の最大の特徴は、銃や高層ビルといった現代的な要素が存在しない時代にゾンビのアウトブレイクが起きたらどうなるのか、という設定です。プレイヤーはイングランドの田園地帯を舞台に、農具や身近な物資を使って生き延びながら、やがて騎士の装備や本格的な防衛設備を作れるようになります。開発を手がけるOcean Drive Studios, Inc.は、2024年の一般公開以降、早期プレイテストで多くのプレイヤーからフィードバックを集め、コンセプトを調整してきました。

初期ビルドでは、中世のゾンビ・アポカリプスという設定そのものに物語を頼る部分が大きく、展開は比較的薄いものでした。今回のビルドでは、主人公が感染拡大からかなり時間が経った後、町の診療所に併設された教会の医務室で目を覚ますところから始まります。建物内で唯一の安全な部屋から脱出し、周囲に潜むゾンビを避けながら物資を探すことが、最初の目的です。

この導入は、物理演算を利用した移動やアクションを学ぶチュートリアルであると同時に、世界の雰囲気を伝える場にもなっています。住民がほぼ全員ゾンビと化した診療所と村から外へ出るには、衣服や食料などを確保しながら慎重に行動しなければなりません。外へ逃げれば安全になるわけではなく、そこから飢えや疲労、周囲のゾンビといった新たな問題に向き合うことになります。

日誌と宗教的な記録が示す世界観

村には聖職者や住民が残した日誌が散在しており、彼らは今回の災害を地獄が地上に現れた宗教的な審判として受け止めています。こうした記録によって、単にゾンビが徘徊する世界ではなく、未知の災厄を中世の人々がどのように理解していたのかが示されます。現代を舞台にした一般的なゾンビ作品とは異なる不安感を生み出している点が、今回のビルドの大きな変化です。

また、刷新された日誌は、プレイヤーが次に何をすべきかを考えるための基本的な手がかりにもなります。原文筆者によれば、以前のビルドは早い段階からプレイヤーをほとんど導かず、広い世界へ放り出す印象が強くありました。今回は導入部でゲームの仕組みと物語の前提を説明するため、自由に探索へ移行する流れがより自然になっています。

物語が過度にプレイヤーを引っ張るわけではなく、必要な情報を日誌から読み取り、その後の行動を自分で決める構成です。安全な場所を出た後にどこへ向かうか、何を持ち帰るか、ゾンビと戦うか避けるかは、プレイヤーの判断に委ねられます。原文筆者は、脱出のたびに異なる出来事が生まれるサバイバルホラーとしての雰囲気が、最新ビルドで明確になったとしています。

飢えや疲労と向き合う生存システム

本作では、ゾンビを倒すことだけが生存の条件ではありません。傷を負えば包帯を作って手当てする必要があり、疲労や不安を抑えながら、食料と水を確保し、可能なタイミングで睡眠も取らなければなりません。物資を探している間にもゾンビに追われるため、探索と安全確保のバランスが重要になります。

世界の描写はリアリティを重視しており、原文筆者はその方向性にProject Zomboidの影響を感じたと述べています。試遊では特に食料探しに時間を費やし、湧き水や大量のリンゴを見つけて空腹をしのいでいました。別の場面では、村の広場にある路地裏の保管場所へ逃げ込み、追ってきたゾンビをピッチフォークで倒した後、木箱を3つ運んで開口部をふさいでいます。

日が暮れるなか、原文筆者は部屋の隅で火のそばに身を寄せ、外から聞こえるゾンビの気配を警戒していました。建物内で物を動かした音を聞きつけたのか、あるいは移動中から追跡されていたのかは分かりません。近くにあった残り物のチキンを食べようとしたところでデモが終了したとのことで、物資を集めて隠れ場所を作った後も、完全な安心は得られないゲーム展開がうかがえます。

物理アクションと武器ごとの戦い方

戦闘と物理システムは、今回のビルドで特に改善された部分です。プレイヤーは周囲の物をつかみ、位置や向きを自由に変えられます。木箱やはしごをゾンビにぶつけることもできますが、物を運ぶだけでスタミナを消費するため、無制限に使えるわけではありません。スタミナを使い切って主人公が息切れすると、ゾンビの攻撃を受けやすくなります。

はしごは攻撃道具になるだけでなく、高い場所へ上るための足場や、出入口をふさぐ障害物としても利用できます。どこでスタミナを使うかを考えながら、はしごを運ぶのか、逃走のために温存するのかを判断する必要があります。物理演算による重量感は移動や攻撃にも表れており、あらゆる動作が軽快というより、重さを伴ったものとして表現されています。

武器にはそれぞれ固有のモーションがあり、攻撃力や射程、振り方の違いが戦闘スタイルを決めます。ピッチフォークは敵との距離を保ちながら、狙いを定めて突く武器です。一方、手斧は近距離向けで、攻撃の振り幅が広く、攻撃を当てやすいタイプになっています。さらに、特定の武器を使い続けるほど主人公の扱いが上達する成長要素も用意されています。

過去のビルドでは、リアリティを重視するあまり戦闘が意図的に扱いづらくされている印象がありました。最新ビルドでは操作がより自然になり、敵との交戦にも入りやすくなったと原文筆者は評価しています。とはいえ、スタミナ管理や武器の射程を無視して戦えるわけではなく、正面からの力押しよりも、周囲の物や地形を活用した判断が求められます。

正式版での協力プレイにも対応予定

Ocean Drive Studios, Inc.のコンセプトには可能性がある一方、原文筆者は初期ビルドの実装をあまり面白く感じなかったとも率直に記しています。今回のビルドでは、物語の導入、日誌による案内、現実感を重視した生存要素、そして改善された戦闘が組み合わさり、単なる設定の面白さにとどまらない方向性が見えてきました。

開発チームは、正式版で協力プレイを実装する予定だと発表しています。PAX West 2026のデモでは利用できませんでしたが、孤独な生存を基本とするゲームに仲間が加われば、探索や防衛の選択肢が変化する可能性があります。原文筆者は、協力プレイによって孤立感の強いサバイバルホラー体験が変わる余地があるとしています。

まだ開発の初期段階にあり、今後も早期プレイテストを通じて調整が続く段階です。それでも最新ビルドは、中世のゾンビ災害という着想を、導入の物語、生存システム、物理ベースの戦闘によって具体的なゲーム体験へ近づけています。プレイヤーが逃げた場所、集めた物資、封鎖した扉、聞きつけられた物音が、その都度異なる脱出劇を作る作品を目指しているようです。