ゲームキューブの埋もれた名作10選を再評価
2026年09月14日 | #ゲーム紹介 | Polygon
ゲームキューブには、当時十分な注目を集められなかったものの、独自のゲームシステムや濃密な遊びを備えた作品が数多く存在します。なかには現在のハードで遊べるタイトルがある一方、入手困難になった作品もあり、10本それぞれが異なる理由で再発見に値します。ここでは、原文で「ほぼ完璧」と評価されたゲームのなかから、特に個性の強い作品を紹介します。
アクションと対戦で独自色を打ち出した作品
Billy Hatcher and the Giant Eggは、巨大なタマゴを転がしながらステージのミッションをこなすアクションゲームです。Sonic Teamが開発しており、タマゴを運ぶ、転がす、危険を避けるといった操作を軸に、パズル的なステージを攻略していきます。2003年のホリデーシーズンには、Nintendo GameCube Preview Discにも収録されましたが、それがセガの大きなヒットにはつながりませんでした。Sonic Adventureシリーズにあっても不思議ではない仕組みを持ちながら、主流の人気を獲得できなかったタイトルです。
Gotcha Forceは、3Dシューティングと対戦アクションを組み合わせたカプコン作品です。プレイヤーは長いキャンペーンを何度も遊び、武装した大量の玩具兵士を集めていきます。集めた兵士は、最大3人のプレイヤーが操作する部隊との対戦にも使えます。アーケードゲーム風の設計は好みが分かれ、カメラには改善の余地があったとされていますが、Power Stoneのような競技性の高い作品を求める人には魅力があります。
Custom Roboは、仮想アリーナで小型の戦闘ロボットを戦わせる作品です。爆弾やホーミングポッドなどの武器、機体のカスタムパーツを組み合わせ、三人称視点または一人称視点で戦闘を進めます。勝利を重ねることで、A New Journeyと呼ばれるストーリーモードを進行でき、クリア後には新たな選択肢も追加されます。Noise Inc.が開発したシリーズは長続きしませんでしたが、ゲームキューブ版は本体上で似た作品を見つけにくい、満足度の高い1本とされています。
Odamaは、ピンボールと戦場を組み合わせた異色作です。専用マイクに向かって声で自軍へ命令を出しながら、通常のコントローラーで巨大なフリッパーを動かします。さらに、敵を打ち倒す巨大な球体「Odama」も操作に関わります。マイクは専用周辺機器として用意され、別売タイトルなどで所持していない人のためにパッケージへ同梱されました。Seamanで知られるYoot Saitoがプロデューサーを務めたことも、この作品の特異性を示す要素です。
RPGとして評価されたカードと空中世界
Lost Kingdomsは、後にDark Soulsなどで知られるFrom Softwareが手がけたファンタジーRPGです。日本ではRuneのタイトルで発売され、霧に覆われた王国を舞台に、主人公Katiaが旅をします。最大の特徴は、魔法のカードを使ってリアルタイムでモンスターと戦うシステムです。カードが通常の武器に相当するため、一般的なアクションRPGとは異なる戦い方が求められます。カードの改造要素もあり、手持ちの戦力を整えながら新しい攻略法を試せます。2003年には続編が発売されましたが、その後シリーズが続くことはありませんでした。
Skies of Arcadia Legendsは、ドリームキャスト版Skies of Arcadiaをゲームキューブ向けに展開したRPGです。キャラクターモデルの詳細化、ロード時間の短縮、追加サイドクエストなど、元の作品から内容が強化されています。空に浮かぶ美しい世界を舞台に、飛空艇同士の戦闘や、ターン制のコマンドバトルを楽しめる点が大きな魅力です。主人公Vyseと明るい海賊仲間たちの旅も印象的ですが、原文では現行の新しいハードでは遊べる形になっていないと説明されています。
Baten Kaitos: Eternal Wings and the Lost Oceanは、壮大な物語と美しい映像に、収集カードを使う複雑なターン制バトルを組み合わせたRPGです。Monolith Softとtri-Crescendoが共同開発し、ナムコから発売されました。カードを利用した戦闘は、一般的なRPGとは違う判断を要求し、ゲームキューブ用RPGのなかでも内容の厚い作品として紹介されています。続編にあたるBaten Kaitos Originsとともに、2023年にNintendo Switch向けのBaten Kaitos 1 & 2 HD Remasterとして発売され、2024年にはWindows PC版も登場しました。10本のなかでは、現在もっとも遊びやすい作品のひとつです。
Chibi-Robo!は、小さなロボットを操作して周囲に幸せを届け、「ハッピーポイント」を集めるアドベンチャーゲームです。Skip Ltd.が開発し、日本では2005年にゲームキューブ版が発売された後、北米と欧州にも展開されました。敵を倒すことを中心にせず、さまざまな環境を探索しながら人々を助ける、明るく小規模な遊びが特徴です。シリーズは作品ごとに評価が安定せず、2015年のChibi-Robo!: Zip Lashで展開を終えましたが、初代には独特の心地よさがあります。Nintendo Switch Onlineでも利用でき、Switch 2で試せる点も現在の入り口になっています。
ホラーや育成など、特に入手しにくい個性派
Geistは、任天堂作品としては珍しく、M指定の内容を持つアクションゲームです。対テロ部隊に所属する科学者John Raimiが、フランスでの悲惨な事件をきっかけに霊的な存在となり、物語が始まります。プレイヤーは無生物に「憑依」し、その物体を使って生きた人間を怖がらせたり、肉体を乗っ取ったりしながら目的を達成します。敵を直接攻撃するだけではなく、周囲の物体と人間の反応を利用して進む仕組みが特徴です。独創的なローカルマルチプレイも用意されており、アイデアを気に入った人が友人と長く遊べる設計になっています。
Cubivore: Survival of the Fittestは、立方体の姿をした生物を育てる異色のサバイバルゲームです。ほかのモンスターを食べることで突然変異を起こし、生き残るための能力を獲得していきます。単純に目の前の敵を食べ続ければよいわけではなく、どのように進化するかを考えて選択する必要があり、そこに戦略性が生まれます。交配によって、望ましい能力を持つ新しい個体が生まれる仕組みもあります。
日本では任天堂が発売し、北米版も任天堂が担当する予定でしたが、最終的にはAtlusが発売元になりました。その結果、英語で遊べる機会は生まれた一方、出荷本数が少なくなり、現在は中古市場で非常に高価なタイトルになっています。Nintendo 64DD向けとして始まった企画だったとされるため、映像表現には古さがあるものの、ほかでは代替しにくいデザインと育成システムを備えています。
この10本には、巨大なタマゴ、玩具ロボット、声で命令するピンボール、霊体による憑依、モンスターの進化など、一般的なジャンル名だけでは説明しにくい仕組みが共通しています。発売当時に幅広い支持を得られなかった理由は作品ごとに異なりますが、知名度の低さがそのまま内容の薄さを意味するわけではありません。現行機で遊べる作品は限られ、入手費用が問題になるものもありますが、ゲームキューブ時代の多様さを知る候補として再評価できます。