コンソールゲームのオンライン化を加速させた第6世代の競争
2026年09月15日 | #その他 | DualShockers
いまでは当たり前になった家庭用ゲーム機のオンラインプレイは、2000年代初頭に一気に現実的なサービスへと変わりました。先行したドリームキャストと、それに対抗したXbox、PlayStation 2の動きが、後のゲーム機を「インターネットに接続して使う」存在へ変えていったことが、この時代の大きな転換点です。オンライン対戦だけでなく、アップデートやダウンロード販売、映像視聴まで含む現在のコンソールの基盤も、ここから形作られました。
PCで先行していたオンラインプレイ
1990年代半ばから後半にかけて、PCではオンラインマルチプレイがすでに日常的な遊び方になっていました。Counter-StrikeやQuakeのような作品をインターネット経由で遊ぶことは、PCユーザーにとって特別な体験ではなく、放課後や余暇に自然と行う習慣の一部になっていたと原文筆者は振り返っています。インターネットを介して友人や見知らぬ相手と対戦する文化は、場合によってはLANパーティーの形も取りながら、ゲーム業界の早い時期からPCを中心に広がっていました。
一方、家庭用ゲーム機では、複数人が同じ画面の前に集まって遊ぶ「リビング協力プレイ」が一般的でした。遠く離れた友人や、場合によっては世界のどこかにいる見知らぬ相手と同じゲームを遊ぶという発想は、当時のコンソールユーザーにとって現実味の薄いものだったといいます。技術的に可能かどうかよりも、十分な利益が見込めるなら、どこかの企業が実現させるだろうという段階でした。
ドリームキャストが示した先行例
第5世代のゲーム機が終わりに近づき、2000年代を担うハードが登場し始めたころ、ドリームキャストはすでにオンライン機能を前面に打ち出していました。イーサネットアダプターによってオンラインプレイに対応し、さらにスポーツゲームを数多くそろえていたため、通信対戦の魅力を具体的に示す存在になったと原文は説明しています。
ドリームキャストは2001年に生産終了となりましたが、その取り組みは後続機に影響を与えました。大手3社のなかで、この流れに最も明確に応えたのがMicrosoftです。Xboxはイーサネット端子を本体に搭載し、Microsoftはオンラインゲームを戦略の中心に置く姿勢を強く打ち出しました。
Xboxでは、当時Xbox Networkと呼ばれていたサービスを通じて、ゲームのアップデートや追加レベルのダウンロードなどを利用できました。PlayStation 2やゲームキューブと比べ、購入直後からオンライン機能を意識しやすい設計だったことは、Xboxの大きな優位点だったと原文は述べています。単に通信対戦ができるだけでなく、ゲーム機をネットワーク経由で拡張していく考え方を、Xboxは早い段階から提示していました。
PlayStation 2とXboxのオンライン競争
Sonyは2002年8月、PlayStation 2向けのネットワークアダプターを発売し、オンライン競争への対応を本格化させました。対応タイトルも増え、SOCOM US Navy SEALsやStar Wars: Battlefrontなどがネットワークアダプターを活用しています。なかでもSOCOM US Navy SEALsは当時大きな存在感を持ち、友人と会話するためのヘッドセットを同梱したことも、オンラインプレイを身近にする要素になりました。
第6世代では、SonyとMicrosoftが店頭での人気だけでなく、オンライン環境の整備でも競い合いました。両社は自社タイトルを通じてユーザーを引きつける一方、それぞれのオンラインサービスに対応する作品をそろえ、所有するゲーム機に応じて異なるネットワーク体験を提供しました。原文筆者は、この時期について、どちらのゲーム機を選んでいてもオンラインゲームを楽しめる状況が生まれていたとしています。
Nintendoはこの競争に同じ熱量では参加しませんでした。ゲームキューブ向けにブロードバンドアダプターを発売したものの、SonyやMicrosoftが提供していた環境には及ばなかったと原文は指摘しています。この周辺機器が現在も特に知られている理由は、Phantasy Star Onlineを遊べるようにした点だとされています。オンライン機能の面で後れを取った一方、ゲームキューブには優れたゲームソフトがそろっていたため、当時のユーザーすべてが通信機能を強く求めていたわけではありませんでした。
第7世代で接続が標準機能に
第6世代の終盤を経て、PlayStation 3、Xbox 360、Wiiが登場すると、3機種はいずれも本体だけでインターネットに接続してゲームを遊べるようになりました。ネットワークアダプターや外付けの機器を別途用意する必要がなく、接続して使い始められる構成です。前世代のオンライン機能が市場に与えた影響が大きかったため、2000年代後半に発売される家庭用ゲーム機が、インターネット接続なしで登場することは考えにくくなっていました。
この世代では、オンライン対戦だけでなく、ゲーム機そのものの役割も広がりました。従来は家庭用ゲーム機にデジタルストアを搭載するという発想が一般的ではありませんでしたが、PlayStation 3、Xbox 360、Wiiでは、デジタルゲームのアーカイブ、オンラインプレイ、ウェブブラウザーなどにアクセスできるようになりました。ゲーム機はソフトを動かす専用機から、ネットワークを通じてコンテンツを追加する家庭向けのエンターテインメント機器へ変化していきます。
この変化は、現在のゲーム機にも受け継がれています。原文筆者は、いまの家庭用ゲーム機をゲームを遊ぶための機械であると同時に、動画配信などを利用するハブとして使っている人も多いと述べています。2000年代初頭にコンソールでオンラインゲームが広がったことは、単なる対戦環境の拡大にとどまらず、ハードの設計やサービスのあり方を変え、世界中のユーザーが同じエコシステムでつながる現在の土台を築いたのです。