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『Crackdown』はHalo 3ベータの同梱作にとどまらないXbox 360の傑作だった

2026年09月16日 | #ゲーム紹介 | IGN

『Crackdown』はHalo 3ベータの同梱作にとどまらないXbox 360の傑作だった

『Crackdown』は、Halo 3のマルチプレイヤーベータ版を入手するための“ついで買い”として知られた作品でした。しかし原文筆者のRyan McCaffrey氏は、本作が実際にはXbox 360で独自の魅力を放った、完成度の高いオープンワールド・ヒーローゲームだったと振り返っています。シリーズの後続作が初代の存在感を再現できなかったからこそ、その自由度と成長システムが改めて注目されます。

ベータ版のためのゲームという誤解

本作は、Halo 3のマルチプレイヤーベータ版をプレイするために購入する作品として広まりました。デジタル配信が現在ほど一般的ではなかった時代、Xbox 360は新規IPをベータ版への“受け渡し役”として用意し、ユーザーを作品へ導いていたことになります。McCaffrey氏は、PS2におけるZone of the EndersとMetal Gear Solid 2の関係にも触れ、当時の販売方法としては珍しいものではなかったと説明しています。

ただし、ベータ版の同梱作という位置づけは、ゲームそのものへの期待を低く見積もらせる結果にもなりました。原文筆者によれば、実際に待っていたのは、コミックに登場するような超人の力を自分で獲得していく、独立した魅力を持つ作品です。Xbox 360ユーザーにとって、Halo 3のベータ版を抜きにしても注目に値するタイトルだったと評価されています。

街全体を舞台にした成長型のヒーロー体験

舞台はPacific City。街は3つのギャングに分割して支配されており、プレイヤーは駆け出しのエージェントとして各勢力のリーダーを倒していきます。特徴的なのは、特定の経験値稼ぎやクラス選択ではなく、プレイヤーが実際に行った行動によって能力が伸びる仕組みです。

銃で敵を倒せば射撃スキルのオーブが飛び出し、回収することで射撃能力が上昇します。走ればランニング、ジャンプすれば敏捷性、近接攻撃を使えば筋力、グレネードやロケットランチャーを使えば爆発物、車を運転すればドライビングの能力が成長する仕組みです。序盤は少し走り、少し撃ち、少し殴り、少し跳ぶ程度だったエージェントが、Pacific City全体を鍛錬の場として使い込むうちに、建物を一跳びで越えるほどの超人へ変わっていきます。

McCaffrey氏は、この段階的なパワーアップをゲーム史上でも特に満足度の高い成長システムのひとつだとしています。最初から強力な能力を与えるのではなく、街を探索し、戦い、運転すること自体がキャラクターの成長につながるため、プレイヤーの上達とエージェントの強化が同時に進んでいく構造です。

攻略ルートを固定しないオープンワールド

本作では、ギャングのリーダーがそれぞれの拠点で待ち構えています。拠点には多数の手下が配置されているものの、ゲーム側が攻略順や侵入方法を厳密に指定することはありません。プレイヤーが道を見つけられるなら、開始から1~2時間ほどでリーダーを倒すことも可能だったと原文筆者は述べています。

この自由度は、単に広いマップを用意したという意味にとどまりません。高所へ登る力を先に伸ばすのか、車両を使って正面から突破するのか、射撃や爆発物で敵を排除するのか。育てた能力と周囲の地形を組み合わせることで、同じ拠点にも複数のアプローチが生まれます。プレイヤーが自分なりの攻略法を考え、その結果として超人的な行動を実現できる点が、本作のサンドボックス性を支えていました。

Xbox実績にも表れた遊び心

本作には、現在でもMcCaffrey氏のお気に入りだというXbox実績が用意されていました。なかでも印象的なのが、街で最も高い建物であるAgency Towerの頂上まで登ることで獲得できる「High Flyer」です。

さらに、その頂上から飛び降り、建物の周囲にある地面へ激突せず、隣接する湾へ着水できれば「Base Jumper」も獲得できます。単に高い場所へ登るだけで終わらず、そこから危険なジャンプに挑戦させる構成になっており、能力の成長と街の地形を結び付けた実績と言えるでしょう。実績解除の条件そのものが、ゲームの世界をどう使うかという遊びを提示していました。

初代を支えた開発者とシリーズの行方

初代の成功は、偶然だけで生まれたものではありません。ディレクターを務めたDavid Jones氏は、Grand Theft Autoのオリジナルクリエイターとして知られる人物です。Rockstarの同シリーズから離れて長い時間が経っていたものの、サンドボックス型のゲームを成立させるために必要な知見を持っていたとMcCaffrey氏は見ています。

一方で、続編のCrackdown 2については、4人協力プレイを除けば新鮮な要素に乏しく、初代と似通った作品だったと厳しく評価されています。Crackdown 3も、Azureのクラウドサーバーを利用し、Xbox Oneの処理能力を多数連携させて完全破壊可能な世界を実現するという構想が大きく掲げられていましたが、最終的なゲームとの間には非常に大きな隔たりがあったと原文筆者は批判しています。

Microsoftが初代の魅力を再現できなかったことを残念に思うとしつつ、McCaffrey氏はシリーズが今後も続く可能性に悲観的な見方を示しています。それでも本作は、Halo 3ベータ版を手に入れるためだけの購入品ではなく、Xbox 360時代を代表する自由な成長型オープンワールド作品として記憶されるべきタイトルだった、というのが原文筆者の結論です。