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『PUBG: Dednet』は不公平さを武器にしたローグライクFPSを目指す

2026年09月18日 | #ゲーム紹介 | GamesRadar+

『PUBG: Dednet』は不公平さを武器にしたローグライクFPSを目指す

『PUBG: Dednet』は、バトルロイヤルで定着した緊張感を、ローグライク要素を持つマルチプレイFPSとして再構成する新作です。最大の特徴は、すべてのプレイヤーに同じ条件を与えるのではなく、プレイを重ねるほど強くなる仕組みをあえて導入している点にあります。クリエイティブディレクターのDave Curd氏は、本作が「PUBGの福音」を広める作品であり、無限に近いゲームプレイの可能性を生み出すことを目指していると説明しています。

バトルロイヤルにローグライク要素を融合

舞台となるのは、1990年代の太平洋岸北西部を思わせる荒々しい地域Cascadiaです。グランジやグラフィティを取り入れた色彩豊かなビジュアルだけでなく、ゲームデザインそのものも、シリーズの新たな方向性を示すものになっています。従来のバトルロイヤルでは、マッチ開始時に全員が同じような条件で戦い、敗北すれば次の試合へ向かうのが基本でした。

しかし本作では、敗北してもリセットされるだけではありません。プレイヤーは次のランで前回より強力な状態になり、順位にかかわらずプレイを続けるほど新たな力を得られます。つまり、1回のマッチの勝敗だけでなく、何度も挑戦する過程そのものがゲーム進行に組み込まれています。長く生き残ったプレイヤーにはより多くの選択肢が生まれ、失敗したプレイヤーにも再挑戦する理由が残る設計です。

Curd氏は、この仕組みがゲーム内の公平性に大きな疑問を投げかけるとしています。たとえば、あるプレイヤーが長いランを経て強化された状態で、別の非常に優れたプレイヤーが始めたばかりのランに遭遇した場合、両者の条件は当然異なります。それでも、後者の射撃技術が上回っていれば勝つ可能性は残されており、強化の差が勝敗を完全に決めるわけではないとのことです。

「安全すぎるゲーム」に対する別の答え

本作が狙うのは、慎重に均衡を保つ対戦ではなく、短時間で状況が大きく変化する衝突です。Curd氏は、現在のゲームに対して「安全すぎると感じている人」に向けた作品だと説明しています。ランを重ねるほど相手に対抗する方法が増える一方、敗北すれば、その直前まで積み上げた勢いを失うことになります。この危険と報酬の組み合わせが、もう一度だけ挑戦したいという気持ちを生み出す設計です。

同氏は、8回目のゲームに入っているプレイヤーが、1回目のプレイヤーとぶつかる状況を例に挙げています。経験を積んだ側は有利ですが、初心者側が純粋な撃ち合いで上回れば勝てます。一方で、熟練者にとっても、強化された能力によって格上の相手を倒せる可能性が残されています。Curd氏はこのループを、辛さが強烈であるにもかかわらず、1回でやめられず次も食べたくなるものにたとえています。

ただし、この方針はすべてのプレイヤーに歓迎されたわけではありません。過去のビルドでは、プレイヤー間の能力差が大きくなりすぎる場面がありました。すでに5つのパワーを持つプレイヤーと、参加したばかりで何も持たないプレイヤーが同じ戦場で衝突すると、新規プレイヤーが一方的に倒されるケースが発生したといいます。Curd氏は、この仕様が「好きか嫌いかがはっきり分かれる要素」になり、多くの新規ユーザーを遠ざけたと振り返っています。

5段階のパワーで不公平さを調整

開発側は、極端な能力差を抑えながら、プレイヤーが強化の恩恵を感じられるようにシステムを調整しました。各プレイヤーはゲーム中に5つのパワーを持ち、それらは一定の間隔で発動します。第1段階では参加者同士の戦力はおおむね近い状態ですが、第5段階に到達すると、5回目、6回目、それ以上のランを続けているプレイヤーが明確に有利になります。

この構造では、試合が長引くほど、少ないラン数で参加しているプレイヤーが不利になります。そのため、序盤から有利な相手に挑むのか、強化を得るまで戦闘を避けるのかといった判断が重要になります。ただし、開発側はプレイヤーが安全策に偏ることを望んでいません。能力差があるからこそ、相手を追い詰める、意表を突く、危険な戦闘に飛び込むといった行動を促す狙いがあります。

Curd氏は、テスト中にプレイヤーが戦闘を避けて隠れるようになった際、すぐに問題を認識したとしています。「パワーを使って楽しんでほしい。追跡を楽しみ、自由にプレイしてほしい。戦いをやめて隠れ始めたなら、それは違う」と語り、対立や予想外の展開を積極的に生み出したい考えを示しました。

長期的な成長が生む雪だるま式の展開

本作では、1試合を完璧に勝ち抜くことだけが目的ではありません。素早い展開と勢いを重視し、通常のマッチを何度も繰り返すより長く、ひとつのプレイセッションを継続させる構造を目指しています。ランを重ねることでキャラクターのビルドが雪だるま式に成長し、敗北を経験しても、その先により強い状態での再挑戦が待っています。

その過程では、プレイヤー自身の技術も高まり、パワーの扱い方も洗練されていきます。何度も厳しい敗北を味わいながら、最終的には粘り強さと成長の積み重ねによって勝利をつかむという流れです。一方で、新規プレイヤーが強化済みの相手と対峙する場面や、能力差による一方的な展開がどこまで許容されるかは、作品の受け止め方を左右する要素になるとみられます。

Curd氏の発言からは、開発側が公平な条件を整えることよりも、危険な選択と偶発的な逆転を生み出すことを重視している姿勢がうかがえます。ローグライクの成長システムを取り入れたことで、本作は従来のバトルロイヤルとは異なる緊張感を打ち出していますが、その刺激の強さがプレイヤーを引きつけるのか、それとも新規ユーザーを遠ざけるのかは、今後注目される点です。