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『WoW: Forever』ベータ版の人気でサーバー障害、開発者が「17年間で見たことのない数字」と説明

2026年09月19日 | #アップデート | GamesRadar+

『WoW: Forever』ベータ版の人気でサーバー障害、開発者が「17年間で見たことのない数字」と説明

『WoW: Forever』のベータ版は、開始直後から想定を大きく上回るプレイヤーが殺到し、ログイン待ちや切断、ゲーム内操作の遅延が相次ぎました。Blizzardの開発者は、この規模の負荷を予想できていなかったと明かし、障害の原因と対応の経緯を説明しています。長期運営されてきたWorld of Warcraftでも、オンラインゲームの大規模展開には予測しにくい問題が残ることを示す事例となりました。

開始直後にベータ環境が限界に

シニアゲームデザイナーのJosh Greenfield氏は、今回のベータについて「Blizzardで17年、Classicに関わって約8年になりますが、これほどの数字は見たことがありません」と説明し、想像以上の反響に驚きを示しています。本人は開始前夜に眠れないほど楽しみにしていたとし、今回のベータには特別なものがあるとも語っています。

一方、シニアゲームプロデューサーのTom Ellis氏によると、ベータ用の環境は本番サービスと同等の規模ではありませんでした。通常、World of Warcraftのベータ版はサーバー全体を大きく動かすほどの負荷を生まないため、ベータ用環境には十分な処理能力が用意されていなかったといいます。

さらに、ベータ環境では1つの地域用Realmだけが接続先として使われていました。そこへ大量のプレイヤーが一斉に接続しようとしたことで、1カ所に通信とログイン処理が集中。長いログインキューを待ったあとに接続が切れる問題が発生しました。ゲーム本体とBattle.netのサービス自体には大きな負荷が表示されていなかったため、最初から原因が明確だったわけではありません。

発見に時間がかかったボトルネック

Ellis氏によれば、開発チームがこの接続集中をボトルネックだと突き止めるまでには、およそ30分かかりました。CPU使用率などに分かりやすい異常が出ていなかったためで、従来の監視だけでは問題の発生を把握しにくい状態だったとのことです。

開発チームは、今回の事態を受けて、同じ仕組みが作動した際により多くのログを残し、通知も増やす必要があると認識したとしています。Ellis氏は、長年にわたって運用してきたサービスでも、明確なCPU障害を伴わない形でこの問題が発生するのは初めてだったとして、「20年運営していても、常に新しいことが起こる」と説明しました。

ログイン後にも、アイテムを拾う、クエストを受けるといったサーバーとの通信を必要とする操作に長い時間がかかる問題が発生しました。これについては、データベースのテーブルを手動で分析し、定期的に処理を実行する自動ジョブを設定する対応が取られています。

通常の処理頻度では、短時間に集中したアクセスに対応できなかったためです。データベース担当のエンジニアが対策を実施すると、データベースのパフォーマンスはすぐに改善したとEllis氏は説明しています。ログインそのものだけでなく、プレイヤーがゲーム内で行う個々の操作も、アクセス集中の影響を受けていました。

再起動でゲームワールドの問題にも対処

開始から数時間後には、実際のゲームシミュレーションを動かす「WORLD」プールでも異常が確認されました。CPU使用率が非常に高くなり、メモリもほとんど残っていない状態になっていたといいます。

原因は、誰もいないマップが正しく停止されていなかったことでした。空のマップが終了せずに残り続けたことで、CPUとメモリを徐々に消費していたとのことです。Ellis氏は、この消費がゆっくり進んでいたというより、実際にはかなり速いペースで進行していたと説明しています。

開発チームは問題を修正しましたが、修正内容を反映するにはサーバーの再起動が必要でした。Blizzardは再起動に合わせて追加のゲームワールドを用意し、地域向けサービスも拡張しています。これにより、接続先と処理の集中を緩和し、ベータ環境の安定性を高める対応が進められました。

今回の障害について、原文筆者は、大規模オンラインゲームの開始時に同じような問題が繰り返し起こると指摘しています。2019年に複数の開発者へ取材した際にも、こうしたローンチ時の問題を完全に解決するのは「不可能」とする意見が出ていたとのことです。今回も接続先の集中、データベース処理、ゲームワールドの停止処理という異なる問題が同時に表面化しました。

ただし、原文筆者は、近年は問題への対応が以前より速くなっているとも述べています。過去にはDiablo 3の発売後、プレイヤーが数週間にわたって十分に遊べない状況が続いた例を挙げ、今回の障害も深刻ではあるものの、原因の特定と修正が進められている点に触れています。

なお、Blizzardは本作でGDKPを認めない方針も示しています。ゲーム内経済については、同社が「非常に真剣に取り組んでいる」分野だと説明しており、ベータ版のサーバー障害とは別に、経済システムの運用も重要な方針として扱われています。