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任天堂の革新路線を支えた岩田聡氏の「続編だけを作らない」哲学

2026年09月20日 | #その他 | GamesRadar+

任天堂の革新路線を支えた岩田聡氏の「続編だけを作らない」哲学

マリオやゼルダの新作が大きなイベントとして受け止められる背景には、任天堂が人気シリーズの続編を大量投入せず、新しい遊びにも挑み続けてきた方針があります。故・岩田聡氏は2006年のインタビューで、続編だけを作る会社にはなりたくないと語り、シリーズの伝統と新規性を両立させる考えを示していました。この発言は、WiiやニンテンドーDSの成功、そしてNintendo Switch以降の任天堂の展開を考えるうえでも注目されます。

続編だけでは「保守的な会社」になる

岩田氏はMTV NewsのStephen Totilo氏とのインタビューで、任天堂が続編を作り続けるだけなら、世間から「非常に保守的で、新しい取り組みや冒険に踏み出そうとしない会社」と見なされるだろうと説明しました。そのうえで、「それは自分がなりたい人物像ではなく、任天堂をそういう会社にしたいとも思わない」との考えを示しています。

当時の任天堂は、PlayStationやXboxが勢いを増すなかで、厳しい競争にさらされていました。スーパーマリオ64、ゼルダの伝説 時のオカリナ、スーパーマリオ サンシャイン、ゼルダの伝説 風のタクトといった作品は高く評価されていた一方、NINTENDO 64とニンテンドー ゲームキューブは市場競争で後れを取っていました。人気シリーズを守るだけでは、縮小する従来のゲームファン層に依存することになりかねない状況です。

伝統的なファンと新しいプレイヤーの両方を狙う

岩田氏がこの発言をしたのは、後にWiiとして発売されるモーション操作のゲーム機「Revolution」が公開された時期でした。任天堂はすでにニンテンドーDSで新たな方向性を打ち出しており、Nintendogsや脳を鍛える大人のDSトレーニングのような、従来のゲームファン以外にも届くタイトルを展開していました。

こうした方針には、コアなファンを置き去りにするのではないかという懸念もありました。岩田氏は、昔ながらのゼルダやマリオを求める人々には従来型の体験を提供し続ける一方、1日に短時間しか遊ばない人や、これまでゲームを遊んだことがない人にも新しい体験を届けると説明しています。つまり、既存シリーズを捨てるのではなく、伝統的な遊びと、まったく異なるゲームプレイを同時に広げる構想でした。

シリーズの期待に応えながら刷新する

この戦略は、WiiとニンテンドーDSがゲーム機として大きな成功を収めたことで、結果的に強く裏付けられました。両機種は従来のゲーム機の枠に収まらない遊びを前面に押し出し、それまでゲームに触れていなかった層にも広がっています。道のりが常に順調だったわけではなく、ニンテンドー3DSは厳しいスタートに苦しみ、Wii Uはさらに大きな失敗となりましたが、Nintendo Switch以降の任天堂には長年の方針が反映されていると原文筆者は見ています。

任天堂は現在も、少数の知名度が高いシリーズに大きく支えられています。岩田氏自身、続編を期待する大規模なファン層が存在することを認めていました。その一方で、期待に応える責任を果たす際にも、各シリーズのなかで革新する方法を見つけることが重要だとしています。スーパーマリオ オデッセイやゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルドのような大幅な再構築は、人気シリーズを維持しながら同じ内容を繰り返さないという思想を、現在の作品として示したものといえます。