Valve元ライター、大規模チームによるゲーム開発に疑問を呈す
2026年09月22日 | #その他 | GamesRadar+
Valveで12年間働き、Left 4 Deadの開発にも携わったChet Faliszek氏が、ゲーム開発における大規模チームの有効性に疑問を示しました。同氏は、開発の長期化を招くのは単純な作業量よりも、意思決定の遅れや方針の撤回だと指摘しています。例外として、GTA 6のような数十億ドル規模の超大型タイトルには、非常に多くの人員が必要になる可能性があるとも語りました。
大人数では開発効率が上がらないとの見方
Faliszek氏はYouTube動画で、Valveがさらに人材を採用すべきかという質問に答え、「ゲームは1万人規模のチームで作るようにはできていない。巨大なチームはうまく機能しない」との考えを示しました。大規模なチームが必要になる作品は存在するものの、それは一般的なゲーム開発の基準ではなく、GTA 6のような例外的なプロジェクトだとしています。
同氏は、Ubisoftのアーティストから、Assassin's Creedの開発元が「トップアーティストだけ」を採用していると聞いた経験にも触れました。その人数は約3,500人に達していたといい、優秀な人材を集めること自体がチームの肥大化につながる場合があると説明しています。
Faliszek氏によれば、Valveもグラフィックや映像表現の品質を追求する過程で、同様に人員が膨らんだことがありました。高いグラフィック品質が悪いわけではないものの、それを実現するには巨大なチームが必要になり、「費用に見合う効果があまり得られない」としています。
長期化の原因は作業量より意思決定
大規模チームの問題はコストだけではありません。Faliszek氏は、ゲームの完成までに時間がかかる理由として「意思決定できないことや、後戻りすること」を挙げ、こうした問題のほうが制作そのものより多くの時間を消費すると説明しました。関係者が増えるほど判断の調整が複雑になり、決めた方針を変える際の影響も大きくなるという見方です。
記事では、開発体制の変更が長期化につながった例としてDead Island 2とVampire: The Masquerade - Bloodlines 2にも触れています。Dead Island 2は3つのスタジオの間で開発が引き継がれ、発売まで約10年を要しました。Vampire: The Masquerade - Bloodlines 2も2つの開発会社を経て、初代から21年後に登場しています。Faliszek氏の主張は、こうした長期化が単純な制作期間だけでなく、開発方針や担当者の変更によって生じることを示すものです。
リモート開発にも懸念、少人数の成功例を強調
Faliszek氏はリモートワークについても肯定的ではなく、情報が非公式な伝達経路を通る「ささやきのネットワーク」のようになると表現しました。やがて自分の意見が聞かれなくなり、意思決定の流れから外れた状態で、周囲の判断に合わせなければならなくなると説明しています。そのため、重要な判断を共有しやすい環境として、同じ部屋にいることを重視しています。
具体例として同氏は、Left 4 Dead 2を45人で制作した経験を挙げました。「450人で作っていたとしても、より良いゲームになったとは思わない」と語り、現在のゲーム業界が追い求める規模や品質が、チームの大型化を促していると指摘しています。一方で、発売する作品には十分な存在感や重みも必要だとしており、少人数なら常に正解だと主張しているわけではありません。なお、同氏はValveの開発者たちが、Team Fortress 2やCounter-Strikeに比較的小規模なアップデートを続けられていることを「信じられない」と話しているとも伝えられています。