2026年9月24日に発売の『神貌のクリファ』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「61 点」で「低評」という評価になっています。
2026年9月25日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは8件、最高は85点、最低は40点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
決まった手順の繰り返しで作業になりがちな通常戦闘

敵が攻撃すると小さな円が大きな円に向かって広がり、重なるタイミングで対応する色のボタンを押すとカウンターが発動します。カウンターを一定回数成功させると敵がダウンして大ダメージを与えられますが、その後は同じ流れを最初から繰り返すことになります。通常の敵の大半はカウンターからダウンまでの一連の手順を踏み、たいていは最後に必殺技を使わなければ倒せません。手強い相手なら納得できる手順でも、普通の敵を相手に毎回の戦闘で繰り返すとなると、戦闘があまりにも長引いてしまいます。敵のHPが多いため、ごく基本的な戦闘でも数分はかかってしまうのが現状です。
戦闘自体を楽しんだメディアからも、ボス以外のモンスターが頻繁に使い回されるため単調に感じるという不満が出ています。レベルが上がっても戦う相手は同じ数種類に限られ、行動パターンを覚えてしまえば簡単に倒せるようになってしまいます。フィールドには探索できるエリアがなく、この繰り返しに変化をつけることもできません。これは1戦ごとの長さとは別の問題であり、個々の戦闘が短かったとしても、新しい敵が登場しなければ同じ手順を繰り返す面白さは薄れていきます。
だからといって、戦闘が浅いわけではありません。カウンターシステムがうまく機能している場面では、確かな判断が求められます。敵は青、赤、黄のリングで攻撃を予告するため、プレイヤーは装備した攻撃から対応する色を選んで応じつつ、方向ボタンでパートナーにも指示を出します。2人のタイミングが合えば、バディカウンターで大きなダメージを与えられます。あるメディアは、正確なタイミングでのカウンターと追加スキルを使う判断が、目まぐるしいアクション感を生みながらも戦略性をしっかり備えていると評価しました。一方で批判的なメディアは、同じ仕組みにそこまでの価値を見いだしていません。主人公2人を切り替えてクールダウン中のアビリティを途切れず使えるようになっても、戦闘そのものを面白くする効果はないと受け止めています。
戦闘のテンポについても、メディアの間で意見が分かれています。戦闘を高く評価したメディアも、複数のフェーズや膨大なHPのボスによって、一部の戦闘が引き延ばされている点は認めていました。それでも慣れればテンポよく進むため、十分に短く感じられたとしています。ただし、この指摘はボス戦やシステムを習得したプレイヤーを前提としており、決まった手順で通常戦闘が長引く不満への答えにはなっていません。戦闘に戦術的な判断が伴う点は確かですが、その判断を何度も繰り返して面白さが続くかというと、複数のメディアが疑問を呈しています。
習得が難しい戦闘システムと説明不足が目立つゲーム内の案内

戦闘がスムーズに進むと感じられる段階に達するまでにも、独自のハードルがあります。ゲーム内のチュートリアルはポップアップで仕組みを説明するものの、その質にはばらつきが見られます。あるメディアは、特有の挙動の多くは失敗を重ねる厳しい過程を経て初めて理解できるため、遊びながら覚えるしかないと述べました。別のメディアはさらに厳しく、最も基本的な仕組みさえ説明できていないと批判しています。
この厳しいメディアは具体例も挙げています。ゲーム内では一部のボスの攻撃がバディカウンターでしか防げないと説明されるものの、実際には発動しない場面が多発しました。最終的に対応する攻撃がクールダウン中ではないことが条件だと判明したものの、ゲーム内には一切説明がありません。「分身 +1」「ダメージボーナス」「回避率上昇」といったスキルの説明にも詳しい解説はありません。また、チュートリアルが注目を促す敵の円表示よりも、戦闘のタイムラインのほうがはるかに頼りになると感じたものの、ゲームはその点にも触れていません。説明が不十分な点では各メディアが一致しているものの、質にむらがあるとする見方と、基本すら説明されないシステムだとする見方で受け止め方に差があります。
画面から情報を読み取る難しさも、習得のハードルを上げています。複数の敵との戦闘では何体もの敵が同時に攻撃し、四方八方から視覚的な合図が飛び込んできます。どの敵を狙っているかの表示がないため、誰を選択しているか分からなくなりやすく、その間にも2人目のキャラクターへ指示を出さなければなりません。好意的なメディアでさえ、システムと情報量の多い戦闘UIには圧倒され、慣れるまでのハードルが高いと指摘しています。そこでは序盤の一時的な問題として片付けられているものの、多くのプレイヤーが投げ出しやすいのはまさにこの序盤の数時間です。
UIの情報量が非常に多いと評したメディアは、同時に独自性や暗い雰囲気に合った芸術的なスタイルを評価し、見ていて楽しいとも述べていました。しかし、これはインターフェースの見た目に対する評価であり、戦闘中の視認性の悪さに対する反論にはなっていません。戦闘は習熟に応えてくれる奥深さがあるとしても、そこへ至るまでにプレイヤーを支える導線は乏しいと言わざるを得ません。
設定や育成によって極端にブレてしまう難易度バランス

バランスの問題は説明不足とは別であり、システムを深く理解しても解決しません。あるメディアはキャラクターの成長要素に懸念を示しており、優秀なパッシブアビリティを獲得するとゲームバランスが完全に崩れてしまう場合があると指摘しています。戦闘はタイミングを覚えて敵の動きを読む楽しさが軸ですが、強力なパッシブアビリティを組み合わせるとそうした駆け引きの多くが不要になり、本作の優れたシステムが損なわれてしまいます。
一方で、正反対の苦戦を伝えるメディアもあります。難易度を下げても何度も倒されたメディアがあるほか、高難易度では敵のレベルとHPが増加するだけで戦い方が変わらず、膨大な体力を削り続けるだけの戦いになると指摘する声もあります。プレイヤーごとの体験はまちまちで、一貫した難易度曲線になっていません。設定やビルドによって、簡単すぎたり理不尽に厳しかったり、単に数値が水増しされただけのように感じられたりします。
難しさ自体が悪いわけではありません。低難易度で苦戦したメディアも、システムを習得して歯ごたえのある戦闘を求めるプレイヤーなら楽しめる可能性があり、その手強さこそ望む要素かもしれないと認めています。懸念すべきなのは、難易度設定やパッシブアビリティの選択によって、戦術を組み立てる満足感が得られるかどうかです。各メディアの評価を見る限り、その面白さが安定して味わえるとは言い難い状況です。
手がかり探しは参加感があるものの案内の不親切さが足を引っ張る

捜査パートは本作のもう一つの大きな魅力であり、プレイヤー自身が推理に関わる場面で真価を発揮します。資料を読み、事件の詳細が追加される証拠ボードを確認し、住民が街の出来事を投稿する架空のSNSアプリを閲覧します。あるメディアによると、第3章以降は手がかり集めが必須となり、メインストーリーを進める条件になります。緋月レナと星嚙ソウマの捜査を眺めるだけでなく、プレイヤー自身も推理に参加するようになってから謎解きが一段と面白くなったといいます。また、パスコードや合言葉を特定する捜査では、資料やSNSから答えを探し出す過程に探偵としての確かな手応えがあったと好評です。
しかし、この魅力的な捜査パートも案内の不親切さでつまずきます。プレイヤーの参加を評価したメディアも、提示される指示がゲーム側の意図と必ずしも一致しない点を指摘していました。指示文と実際の手がかりとの間に翻訳のずれがあり、ひどいときには謎解きそのものより、ゲームが言葉をどう解釈させたいかを探る作業になってしまいます。用語辞典や情報参照の仕組みがあれば防げたはずの不満です。また別のメディアからは、説明が曖昧なために後から手に入る情報が必要なのに今すぐ解けるように見えてしまい、答えのない探索に時間を奪われるという指摘もあります。さらに、こうした手の込んだ捜査自体が少なく、大半はポイント消費だけで解放される点も惜しまれています。
マップでの移動に関してはメディアの間で意見が分かれますが、これは欠点というより好みの問題です。各ロケーションは街のマップ上で選ぶ地点として表示され、自由なフィールド探索はありません。ミッションが行き先を指示することも重なり、世界が単なるメニュー画面のように感じられるという意見がある一方で、ビジュアルノベル形式の進行がミステリーに適しているという声もあります。また、3Dマップを用意せずに捜査の自由度を確保した賢い設計と評価する声もありました。探索要素がないこと自体はミステリーの魅力を損ないませんが、不明瞭な指示は推理の楽しさそのものを妨げてしまいます。
個性的なアートが目を引く一方で変化に乏しいビジュアル
使い回しの多さはビジュアル面にも現れています。敵のデザインに目立った違いが乏しく、戦闘の舞台も同じ場所ばかりだと指摘されています。素材が極端に少なく頻繁に使い回されるため、アートの方向性に魅力はあるものの、同じ光景を何度も見せられる体験になりがちです。戦闘が同じ数カ所のエリアで繰り返される点も、複数のメディアから言及されています。
この問題は戦闘にとどまりません。あるメディアはストーリー場面の背景が何度も使い回される点を挙げ、これ以上ないほど味気ないと厳しく評しています。プレイ時間の大半をマップ画面や背景上のテキストを読んで過ごすため、この単調さはプレイ体験に重くのしかかります。他のメディアはそこまで手厳しくないものの、背景の使い回しには触れていました。
もちろん、目を引くビジュアルもあります。美麗なイベントイラストは好評で、ビジュアルに厳しい評価を下したメディアでさえ、個性的なアートや派手な戦闘アニメーション、モンスターやボスのデザインは見どころとして挙げていました。しかし、画面全体に表示される一枚絵は美しいものの登場機会が限られ、使い回されることも目立ちます。個々のイラストが魅力的であっても、それだけでビジュアル全体の変化に乏しい印象を覆すには至っていません。
受け止め方が分かれる主人公2人の関係性と物語の伝え方

主人公の2人は、こうした不満を乗り越えてゲームを進める原動力になり得る存在ですが、ここでもメディアの評価は分かれています。あるメディアは、緋月レナと星嚙ソウマを印象的なキャラクターだと称賛しました。それぞれの物語を抱え、血のつながりを超えて家族のような絆を育んでいく2人の関係は心を打つものがあります。また、レナがソウマにとって厳しくも温かい姉のような存在へと変化していく過程を楽しんだメディアもありました。ただし、レナの掘り下げがソウマに比べて少なく、彼女の重要な場面が終盤に偏っている点には留意が必要です。
一方で、まったく異なる受け止め方をするメディアもあります。どちらのキャラクターにも魅力を感じられず、成長も描かれず、物語を進めるためだけの駒に見えたという意見です。ストーリーの語り口も批判されており、重要な物語の多くが専門的で堅苦しい証拠資料に委ねられているため、追加の読み物どころか物語を理解するための必須テキストになってしまっています。また、文章が出来事をドラマとして見せるのではなく状況を説明するばかりで、2人の関係が自然に深まっていかないという指摘もありました。魅力的なキャラクターに心を動かされるプレイヤーがいるとしても、遊びづらさを我慢した全員が同じ満足感を得られるとは限りません。
『神貌のクリファ』の総評と購入を検討する際の判断材料
『神貌のクリファ』には確かな長所があるものの、その魅力が届く範囲は限られており、見過ごせない課題も抱えています。カウンターシステムには奥深い戦術性があり、捜査パートではプレイヤー自ら事件の解決に加わる面白さを味わえます。シビアなカウンターのタイミングやスキル管理をマスターし、歯ごたえある戦闘を求める人なら相応のやりがいを感じられるはずです。また、資料やSNSから手がかりを集める作業が好きで少々の不親切さを受け入れられる人や、探索のないマップ選択式のミステリー、特徴的なアートが好みに合う人にも刺さる要素があります。
それでも、そうした好みに当てはまる人であっても手放しでおすすめできる作品ではなく、慎重な検討が必要です。通常戦闘は同じ敵に対して決まった手順を繰り返す作業になりやすく、不親切なチュートリアルやUIの視認性がシステム習得を妨げます。難易度は設定やパッシブアビリティ次第で極端にブレてしまい、捜査の案内不足やビジュアルの使い回しも目につきます。テンポの悪い通常戦闘が気になったり、親切なゲーム内誘導を重視したり、多彩な探索環境を期待するなら、本作は見送る方向で考えたほうがよさそうです。





製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | 神貌のクリファ |
| 原題名 | Qliphah in Providence's Shadow |
| ジャンル | RPG, アクション, ミステリー, アドベンチャー, ロールプレイング |
| プラットフォーム | PC(Steam), PlayStation 5, Nintendo Switch |
| 発売日 | 2026年9月24日 |
| 価格 | Steam ¥2,970 / PlayStation ¥2,970 / Nintendo ¥3,520 |
| 体験版 | なし |
| 公式サイト | — |
| 開発元 | Arc System Works, UnitePlus |
| 発売元 | Arc System Works |










