『Creepshow』メタスコア66点、意見が割れた理由

2026年8月14日に発売の『Creepshow』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「66 点」で「賛否」という評価になっています。
2026年10月9日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは5件、最高は70点、最低は60点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。

66Creepshow好評 0|賛否 5|不評 0
PC66(5件)PlayStation 5—(0件)Xbox Series X—(0件)

ホラーコミックの空気感を再現した画面と演出の落差

ホラーコミックの空気感を再現した画面と演出の落差

『Creepshow』の真骨頂は、原作となったホラーコミックそのものに見える瞬間にあります。登場人物たちは往年のホラーコミックらしい目を見開いた驚愕の表情を浮かべており、独自のアートスタイルによく映えています。ところが会話が始まると、キャラクターたちが見当違いの方向を向いているように見え、不気味さやドラマ性を狙った場面がぎこちなくなってしまいます。優れた静止画のあとに不格好な場面が続く落差は、ゲーム全体を通して目につきます。

静止画のクオリティは一貫して高く、カラフルかつ不気味に描かれたオブジェクトや周囲の環境は、シリーズ独特のビジュアルを巧みに活かしています。カットシーンだけでなくプレイ中もすべての画面がコミックのコマのように構成されており、セリフは専用のフキダシの中にコミック風のフォントで表示されます。ベルを鳴らしたときの「Dinggg!」をはじめとする大胆なオノマトペや、黄色や赤を強調したライティングも効果的で、各エピソードの結末にはバリアントカバーのような全面イラストが用意されています。

全編にわたるキャラクターボイスもビジュアルを力強く支えており、演技が生み出す説得力によって、各エピソードの陰惨な世界へ自然と引き込まれます。狂言回しであるThe Creepも随所で口を挟み、皮肉めいた語り口と不気味な笑みで場を盛り上げてくれます。サウンドデザインも秀逸で、『Metamorphic Love』で響く虫たちのカサカサとした生々しい蠢きや、不安を煽るアンビエント音楽は思わず背筋が凍るほどです。『The Toll Keeper』の冒頭で流れる静かなピアノの旋律も、じっくりと浸りたくなる雰囲気を醸し出しています。作品全体のスタイルは確かに確立されていますが、ゲームとしてそれを十分に活かせているかというと、疑問が残ります。

動き出した途端に目立つ硬い動きと技術的な粗さ

動き出した途端に目立つ硬い動きと技術的な粗さ

本作の弱点は、アートが動かなければならなくなった途端に露呈します。静止画では見栄えのするキャラクターモデルも、いざ動くと動作が遅くぎこちないうえに、表情の変化もほとんどありません。意図的な不気味さを通り越して、不自然にグロテスクに見えてしまう顔さえあります。会話中に対象とは見当違いの方向を向くことも珍しくなく、キャラクターの配置のずれが緊迫したドラマを台無しにしてしまいます。コミック調の演出だからこそ表情やポーズから感情を読み取ろうとするため、顔が動かず視線が外れていると、場面本来のインパクトが削がれてしまいます。

『Metamorphic Love』のクライマックスはその典型で、物語が見せ場に向けて盛り上がっていくにもかかわらず、硬いアニメーションと不自然なセリフ回しのせいで肝心の場面が台無しになっています。

さらに技術的な粗さも散見されます。『Metamorphic Love』ではアイテムの操作時に不具合が発生し、セリフのテキストボックスが読む前に消えてしまうことがありました。また、冷蔵庫の中身を早く確認しすぎたことで先の展開がネタバレになり、進行が追いつくまで反応しないプロンプトが画面で点滅し続けました。さらに、一度も作っていない食事を「作り直す」ように指示される場面もありました。どれも小さな問題ではあるものの、物語体験に力を入れている作品だからこそ、没入感を削ぐ不具合はどうしても気になります。

パルプホラーらしい悪趣味な設定と盛り上がりの遅さ

パルプホラーらしい悪趣味な設定と盛り上がりの遅さ

『Creepshow』の核となるのは、メインストーリーの幕間にDannyが読み進める2つの物語です。それぞれ独自のトーンを持っています。『Metamorphic Love』では虫に執着する男Andrewが、病気の妻Lauraの看病と仕事に追われるなかで、悲しみと借金と虫たちの境界が曖昧になっていきます。もう一方の『The Toll Keeper』では、不祥事で失脚した司祭Father Torosianが、荒れ果てたアイルランドの教会へ修復のために派遣されます。鐘を鳴らすたびに教会と司祭自身が快方へ向かうものの、その修復には毎回代償が伴います。どちらもほどよく悪趣味でパルプホラーらしい魅力的なアイデアであり、本作がアンソロジーとしてもっとも独自性を発揮している部分です。

これらの物語を楽しめるかどうかは、短編ホラーに何を求めるかによって分かれます。切れ味鋭い設定と意地の悪い結末のどんでん返しだけで満足できるなら、期待どおりの体験が得られます。コンセプトは力強く、結末のシーンはこのゲームで一番の見どころとなっています。一方で、登場人物の丁寧な描写や、じわじわと積み上がる恐怖を求めるプレイヤーにとっては、内容が薄っぺらく感じられるかもしれません。影響を受けた過去の作品が透けて見えるうえに、ユーモアとボディホラーの組み合わせが十分に深掘りされないまま終わってしまうからです。

さらに大きな課題となるのが、見せ場が訪れるタイミングの遅さです。魅力的な設定や優れた結末の前に長く退屈な序盤と中盤が続くため、衝撃のほとんどが最後の数分間に偏ってしまっています。この問題は『Metamorphic Love』で特に顕著で、物語の大半が退屈な日常の作業に費やされ、ホラー要素の多くが終盤に詰め込まれています。AndrewやLaura、そして虫たちと意味のある時間をほとんど過ごさないため、せっかくのクライマックスも本来あるべき手応えを残せていません。アイデア自体は良いものの、それが実を結ぶまでに長い時間がかかってしまいます。

直接的な恐怖よりも不穏さが漂う独特の空気感

直接的な恐怖よりも不穏さが漂う独特の空気感

シリーズの伝統に違わず、本作の物語はストレートな恐怖というよりも不穏な気味悪さを感じさせます。唐突に驚かせるのではなく、独特の雰囲気によってじわじわとプレイヤーの心に忍び寄るようなつくりになっています。『The Toll Keeper』には忍び寄る恐怖をじっくり醸成するだけの落ち着いたテンポがあるものの、雑用の描写に偏りすぎているせいで、ホラーらしい出来事はほとんど起きません。その結果、ホラー小説というよりは教訓めいた寓話に近い仕上がりになっており、その退屈さを埋めてくれるようなユーモアも乏しいままです。

短編を繋ぐ枠物語の薄いプロットと不自然なセリフ

短編を繋ぐ枠物語の薄いプロットと不自然なセリフ

アンソロジー全体を繋ぎ止める役割を担うDannyの物語ですが、残念ながら全体のなかでも明らかに完成度が劣っています。Dannyは仲間である3人のティーンエイジャーとともに、父親の死の手がかりを求めて廃墟となったショッピングモールを探索します。仲間とはぐれて地下へ落ちたDannyは、物語と引き換えに脱出の手助けを持ちかけるからくり仕掛けの占い師The Readerと出会います。このプロットはいかにも付け足しのように感じられ、展開は短く単純で使い古されたものばかりなうえに、登場人物もステレオタイプな80年代の若者で、目を引くようなパズルも用意されていません。

登場するティーンエイジャーたちの芝居がかったセリフ回しは若者らしさに欠け、日常会話としても不自然に聞こえてしまいます。そのためゲーム開始直後の第一印象は良くないものの、本編となる2つのエピソードに入ると、セリフやボイスの質は目に見えて向上します。枠物語の出来栄えによって各エピソードの価値まで損なわれるべきではありませんが、各話の優れた要素をもってしても、枠物語の物足りなさを補うには至っていません。

探索と対話が中心の単調な操作と控えめな謎解き

探索と対話が中心の単調な操作と控えめな謎解き

『Creepshow』のプレイ時間の大半は、きわめてシンプルな操作に費やされます。各エリアの視点は固定カメラアングルで構成されており、PC版では方向キーで移動し、Shiftキーを押して走り、マウスでアイテムを拾ってプロンプトが出たらSpaceキーで使用します。移動もアイテムの使用も目的の達成も単純そのもので、パズルやミニゲームを除けば、ゲームプレイはウォーキングシミュレーターに近い感覚です。指定された場所へ行き、周囲を調べ、物語が進むのを見届けるという流れが続きます。次に何をすべきかは常に画面で確認でき、どこを調べるべきかまで丁寧に教えてくれるため、プレイヤー自身が頭を悩ませる場面はほとんどありません。

プレイ体験にメリハリを与えてくれるのはミニゲームです。単調なルーティンを抜け出す息抜きとして楽しむのであれば、これらのミニゲームは良いアクセントになります。『Metamorphic Love』では注文票に合わせてハンバーガーを組み立てるミニゲームが登場し、そのバリエーションが効果的な恐怖の瞬間を生み出しています。妻の食事作りや虫への餌やり、皿洗いや着替え、出勤といった繰り返しの日常のなかで、ミニゲームの存在感は際立っています。ただし、歯ごたえのあるアクションやゲーム性を期待していると、規模が小さく刺激も薄いため、あっけなく終わってしまう印象を受けるはずです。

パズルの難易度もゲーム全体にバランスよく配分されているわけではなく、特定の場面に極端に偏っています。『The Toll Keeper』の作業の大半は、床の掃除や、パーツを回転させてはめ込む手すりの修理、壁の補修といった軽い雑用にすぎません。本当に手強いパズルはやりこみ要素として用意されています。各エピソードには「Creep Piece」が隠されており、Father Torosianの物語でそれを手に入れるには3つのパズルを解く必要があります。そのうち2つは周囲の手がかりと謎めいた指示を照らし合わせる本格的ななぞなぞです。ピースを集めると、画面を懐かしいドット絵や白黒映画、走査線の入ったレトロなVHS風に切り替えるビジュアルモードが解放されます。こうした隠し要素を集めるのであれば、手応えのある謎解きも用意されており、隠されたヒントを見落としやすいプレイヤーにとっては意外な難関になるかもしれません。しかし、メインルートを進めるだけであれば、全体として難易度は控えめです。

数時間でクリアできるコンパクトな全体の構成

数時間でクリアできるコンパクトな全体の構成

『Creepshow』のボリュームはかなり控えめで、3つの物語をすべて終えるまでに約3〜4時間、細部まで探索しながらゆっくり遊んでも4時間程度でクリアできます。コンパクトにまとまったアンソロジーを求めているのであれば、この短さは作品の規模感に適しています。どの物語もこれ以上引き延ばす必要はありませんし、プレイ時間が短いおかげで単調な操作に付き合わされる時間も少なくて済むからです。一方で、これほど有名なホラー作品の大規模なゲーム化を期待していた人にとっては、2つの短編と薄味な枠物語だけという構成に物足りなさを感じるはずです。

秀逸なビジュアルの魅力と淡白なゲームプレイの落差

秀逸なビジュアルの魅力と淡白なゲームプレイの落差

『Creepshow』は、鑑賞するホラーコミックとしては説得力があるものの、遊ぶゲームとしては物足りなさが残ります。コミック調のビジュアル演出は表情豊かなキャラクターやカラフルで不気味な背景、手堅いボイス演技が揃っており、確実に優れています。しかし、硬いアニメーションや単純すぎるゲームプレイ、そして展開の遅さが、せっかくの優れた演出を活かしきれずにいます。各エピソードが物語として成功しているのか、それともありきたりな設定と掘り下げの浅さによって足を引っ張られているのかについては、メディアの間でも評価が分かれました。また、ミニゲームやパズルに十分な手応えがあるかや、短いプレイ時間が作品に合っているのか、それともボリューム不足なのかについても意見が割れています。

コミック風のスタイルに惹かれ、展開の遅さよりも設定と結末の切れ味を重視するなら、本作は十分に楽しめます。独立したひねくれた物語を気軽に味わいたい人にとって、価値ある数時間になるはずです。一方で、不自然なアニメーションやぎこちない視線が気になるなら、購入は慎重に検討すべきです。パズルやミニゲームによる継続的な刺激や、本物の恐怖を期待している場合、あるいは3〜4時間で3つの物語という分量に物足りなさを感じる場合も同様です。主に手応えのあるゲームシステムを求めているなら、見送るのが無難でしょう。一部のパズルやミニゲームを除けば、プレイヤーの操作は最後までごく単純なままだからです。『Creepshow』がもっとも輝くのは、画面が静止して一枚のコミックのように見える瞬間です。本作をプレイする価値があるかどうかは、その独特なビジュアルと少し悪趣味な設定が、コマとコマの間で体験するゲームプレイよりも重要だと思えるかどうかにかかっています。

製品情報

項目内容
ゲームタイトル名Creepshow
原題名Creepshow
ジャンルアドベンチャー, インディー
プラットフォームPC(Steam), Xbox Series X|S
発売日2026年8月14日
価格Steam ¥1,700
公式サイト—
開発元PHL Collective
発売元DreadXP

ストアページ

ストア名URL
Steamhttps://store.steampowered.com/app/3462650/

メタスコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メタスコアは大きく変わる機会は少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

9080706050
神ゲー良ゲー凡ゲー低評価爆弾持ち