2026年8月11日に発売の『Agent 64: Spies Never Die』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「72 点」で「賛否」という評価になっています。
2026年10月9日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは19件、最高は90点、最低は50点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
照準を銃に任せてテンポよく駆け抜ける射撃の爽快感

『Agent 64: Spies Never Die』には2種類のリプレイが存在します。ひとつはプレイヤー自身が進んで選ぶリプレイです。各ステージはコンパクトで、隠された収集要素やチャレンジバリエーションが詰め込まれているうえ、非常に短いため、もう一度遊びたくなる魅力があります。もうひとつは、キャンペーンによって強制されるリプレイです。アクトをクリアしても、以前のミッションを高難易度でやり直すか、非常に難しいバリエーションをクリアするまで、ストーリーの先がロックされたままになることがあります。本作はN64時代のスパイシューターへのオマージュですが、遊ぶ価値がある理由も、手放しで勧めにくい理由も、この2つのリプレイがもたらす落差から生じています。
本作を勧めたくなる最大の理由は、まず射撃の心地よさにあります。キャラクターの移動は滑らかで、エイムアシストも手厚く機能します。敵が上下どちらにいようと、同じ高さにいようと自動で照準を合わせてくれるため、細かいことを気にせずラン&ガンに徹したときに本作は最も輝きます。動き回りながら引き金を引き続け、標的の選択をオートエイムに任せると、アクションは一気に慌ただしくスピーディーになります。懐かしさを別にしても、この小気味よいテンポこそが本作最大の長所であり、倒すたびに操作と格闘することなく、90年代後半のシューターの感触を保っています。
受けられる補助の度合いは難易度によって変わります。最低難易度のエージェントモードではアシストが非常に強く、ほぼすべての弾が命中します。一方でSpecial Agentや64 Agentではアシストが目に見えて弱まり、それが難易度を高く感じさせる要因のひとつになっています。ただし最も強いアシストであっても便利さには限界があり、狙うつもりだった敵とは別の相手に銃がロックオンしてしまうこともあります。
武器そのものには少し物足りなさを覚えるかもしれません。ピストル、スナイパーライフル、カラシニコフの撃ち味にはほとんど区別がつきません。発射時の見た目こそ異なるものの、どの銃にも反動のパターンがなく、手応えの重みもなければ移動への影響もありません。大きな例外がミサイルランチャーで、90年代のボス戦のようにヘリコプターと交戦する際には、一発ごとに確かな重みと威力が感じられます。それ以外の場面ではスピード感の多くをオートエイムに依存しているため、プレイヤー自身に操作が委ねられる瞬間がひときわ際立ちます。
レトロな操作感への忠実さが現代のプレイでは窮屈さを生む

ツインスティック操作の採用は歓迎すべき現代的な改善であり、当時の実機ハードウェアと比べてもはるかに動かしやすくなっています。しかし精密エイムに関しては話が別です。トリガーを引いてズームしたレティクルを呼び出すと、当時の記憶どおりに動きが遅く、思うように動かせません。現代のアナログスティックやマウスの感覚からすると、むしろ当時以上に操作が煩わしく感じられるほどです。
この問題が最も深刻になるのは、小さな標的や遠くの対象への精密射撃を求められる場面です。最初のステージには手動で撃ち抜かなければならない錠前が2つ用意されていますが、これがどのボス戦よりも難しく感じられます。警報装置や遠方の敵を狙い撃つ際にもポインターレティクルが必要になります。こうした場面ではゲームパッドよりマウスとキーボードのほうが扱いやすいものの、あくまで比較上の話であり、どの入力方法でもレティクルの動かしにくさは変わりません。
当時の仕様を厳格に再現した姿勢は、移動の自由度も制限しています。本作にはしゃがみもジャンプも存在しないにもかかわらず、ステージ内には木箱や机といった遮蔽物になりそうな家具が数多く配置されています。敵が大挙して押し寄せてきたときに身を隠せそうに見えるものの、キャンペーンの銃撃戦ではそれらの背後に立っても敵の弾にさらされたままになります。結局のところ、柱の陰から出たり入ったりしながら被弾を避けるしかありません。レトロな純粋さを損なわずに現代的な移動アクションを有効化できるオプションがあれば親切だったはずです。なおオンライン対戦では全員がしゃがめないため、この仕様に対する不満はほとんど気になりません。
建物を推理する楽しさと単調な廊下の退屈さが入り交じる構造

キャンペーンのステージ設計は、本作で最も好みが分かれる要素です。ここをどう受け止めるかは、プレイヤーがステージ構造に何を期待するかによって大きく左右されます。
空間の構造を自力で把握していくのが好きなプレイヤーなら、キャンペーンには楽しめる要素がたくさんあります。山頂の基地や美術館といった舞台は、提示されるミッションに合わせて丁寧に作られています。道案内となるミニマップは用意されていないため、どこを通ってきたかを記憶し、目標がどこにあるかを推理しながら建物を読み解いていく面白さがあります。一方で親切な案内を好むプレイヤーにとっては、同じ道案内の少なさゆえに、マップの構造が巧妙さよりも不親切で分かりにくく感じられるかもしれません。
90年代のレベルデザイン特有のリズムを楽しめるなら、開けた構造のステージで本作の魅力は存分に発揮されます。そうしたステージは銃撃戦に適度な広がりを与え、実在する現場に入り込んだような感覚を味わわせてくれます。しかし同じくらい廊下ばかりのステージも多く、それらは臨場感に乏しいうえ、探索の興味を持続させる工夫も足りていません。マップごとの多彩な変化を期待しているなら、似たような通路が続くステージがかなりの割合を占めている点は覚悟しておく必要があります。
テンポよく終わる短いミッションが好きなら、行き止まりに迷い込んでもそれほど大きな痛手にはなりません。各ミッションは5分もかからず、目標タイムが2分を切ることも珍しくないため、多少道を間違えたところで大きな損失にはならないからです。逆にミスによるやり直しを嫌うプレイヤーにとっては、行き止まりや似たような廊下のループがひときわ重荷に感じられるはずです。途中で倒されるとミッションの最初からやり直しになってしまうためです。
コンパクトなステージに詰め込まれた自発的なリプレイの魅力

自分から進んで再挑戦する分には、このコンパクトなステージ群にはやり込み要素が豊富に用意されています。隠された収集要素やチャレンジバリエーションによって同じ空間が新しく活用されており、ステージ自体が非常に短いため、もう一度遊びたくなる魅力には抗えません。繰り返し遊ぶうちに建物の構造が頭に入り、ルートの最適化が進んでいきます。追加要素のクリアには相応の練習が求められますが、それは観察力や操作の腕前を磨く純粋な努力であり、だからこそ確かな達成感が得られます。
難易度を上げた際に変化するのは、受けるダメージの数値だけではありません。各マップを隅々まで探索し、各種ガジェットを使いこなすことを求める追加目標が設定されます。美術館のミッションは最低難易度だとほぼ静かな潜入任務ですが、高難易度では盗まれた美術品を回収しながら、複数フロアにまたがる銃撃戦が加わります。
キャンペーン本編以外にも遊べる要素は充実しています。追加目標をはじめ、Challenge League、キャンペーンをリミックスするパラドックスモードのモディファイア、そしてシングル、協力、マルチプレイの選択肢が揃っています。これらをどれほど長く楽しめるかは、本作がオマージュを捧げるRareのシューターにどれだけ愛着を持っているかによって決まります。
ストーリー進行を縛る強制リプレイが軽快なテンポに水を差す

問題となるのは、キャンペーンがこうした追加要素を気ままな任意プレイのまま残してくれない点です。ゲームの進行は収集アイテムであるCyphersの獲得数に左右されます。エージェントモードでミッションをクリアすると1つ手に入り、高難易度への挑戦やチャレンジバリエーションの達成、隠された収集要素を見つけることでさらに集められます。しかし規定数に達しないままアクトを終えると、次のアクトが解放されません。ストーリーの先を見るためには、以前のステージに戻って高難易度でやり直すか、難易度の高いバリエーションをクリアせざるを得なくなります。すべてエージェントモードでクリアしてきた場合、アクト3突入時に10個必要なのに手元には7個しかないといった事態も起こり得ます。問題なのは難易度が上がること自体ではなく、おまけ要素のためではなく本編ストーリーを進めるために再挑戦を強いられる点です。そのせいで足止めが不自然に感じられ、自分で選んだ難易度のまま物語を最後まで楽しむことすら難しくなってしまいます。こうした強制的な周回は、本作が持つ軽快なスパイアドベンチャーのノリとも噛み合っていません。
この進行制限はプレイ時間の引き伸ばしにも見えてしまいます。再プレイ時には相応に難度が上がり、達成すべき目標リストも増えるものの、プレイ体験の変化としては小幅に感じられる場面もあります。最初から同じステージを何度も遊び直すつみでなかったプレイヤーにとっては、あっという間に退屈さを感じてしまう要因になりかねません。
この関門をどれほど重く感じるかは、シューターというジャンルへの習熟度によって大きく分かれます。操作に不慣れなプレイヤーにとっては、文字どおりの大きな壁になり得ます。最も易しい難易度以外ではステージ攻略が格段に難しくなることがあり、チャレンジバリエーションの中には腕前を問わず苛酷に感じられるものが存在するからです。こうしたボトルネックは、実質的に腕前を上げなければストーリーの先を見せない仕組みとして立ちはだかります。一方で腕利きのプレイヤーにとっては、ソロプレイの高難易度であっても拍子抜けするほど手応えがないかもしれません。その場合、この関門は高い壁というより、単に手間の増える作業に感じられてしまいます。
ドア越しに待ち構えるだけで倒せる単調でムラのある敵AI

敵の挙動も、こうした不満を払拭してくれるほど賢くはありません。行動パターンがあまりに単純なため、容易に隙を突けてしまいます。部屋の中にいる敵が一斉に向かってきたとしても、入ってきたドアの外へ下がり、狭い戸口を一列になって通ってくる敵を順番に撃ち抜くだけで対処できてしまいます。この戦法はどんな場面でも通用し、最高難易度ですら例外ではありません。
敵の警戒レベルや反応にもばらつきが見られます。素早く反応して群がってくる場面がある一方で、すぐ近くでサプレッサーなしの銃声を響かせ、死体が積み上がっても巡回を続けている場面もあります。この極端なムラのせいで、敵を油断ならない脅威として受け止めるのが難しくなっています。
同じソファで肩を並べて大騒ぎする画面分割対戦の楽しさ

マルチプレイこそ、本作を遊ぶ最大の動機になります。画面分割によるデスマッチは、90年代後半のリビングに満ちていた笑いの絶えない賑やかさを鮮やかによみがえらせてくれます。近接地雷縛りや、柔道チョップの格闘縛りといった形で対戦ルールを細かくカスタマイズすると、面白さは一段と跳ね上がります。こうしたカスタム設定は標準的なマッチ以上に本作の持ち味と噛み合っており、手厚いオートエイムが機能するため、誰もが脱落することなく勝負の輪に加わり続けられます。
対戦用のアリーナは構造をすぐに把握でき、要所を覚えれば役立つ退路も用意されています。ただ空間が狭く単純な作りのため、戦術の選択肢は限られます。少人数での対戦では、ボディアーマーの出現ポイントを独占し続けたプレイヤーがそのまま押し切ってしまう展開も珍しくありません。逆に参加人数を増やせば乱戦の展開が広がり、多様な駆け引きや予想外の結果が生まれます。ここでの面白さはテンポの良さから来るものであり、緻密な戦術の深みから生まれるものではありません。
このモードが最も輝くのは、友人たちと同じソファに腰掛け、それぞれがコントローラーを握り合っている瞬間です。そうしたオフライン環境を用意できない場合、魅力はどうしても薄れてしまいます。対戦に変化をつけるチート機能が使えない状況では次第に試合展開が単調に感じられてくるため、ルールのカスタマイズは見た目以上に重要な要素になります。
90年代を再現した演出がノスタルジーの枠を出るかで分かれる評価

演出面の評価は、レトロゲームへの敬意をどれだけ重視するかによって分かれます。N64時代のビジュアルへの忠実な再現を好む人なら、グラフィックは魅力的に映るはずです。角ばったローポリゴンの造形は当時のままでありながら、現代的な美しいライティングと鮮明なテクスチャによって綺麗に磨き上げられています。オマージュの精神が作品全体の方向性を決定づけている形です。一方で独創的なアートディレクションを求める人や、意図的なノスタルジーに惹かれない人にとっては、その素朴さが単に面白みのないものに見えるはずです。本作ならではのオリジナリティをもう少し押し出してもよかったところです。
サウンド面についても同様に受け止め方が分かれます。場面に応じて変化する楽曲は、90年代のアクション風の音色に現代的な要素を織り交ぜており、効果音も『ゴールデンアイ 007』の感触に近い仕上がりです。ボイスによるセリフはなく字幕表示のみですが、それでも音響演出の存在感は際立っています。ただし、耳に残るキャッチーなテーマ曲を求めていると、楽曲全体が平凡に感じられる可能性もあります。
動作パフォーマンスは極めて安定しています。フレームレートは常に滑らかな60fpsを維持し、PC環境では1440p解像度で240fpsにも容易に達します。この優れた描画性能のおかげで、操作への追従性も非常に心地よく感じられます。
自発的な挑戦を楽しめるかで評価が分かれるスパイアクションの総評
『Agent 64: Spies Never Die』は、昔ながらのスパイシューターを求めていて、それを前提として受け入れられるなら十分に遊ぶ価値があります。手厚いオートエイムによる高速なラン&ガンが好きな人や、収集要素やチャレンジバリエーションを通じて短いステージを極めたい人に向いています。さらに、仲間と一緒に集まってカスタムルールで画面分割対戦を楽しめるグループにもうってつけです。そうしたプレイヤーにとっては、疾走感のある銃撃戦や周回を前提とした軽快なミッション、リビングでわいわい騒ぎながら遊ぶ時間が確かな満足感をもたらしてくれます。
一方で、キャンペーンのストーリーをスムーズに追っていきたい人には手放しで勧めにくい一面もあります。Cyphersによる進行ロックは、本来なら楽しいはずの追加要素を強制的な周回へと変えてしまいます。精密エイムのレティクルは遅く扱いにくいままであり、マウスとキーボードを用いても多少ましになる程度です。マップに溢れる遮蔽物を活かすためのしゃがみ動作はなく、敵AIも難易度を問わず同じドア待ち戦法に引っかかります。マルチプレイの楽しさも、ひとつのソファを囲めない状況では魅力の多くを失ってしまいます。行き止まりによる迷走や死亡後の最初からのやり直しにストレスを感じる人、賢い敵や奥深い対戦戦術を求める人は注意が必要です。シューターの腕前にあまり自信がなく、主にストーリーを最後まで見届けたいプレイヤーは、待つか見送るべきです。先に進むためには、いずれ高難易度ミッションの再走や厳しいバリエーションのクリアを要求されることになるためです。
メディアの間でも、進行システムを急激な難易度の壁と捉えるか、あるいはソロプレイの高難易度でも手応えが薄いと見るかで評価が分かれています。各ステージが任務に合わせて作られた引き込まれる空間なのか、それとも廊下と行き止まりが続くもどかしいものなのかについても意見が割れました。さらに、意図的に懐かしさを前面に出した映像やサウンドトラックが、センスの光るものに映るのか、面白みがなく平凡なものに映るのかでも評価は二分しています。『Agent 64』を手放しがたいものにしているリプレイ性の高さは、同時にキャンペーン進行によってプレイヤーに強いられる足かせでもあります。この設計が心地よい挑戦として機能するかどうかは、プレイヤーが同じミッションへ自ら進んで戻りたいと感じるか、それとも単にストーリーをクリアしたいだけなのかによって決まります。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | Agent 64: Spies Never Die |
| 原題名 | Agent 64: Spies Never Die |
| ジャンル | アクション, アドベンチャー, インディー |
| プラットフォーム | PC(Steam) |
| 発売日 | 2026年8月11日 |
| 価格 | Steam ¥2,772 |
| 体験版 | あり |
| 公式サイト | — |
| 開発元 | Replicant D6 |
| 発売元 | Replicant D6 |
ストアページ
| ストア名 | URL |
|---|---|
| Steam | https://store.steampowered.com/app/1574480/ |










