2025年11月10日に発売の『Verho – Curse of Faces』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「68 点」で「賛否」という評価になっています。
2026年10月9日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは13件、最高は90点、最低は58点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
過酷な荒野を歩き回るからこそ予想外の発見が光る世界

マップの目立たない片隅にある、名もなき墓に立てかけられた武器が、そのまま最終ボスまで使えてしまうことがあります。『Verho – Curse of Faces』にはこうした予想外の発見が多く用意されており、数々の欠点を補う原動力になっています。剣の攻撃が空を切ったり、理不尽な当たり判定で被弾したり、足場へ届かずに落下したり、クエストの内容を忘れてしまったりと不満点は少なくありません。それでも、この荒涼とした世界にはプレイヤーを惹きつけ続ける確かな力があります。
この世界観こそが、本作をプレイする最大の理由です。舞台となるヤリブは過酷でひどく荒涼としており、崩壊寸前の空気が漂っています。その厳しさと残酷さが独特の雰囲気を生み出し、初代PlayStation風のビジュアルが言葉少なに物語を語りかけてきます。陰鬱で危険な気配に満ちたこの地では、楽しく暮らしている人間など誰一人として見当たりません。こうした場所の空気感がシステム面の不満を支え、片隅の秘密を解き明かして物事のつながりが見えるにつれて、粗削りな部分も不思議と許せるようになっていきます。
探索が思わぬ形で報われる点も見逃せません。戦利品は意外な場所に置かれており、名もないダンジョンで見つけた小物がメインクエストの重要アイテムだと判明することもあります。無造作とも思える配置のおかげで、探索する好奇心が途切れません。また、本作は選りすぐりのロケーションを中盤以降に残しています。序盤の数時間は濃い霧と重い色彩が続きます。しかしそこを抜けると、幽霊が潜む兵舎や打ち捨てられた神殿、さらには深紅の沼地や発光生物がうごめく絶景が広がり、後半のエリアほど新鮮な気持ちで冒険できます。
ただし、探索の自由度には限界があります。道が開けてくると自由な別ルートや入り組んだ構造を期待したくなりますが、その期待どおりにはいきません。いくつかの分岐やひとつのサイドエリアはあるものの、ヤリブを進むルートはおおむね一本道です。もっとも、制限されているのは進路の選択肢だけで、道中で見つかる発見の質ではありません。本作の魅力は、自由に歩き回れる広大なマップではなく、手応えある発見に満ちた一本道の旅路にあります。
哀愁を帯びた名曲が響く一方で声の演技には奇妙さが残る

本作で最も際立っている要素はサウンドトラックです。Valentino Cervini氏の手がける楽曲は心をつかむ哀愁を帯び、郷愁と悲哀に満ちています。背景の物語を自然に支え、ボス戦の劇的な空気感を一段と引き立ててくれます。最終決戦に挑む頃には、音楽の迫力によって、その戦いが贖罪と世界の命運を懸けた壮絶な戦いのように感じられるほどです。死に絶えた沼地や湿ったダンジョン、ボスとの対峙などあらゆる場面によく合っており、粗削りなゲームプレイを乗り越えて先へ進む大きな動機になります。
一方で、声の演技は音楽に比べると見劣りします。熱意は伝わってくるものの素人臭さが抜けず、世界観が求める重厚感を十分に表現できているとは言えません。とはいえ、この独特の奇妙さが作品の味として生きている面もあります。演者が奇妙な声を絞り出してささやいているように聞こえる場面が多く、それが不気味な神秘性として受け取れることもあるからです。荒いポリゴンで描かれた登場人物は表情の起伏に乏しいため、結果として声の奇妙さがキャラクターの強い個性になっています。
断片がつながる物語は魅力的だが長すぎる会話が足を引っ張る

本作の物語に強く引き込まれるのは、散らばった要素が次第につながっていく構造にあります。複数のNPCがヤリブの各地に繰り返し現れ、それぞれが独自の背景とクエストを持っています。寄り道をして彼らの依頼をこなしていくと世界の伝承が明らかになり、特定のボス戦やエリアでは助太刀に駆けつけてくれることもあります。手に入るアイテムにもそれぞれ由来が刻まれており、装備や人物、訪れた土地が中心の大きな謎へと結びつく過程を追うことで、飽きずに引き込まれ続けます。
登場人物たちの設定自体は興味深いものの、人によっては記憶に残りにくいかもしれません。彼らと出会う場面は偉業を成し遂げた後の休息中であることが多く、実際の活躍を目撃するより昔語りを聞く機会のほうが目立つためです。個別の物語を追いかけ、各人物の目的を意識して接すれば生き生きと感じられますし、味方になる者や裏切る者など動機の違いによって深みも出てきます。それでも、実際の行動を見て心を動かされたいプレイヤーにとっては、やや印象が薄い人物像にとどまる可能性があります。
惜しいのは、物語の語り口そのものが足を引っ張っている点です。オープニングのナレーションは三点リーダーを多用し、情景を見せる代わりに言葉で長々と説明してしまいます。謎めいた世界観を掲げる作品としては首をかしげたくなる構成です。会話の内容自体にアイデアはあるものの、いかんせんテキストの分量が多すぎます。同じような言い回しが続く長文をクリックで読み進めていると、ただ歩いているだけで感じられた不気味さや恐怖が恋しくなってきます。底知れぬ穴に落ちた魂や、山頂をさまよう不気味な影、遠くからかすかに届く叫び声といった、環境が直接語る魅力をもっと味わいたかったところです。
地図も記録もない世界では手元のノートと記憶だけが頼りになる

『Verho – Curse of Faces』では、進路の把握や目的の管理が完全にプレイヤーの記憶へ委ねられています。マップもなければクエストログも存在しません。NPCから目的地を聞けることもありますが、「南に洞窟がある」といった曖昧な指示にとどまるため、あとは自身の直感と画面に浮かぶコンパスだけを頼りに進むことになります。次に何をすべきかが分かりにくく、重要な情報を見落とす危険がつきまといます。もし聞き逃したり忘れたりしても、ゲーム内で振り返る手段はいっさい用意されていません。
この仕様は、プレイ中に頭を抱えるトラブルの原因にもなります。たとえば負傷したNPCから特定のアイテムを頼まれた後、一晩プレイを空けたせいで依頼内容を忘れてしまったケースがありました。再度話しかけても依頼の台詞は繰り返されないため、手持ちのアイテムを手当たり次第に渡して正解を祈るしかありませんでした。こうした不親切さがあるため、手元でのメモ取りはほぼ必須です。進行中のクエストや発見した手がかり、迷いやすいルートを自分で書き残し、状況によっては手書きで地図を描く覚悟も求められます。
その一方で、この突き放した設計が本作屈指の素晴らしい体験を生み出しているのも確かです。はるか遠く離れた土地で見つけた道具が、以前見かけた謎を解く鍵だと気づいたときの達成感は格別です。アイテムの解説文を読んで、数時間前からすでに解決策を持ち歩いていたと気づく快感もあります。ノートを取りながら散らばる手がかりをつなぎ合わせる作業は、没頭できる人にとっては苦痛どころか大きな喜びに変わります。とはいえ、謎解きや目的の中には純粋に難解すぎるものも混ざっているため、自力で記録を残しながら遊ぶのが苦手な方にはとっつきにくいゲームだと感じられるはずです。世界をまたぐ壮大な謎解きを楽しめるかどうかは、自分から詳細を記録していく根気があるかどうかにかかっています。
当てにならない当たり判定と理不尽な被弾が探索の足を引っ張る
システム面で最も大きな難点は、当てにならない当たり判定です。ヒット判定が不安定で自分の武器のリーチもつかみにくく、目視では絶対に当たっていないはずの攻撃で被弾してしまう場面が頻繁に起こります。とりわけ厄介なのが空を飛ぶ敵です。コウモリや魔法を放つ飛行型の敵は当たり判定の悪さに加えて素早く攻撃範囲外へ逃げるため、道中の手軽な障害であるはずの敵がひどく手間の掛かる相手に変貌してしまいます。さらに飛行敵は障害物や壁をすり抜けてくることもあり、追尾されていることに気づかないままNPCと会話している最中に急襲されることさえあります。
この当たり判定の粗さは、ステータスが低い序盤ほど深刻に響きます。理不尽な被弾に数発耐えられるようになるまでは、雑魚敵の一体一体に対して慎重な間合い管理を強いられます。間合いを詰めてリーチを測り、いったん下がってから再び攻撃を仕掛けるような手探りの繰り返しです。場合によっては、トゲのトラップから明らかに離れた位置にいるにもかかわらずダメージを受けてしまうことすらありました。
敵のバリエーションの少なさが、この戦闘のストレスに拍車をかけています。本作では敵モデルの使い回しが多く、基本ステータスや色を変えただけの敵が目立ちます。たとえばコウモリを倒した後にstone batsが現れ、通常のcrystal cockroachesの後にはfire crystal cockroachesが出てくるといった具合です。ほとんどのエリアは1〜2種類の敵で構成されており、違いといえばサイズや毒・炎といった属性程度で、攻撃モーションも2種類ほどしかありません。幸いにもロケーションの移り変わりが早く各エリアが長すぎない点や、後半になると敵の行動パターンが複雑化してくる点は救いになっています。しかし、理不尽な当たり判定はプレイヤーの好みに左右される話ではなく、戦闘の楽しさ以前に純然たる欠点として横たわっています。
一撃を溜める慎重な戦闘は緊張感と間延びが紙一重のリズムになる

戦闘システムは動作が全体的に重く、慎重な立ち回りが求められます。攻撃ボタンを長押ししてゲージを溜め、指を離して振り抜く仕組みです。ゲージが溜まりきる前に攻撃を放っても威力がほとんど出ない一方、ゲージが満ちた瞬間にタイミングよく離すとクリティカルヒットが発生します。重い武器は溜めに時間がかかる代わりに強力な一撃を叩き込め、軽い武器は前方への素早い踏み込み突きやバックステップを絡めて立ち回れます。基本となるのは位置取りと溜めの呼吸であり、バックステップで距離を取って力を溜め、踏み込んで解き放つという独特のリズムが生まれます。
状況をじっくり見極めながら計画的に戦いたいプレイヤーにとって、この落ち着いたペースは心地よい手応えになります。たとえば幽霊の群れが霊剣を掲げて迫ってくる場面でも、周囲の状況を把握する余裕が残されています。回復薬の残量は十分か、直前のチェックポイントからどれほど進んだかといった状況判断を挟む余地があるため、敗北しても反射神経の差ではなく判断ミスとして納得できます。理不尽さを感じさせない絶妙な歯ごたえがあり、慎重なルーティンを守りながら戦う感覚には不思議な心地よさがあります。
その反面、多彩で好戦的な敵とのスピーディーで洗練されたアクションを期待すると、同じ戦闘がひどく間延びした退屈なものに映ってしまいます。敵の攻撃パターンが少なく積極的に距離を詰めてこないため、多くの遭遇戦が「溜めて殴り、下がってやり過ごす」という単調なパターンの繰り返しに陥りがちです。安全な立ち回りは裏を返せば遅くて消極的な戦法でもあり、窮屈さを覚える場面も少なくありません。当たり判定の怪しさも手伝って、敵に勝っても爽快感を得るというより、不便なシステムを何とかいなしたような疲労感が残ることもあります。この慎重なテンポは、そうした緊張感を楽しめるなら機能しますが、楽しめなければ作業のように感じられ始めてしまいます。
ゲームの難易度はキャラクターの成長に伴って大きく変化します。ある程度レベルが上がると、大半の敵は苦も無くあしらえるようになります。行動パターンが単純で予備動作も分かりやすいため、敵の群れに囲まれさえしなければ苦戦する要素はほとんどありません。この手軽さは序盤に感じた当たり判定の不満を和らげてくれる一方で、ゲーム全体の緊張感を薄め、単調さを招く要因にもなっています。例外は複数の形態を持つ最終ボスで、ボス戦全般はジャンプで薙ぎ払いを跳び越えたりしゃがんで回避したりするアクション性が求められ、最後まで歯ごたえを感じられます。ただしステータスの筋力に大きく割り振ると道中の雑魚敵が一撃で沈むようになるため、ビルド次第では歯ごたえがなく簡単すぎると感じる場合もあります。シビアで容赦のない高難度を期待して遊ぶのは避けたほうが賢明です。
拾った装備に合わせて育成方針を柔軟に変えていく面白さがある

ゲーム開始時には自分のクラスを決める「仮面」を選択し、これによって初期ステータスが決まります。とはいえ、選んだクラスに最後まで縛られる必要はなく、物理と魔法を両立したハイブリッドな育成も手軽に行えます。レベルアップごとに3ポイントの能力値を自由に割り振れるため、探索で見つけた装備品が育成の方向性を大きく変えていきます。たとえば器用さに特化して育てていても、魅力的なspell crystalsを拾ったのを機に知力へポイントを振り、補助的な呪文を習得していくといった具合です。拾ったアイテムに導かれてビルドが変化していく手触りは、育成要素と探索の醍醐味を見事に結びつけています。ただし、中途半端な器用貧乏を嫌って最初から尖った特化型を目指したいプレイヤーには、この柔軟さが物足りなく映るかもしれません。
なお、実際のプレイにおける注意点として、魔法を主力に据えすぎないことが挙げられます。多くの状況において魔法の使い勝手はあまり良くないため、呪文に頼り切ったビルドを組んでしまうと攻略で苦戦を強いられる可能性が高くなります。
レトロな荒削りさを受け入れられれば手頃な長さで濃密に遊べる

ビジュアルの受け止め方はプレイヤーの好みによって大きく分かれます。『Verho – Curse of Faces』はポリゴンが角張っており、現代基準の洗練された美しさとは無縁ですが、32ビット時代のレトロな質感を意図的に再現しています。懐かしいレトロゲームに親しみがある人なら、この粗さもすんなり受け入れられ、むしろ味のある魅力として楽しめるはずです。角ばった荒いポリゴンモデルは、荒廃した神殿や墓地、滅びかけた首都の風景に驚くほどしっくり馴染んでいます。その一方で、古めかしいポリゴンの質感に抵抗がある場合は、世界観の魅力に触れる前に敬遠してしまうかもしれません。
一方で、ボリューム感については万人におすすめしやすい仕上がりです。しっかりと遊んで8〜12時間ほどでクリアできる規模感になっており、長すぎず短すぎない手頃な長さに収まっています。週末の時間を使って無理なくエンディングまで到達できる長さでありながら、しっかりと密度の濃い冒険の余韻を味わえます。
不親切さと粗さを受け止め自力で秘密を解き明かす人へ向けた一作
『Verho – Curse of Faces』は、未知の世界を自らの足で歩き回る体験にこそ最大の魅力があります。過酷で荒涼としたヤリブの地、好奇心を刺激する予想外の発見、哀愁に満ちた美しい楽曲、そして世界の謎をつなぐ伝承の数々が、本作を遊ぶ強い動機になります。独特の退廃的な空気感や探索の喜びを重視し、地図も記録帳もない世界でメモを取りながら進めるスタイルに抵抗がなければ、遊んでみる価値は十分にあります。レトロなビジュアルや多少の粗さが気にならない方にも向いています。先を見据えて慎重に立ち回る重めの戦闘を好む方や、週末に集中して味わえる密度の高い冒険を求めている方には特におすすめです。
その一方で、迷わず進むための明確な目標表示やクエストログ、親切な全体マップを求める方には手放しでおすすめできません。当たり判定の怪しさや飛行敵の理不尽な挙動にストレスを感じやすい方や、目まぐるしく技を繰り出してくる多彩な敵との洗練された戦いを求める方も同様です。最終ボス戦を除けば、ほとんどの雑魚戦はレベルを上げて力押しで乗り切れる仕様であり、魔法特化の育成や自由自在に分岐する複雑なルートを期待するのも禁物です。快適なアクションや丁寧な道案内を求めるプレイヤーにとって、慎重すぎる戦闘や不親切な進行設計は、緊張感よりも退屈さとして受け取られてしまう可能性が高くなります。
メディアの間で最も評価が分かれたのは戦闘面でした。ゆっくりとした慎重な攻防を納得感のある公平なバトルとして好意的に捉えるメディアがある一方で、単調で粗削りな作業にすぎないと厳しく評価するメディアも見られました。NPCの描写についても意見が二分されており、各自の動機が明確で生き生きとしていると評価するメディアがある一方、設定倒れで記憶に残りにくいと指摘するメディアもありました。『Verho – Curse of Faces』が応えてくれるのは、洗練された操作感ではなくプレイヤーの旺盛な好奇心と忍耐力です。ノートとペンを傍らに置き、次に待ち受ける秘密を自力で暴こうとする冒険者にこそ、本作は何物にも代えがたい豊かな体験をもたらしてくれます。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | Verho – Curse of Faces |
| 原題名 | Verho – Curse of Faces |
| ジャンル | アドベンチャー, RPG, アクション, ファンタジー, ダンジョンRPG, ロールプレイング, その他 |
| プラットフォーム | Windows, PlayStation 5, Nintendo Switch, Xbox Series X|S |
| 発売日 | 2025年11月10日 |
| 価格 | Steam ¥1,980 / Nintendo ¥3,575 / Xbox ¥2,175 |
| 体験版 | あり |
| 公式サイト | https://kasur.games/ |
| 開発元 | Kasur Games |
| 発売元 | CobraTekku Games |










