2026年10月29日に発売の『Joe & Mac Retro Collection』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「72 点」で「賛否」という評価になっています。
2026年10月29日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは8件、最高は90点、最低は60点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
陽気なおバカさと手ごたえが光る、色あせないアクション

『JOE&MAC 戦え原始人』では上方向に入力すると高くジャンプできますが、空中で原始人を操作して無事に着地させるのは簡単ではありません。ただ、そうした失敗をしてしまっても、本作に用意された巻き戻し機能を使えばミスをなかったことにできます。この小さな救済策はパッケージ全体の性格をよく表しており、ゲームそのものというより、コレクションの機能側がクラシック特有の古さを巧みに補っています。
もちろん、ゲーム自体も今なお十分に遊ぶ価値を備えています。収録された3作はいずれも見せ場にあふれたアーケード風のアクションで、手ごたえのある難しさと少しおバカな味わいが楽しめます。基本武器のこん棒で恐竜や原始人を叩く爽快さに加え、パワーアップを取れば振るたびに骨や石の車輪、火の玉、ブーメランなどの飛び道具が出るようになります。新しい飛び道具や攻撃を手に入れる楽しさはもちろん、ドタバタ感たっぷりのギャグ描写も大きな魅力です。主人公や敵が状況に応じてコミカルな表情を浮かべるほか、恐竜に攻撃を当てると目が飛び出して体がぷるぷる揺れ、恐竜にボコボコにされる場面でさえ見ていて笑ってしまいます。
こうした楽しさを支えているのが、表情豊かなグラフィックです。明るい色づかいにずんぐりとした大きなキャラクター、そして大げさな16-bitアニメーションが合わさり、全体が少しやりすぎなほどのテンションで描かれています。その真骨頂といえるのがボスたちです。頭でっかちでユーモラスなデザインに加え、昼ごはんに食べた原始人を吐き出してくるティラノサウルスや、勢いよく水を噴射するディプロドクスなど、攻撃もばかばかしいものばかりです。この強烈な個性は作品のどの要素よりも古びておらず、30年以上が過ぎた今でもこれらのゲームが魅力を保ち続けている大きな理由になっています。
ただし、『JOE&MAC 戦え原始人』の楽しさを味わうまでには、プレイヤー側の慣れも求められます。操作感には独特のぎこちなさがあり、思いどおりに遊べるようになるまでには時間がかかります。一人で遊ぶ場合は特にそれが顕著ですが、コツをつかめばぎこちなさも含めて楽しめるようになり、隣に一緒に遊ぶ相手がいればさらに楽しくなります。
独特の操作感とジャンプの癖に、時代ごとの古さが残る

初代で最初に慣れる必要があるのは、キャラクターの動きです。ジョーとマックは動きが少し遅く、操作感が硬めに作られています。この硬さは後の作品でほぼ解消されているものの、初代では最初のいくつかのステージを純粋に楽しむというより、操作に慣れることに費やすことになります。
この硬さがトラブルに直結しやすいのがジャンプです。前方向を素早く2回押せばcrawling rollで危険を避けられますが、危険な足場が多い割に画面が狭く、先の様子があまり見えません。上を押して出すハイジャンプはその代表例で、通常のジャンプでは届かない場所に行ける反面、跳んだあとの空中制御が難しいため、基本的な動作なのに着地が運任せになってしまいます。
特定の場面では、当たり判定のわかりにくさがこの問題をさらに悪化させます。崖の上に噴き上がる水柱に着地しなければならない場所では、ジャンプがちゃんと届くのかが判断しにくく、進む先が横方向にほとんど見えないトロッコの場面でも、ジャンプのタイミングは運次第になります。戦闘でも当たり判定がわかりにくいことがあり、『戦え原始人2 ルーキーの冒険』では、ティラノサウルスからはっきり離れた位置で武器を振っても体力を削れてしまうなど、見た目には明らかにおかしい挙動が起きます。大半の場面では想定どおりに判定されるものの、まさに正確な操作が最も求められる場面でこうした問題が起きるため、昔のゲームらしい粗さをどこまで許せるかによって評価が分かれます。
快適な巻き戻しやセーブに加え、白熱のボス連戦も楽しめる

このコレクションはゲーム自体には手を加えておらず、タイトル画面の当時の著作権表示まで含めて、SNES版の姿がそのまま収録されています。その代わり、粗い部分をやわらげる便利な機能が追加されました。巻き戻しを使えば、ジャンプを読み違えたり攻撃に当たったりしたときにいつでも数秒前に戻せるため、やられてもデータを読み込み直す必要はありません。また、各ゲームには専用のクイックセーブ枠が3つずつあり、元いた場所に戻るためだけに同じ場面を遊び直す必要もなくなりました。どちらの機能もこれほど難しいゲームによく合っており、使うかどうかは自由なので、オリジナルのまま遊びたい人でも損をすることはありません。
より中身のある追加要素として挙げられるのが、ボスラッシュモードです。各ゲームに専用のボスラッシュモードが用意されており、ライフゲージ1本でボスたちと連続して戦います。ボスの攻略練習や腕試しになるだけでなく、ステージ全体を遊び直さずにボスのデザインを楽しむ手段にもなっています。ボスの種類が豊富な後の作品ではこの恩恵が特に大きく、『戦え原始人3 主役はやっぱりJOE&MAC』では、戦いが始まる前にトリケラトプスが氷の壁を少しずつ壊しながら姿を現すなど、じわじわと期待を高める演出を気軽に楽しめます。
ボスラッシュモードは手軽に始められる点も優れています。本編をクリアしていなくても最初から遊べ、メニュー構成もわかりやすく作られています。さらにボスごとのタイムが記録されるため、タイムを縮める目標に向かって繰り返し挑戦できます。こうした完成度の高さから、コレクションの中で最高のモードとも感じられ、本編をクリアした後も繰り返し遊ぶ一番の理由になっています。
システム刷新で個性を強めた続編と、変化した手ごたえ

収録作の中で明らかに最も完成度が高いのは、『戦え原始人3 主役はやっぱりJOE&MAC』です。操作は初代より硬さが少なく快適で、グラフィックも格段に洗練されています。絵作りはより大胆になり、キャラクターも大きく細かく描き込まれています。本編の自由度も高く、ワールドマップを移動して挑むステージを選べるほか、ステージの合間には村に戻って、集めたstone coinsを使う楽しみもあります。コインは小屋の家具をそろえたり、意中の相手を口説くための花を買ったりするのに使い、やがては家庭を築くことにもつながります。ステージ数は少ないものの、一つひとつが長く、いくつかの区間に分かれて丁寧に作り込まれており、初代の硬さを体験した後に遊ぶと本当に大きな進化を感じられます。
『戦え原始人2 ルーキーの冒険』は、別の方向にゲームの型を変えています。初代が敵を倒す戦闘を中心としてジャンプアクションを加えたゲームだったのに対し、『戦え原始人2 ルーキーの冒険』はジャンプや移動が中心のアクションゲームで、縦方向に登っていく場面や追いかけられる場面、岩を壊して開く隠し部屋、登るにつれて画面の上へ伸びていくツタなどに重点が置かれています。この操作感が良くなったと感じるかどうかは、初代で何が気になったかによって分かれます。初代の滑るような動きに不満を感じていた人なら、『戦え原始人2 ルーキーの冒険』のより活発で滑りにくい操作は改善だと感じられるはずです。しかし、初代のリズムに慣れていた人には、『戦え原始人2 ルーキーの冒険』のほうが操作しにくく感じられるかもしれません。いずれにしても、初期の2作の中ではこちらのほうが独創的で、色彩も豊かです。
ただし、操作がなめらかになったからといって、『戦え原始人3 主役はやっぱりJOE&MAC』が簡単になったわけではありません。多くのステージは本当に手ごわく、コレクションの中で最も難しいと感じられることもあります。もっとも、前の作品のように休む間もない展開が好きだった人には、手ごたえが軽く感じられるかもしれません。ストーリーや会話、村のパートでアクションが途切れ、初代にあった絶え間ない緊張感が弱まっているからです。
充実の展示が光る一方で、収録タイトルには物足りなさもある
資料系のおまけ要素は、このコレクションで最も安定して優れている部分です。各ゲームのパッケージ箱は好きな角度に回転でき、画面上で開けることもできます。中には北米版・日本版・欧州版のカートリッジが入っており、ラベルシールまで見えるほど細密に再現されています。説明書も全ページ収録されていて、1ページずつ読むことができます。これらは平面のスキャン画像ではなく3Dモデルで作られており、状態の良い現物が手に入りにくくなっているレトロゲームにとって、地域ごとの版を並べて見られるのは意義ある保存の取り組みです。おしゃれな音楽プレイヤーでは3作のサウンドトラック全64曲を聴くことができ、アートギャラリーには宣伝用イラストやポスター、鉛筆のスケッチが収められており、長年のファンにとって手元に置く価値を大いに高めています。
ただ、ここまで丁寧に作られているからこそ、足りない部分が目につきやすくなっています。初代に関して言えばSuper NES版しか収録されておらず、操作性も見た目もずっと優れたアーケード版の初代は入っていません。Mega Drive版、NES版、Game Boy版など、ほかの家庭用版も収録されておらず、これほど保存に力を入れたコレクションなら簡単に入れられたはずです。さらに、1画面で協力プレイを楽しむアクションゲームであるアーケード用の続編『Joe and Mac Returns』も入っていません。ほかの3作とはかなり毛色が違っており、シリーズをすべて遊びたい人にとっては入っていて当然の作品でした。収録をSNES版だけに絞ったことで、パッケージは本来あるべき姿より小さく感じられ、『戦え原始人』の完全版になれる絶好のチャンスを逃しています。
また、資料は展示されているだけで、解説が添えられていません。インタビューや関係者の証言などは収録されておらず、スケッチにあのお馴染みの飛び出した恐竜の目が描かれていても、誰が描いたのか、シリーズが作品ごとにどう変わっていったのかを教えてくれるものは何もありません。こうした情報を求めるのは無理な要望ではなく、それがないために、資料と開発の裏話をセットで見せてくれる優れたレトロコレクションと比べると、内容が薄く感じられてしまいます。
画面の前で並んで遊べば盛り上がる、制限付きの協力プレイ
初代が本領を発揮するのは、ローカルでの協力プレイです。隣に相棒がいれば操作のぎこちなさもずっと我慢しやすくなり、『戦え原始人3 主役はやっぱりJOE&MAC』も2人で同じように楽しめます。例外は『戦え原始人2 ルーキーの冒険』で、同時協力プレイがないため、2人では交代で遊ぶことしかできません。
協力プレイに対応した作品には、2人用のモードが2種類用意されています。通常モードでは味方同士でダメージを与えることはありませんが、相手を足場にして高い場所に登ることもできません。一方で選択式のfriendly-fire modeでは、その両方が可能になります。このモードではプレイが混乱して難しさも大きく増し、特にどちらかがbone launcherやブーメランのような遠距離武器を手に入れてうっかり相棒に当て始めると、あっという間に収拾がつかなくなります。この混乱は笑えると同時にイライラもさせられるため、スムーズに進むことよりもドタバタした騒ぎを楽しみたいプレイヤーに向いています。
ただしオンラインプレイには対応していないので、これらはすべて相棒が同じ部屋にいることが前提になります。いつも協力プレイをする友人がオンラインにしかいない場合、2人で遊ぶ際のこのコレクション最大の魅力を味わうことはできません。
ボリュームの控えめさが目立つものの、再挑戦の楽しみは十分
3作の本編は、どれもおよそ1時間でクリアできます。遊びの幅を重視するなら、長く楽しめるのは続編のほうです。『戦え原始人2 ルーキーの冒険』の隠し要素や、『戦え原始人3 主役はやっぱりJOE&MAC』のマップ、村、ボスの顔ぶれによって、続編は初代よりもアイデアが多く、今遊んでも繰り返し遊ぶ価値が十分にあります。ただし、こうした要素が加わっても本編自体が長くなるわけではありません。ゲームを遊べる時間の長さで評価するなら3作とも同じくらい短く、この短さがパッケージ最大の弱点になっています。
また、初代のボスはすぐに新鮮味がなくなってしまいます。最初は印象的ですが、その後は色を変えただけの使い回しとして再登場するため、1時間ほどに感じられる冒険の中では、この繰り返しがどうしても目についてしまいます。ボスラッシュモードや手軽に遊び直せる仕組みは、こうした短いゲームを収録する意義を高めていますが、本編そのものを長くしてくれるわけではありません。
決定版には一歩届かないが、手厚い保存と楽しさを両立した一本

『Joe & Mac Retro Collection』は、展示物を実際に遊べる、愛情のこもった博物館として見るなら十分に遊ぶ価値があります。回転させて眺められる各地域版の箱やカートリッジ、全ページ収録の説明書、サウンドトラックプレイヤー、アートギャラリーを最も楽しめるのは長年のファンでしょう。ボス戦の練習や挑戦をしたいプレイヤーにとって、ボスラッシュモードは本当に夢中になれるモードです。セーブ機能と巻き戻しは昔のゲームならではの難しさによるつらさを大きく減らしてくれますし、ソファに並んで遊ぶ2人なら、協力プレイ対応の作品で最高の時間を過ごせます。そしてその土台には、今でも楽しく魅力にあふれた3本のアクションゲームがあります。
一方で、『戦え原始人』を遊ぶための決定版としては、とても勧めにくいのも事実です。アーケード版の初代と『Joe and Mac Returns』は収録されていません。初代の遅くてぎこちない操作と当てにならない当たり判定は、特に一人で遊ぶと古さを感じさせます。本編は短く、資料には展示物を説明する開発の歴史も添えられていません。協力プレイの相手がオンラインにしかいないなら、協力プレイの面でこのコレクションから得られるものは何もないのも残念なところです。また、選択式のfriendly-fire modeはローカル協力プレイをかなり難しくします。収録作の入り口として最も完成度が高いのは『戦え原始人3 主役はやっぱりJOE&MAC』であり、残りの2作をどう感じるかは、古い操作感にどれだけ我慢できるかによって決まります。
『戦え原始人2 ルーキーの冒険』については、動きがより活発で滑りにくく初代より操作しやすいのか、それとも操作が難しいのかで、メディアの意見が分かれました。また、『戦え原始人3 主役はやっぱりJOE&MAC』が高い難しさを保っているのか、それとも前作までの難しさや絶え間ないアクションをいくらか失っているのかについても、評価が割れています。さらに、続編のほうが長く楽しめるのか、それともコレクション全体が単純に短すぎるのかについても、見方が異なりました。このコレクションは、これらのゲームを現代向けに改良したり、シリーズを完全に収録したりすることよりも、愛情をこめて保存することに力を注いでいます。それで十分かどうかは、『戦え原始人』に何を求めるかによって変わってきそうです。





製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | Joe & Mac Retro Collection |
| 原題名 | Joe & Mac Retro Collection |
| ジャンル | アドベンチャー |
| プラットフォーム | PC(Steam), Xbox Series X|S |
| 発売日 | 2026年10月29日 |
| 価格 | Steam ¥2,600 / Xbox ¥2,115 |
| 公式サイト | — |
| 開発元 | Red Art Studios |
| 発売元 | Red Art Games |










