Maximum Entertainmentより2025年10月10日に発売された、PlayStation 5、PlayStation 4、Xbox Series X/S、Switch、PCに対応のアドベンチャーホラー『Bye Sweet Carole』のメディアレビュー総まとめページです。なお、本作は日本語に対応していません。
総合評価
SCORE
68
Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メディアスコアは大きく変わることは少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。
90 | 80 | 70 | 60 |
---|---|---|---|
神ゲー | 良ゲー | 凡ゲー | 問題あり |
『Bye Sweet Carole』は、アートスタイルが絶賛される一方で、ゲームプレイの快適さには多くの課題が指摘されており、評価が大きく分かれる作品です。
評価される理由は、ディズニーの古典作品を彷彿とさせる、丁寧な手描きのアニメーションと絵画のような背景にあります。この芸術的な表現と、雰囲気を盛り上げる音楽は高く評価されています。しかしその一方で、キャラクターの動きが遅いことや、ジャンプなどの操作性の悪さが、ゲームのテンポを損なっているという批判が中心となっています。
具体的には、90年代のアドベンチャーゲームのようなパズルデザインや、物語のテーマ性は評価されています。しかし、そのパズルを解く過程で何度も同じ場所を行き来する必要がある点や、ホラーゲームでありながら敵が怖くない点、ステルスパートの理不尽さ、ゲームがクラッシュするといった技術的な問題が、プレイヤーの体験を損なう要因として挙げられています。
このように、本作は「見る」価値のある芸術作品として推薦される一方で、プレイヤーが「操作する」部分には多くの不満点が報告されています。どちらの側面を重視するかによって、このゲームの評価は大きく変わるでしょう。
評価ポイント
『Bye Sweet Carole』の最も評価されている点は、ディズニーの古典作品を思い起こさせる手描きのアニメーションと、絵画のように美しい背景です。そのビジュアルは「非の打ちどころのないレトロなビジュアル」「驚くべきアニメーション作品」と称賛されています。昔ながらのクラシックアニメの主人公を操作しているような懐かしい感覚をプレイヤーに与えます。この丁寧な手描きのアニメーションは、カットシーンだけでなくキャラクターの細かな動きにも一貫して用いられており、本作の芸術性を高く評価する主な理由となっています。
- 背景美術の緻密さが探索意欲をかき立てる
- 風景は非常に緻密に描かれており、その美しさだけでも見る価値があります。プレイヤーがまるでディズニーの古典作品の世界に直接入り込んだかのように感じさせ、探索する動機を与えます。
- 古典アニメと90年代アドベンチャーゲームへの敬意
- 本作は、古典的なアニメ映画と90年代のポイント&クリック形式のアドベンチャーゲームへの愛情が込められています。ビジュアルは懐かしさを、パズルは『モンキー・アイランド』のような過去の名作ゲームの面白さをプレイヤーに提供します。
- 映像と音楽の融合が物語の感情を豊かにする
- ゲーム内で流れる27曲のオリジナルサウンドトラックは素晴らしく、ダークなおとぎ話の雰囲気を的確に捉えています。音楽が美しく描かれたシーンと合わさることで、プレイヤーを物語の世界へ引き込みます。
- 映像、音楽、ゲームプレイが一体となったダークファンタジー
- 美しい手描きアニメーションと素晴らしい音楽、そしてホラー要素のある2Dプラットフォームのアクションが一体となり、「素晴らしくダークで狂気に満ちたおとぎ話」という独特の世界観を魅力的に作り上げています。
- ポイント&クリック形式の考えさせるパズル
- パズルは昔ながらのポイント&クリックゲームのように、環境を観察し、アイテムを駆使して解くように設計されています。難しすぎず、解けたときには大きな達成感を得られるように調整されています。
- キャラクター切り替えや時間移動がパズルを面白くする
- パズルを解くために、異なる能力を持つキャラクターを切り替えたり、時間を移動したりする必要があります。相棒の能力を使って道を切り開くなど、空間をうまく利用して答えを見つけ出す楽しさがあります。
- 女性の解放という物語のテーマ
- 物語の中心には「女性の解放」というテーマがあります。これは、抑圧的だった時代の女性の役割を描いており、古典的なディズニー作品が持つ価値観とは対照的な、気の利いたテーマとして評価されています。
- 芸術性の高さがゲームの欠点を補って余りある
- ゲームプレイにはいくつかの問題点が指摘されていますが、それを補うほどアートとアニメーションが素晴らしい作品です。その芸術的な価値だけでも体験する価値があり、手描きアートを応援したいプレイヤーに購入が推奨されています。
不評ポイント
最も多く指摘される問題点は、ゲームプレイのテンポの悪さと操作性の悪さです。キャラクターの動きが遅く、特に階段の上り下りや壁ジャンプといったアクションの操作がぎこちなく、快適に遊べません。また、パズルを解くために長い距離を何度も行き来する必要があり、約4時間のゲーム内容が10時間にも感じられるほど、全体的に冗長で間延びした体験になっています。
- ホラーゲームとして怖くない
- 敵は簡単に避けられ、ダメージも少ないため、ホラー要素が機能していません。プレイヤーは影に隠れておびえるよりも、パズルやダンスミニゲームに多くの時間を費やすことになります。
- パズルの難易度やヒントに一貫性がない
- パズルは、過剰なヒントで簡単すぎると感じさせる場合もあれば、逆にヒントが全くなくなり、長時間進めなくなることもあります。特に難しいパズルでは、答えが背景に隠されているなど、分かりにくいものがありました。
- ステルス要素が理不尽
- 敵から隠れるステルスパートでは、敵の視線がどこを向いているか分からず、突然見つかってしまうことがあります。敵が壁に引っかかったり、どこからともなく現れたりするため、プレイヤーの腕前とは関係ない理不尽な失敗が頻繁に起こります。
- QTE(クイックタイムイベント)がゲームプレイを阻害している
- QTEが多用されており、中にはプレイヤーの操作と関係なく、演出のために意図的に失敗するように作られたものもあります。これにより、操作している感覚が薄れ、ただアニメーションを見せられているだけのように感じられます。
- 物語の伝え方が分かりにくい
- 各章の出来事と物語のつながりが悪く、話が途切れ途切れに感じられます。また、横からの視点で場面を見せることが多いですが、キャラクターを拡大表示すると画質が荒くなり、不自然に見えます。
- 物語のテーマが表面的なだけで掘り下げられていない
- 女性の解放というテーマを扱っていますが、その描き方はありきたりで深みがありません。登場人物が関連する本を読んだり、主張を述べたりするだけで、物語の中でテーマが十分に活かされていません。
- 登場人物に魅力がない
- 主人公と重要人物の関係性が十分に描かれておらず、登場するキャラクターも個性がなく平面的です。そのため、プレイヤーがキャラクターに感情移入しにくいです。
- アニメーションや技術的な問題点
- アニメーションのパターンが少なく、カットシーンではキャラクターの口の動きとセリフが合っていません。また、4K解像度での表示の乱れや、色のバグ、画面のちらつきといった技術的な欠陥も報告されています。
- 長く退屈な会話シーン
- 会話シーンは長く、同じような内容が繰り返されることがあります。また、キャラクターが意図的に顔を映さないように配置されていることが多く、口のアニメーションを省略しているように見え、プレイヤーを退屈させます。
- 声優の演技が単調
- 声の演技は、美しいアニメーションの品質には見合っていません。主人公の声は単調に聞こえることが多く、敵役の声はただの騒音に聞こえ、脇役も個性がなく印象に残りません。
- ゲームが正常に動作しないことがある
- パズルが意図通りに動かなかったり、先に進めなくなる「ソフトロック」という状態になったりすることがありました。正しい解き方が分かっていても、一度ゲームを終了してやり直さなければならない状況が数回発生し、複数回のクラッシュも報告されています。
- 簡単すぎるミニゲームでプレイ時間を水増ししている
- ゲーム内容の薄さを補うために、簡単すぎるダンスのミニゲームが何度も繰り返されます。このミニゲームは、同じアニメーションと難易度で飽きるほど続き、不要な時間稼ぎだと指摘されています。
メディアレビュー
- Vandal[70]
- DualShockers[65]
- TheGamer[60]
- Gamer Escape[60]
- Try Hard Guides[60]
- CGMagazine[50]
- Checkpoint Gaming[70]
- Vandal[70]
- DualShockers[65]
- TheGamer[60]
- Gamer Escape[60]
- Try Hard Guides[60]
- CGMagazine[50]
- Checkpoint Gaming[70]
- Slant Magazine[40]
製品情報
項目 | 概要 |
---|---|
タイトル (日本語) | Bye Sweet Carole |
タイトル (英語) | Bye Sweet Carole |
ジャンル | アドベンチャー,ホラー,パズル |
開発元 (Developer) | Little Sewing Machine, Meangrip Game Studios, Dreams Uncorporated |
販売元 (Publisher) | Maximum Entertainment |
発売日 | 2025年10月10日 |
プラットフォーム | PlayStation 5,PlayStation 4,Xbox Series X/S,Switch,PC |
プレイ人数 | 1人 |
日本語(インターフェース) | 非対応 |
日本語(字幕) | 非対応 |