2025年10月17日に発売の『Keeper』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『Keeper』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
全体的には好意的な評価を受けており、独創的なシュルレアリスム風のアートスタイルとセリフのないストーリーテリングが高く評価されています。一方でカメラ操作の制限やパズルの単調さに不満の声もあり、良ゲーとしての評価が集まっています。購入の参考になれば幸いです。
言葉のない灯台が、言葉以上のものを語りかけてくる




この『Keeper』は、自我を持って歩き出した灯台を操作し、相棒の海鳥「Twig」とともにシュールな世界を旅するパズルアドベンチャーです。サルバドール・ダリやジョルジョ・デ・キリコの絵画を思わせるような、夢の中にいるかのようなビジュアルが最大の特徴ですね。セリフやテキストが一切存在しないという思い切った設計ながら、キャラクターの動きや音楽だけで感情を雄弁に伝えてくるストーリーテリングは見事だと思います。
ただし、カメラが自由に動かせないことへの不満や、パズルが簡単すぎるという批判もしっかり寄せられています。プレイ時間も6〜8時間とやや短め。雰囲気を味わうタイプのゲームが好きな人にはたまらない一本ですが、歯ごたえのあるゲーム体験を求める人にとっては物足りなさが残るかもしれません。
「歩くデスクランプ」が見せる、驚くほど豊かな感情
主人公は灯台です。脚が生えて、よちよちと歩く灯台。レビュアーたちはこの主人公を「歩くデスクランプ」と呼んでいます。歩き始めの挙動は「生まれたてのキリン」のようにぎこちなくて、それがもう愛おしい。表情なんてないはずなのに、光のレンズの動きや不器用によろける仕草だけで、喜びや驚きがちゃんと伝わってくるんですね。
相棒の海鳥Twigとの関係もすばらしいです。言葉を交わすことは一度もないのに、ジェスチャーだけで絆が深まっていく。「ダイアログよりも感情と芸術性が雄弁に語る」と絶賛するレビュアーもいて、言葉がなくてもここまで心が動かされるのかと驚かされます。
「生きた絵画」の中を歩く、シュルレアリスムの世界
ビジュアルは「水がガラスのように振動し、岩が溶けた蝋のように見える」と表現されるほど独特です。Media Moleculeの『Dreams』やクレイアニメの『The Neverhood』のような手作り感があり、灯台の光を当てると植物が芽吹いたり隠された道が現れたりと、世界がリアルタイムに息を吹き返していく様子は視覚的な快感そのもの。「少しずつ目を覚ましていく、生きた絵画の中を歩いているかのよう」という表現がぴったりだと思います。
どんどん姿を変える灯台と、ひねりの効いたギミック
ゲームプレイも進行に合わせてどんどん拡張されていきます。基本は左スティックで移動、右スティックで光を操作するシンプルなものですが、中盤でピンクの雲をまとうと低重力ジャンプや滑空ができるようになったり、体が崩れてボートに変形して水上を滑るようになったり。終盤にはレビュアーが「ドラッグをキメたソニック・ザ・ヘッジホッグ」と例えるほどの疾走感まで見せてくれます。
「The Horologe(時計)」と呼ばれる時間操作パズルでは、Twigを過去の姿(卵)や未来の姿(幽霊)に変化させてドアを開けるという独創的なギミックも。また、ゲーム内にテキストは存在しませんが、世界に散らばるモニュメントを光で修復すると解除される「実績」の説明文だけで世界の歴史が語られるという、あるレビュアーいわく「『Dark Souls』の宮崎英高も嫉妬で肘を噛むレベル」の巧みなロア設計も光っています。
ただ、気になるところもあります
カメラが動かせないストレスは見過ごせない
ほぼすべてのネガティブ意見の中心にあるのが、カメラワークの制限です。右スティックが光の操作に使われているため、プレイヤーが自由に周囲を見渡すことができません。特に少し開けたパズルエリアではギミックが死角に隠れやすく、「カメラが自分に見せたいものを映してくれるまで、同じエリアを何度も往復させられる」ことに。美しい景色を自由に眺められないのも、もったいないと感じるかもしれません。
パズルが簡単すぎて「作業」になりがち
戦闘もゲームオーバーもない設計なので、ゲームの軸は環境パズルになるのですが、これが「簡単すぎる」という声が複数あります。ほとんどの謎解きは光を当てるかTwigを向かわせるだけで解けてしまい、「自分で考えて解いた!」という達成感が薄い。一部のレビュアーは「前に進むためだけの作業」と厳しく評価しています。光の照射判定が曖昧な場面もあり、余計なストレスを生んでいる点も指摘されていますね。
6〜8時間であっさり終わってしまう物足りなさ
プレイ時間は約6〜8時間。一本道の構成でクリア後に戻る理由も特にないため、もっとこの世界に浸りたかったというプレイヤーにとっては短すぎると感じるかもしれません。収集要素も少なく、リプレイ性はほぼありません。また、一部の環境ではフレームレートの低下やテクスチャの読み込み遅延も報告されています。
「語らない」ことへの評価は真っ二つ
本作で最も評価が分かれているのが、すべてを語らない抽象的なストーリーと世界観です。
好意的に受け取っているレビュアーは、言葉を一切排したストーリーテリングが「余白の美」を生んでいると評価しています。プレイヤー自身の人生経験や視点によって解釈が変わる余地があり、子供向けアニメ『Bluey』になぞらえて「子供にはキュートで魅力的、行間を読める大人には深いメッセージ性がある」と称える声も。
一方で、なぜ灯台が意思を持ったのか、島を侵食する「Wither(腐敗)」の正体は何なのかといった根本的な疑問に、本編中で明確な答えが一切提示されないことに不満を感じるプレイヤーもいます。実績経由のロア提供に気づかなければ、謎が何ひとつ解決されないまま放り出されたような消化不良感を覚えるかもしれません。
また、『Journey(風ノ旅ビト)』や『Jusant』のような瞑想的で癒やされる体験として絶賛する声がある一方、アクション性を求めるゲーマー層からは「ただ前へ歩くだけの退屈な体験」と映るという、ゲーム性そのものへの評価も分かれています。
メディアレビュー紹介
高評価
The Outerhaven — 100
Double Fineの最高傑作だ!一切の言葉を持たない本作だが、相棒の鳥「Twig」との絆や、光を用いた秀逸なパズルを通じて感情を強く揺さぶられる。「The Horologe」で時間を操りTwigを卵や幽霊に変えるギミックは天才的だ。不気味でシュールな美しさに満ちた世界での冒険は、間違いなく今年最高の体験である。
→ レビューを読むWindows Central — 100
息を呑むほど美しく奇妙な芸術作品であり、今年最高のゲームの一つだ!歩く灯台となって見知らぬ世界を探索する本作は、言葉を使わずに謎めいた歴史や魔法の物語を雄弁に語りかけてくる。ゲーム進行と共に光のメカニクスが進化し続ける展開には圧倒されるばかりだ。圧倒的な創造力で描かれた、見事としか言いようのない傑作である。
→ レビューを読むGameMAG — 100
狂気と天才的発想が融合した傑作シミュレーターだ!灯台が桃色の雲を纏って浮遊し、小型船へと姿を変え、終盤には『ソニック』の如き怒涛の展開を見せる狂乱のゲームプレイに魂が震える。宮崎英高も嫉妬するであろう「実績」を通じた重厚な世界観の語り口も見事だ。この比類なき奇妙で美しい芸術的体験を見逃す手はない。
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低評価
Daily Star — 70
『風ノ旅ビト』を彷彿とさせるシュールなアドベンチャーだが、刺激を求めるゲーマーには退屈すぎる。相棒のTwigに顔のある木の「目玉」を運ばせる等、世界観は魅力的だ。しかし、死の概念がなく、パズルの難易度も低すぎるため、単調な「お使い」に終始している。美しい雰囲気だけでは真のゲーム的興奮は得られない。
→ レビューを読むCOGconnected — 70
サイケデリックな風景は美しいが、ひたすらに退屈な体験だ。灯台の光の操作は恐ろしく不正確で苛立ちを募らせるうえ、自由な視点移動すら許されない窮屈なカメラ仕様が探索の喜びを完全に奪っている。パズルはプレイヤーの創造性を試すものではなく、ただ前へ進むための無意味な「作業」に成り下がっているのは致命的である。
→ レビューを読むGAMINGbible — 70
シュールで謎に満ちた世界観は引き込まれるが、消化不良感は否めない。固定カメラは探索の明白な障害となっており、パズルエリアで周囲を見渡せず強いストレスを感じる。さらに「実績」で復元する記念碑の伝承など、物語の謎に対する明確な答えが一切提示されないまま終わるため、プレイヤーをただ困惑と不満の中に置き去りにする。
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まとめると
- セリフを一切排し、キャラクターの動きと音楽だけで感情を伝えるストーリーテリングが見事
- サルバドール・ダリ風のシュルレアリスムなアートは息を呑む美しさ
- 灯台の形態変化に合わせてゲームプレイが劇的に拡張されていく構成が飽きさせない
- 実績を通じた背景世界の語り口は「宮崎英高も嫉妬するレベル」と絶賛
- 死やゲームオーバーがなく、自分のペースでリラックスして遊べる
- 右スティックが光操作に固定されているため、カメラを自由に動かせないストレスがある
- パズルが簡単すぎて「作業感」が強く、自力で解いた達成感に乏しい
- プレイ時間6〜8時間と短く、リプレイ性もほぼない
- 物語の核心に対する明確な答えが提示されず、好みが分かれる
製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| タイトル | Keeper |
| ジャンル | パズルアドベンチャー |
| 発売日 | 2025年10月17日 |
| 対応機種 | Xbox Series X |
| 開発 | Double Fine Productions(Xbox Game Studios) |
| Xbox Game Pass | 対応 |










