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『Gallipoli』は第一次世界大戦の東部戦線をリアルに描く協力型シューター

2026年08月29日 | #レビュー | IGN

『Gallipoli』は第一次世界大戦の東部戦線をリアルに描く協力型シューター

第一次世界大戦を題材にしたBlackMill Gamesのシリーズ第4作『Gallipoli』について、原文筆者は、これまでの作品を上回るグラフィックとゲームプレイを備えた本作を高く評価しています。オスマン帝国とイギリス帝国が衝突した中東戦線を舞台に、史実を意識した過酷な戦場と、分隊で協力して目標を達成する楽しさを両立させている点が大きな特徴です。銃撃の威力や兵士の挙動を現実寄りにした結果、派手な撃ち合いよりも、援護射撃や役割分担が勝敗を左右する作品になっています。

中東戦線を舞台にした第一次世界大戦

本作が扱うのは、BlackMill Gamesの過去作ではまだ描かれていなかった第一次世界大戦の中東戦線です。主な対立勢力はオスマン帝国とイギリス帝国で、特にオーストラリアやニュージーランドにとって大きな意味を持つガリポリ上陸作戦がテーマの一部になっています。原文筆者は、第一次世界大戦について西部戦線の塹壕戦ばかりを学んできたものの、本作をプレイしたことで、これまで詳しく知らなかった戦線の歴史をさらに調べたくなったとしています。

マップ開始時の演出からも、この戦場の性格が伝わります。たとえばAnzac Coveでイギリス帝国側として攻撃を始める場合、兵士たちは両端が船首になった木製ボートで海岸へ向かいます。第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦のような上陸シーンを連想させながらも、ここには上陸用舟艇の頑丈な船体やランプはありません。機関銃の銃火にさらされるなか、兵士たちは速度の遅い、身を隠す場所もないボートから海岸へ飛び出すことになります。

第一次世界大戦初期の軍服は、現代の防弾装備やヘルメットとは大きく異なり、兵士を守るものとしては心もとないものでした。本作は、戦争の技術だけが急速に進歩し、軍隊側の戦術や運用が追いついていなかった時代の断絶を、ゲームシステムと戦場の見た目の両方で表現しています。新しい兵器に対する有効な戦い方が確立されていないまま、多数の兵士を前線へ送り込むしかなかった状況が、プレイヤーの行動にも重くのしかかります。

ロード画面には、舞台となる戦場や歴史に関する短い解説も表示されます。原文筆者は、それだけでは知識欲を満たしきれないとしつつも、ゲームとして面白い体験が、実際の歴史に興味を向けるきっかけになっている点を評価しています。乾燥した中東戦線の地形や、砲撃によって変化する視界も含め、単なる背景ではなく戦闘の一部として歴史的な環境を再現しているとのことです。

制圧射撃と恐怖が戦場を変える

銃器の扱いは、Call of DutyやBattlefieldのような現代的なFPSとは明確に異なります。ライフルやピストルは距離によって有効性が変わり、銃によっては近距離から中距離で効果を発揮しても、遠距離では命中しても敵を止められない場合があります。将校クラスが使うピストルも、短い銃身と強い反動のため、距離のある相手に当てるのは容易ではありません。

特に重要なのが、制圧射撃と、それによって発生するパニックのシステムです。敵に弾を命中させなくても、頭上へ銃弾を浴びせ続ければ、相手の行動を妨害できます。制圧射撃を行うことで経験値を得られるだけでなく、敵兵のキャラクターに恐怖を与え、視界をぼかしたり、照準を安定させにくくしたりできます。

原文筆者は、分隊から離れた状態で敵の機関銃掃射を受け続けた際、操作キャラクターがパニック状態に陥り、照準を正確に合わせられなくなった経験を紹介しています。その結果、敵を撃ち返すことができず、倒されてリスポーンすることになったとのことです。一方で、この仕組みは敵側にも適用されるため、通常のライフルで敵を撃ち続けるだけでも、味方の前進を助けられます。命中しなかった弾にも、敵を足止めするという意味が生まれます。

軽機関銃は移動しながら腰だめで撃ち続けるための武器ではありません。腰だめ射撃では銃身が大きく揺れ、弾が広範囲に散らばるため、敵をパニックにさせることも難しくなります。むしろ自分の位置を知らせる結果になりかねないため、伏せた状態で味方の進軍を援護する使い方が求められます。重機関銃手は、戦場の適切な場所に機関銃陣地を構築し、前線の防衛や突破を支える役割を担います。

砲撃や迫撃砲が着弾すると、周囲には大量の砂ぼこりが舞い上がり、敵も味方も目標も見えなくなります。砂ぼこりは敵から身を隠す遮蔽物になる一方、移動や状況判断を妨げる危険な要素でもあります。塹壕内でも敵味方が突然目の前に現れるため、味方を誤射しそうになる場面が起こります。味方へのダメージはペナルティの対象で、チームキルを無効にする設定もありません。将校が要請した砲撃で、自軍を巻き込む可能性もあります。

4種類の新クラスと役割分担

本作には、担架兵、重機関銃手、弾薬運搬兵、爆撃兵の4クラスが追加されています。担架兵は衛生兵に相当する役割で、前進した場所に医療ステーションを設置し、負傷した味方を治療・蘇生できます。塹壕戦では味方を戦線に留める能力が特に有効で、原文筆者は、分隊員を回復させながら目標へ向かうことで大きく貢献できたとしています。

弾薬運搬兵は、弾薬箱を設置したり、味方へ直接マガジンを渡したりして弾薬を補充します。攻撃を続ける機関銃手や、長時間にわたって前線を維持する分隊を支えるクラスです。重機関銃手は任意の場所へ機関銃陣地を構築できますが、単に設置するのではなく、守るべき防衛線や味方の突破を助けられる位置を選ぶ必要があります。

爆撃兵は手榴弾や、金属製の食品缶を使った手製爆弾を扱います。爆弾の缶に描かれたブランドはBlackMill Gamesが作った架空のもので、さまざまな種類が用意されているとのことです。ただし、原文筆者は爆撃兵について、防衛時よりも攻撃時に有効なクラスだと感じており、最大の効果を発揮する場所へ投げ込むには運だけでなく敵の位置を把握する必要があると指摘しています。敵が見える場所では相手からも自分が見えるため、投擲の機会そのものが危険になります。

復帰クラスのなかでは、狙撃兵が特に扱いやすく楽しいクラスとして挙げられています。敵が通過する狭い地点を見つけられれば、同じ場所へ進んでくる敵を次々と狙撃できます。ただし、狙撃兵は1チームにつき1人しか選べません。小銃兵と工兵を除く多くのクラスには人数制限があり、チーム全員が狙撃銃を持って走り回る状況を防いでいます。素早く照準を合わせて撃つ、いわゆるクイックスコープを前提としたゲームデザインでもありません。

分隊行動を成立させるプレイヤー層

原文筆者が本作で最も高く評価しているのは、プレイヤー同士がゲームの目的を理解して行動している点です。勝利するには、全員がデスマッチのように敵を倒し続けるだけでは足りません。目標の確保、援護射撃、回復、弾薬補給などを分担し、分隊で動く必要があります。

Call of Dutyの目標達成型マルチプレイでは、勝敗に関係する目標を無視してキル数やキル・デス比を優先するプレイヤーがいることを、原文筆者は不満点として挙げています。それに対して本作では、多くのプレイヤーが必要な仕事をこなしているとのことです。機関銃手が前進する味方を援護し、担架兵が負傷者を治療し、弾薬運搬兵が戦闘を継続できるよう補給することで、分隊全体の進行が成立します。

初心者にとって過度に閉鎖的なコミュニティではない点も特徴です。チャットで味方の動きを厳しく批判するプレイヤーはいるものの、分隊について行き、自分の役割を果たすだけでも戦場に参加できます。原文筆者は、対戦ゲームで味方から激しく責められた経験と比較し、本作のプレイヤーは比較的落ち着いており、参加者が増えるほどゲームが楽しくなると述べています。

もちろん、戦場は混沌としており、砲撃による誤射や塹壕内での味方への銃剣攻撃など、理不尽に感じられる出来事も起きます。しかし、それらも本作では戦争の霧の一部として機能します。敵味方の位置がわからず、砂ぼこりで視界が遮られ、前進には援護が必要になることで、個人の活躍よりも分隊の判断が重視されます。

原文筆者は、乾燥した中東戦線の景観を細部まで再現したマップ、新クラス、チームワークを軸にしたゲーム性を本作の長所としてまとめています。美しいグラフィックと過酷な戦場表現を両立しながら、初心者を遠ざけないプレイヤー層も成立しており、分隊単位の目標達成型シューターとして非常に優れた体験になっているとの評価です。特に、味方の進軍へ制圧射撃を重ねる場面や、塹壕を掘りながら負傷者を治療する場面に、本作ならではの面白さが集約されているとしています。