『The Sinking City 2』は雰囲気と謎解きが光る一方で戦闘と成長要素に課題
2026年09月01日 | #ゲーム #レビュー | Game Informer
『The Sinking City 2』は、浸水したアーカムの不気味な世界観と多彩な謎解きでサバイバルホラーの魅力を見せる一方、戦闘やキャラクター描写、成長システムには大きな弱点を抱えています。原文筆者は、印象的な美術と音響による恐怖を評価しながらも、Resident Evil 4の影響が色濃いゲームプレイは完成度にばらつきがあるとしています。約13時間の旅は楽しめる部分を備えていますが、同ジャンルの有力作を押しのけるほどの内容には届いていません。
新主人公が挑むアーカムの怪異
本作は2019年のThe Sinking Cityに続く作品ですが、物語は独立しており、前作を知らないプレイヤーでも入りやすい構成です。主人公は冒険家のカルヴィン・ラファティ。超自然的な眠りに落ちた恋人で大学教授のフェイを救うため、浸水した都市アーカムを舞台に、ラヴクラフト風の宇宙的恐怖と対峙します。
物語の序盤でフェイの魂は肉体から切り離され、彼女は霊体としてカルヴィンに同行することになります。2人は協力しながら、怪異に奪われたフェイの肉体を取り戻そうとします。この設定によって、単独行動の主人公と相棒の掛け合いを両立させていますが、原文筆者はカルヴィンとフェイの人物像が「互いを深く愛している」という点からあまり広がらないと指摘しています。
脇を固める登場人物には、目が虫で覆われた不穏な医師や、自らをオフィスに鎖でつないだ魚人の女性など、強い印象を残す存在が登場します。しかし、彼らの背景や考えを掘り下げる場面は少なく、興味深い設定が十分に活用されていません。謎そのものは一定の面白さを持つものの、人物への理解が深まらないため、物語に感情移入しにくい仕上がりです。さらに、丁寧に進んでいた展開に対して最終章が突然始まるため、物語全体が急いで畳まれたように感じられるとのことです。
美術と音響が作る強烈な恐怖
アーカムの表現は、本作でも特に優れた部分です。水没した街並みや朽ち果てた施設は、美しくも嫌悪感を誘うデザインでまとめられており、グロテスクな光景から目をそらしにくいほどの存在感があります。ボートで水路を進む場面では、街そのものを探索する感覚が強く、病院や魚市場といった主要エリアでは、それぞれ異なる不気味さを味わえます。
恐怖を支える音響も効果的です。突然の物音や敵の気配を利用した演出には、プレイヤーを驚かせる力があります。原文筆者は、画面に映る美術だけでなく、ジャンプスケアを誘発するサウンドデザインも本作の長所として挙げています。奇怪な世界の設定を伝える資料を読んだり、ラジオDJがこの世界の異常な出来事を語る放送に耳を傾けたりする要素も、舞台への没入感を高めています。
一方で、物語上の移動ではスピードボートを操縦し、浸水したオープンな街の拠点から各施設へ向かいます。病院や魚市場では、鍵を探して扉を開け、仕掛けを解くための品を集め、手がかりを調査ボードで整理するという、サバイバルホラーではおなじみの流れが展開されます。目新しさは限定的ですが、場所ごとの構造が変化するため、単調さを抑える役割を果たしています。
戦闘は手応えに欠け、敵の種類も少ない
戦闘は肩越し視点の銃撃を中心に進み、全体としては機能しています。ただし、ショットガンやライフルのような強力な武器を使っても発砲時の手応えが弱く、ガス缶を撃って爆発させる場面も、爆発の見た目と効果範囲が控えめなため爽快感に乏しいと原文筆者は述べています。
敵の弱点は膨らんだ発光部位として示されますが、そこを狙っても敵の耐久力が高く感じられます。武器に装着する収集式アタッチメントで性能を強化できるものの、ダメージの伸びはわずかで、敵を倒すまでに多くの弾薬を必要とする場面が目立ちます。強化している実感が薄いため、武器を更新しても戦闘の印象が大きく変わりません。
敵の配置も難点です。プレイヤーを複数の敵が囲み、狭い場所で戦う状況が頻繁に発生します。危険な液体を正確に吐き出す敵や、跳びかかってくるクモのような小型の怪物を避けながら、背後に回った相手へ手動で視点を向け直さなければなりません。主人公の動きは敵より遅く、素早い相手に背後から攻撃される展開は、場合によっては不公平に感じられます。
さらに、敵の種類は少なく、旅の中盤には戦闘パターンがかなり見慣れたものになります。マップの更新、テトリスのように限られた空間へアイテムを詰めるインベントリ管理、素材を使ったクラフトなど、システム面にはシリーズやジャンルに期待される要素がそろっています。しかし、180度素早く振り向くクイックターンがないため、敵に挟まれたときの対応は煩雑です。原文筆者は、Resident Evilから取り入れてほしかった要素として、この操作を挙げています。
謎解きは安定して楽しめるが成長要素は不安定
本作で最も安定して楽しめるのは謎解きです。鍵や小物を使って道を開く仕掛け、現場の手がかりを組み合わせる調査、調査ボード上で情報を整理して答えを導く場面などが用意されています。難度は簡単すぎず、かといって理不尽でもない範囲に調整されており、解法を見つけたときの達成感があります。謎の形式にもある程度の変化があるため、新しいパズルに出会うたびに先を確かめたくなる構成です。
一方、謎解きなどで得られるDream Essenceを使った成長システムは、原文筆者にとって不可解なものでした。Dream Essenceを2ポイント程度消費すれば、ダメージ軽減やリロード速度上昇といったパークを1つ解放できます。しかし、パークを装備するためのスロットは、1枠につき10ポイントを支払って開放しなければなりません。最終的に3枠まで利用できます。
原文筆者は、多数のロックされたパークが表示されていることから、さまざまな能力を集められるだけのDream Essenceが手に入ると考えていました。ところが、任意の謎をほとんど解き、Dream Essenceを含む特別なチェストも数多く見つけたにもかかわらず、4段階あるうち最初の段階で解放できたパークは6個ほどにとどまったとのことです。インベントリ枠の拡張や武器アタッチメントなど、別の強化要素もチェストから得られますが、限られた資源をどこへ回すべきかという選択が、十分に報われる仕組みにはなっていません。
結果として、パークを多数解放しても一度に1つしか装備できないか、3つの枠を開けても選択肢が極端に少ないという状況になります。多様なビルドを組めるように見せながら、実際には成長の幅が狭く、パーク自体の効果も戦況を大きく変えるほどではありません。原文筆者は標準難度を、力不足を感じることなくクリアできたため、成長要素へ積極的に投資しなくても攻略は可能だったとしています。
サバイバルホラーとしての評価
原文筆者は、本作を「おなじみの公式に対する、まずまずのサバイバルホラー作品」と位置づけています。アーカムの美術、強い雰囲気、印象的な音響、そしてバランスのよい謎解きには確かな魅力があります。場所ごとの構造も変化し、資料やラジオ放送を通して世界設定を知る楽しみも用意されています。
ただし、戦闘の手応え、敵の種類、人物描写、物語の終盤、Dream Essenceを使った成長システムはいずれも作品の足を引っ張っています。Resident Evil 4に近いゲームプレイを採用するなら、敵との駆け引きや操作性で独自の強みが必要になりますが、原文筆者はその点でも本作が十分に突き抜けていないと評価しています。恐怖の雰囲気の中に楽しさはあるものの、同じスタイルをより安定して実現した作品が多いことを考えると、サバイバルホラーを求めるプレイヤーに強く薦めるのは難しい、という結論です。