『Korea: Il-2 Series』AIの大型改善を2026年内に実施へ
2026年09月01日 | #アップデート | DualShockers
フライトシム『Korea: Il-2 Series』で、戦闘AIを大幅に見直すアップデート計画が明らかになりました。2026年内に複数回の改善を行い、2027年初頭にはAIの設計思想そのものを変える更新も予定されています。さらに、空母を中心としたDeck Ops DLCや、将来的なダイナミックキャンペーンの構想も示されました。
戦闘AIを段階的に刷新
本作の現在の大きな課題は、ジェット機を扱う戦闘AIです。開発元1CGSのプロデューサー、Daniil Tuseev氏によると、ジェット機は従来のレシプロ機と性能や飛行特性が大きく異なるため、AIシステムを安定して動作させるだけでも4年を要したとのことです。ただし、安定して動くことと、プレイヤーにとって有能な僚機・敵機になることは別であり、実際の改善にはコミュニティからのフィードバックが欠かせないとしています。
現在のAIは、Rise of Flightの時代から続く技術の考え方を土台にしながら、コードの半分以上を書き換えたものです。たとえば、ウェイポイントへ向かう際に高度を維持する制御には、比例・積分・微分を用いるPID制御の考え方が残されています。これは特定の作品だけでなく、多くのフライトシムで使われている方式だとTuseev氏は説明しています。
改善計画では、まず近く大規模なパッチを投入し、2026年末までにさらに「巨大」と表現される規模の更新を行う予定です。2027年初頭には、AIの挙動を根本から変えるようなアップデートを目指しているとのことです。対空戦闘では新たな旋回ロジックを導入し、同じ旋回を繰り返して戦闘が膠着する、シリーズで批判されてきた「Flat Circle of Death」の改善を図ります。
対地攻撃では、プレイヤーが画面上で目標を視認して指定し、僚機に攻撃を指示できる視覚的な目標指示システムが追加されます。僚機の行動方針も、プレイヤーの好みに合わせて選べるようになる計画です。自律的にルーチンをこなす僚機を望むプレイヤー向けの方式と、飛行中に細かく命令したいプレイヤー向けの方式を切り替えられるようにするとしています。AIの改良は2027年以降も継続され、開発側はコミュニティの協力なしに完成させるのは難しいとしています。
初心者向け訓練モードも追加
AIの改善だけでなく、プレイヤー側が操縦を学びやすくする取り組みも進められています。本作には簡略化された訓練課程がありますが、フライトシムの基本や航空機の仕組みを知っていることを前提としており、完全な初心者には十分ではありませんでした。
そこで、飛行、航法、戦闘の基礎を順番に学べる新たな訓練モードを、秋の半ばに追加する予定です。現時点では具体的なカリキュラムや対象となる操作の詳細までは説明されていませんが、経験者向けの説明にとどまっていた導入部分を補うものになります。
空母USS Essexを中心にしたDeck Ops DLC
本作初のDLCとなるDeck Opsは、5種類の航空機と大型艦艇1隻を収録します。2026年中に早期アクセスを開始し、Steamでの正式リリースは2027年第1四半期を予定しています。拠点となるのは、SCB-27A仕様の空母USS Essexです。飛行甲板、格納庫、エレベーターまで再現され、甲板誘導員、着艦信号士官、機付長といった乗員もアニメーション付きで登場します。
F9F-2 Pantherは、初期の艦上ジェット戦闘機のひとつです。短く直線的な主翼を持つ単発機で、朝鮮戦争ではアメリカ海軍と海兵隊の主力として運用されました。機首には20mm機関砲4門を備え、機体規模に対して十分な兵装搭載量を持ちます。F2H-2 Bansheeは双発機で、高高度性能と航続距離に優れ、朝鮮半島では攻撃・偵察任務を担いました。MiG-15bisには性能面で劣るものの、エンジンが2基あるため対空砲火の中で片方を損傷しても飛行を維持しやすい機体です。収録型には装甲風防も含まれます。
F4U-4 Corsairは第二次世界大戦期から続く機体ですが、航続距離、速度、主翼に搭載した20mm機関砲4門を生かし、朝鮮戦争でも運用されました。AD-4 Skyraiderは単座型が収録され、豊富なハードポイントと長い航続距離が特徴です。さらに、ポッド式レーダーを搭載するAD-4N型も登場します。これがうまく機能すれば、レーダーを搭載可能なほかの航空機にも実装を広げたいと開発側は考えています。
Sea Fury Mk. 11は、レシプロ戦闘機として高い速度と機動性を持ち、相応の兵装搭載量も備えた機体です。初期段階ではUSS Essexを使ったパイロット・キャリアで運用できるようにします。将来的にイギリス空母を追加する可能性も否定されていませんが、現時点で具体的な計画は示されていません。
前線が変化する動的キャンペーン
1CGSは長期計画として、前線の変化をプレイヤーの行動に反映する新しいダイナミックキャンペーンも検討しています。史実性は既存のキャリアモードより薄くなる一方、戦況が変化することでリプレイ性を高める狙いです。Falcon BMSやApache vs. Hokumのような仕組みを参考にしつつ、より小規模な範囲で実現する構想だとしています。
設計上は、ダイナミックキャンペーンと現在のプレイヤー・キャリアを組み合わせる方針です。特定の1個飛行隊に所属して任務をこなすだけでなく、戦域で発生する任意の戦闘任務に参加、または結果だけをシミュレートできるようにします。任務の成否は前線の移動に影響し、38度線を起点に、プレイヤーの行動次第で戦況が南北へ動く仕組みを目指します。
このキャンペーンはまだ初期段階で、リリース時期は決まっていません。大規模な開発は来年初頭に始まる予定とされており、まずはAI、初心者向け訓練、Deck Ops DLCの実装が優先されます。本作はPC向けに提供され、Steamおよび公式サイトで入手できます。