『Valheim』1.0版は大型拡張を重ねた完成形のような仕上がり
早期アクセス開始から約6年を経て完成に至った『Valheim』について、原文筆者は、サバイバルクラフトというジャンルの魅力を極めた作品だと評価しています。危険なダンジョンや強大なボス、過酷な環境を乗り越えた先に、仲間と食卓を囲み、拠点で休める時間が待っている構成が、本作の大きな特徴です。100時間以上に及ぶ1.0版のプレイを終えた原文筆者は、旅の終わりを惜しみつつ、もう一度その世界へ戻りたいと感じたとしています。
北欧神話を思わせる広大な世界
本作の世界は、ピクセル調のテクスチャと少ないポリゴンによるローファイな表現を採用しています。しかし、原文筆者はその見た目を単純な技術的制約とは捉えていません。生き物や木漏れ日、森林に覆われた丘陵が童話のような雰囲気を生み出しており、手続き生成された地域を迷いながら探索したくなる美しさがあると評しています。
穏やかな草原から陰鬱な沼地、雪に覆われた山岳地帯まで、地域ごとに景観と空気感は大きく異なります。新しいマップを生成するたびに、その広さと、誰かが手作業で設計したかのようなまとまりに驚かされたとのことです。北ヨーロッパを思わせる自然な景観が各要素をつなぎ合わせ、 procedurally generatedな世界でありながら、まとまりのある本物らしさを生み出しています。
遠距離の移動では、プレイヤーが建造した船に乗って海や河川を進みます。原文筆者が最初に本作のスケールを強く実感したのは、約15時間の準備を経て自作の船で出航したときだったとしています。操船はやや扱いにくいものの、その不器用さが、速度の調整や小さな旋回を習得する楽しさにつながっています。
波に船体を上下させられたり、突然の嵐で船が傷ついたりするため、航海は単なる移動手段ではありません。風向きも絶えず変わるため、目的地へ一直線に進めず、予定外の場所へ寄り道することになります。船を手に入れたことで世界が一気に広がる一方、海の先には新たな脅威も待ち受けていると原文筆者は説明しています。
早期アクセスから積み重ねられた進化
早期アクセス開始時からの改良点は、すべてを列挙するのが難しいほど多いとのことです。バイオームとボスの数はほぼ倍増し、戦闘には完璧な回避、トリンケット、魔法システムなどが加わりました。原文筆者が2021年時点で不満として挙げていた、進行に伴う一部の作業量やグラインド感も、現在は細かな難易度設定によって調整できます。
原文筆者はソロプレイで資源ドロップ率を3倍に設定したところ、序盤の地域を新しい1.0版の世界で再訪する場合でも、進行のテンポが非常に滑らかになったとしています。ただし、大人数のグループでは資源が多すぎる設定になる可能性もあるため、プレイ人数に応じた調整が必要です。
各バイオームは、雰囲気、敵、地形のいずれも明確に差別化されています。虫に侵食された霧の地は、濃霧と複雑な地形によって移動が難しく、敵の群れにも襲われやすいことから、原文筆者にとって沼地を抜いて最も苦手な地域になったそうです。一方で、敵に囲まれていないときには美しい景観を楽しめる場所でもあります。
灰の地は、火山性の不吉な景色と大幅に上がった難度によって、終盤へ突入したことをはっきり感じさせる地域です。さらに、その先にある氷の海岸の向こうには、原文筆者が詳細を明かすのを避けた秘密が存在します。最終盤の舞台は、本作が描いてきた北欧的な美術と神話性を最も強く押し出しており、バイキングの英雄にふさわしい結末へつながると評価されています。
1.0版の規模と完成度について、原文筆者は、未完成だった作品がようやく形になったというより、数年前から存在していた名作に3つの大型拡張が加わったように感じると述べています。各ボスを倒した後には、物語の進行や次のバイオームを示す、アニメーション付きの2Dカットシーンも流れます。これらの演出は、探索の流れを止めずに物語を補強する役割を果たしています。
戦闘とダンジョンが生む緊張感
近接攻撃や射撃を中心としたアクションは、現代のアクションRPGに慣れたプレイヤーにとっても手応えのあるものだと原文筆者は評価しています。サバイバルクラフト作品として十分な水準にとどまらず、武器や敵の種類、属性ダメージと耐性、タイミングが重要な回避やパリィまで、独立したアクションゲームのように丁寧に作られているとのことです。
敵ごとの行動パターンを覚え、武器の特性や属性の相性を考えながら戦う必要があるため、終盤までプレイヤーの技術向上を促されます。特にボス戦は、各地域や技術段階の締めくくりとして機能し、ボスごとに異なるギミックや戦い方を求められます。難度が段階的に上がるため、撃破するたびに次の目標へ進めたという達成感も得られます。
ただし、原文筆者はボスのAIが、変化に富んだ戦闘エリアに対応しきれていない場面があるとも指摘しています。また、ボスの約半数が刺突ダメージに耐性を持つ点には不満を示しており、弓を主力にするプレイヤーにとっては、中盤から終盤にかけて属性ダメージを大きく伸ばせるようになるまで時間がかかるため、「ここから先は弓を使うな」と言われているように感じるとしています。
ダンジョンはランダム生成され、狼男が出現する凍った洞窟や、粘液に覆われた虫の巣など、舞台ごとに異なるレイアウト、報酬、攻略上の課題が用意されています。平原と灰の地では地下の洞窟に代わって、広大で複雑な屋外構造物を探索することになります。80時間を経過した頃に、黒く焼けた要塞を攻めて戦利品を持ち帰る体験が、従来の探索と略奪の流れを新鮮なものにしたと原文筆者は振り返っています。
食事と建築が進行に組み込まれた設計
本作では、体力とスタミナが一般的なRPGのレベルではなく、食事によって大きく左右されます。武器や走る能力、泳ぐ能力などは個別に成長させられますが、体力とスタミナを伸ばすには新しい食材を探し、レシピを覚えなければなりません。最大3種類の食事を同時に利用できる一方、同じ料理を重ねても効果は増えないため、異なる食材を組み合わせた食生活が必要になります。
この仕組みによって、成長のために経験値を稼ぐのではなく、世界を探索して食材を見つけ、よりよい料理を準備することが自然に進行へ結び付いています。原文筆者は、十分な食事と睡眠を取り、元気の出る蜂蜜酒を携えて悪と戦う流れに、戦士としての生活感があると評価しています。食事は単なる回復手段ではなく、冒険に出る前の準備と、拠点へ帰還する理由の両方になっています。
拠点づくりも、世界で過ごす時間を支える重要な要素です。ボクセルベースの建築システムを採用していますが、地形を自由に変形できる範囲はMinecraftほど広くありません。そのため、建物が地面にめり込んだり、宙に浮いて見えたりしないよう、支柱や接地の仕組みを理解する必要があります。
一方で、建材の重量や梁による支持が細かく計算されるため、完成した建築物は世界の景観に合った現実味を持ちます。原文筆者は、これを制限ではなく、実際の北欧の建築家が大きな屋根を支える方法を考えるようなパズルとして楽しんだとしています。建材の種類も豊富ですが、三角形や曲線の床板がないため、長方形以外の形をした建物は作りにくいという不満も残されています。
評価のまとめ
原文筆者は、命がけで敵と戦う時間、忘れられた墓所を荒らす探索、穏やかな水面に日差しが揺れる休息のすべてが、本作では同じ世界の出来事としてつながっていると評しています。美しいアート、危険なボスとダンジョン、拠点での生活、広大なスケールが組み合わさり、探索へ向かう高揚感と、仲間と温かい食事を囲む安心感を同時に生み出しています。
原文筆者にとって、本作は2010年にMinecraftから始まったサバイバルクラフト体験の到達点にあたる作品でした。早期アクセス期間を含めて数百時間、1.0版だけでも100時間以上を過ごしたにもかかわらず、旅が終わることを寂しく感じ、再び世界へ戻りたいと思わせられたとしています。過酷な冒険と居心地のよい暮らしを両立させる設計こそが、完成版の最大の魅力です。