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『Forever Ago』は思い出をたどるロードトリップアドベンチャー

2026年09月09日 | #ゲーム紹介 | DualShockers

『Forever Ago』は思い出をたどるロードトリップアドベンチャー

老いた男性が、亡き最愛の人の願いをかなえるためにキャンピングカーで旅をする――そんな静かで bittersweet な物語を描く『Forever Ago』のプレビュービルドが公開されています。Third Shiftのデビュー作となる本作は、観光を目的とした旅ではなく、過去の記憶と向き合いながら、残された人生を前へ進む理由を探すロードトリップアドベンチャーです。原文筆者は約30分のデモを体験し、主人公の旅の背景や、現在と過去をつなぐ記憶の仕組みに強い印象を受けたとしています。

最愛の人が残した願いをかなえる旅

プレイヤーが操作するのは、キャンピングカーで大陸横断の旅に出る老人アルフレッドです。彼が旅に出た理由は、景色を見て回るためでも、気ままな余生を楽しむためでもありません。アルフレッドには、人生をともにしたオードリーがいました。彼女がこの世を去ったあとも彼が塞ぎ込んでしまわないように、オードリーは最後の願いをいくつかノートに書き残しています。アルフレッドはその内容を手がかりに、彼女との思い出を大切にしながら、願いをひとつずつ果たしていくことになります。

デモでは、比較的人里離れたモーテルに立ち寄る場面から旅が始まります。そこで描かれる出来事は大掛かりな事件というよりも、アルフレッドが何を背負って旅をしているのかを少しずつ伝えるものです。旅先で出会う人々や、道中で起こる出来事を通じて、彼が過去に残してきた人生と、これから進もうとしている道のりが明らかになっていく構成が示されています。

アルフレッドの旅と、亡き人の願いをかなえようとする物語は、映画『カールじいさんの空飛ぶ家』に登場するカールとエリーの関係を思わせるものです。ただし、本作が描こうとしているのは冒険の派手さではありません。長年連れ添った相手の記憶を抱えたまま、残された側がどのように日々を生き直すのかという、より個人的で穏やかなテーマが中心になっています。

現在の旅と過去の記憶をつなぐ探索

旅の途中では、周囲のさまざまな物に触れて調べられます。これらのインタラクションは、単に世界の構造を確認するためだけのものではなく、アルフレッドが目にした場所や物をどう受け止めるのかを知る手がかりにもなります。環境を見て回ることで、現在の旅の状況だけでなく、彼の内面や、オードリーと過ごした時間についても理解が深まっていく仕組みです。

なかでも重要なのが、周辺に点在する花びらです。これはオードリーが好きだった花のものと思われ、調べると2人にまつわる短い記憶の場面が表示されます。一定数の花びらを見つけると、その近くに花びらが集まる場所を見つけられるようになります。そこに立つことでフラッシュバックが発生し、アルフレッドのカメラを使って、過去の2人の姿を写真に収める場面へ移行します。

この記憶のシステムでは、過去の出来事をただ映像で見せるのではなく、アルフレッド自身がカメラを構え、断片的な思い出を確かめていきます。現在の彼が立っている場所と、若いころの2人が過ごした時間が重なることで、同じ場所でも見えるものが大きく異なることを表現しているようです。幸せな記憶である一方、そこにはもう戻れないという現実も含まれており、過去を振り返る行為そのものが bittersweet な体験として描かれています。

メインの目的を進めるだけでなく、周囲を探索して記憶の断片を探すことが、旅の大きな魅力になっています。オードリーとの時間を思い出すためにアルフレッドが行動する一方で、探索によって見つかるものが彼の心にどのような変化を与えるのかも注目されるポイントです。

穏やかなペースで描かれるロードムービー

本作は、意図的にゆっくりとしたテンポで進むゲームです。主人公が老人であることもあり、移動速度はかなり遅く、原文筆者はほとんど「カタツムリのような速さ」で歩いているように感じたと説明しています。移動を速める設定があるのかは、今回のデモだけでは明らかになっていません。そのため、短時間で次々と展開する物語や、素早い操作を中心としたゲームを求める人には、あらかじめ注意が必要です。

一方で、この遅さはアルフレッドの旅を表現する要素でもあります。目的地へ急ぐのではなく、周囲を眺め、立ち止まり、見つけた物に触れながら進むことが想定されています。原文筆者は、近年は作品によって集中力が続きにくくなったとしつつも、本作ではアルフレッドの視点に入り込んだ瞬間から関心を保てたとしています。気難しさを見せながらも、他者や過去を気にかけるアルフレッドの人物像が、ゆっくりした進行を支える存在になっているとのことです。

デモの終盤にはトレーラーも用意されており、今後の旅で出会う人物や、アルフレッドが直面する出来事の一端が示されます。今回の試遊範囲では物語の全体像までは分かりませんが、旅の途中で新たな人々と出会い、忘れていた記憶や新しい思い出を積み重ねていく展開が期待できます。

原文筆者は、わずかな時間の体験でも、愛した人の記憶を抱えながら前進するアルフレッドの姿に強く惹かれたとしています。旅の価値を目的地だけで測るのではなく、道中で出会う人々や、そこで生まれる思い出に見いだす作品として、本作は落ち着いた物語を好む人に向けた内容になりそうです。正式リリースは10月に予定されています。