『Marvel's Wolverine』の低評価でソニーのGOTY連続ノミネートが途切れる見通し
『Marvel's Wolverine』の評価が伸び悩み、ソニーがThe Game AwardsのGame of the Year(GOTY)部門で続けてきた11年連続ノミネート記録が途切れる可能性が高まっています。Metacriticのメタスコアは78点にとどまり、2026年のソニー作品ではHousemarqueのSarosが有力候補として残されていますが、同作にも越えるべきハードルがあります。
メタスコア78点がGOTY候補入りの壁に
Insomniac Gamesが手がけ、ソニーが発売する本作は、今週レビューが解禁されました。批評では、絶え間なく続く戦闘アクションが次第に単調になる点や、ストーリーの出来について意見が分かれているとされています。Polygonは本作を「PS5時代最大の失望」と評しており、全体としては好調とは言いにくい評価です。
The Game AwardsのGOTY部門では、国際的なゲームメディア関係者を中心とした審査員の評価が大きな判断材料になります。これまでメタスコア80点未満の作品が同部門にノミネートされた例はなく、78点の本作が候補に入るのは難しいとみられています。さらに、ゲーム以外を原点とするライセンス作品は、同賞でノミネートされにくい傾向もあります。Insomniac GamesのMarvel's Spider-Manシリーズは例外的な成功例ですが、本作には評価面とジャンル面の両方で不利な条件が重なっています。
ソニーが築いた11年連続の記録
本作がGOTY候補から外れれば、ソニーにとっては2014年以来初めて、同部門にノミネート作品が存在しない年になります。The Game Awardsが始まった2014年にはソニー作品が候補入りしませんでしたが、翌年以降は少なくとも1作品を送り続けてきました。
この11年間にソニーは、GOTYに14回ノミネートされ、そのうち3回受賞しています。2018年のGod of War、2020年のThe Last of Us Part 2、2024年のAstro Botが受賞作です。また、6作品が選ばれるノミネート枠にソニー作品が2本入った年も3回あり、この記録を達成した他社は任天堂だけです。任天堂の場合は2回にとどまります。
ソニーの候補作には、Uncharted、The Last of Us、God of War、Horizon、Spider-Man、Death Stranding、Ghost of Tsushimaなどが並びます。いずれも映像表現や技術的な完成度が高く、映画的な演出と重いテーマを備えたアクションアドベンチャーという共通点があります。家族向けのAstro BotやRatchet & Clank、独特の世界観を持つBloodborneも含まれますが、同社のGOTY戦略が特定のゲーム像に強く依存してきたことは否定できません。
「ソニーらしいゲーム」への評価が変化
原文筆者は、ソニーの作品像とThe Game AwardsのGOTY候補が長く重なってきたと説明しています。しかし近年の候補作は、Elden RingやBaldur's Gate 3、Clair Obscur: Expedition 33のように、深いロールプレイング要素や強い個性を備えた作品へと傾いているとのことです。2024年には明るい作風のAstro Botがソニーに受賞をもたらしましたが、審査員や批評家の関心が、従来型の大作アクションアドベンチャーから離れつつある可能性があります。
本作のレビューで目立ったのは、いわゆる「ソニーゲーム」の定番要素が停滞していることへの不満と、本作がその要素を狭い形で解釈しているという指摘でした。ただし原文筆者は、ソニーのアクションアドベンチャー全体が評価対象外になったとまでは見ていません。問題は、今回ソニーとInsomniac Gamesが、作品を豊かで満足度の高いものにする要素を十分につかめなかった点にあるとしています。
本作では、発売の2年前にゲームディレクターが交代しており、ソニーとInsomniac Gamesの双方が開発の方向性に問題を認識していた可能性も指摘されています。一方で、その認識が生まれた時期には、作品全体を大きく作り直すには遅すぎたのではないかとの見方も示されています。原文筆者は、来年のGod of Warシリーズ新作がノミネートされる可能性まで否定しているわけではありません。
2026年の候補はSarosが最後の希望
本作が候補争いから外れると、ソニーの2026年GOTYノミネートの望みはHousemarqueのSarosに大きくかかります。同作はSFシューターで、Metacriticでは87点と、本作より明確に高い評価を得ています。
ただし、Sarosはプレイした人の数が多い作品ではなく、好みが分かれやすいタイトルでもあります。The Game Awardsの審査員は純粋なアクションゲームを受賞候補として評価しにくい傾向があるため、メタスコアだけで安全とはいえません。Housemarqueの前作Returnalも、GOTYをめぐる競争が比較的弱かった2021年にノミネートされませんでした。
さらに、ソニーが物理版PlayStationゲームの生産を終了する決定を下したことで、同社の評判に大きなダメージが生じている点も触れられています。審査員がこの問題を理由に個々の作品やソニー傘下の開発会社を直接罰するとは考えにくいものの、ソニーのラインナップが弱い年には不利な材料になり得るとのことです。現時点では、同社が2014年以来初めてGOTYレースから姿を消す年になる可能性が高く、2026年はソニーにとって忘れたい1年になりそうです。