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『World of Warcraft Forever』はレベル上限60固定で20年ぶりの新規プレイヤーにも向いたWoWに

2026年09月15日 | #発売情報 | Polygon

『World of Warcraft Forever』はレベル上限60固定で20年ぶりの新規プレイヤーにも向いたWoWに

20年前の『World of Warcraft』を土台にしながら、新エリアや新種族などの新要素を加えたWorld of Warcraft Foreverが登場します。サーバーを選ばず友人と遊べる仕組みや、レベル上限を60で固定する方針により、長期運営型ゲームにつきものの「復帰したら何をすればいいのか分からない」という問題を避けようとしている点が大きな特徴です。ベータテストは9月17日、正式サービス開始は11月4日の予定です。

クラシックを拡張した新しいWoW

本作は2004年、正確には2006年ごろのゲーム内容を基礎にしていますが、単なる旧作の再現ではありません。WoW Classicが過去のゲームをそのまま振り返る位置づけなのに対し、本作はファンが構想した「Classic Plus」に近い形で、新しいゾーン、クエスト、ダンジョン、プレイ可能な新種族を追加します。ゲームの遊びやすさを高める品質向上や新機能、グラフィック表現の更新も盛り込まれます。

一方で、過去20年間に通常版のWoWへ導入された変更や設計思想を全面的に受け入れるわけではありません。昔ながらの不便さや、勢力によって世界が分断される仕組みを残しながら、現代的な変更も一部取り入れるという、相反する方向性が本作の核になっています。原文筆者は、こうした組み合わせによって、本作が新規プレイヤー、カジュアル層、長く離れていた復帰者にとって、サービス開始以来もっとも入りやすいWoWになる可能性があると見ています。

コントローラー対応とサーバー廃止で遊び始めやすく

本作はWoWシリーズで初めて、開発元が正式にゲームパッド操作と専用UIを用意するタイトルです。これまでもアクセシビリティ機能や非公式のコントローラー用拡張は存在しましたが、本作では開発側が動作を確認し、導入作業なしで使える形に整えられます。机に向かってマウスとキーボードを操作するだけでなく、ソファで遊んだり、PC向け携帯ゲーム機でプレイしたりする選択肢が広がります。

操作方法を覚えるハードルが下がることは、ゲームの世界に興味はあっても従来の入力方式に苦戦していた初心者にも意味があります。原文筆者は、9歳の子どもがWoWの世界に惹かれながらマウスとキーボードの操作を身につけられなかった例を挙げ、公式コントローラー対応が新規層への入口になると説明しています。

さらに、本作には通常の意味でのサーバーがありません。Blizzardはこの仕組みを「realm free」と表現しており、プレイヤーはNormal、PvP、Roleplayといったプレイスタイルによって区分されます。将来的には、死亡するとキャラクターを失うHardcoreモードも加わる予定です。ゲーム内では同じプレイヤーと継続的に出会えるようにしてコミュニティーを形成しつつ、サーバーによる人為的な隔たりを取り除きます。

友人が本作をプレイしていれば、別のサーバーに所属しているかどうかを気にせず一緒に遊べます。これは現代のオンラインゲームでは珍しくありませんが、WoWに長く残っていた参加時の分かりにくさや、友人と合流する際の制約を解消する変更です。ただし、HordeとAllianceの厳格な勢力分離は復活するため、旧来の世界観を支えていた対立構造まで消えるわけではありません。

レベル上限を上げず、横方向に世界を広げる

本作の中心的な設計方針は、レベル上限を60より上に引き上げないことです。Blizzardは今後も上限を固定し、各レベル帯に新しいコンテンツを追加する「横方向」の拡張を続けるとしています。プレイヤーが強さを求めて一斉に新しい上限へ進むのではなく、既存の世界に新たなクエストや遊び方を積み重ねていく考え方です。

この方式なら、長期間ログインしていなかったプレイヤーが、復帰直後に最新のレベル帯へ追いつく必要がありません。ライブサービス型ゲームでは、休止期間が長いほど、現在の環境や進行状況を把握するだけで負担が生じます。通常版WoWもチュートリアルや復帰者向けの仕組みで対応してきましたが、長年にわたって積み重なった複数のバージョンが複雑さを生む問題は残ります。

本作では、時間が経過してもゲームそのものが別物へ置き換わらず、同じレベル上限と基本構造を保つ方針です。原文筆者は、12の異なるバージョンが積み重なったようなゲームは、どうしても肥大化し、互いに矛盾する要素を抱えると指摘しています。本作は長期運営を前提にしながら、復帰するたびに大規模な学び直しを迫られる状態を避けようとしています。

未知の要素と懐かしさを両立する設計

本作の大部分は過去のWoWを思わせる内容ですが、Blizzardはゲームをあえて「未解決」の状態に戻すことにも力を入れています。すでに攻略法や最適解が広く知られたゲームに、新しいコンテンツを追加するだけではありません。クラスの設計、戦利品の内容、アイテムの組み合わせ、ステータスボーナスの仕組みを見直し、これまでとは異なるビルドやシナジーを探せるようにします。

狙いは、プレイヤーが開始直後から既知の最適解を調べ、効率だけを追求する状態を避けることです。20年前のゲームを、少なくとも最初は新しい発見がある環境として再構成しようとしています。原文筆者は、この新鮮さがどれほど長く続くかはまだ分からないとしながらも、プレイヤーにとって本当に新しいスタートになる可能性を認めています。

グラフィックも、単純な高精細化とは異なる方向を選びます。元のローポリゴンのアセットは大きく作り替えず、照明、霧、水面などの描画技術を更新して、古典的なアートスタイルを残したまま空気感を豊かにします。キャラクターは従来の低ポリゴンモデルと、より詳細なHDモデルを切り替えられます。HDモデルにもクラシック版のアニメーションを組み込むことで、見た目だけが現代的になって世界から浮くことを避けています。

その結果、懐かしさと現代的な見栄えを同時に目指す表現になります。原文筆者は、インディーゲームやスクウェア・エニックスのHD-2D表現に通じる、古さと新しさが同居した印象だと説明しています。2004年当時の素朴な見た目をそのまま再現するWoW Classicよりも、現在のプレイヤーには受け入れられやすい可能性があります。

不便なゲーム性が生む余白

戦闘やレベル上げ、移動には時間がかかり、ダンジョンの自動マッチングもありません。ゲーム内の説明も現代の作品ほど親切ではなく、本作が通常版WoWより簡単になるわけではありません。原文筆者も、こうした旧来型のゲーム性を「初心者向け」と呼ぶのは議論の余地があるとしています。

それでも、プレイ中のプレッシャーや情報量は少なくなる可能性があります。現代のライブサービスゲームは、最新コンテンツへの到達、効率的な育成、長期間の不在による遅れを常に意識させます。本作は厳しい世界でありながら、20年分の歴史を一度に理解する必要がない、より単純な世界を目指します。Blizzardは発表時に、目的地へ急ぐことよりも、発売当初のWorld of Warcraftのように旅そのものを重視したいと繰り返し説明しています。

この方向性が実際にどれだけ長く機能するかは、サービス開始後に検証されることになります。過去20年のMMOが効率化と継続的な更新を重ねてきたなかで、あえて時間のかかる進行を残す本作が、プレイヤーに新しい居場所を提供できるかが注目されます。