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『EA Sports FC 27』新モード「The Grounds」がシリーズに新たな遊び方をもたらす

2026年09月19日 | #レビュー | VGC (review)

『EA Sports FC 27』新モード「The Grounds」がシリーズに新たな遊び方をもたらす

30年以上続くサッカーゲームシリーズでは、毎年新しい要素を加え続けること自体が難題になりつつあります。そんななかで今回もっとも大きな変化として登場したのが、従来の「Clubs」を発展させた新モード「The Grounds」です。大人数の固定メンバーを集めなくても遊べる設計によって、Ultimate Teamとは異なるオンライン体験を目指しています。

少人数でも遊べる新モード「The Grounds」

「The Grounds」は、プレイヤーが作成したアバターで街を歩き、NPCからクエストを受けながらさまざまな試合やミニゲームに挑戦するモードです。NBA 2Kシリーズの「The City」や、WWE 2Kシリーズの「The Island」に近い、オープンワールド型の拠点が舞台になっています。街を移動することそのものが目的ではなく、そこでほかのプレイヤーとの試合や各種チャレンジへ進む構成です。

従来のClubsでは、プレイヤーがそれぞれ1人の選手を操作し、最大22人による11対11の試合を楽しめました。ただし、その魅力を十分に味わうには、かなり大人数の友人やメンバーをそろえる必要があります。The Groundsでは11対11の試合も引き続き用意されている一方、1対1、2対2、3対3、Rushといった少人数向けの形式も選べるようになりました。キャリアモードのトレーニングに似たミニゲームも存在し、1人で遊ぶ場合や、少人数で協力したい場合にも対応しています。

11対11の試合を行う「Drop-in Stadium」や、クラブのメンバーが集まって大規模なマルチプレイを楽しむ「Clubhouse」も用意されています。つまり、従来のClubsを完全に置き換えるのではなく、その遊び方を残しながら、より幅広いプレイヤーが参加できる場所へ拡張した形です。

原文筆者が発売前の環境で確認した際は、安定して対戦相手を見つけられたのは主に1対1と2対2だったとのことです。ただし、早期アクセスが始まった段階で再確認すると、街にはプレイヤーが増え始めていたとしています。サービス開始直後から規模が拡大していくタイプのモードであり、EAは今後、新たな機能や期間限定イベントを追加する方針を示しているようです。

一方で、The GroundsがUltimate Teamやキャリア、Kick Offと並ぶシリーズの主要モードとして定着するかは、まだ分かりません。過去にはストーリーモードの「The Journey」やストリートサッカーの「Volta」が登場しましたが、いずれも数作品のうちに姿を消しています。原文筆者は、現時点ではUltimate Teamとは違う、より気軽なオンライン対戦の場として楽しめたと評価していますが、今後1年間にどれだけ継続的な追加要素を提供できるかが重要になりそうです。

FUT Galleryは便利さと物足りなさが同居

Ultimate Teamにも新要素が追加されています。なかでも注目されるのが、これまでに入手した選手を記録し、テーマごとに集めて評価する「FUT Gallery」です。所持した選手は、カードを売却したり、Squad Building Challengeで消費したりしたあとも一覧に記録されます。その選手一覧を利用して、リーグ、クラブ、カードの種類などをテーマにした「Set」を埋めていきます。

たとえば、リヴァプール所属選手、ブンデスリーガ所属選手、Team of the Weekの選手といったテーマごとにSetが用意されます。Setを完成させると、選手の価値や同じ国籍の選手がそろっているかといった条件をもとに評価され、最高ランクのSまで到達できます。ランクに応じた報酬も受け取れる仕組みです。

ただし、Setに登録する選手は過去に入手したカードの一覧から選ぶだけでなく、ボタンを押して自動的に最適な選手を選ばせることもできます。原文筆者は、FUT Galleryについて「単純すぎるのに、同時に複雑すぎる」と評しています。関連する条件を確認しながら、より良いカードを手に入れるたびにSetを更新する作業は煩雑ですが、自動選択を使えば戦略的に選手を組み合わせる余地がほとんどなくなるためです。

選手を集めてアルバムを埋めていくような仕組みであれば、新しいカードを入手するたびに進展を実感できたはずです。しかし実際には、低評価の選手を手に入れても現在のSetを改善できるとは限らず、新カードがどのSetに役立つのかも明確に示されません。そのため、プレイヤーはSランクに届いていないSetを定期的に確認し続けることになります。原文筆者は、FUT Galleryの発想自体は良いものの、プレイヤーが積極的に関わりたくなる仕組みとしては手を離れすぎていると見ています。

カード整理とSBCは分かりやすく改善

Galleryの評価システムに関連して、Ultimate Teamのカード分類も変更されました。特定のカードには、Galleryでより高い価値を持つホログラフィックカードが追加されています。その一方で、従来の「Rare」カードは廃止され、カードの区分はBronze、Silver、Gold、Specialに整理されました。

以前はBronze、Bronze Rare、Silver、Silver Rare、Gold、Gold Rare、Specialという区分でした。レアカードの枚数が条件になることも多かったSquad Building Challengeでは、こうした分類が分かりにくさや面倒さにつながっていました。種類を減らしたことで、少なくともカードを条件に合わせて選ぶ作業は簡単になっています。

さらに「Streamlined SBC」も追加されました。従来型のSBCでは、一定のケミストリーや総合評価を満たすチームを自分で組む必要があります。一方、Streamlined SBCでは、指定されたタイプに該当する選手の一覧が表示され、そのなかから必要な合計スコアを満たす枚数を選ぶ形式です。Galleryと似た評価システムも採用されており、複雑なチーム編成を毎回考えなくても進められます。

キャリアモードは移籍交渉を大幅に刷新

1人で遊ぶプレイヤーにとって、より大きな変化となるのがキャリアモードです。特に移籍手続きが全面的に作り直され、選手を獲得するまでに複数の段階を踏むようになりました。最初の問い合わせ、売却側クラブからの返答、クラブ同士の交渉、選手本人との交渉など、状況に応じてさまざまなやり取りが発生します。

移籍成立までの時間が長くなったことで、締め切り直前の再交渉や、別クラブによる獲得競争といった展開も起こり得ます。単に選手を検索して条件を提示すれば終わるのではなく、交渉の進み方そのものが移籍のドラマを生む仕組みです。

クラブ間のライバル関係も移籍に影響します。たとえばセルティックを率いている場合、ライバルであるレンジャーズから選手を獲得しようとしても、敵対するクラブへの売却は珍しいため、断られる可能性が高くなります。原文には両クラブに対する批判的な表現もありますが、ゲーム内ではライバル関係を移籍システムに反映する要素として紹介されています。

試合面は進化型でコーナーキックを再設計

試合の基本部分は、従来の操作感を大きく変えるのではなく、細かな改善を積み重ねる方向です。攻撃時には、選手のカーブする走りと味方AIの改善によって、パスを受ける動きやチャンスの作り方が増えています。また、相手のタックルを受けた際に勢いを保ちながらボールを守る「オフバランスドリブル」も加わりました。発生頻度は高くありませんが、技術のあるプレイヤーが体勢を崩しながらボールを失わないための手段になります。

ただし、これらの変更によってプレイスタイルを根本から考え直すほどではありません。近年は無料アップデートでゲームバランスが継続的に調整されるため、作品ごとに大きく変えるよりも、時間をかけて進化させる方針が明確です。

大きな変更が加えられたのはコーナーキックです。これまでは、狙う位置とキックの強さを指定する方法か、ボックス内の選手を直接操作してボールの落下地点へ走らせる方法が基本でした。前者ではキックするまで守備側の選手を動かせず、後者では相手にボールの狙いを読まれやすいという問題がありました。

今回は2つの方法を組み合わせ、まず狙う位置と強さを決めたあと、ボックス内の選手を操作してマーカーを外す仕組みになっています。相手はボールの落下地点を完全には把握できないため、いったん逆方向へ走ってからクロスに合わせるといった駆け引きが可能です。

原文筆者は、この変更によってコーナーキックから得点しやすくなったとはまだ感じていないとしています。新システムが導入されたばかりで、プレイヤー側も有効な戦術を研究している途中だからです。また、ショートコーナーから素早くクロスを入れる戦い方では、操作に必要な時間が増えたことで意表を突きにくくなったとも指摘しています。今後、コーナーからの得点数が増える可能性はあるものの、好影響になるかどうかは意見が分かれそうです。

長期運営とコミュニティの反応が評価を左右

本作の評価を難しくしているのが、発売後に変化し続けるゲームプレイです。大規模なプレイヤーコミュニティでは、サービス開始後すぐに不具合や抜け道が見つかり、それが広く使われることがあります。開発側が修正アップデートを配信すれば、同じ作品でも1~2カ月後にはプレイ感覚が変わっている可能性があります。

そのため原文筆者は、現時点では一時的なバランス調整に左右されにくいモード面を重視して評価しています。Ultimate Teamは今回、近年のなかでも影響の小さいアップデートにとどまっているとされ、同モードを中心に遊ぶプレイヤーにとっては物足りなさが残ります。一方で、前作のUltimate Teamが終盤に差し掛かるなか、継続して遊びたいプレイヤーには新作への移行を促す構図になっています。

原文筆者は、現時点の本作について、サッカーゲームとしての立ち位置を維持していると評価しています。The Groundsはまだ将来像が確定していませんが、Ultimate Teamの競争的なオンライン対戦とは違う、落ち着いた遊び方を提供する可能性があります。キャリアモードも大幅に改善されており、少人数の協力プレイを求める人、1人で遊びたい人、従来どおりUltimate Teamを続けたい人のいずれにも、前作から移行する理由が用意されています。