『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』は3都市を巡る広大な世界と遊びの密度が今も際立つ
2004年発売の『グランド・セフト・オート・サンアンドレアス』を2026年に再プレイした筆者は、当時の技術的な制約が見える今も、その規模と遊びの豊かさに圧倒されています。新たな点数を付けない振り返りですが、長年にわたりシリーズで特に愛してきた作品だという熱量は明らかです。
3都市を途切れずに巡れる世界
舞台は1992年の架空の州、サンアンドレアスです。前作Vice Cityの約6倍にあたる広さに、オレンジ色のかすみが漂うロスサントス、急坂と路面電車が印象的なサンフィエロ、夜のネオンが映える乾いた街ラスベンチュラスを収めています。都市の間には草原や森林、砂漠に加え、小さな町や農場も広がります。
前作では島を移る際に読み込み画面が入りましたが、本作では街から街へ途切れず移動できます。メモリーが32MBしかないPS2で周囲の世界を随時読み込みながら、高速の戦闘機まで飛ばせたことに、筆者は改めて驚いています。
忘れていた遊びが次々に見つかる
筆者は2000年代半ばに本作を徹底的に遊びましたが、今回の再プレイでは、駐車係やトラック運送、ローライダーの対決など、忘れていた活動に次々と出会いました。約200種類の乗り物は挙動に重みがあり、自転車からコンバイン、ホバークラフト、ジェットパックまで揃います。空き巣やダンス、ジム、カジノ、トライアスロン、ビジネス経営など、寄り道も尽きません。
一方、本編から外された性的なミニゲームがデータ内に残り、後に改造で利用可能になったことから「ホットコーヒー」騒動が起きました。米国では成人向けの年齢区分が付け直され、オーストラリアでは一時販売禁止となりました。大半の家庭用ゲーム機のプレイヤーには触れられない内容だっただけに、筆者は当時の反応を過剰なものと批判しています。
成長する主人公と遊びやすくなった銃撃戦
主人公CJは服装や髪型を変えられるだけでなく、運転や飛行、戦闘などを重ねるほど腕を上げます。武器を使い込めば、移動しながらの射撃や射程の拡大、一部の銃では二丁持ちも可能です。
銃撃戦もGTA IIIやVice Cityから大きく改善しました。右スティックで自由に視点を動かし、すべての武器を任意に照準できます。自動照準は敵を優先し、味方を狙ってしまう煩わしさも抑えられました。しゃがみ移動や消音銃を使った簡単なステルス行動も加わり、筆者は2026年でも操作にすぐなじめると評価しています。
ラジオと自由な遊びが残した記憶
ラジオには11局、150曲以上が収録されています。1990年代初頭のヒップホップに加え、その源流や周辺にあるファンク、ソウル、R&Bなども楽しめます。曲順やDJの語りが変わる仕組みもあり、筆者はVice Cityと並んでシリーズ屈指の選曲と評しています。ただし、この楽曲群は後の再発売で完全には再現されませんでした。
豊富なチートでは乗り物を出したり、街全体を暴動状態にしたりできます。同じ画面で友人と遊べる協力モードにはぎこちなさもありますが、筆者たちは物語を何度も終えた後まで、チートと合わせて遊び続けたそうです。CJ役には俳優経験のなかったラッパーのYoung Maylayを起用し、サミュエル・L・ジャクソンが演じる警官テンペニーも強い印象を残しました。
現代の目には2000年代半ばの技術的な限界が映るものの、筆者にとって本作の挑戦的な規模と細部へのこだわりは色あせていません。今回の再訪でも、かつて夢中になった世界に再び引き込まれたと結んでいます。