『マジック:ザ・ギャザリング』のKPop Demon Huntersコラボは、主役を統率者にできない構成が期待外れです
『マジック:ザ・ギャザリング』のSecret Lairで登場するKPop Demon Huntersコラボ「How It’s Done」は、美しいイラストと再録カードの価値が魅力です。しかし、映画の中心となるHuntr/xやSaja Boysを統率者にしてデッキを組めるカードがなく、大きな期待に応える内容にはなっていません。映画を愛する筆者にとって、今回の収録内容は強い失望を感じるものでした。
映画への愛着が膨らませた期待
火曜日に公開された不気味で謎めいた予告で、Secret Lairの「Corn Maze Superdrop」にKPop Demon Huntersとのコラボが含まれると分かり、筆者の期待は一気に高まりました。
筆者がNetflixのアニメ映画を初めて観たのは、前年のハロウィーンパーティーの後でした。妻と下の娘がソファで眠る横で、吸血鬼の衣装を着た上の娘と、ゾンビのメイクが残る筆者は、Huntr/xが友情と音楽の力で魔王Gwi-Maに立ち向かう姿に夢中になったといいます。
それ以来、家族で何十回も観返し、車の中では今も「Golden」や「What It Sounds Like」を大声で歌っています。子どもたちに付き合っているだけではなく、筆者自身がこの映画を心から気に入っているからこそ、今回のコラボにはもっと多くを求めていました。
イラストと再録カードの価値は十分に魅力的です
Corn Maze Superdrop全体について、筆者は最近の中でも特に見栄えがよく、再録カードの価値にも優れたラインアップだと評価しています。
Labyrinthのカードはどれも美しく、Veronique Meignaudのアーティストシリーズは、黒の強力な定番カードに焦点を絞ったまとまりが魅力です。Marvel Zombiesの再録も、ゾンビのCaptain Americaが仲間のゾンビを増やし、Giant-Manが味方のクリーチャーの死によって大きくなり、Thorがしぶとく生き残るという、題材にぴったりの内容になっています。Ashley Dreyfusが描くツリーフォーク中心のセットも、統一されたテーマと夢のように色鮮やかなアートがうまくかみ合っています。
KPop Demon Huntersの「How It’s Done」も、イラストの出来は見事です。主にScott Watabaneが手がけたアートには、印象的な場面と人気キャラクターがバランスよく取り入れられています。
特に楽しいのが、帽子をかぶった悪魔の鳥Sussieを描いたSwan Songです。1マナで呪文を打ち消す代わりに、相手へ小さな鳥を与える効果と、その絵柄の組み合わせには思わず笑ってしまいます。Helen ChenによるUnderworld Breachのイラストも素晴らしく、この2枚は通常それぞれ約11ドルで取引されています。非フォイル版の価格は29.99ドルで、この2枚だけでも購入を検討できるだけの再録価値があります。
Unbreakable Formation、Demonic Counsel、Tempt With Immortalityも、映画のテーマに合った選択です。一方、Dawn’s TruceとFreed from the Realは、題材との結び付けがやや詰め切れていないように感じられます。
Huntr/xやSaja Boysを中心にデッキを組みたかった
筆者は普段、Secret Lairの商品を積極的に買うわけではありません。それでも今回は、映画への愛着から購入する可能性が高いとしています。収録カードの大半はすでに持っているものの、イラストが魅力的なので、手持ちのデッキに入れたいと思えるからです。
ただ、それでも肝心なものが欠けています。Huntr/xやSaja Boysを、デッキの主役として使えるカードはどこにあるのでしょうか。
筆者が期待していたのは、少なくとも両グループに1つずつ、計2つのコラボセットが用意され、その中心を伝説のクリーチャーが占める構成でした。独自の能力を持つ新しい伝説のクリーチャーなら理想的です。そうした新規カードを嫌う人が多いことは承知しつつも、筆者はそれを望んでいました。さらに、Miraが嫌う水の悪魔を青黒のデーモンとして表現するなど、映画に登場する悪魔たちを扱うセットにも期待していました。
初音ミクの構築済み統率者デッキでは、音楽を題材にした再録で何ができるかがすでに示されています。新規カードでなくても、Huntr/xを描いたTrostani, Selesnya’s Voiceや、Halana and Alena, Partnersの外見を置き換えたカードでも構わなかったといいます。欲しかったのは、統率領域に置き、そのカードを軸にデッキを組める存在です。
筆者にとっての理想は、Rumiを統率者にすることです。MiraとZoeyを一緒に描いたカードと「共闘」できる形なら、なお魅力的だったはずです。今回のセットは、映画の絵柄を楽しむ再録としては魅力があっても、登場人物を中心に遊びたいという願いには応えていません。
本格的なコラボへの第一歩であってほしい
残る希望は、「How It’s Done」が、もっと面白い展開へ向けた控えめな第一歩である可能性です。
ウィザーズ・オブ・ザ・コーストが2027年に予定している3つのUniverses Beyondセットについては、まだ詳細が分かっていません。筆者は、そのうち1つは再びMarvelを題材にするだろうと予想しています。また、数週間後にWorld of Warcraftとダンジョンズ&ドラゴンズのコラボが控えていることから、World of Warcraftも有力な候補だと見ています。いずれも筆者の予想であり、KPop Demon Huntersの本格的なセットが2027年に登場するかどうかも未確認です。
それでも、Teenage Mutant Ninja TurtlesやThe Hobbitのような比較的小規模なセットであれば、KPop Demon Huntersにも十分な題材があると筆者は考えています。
もし今回が反応を探るための企画なら、その先では水の悪魔も含め、映画の魅力をもっと大胆にカードへ落とし込んでほしいところです。美しい再録カードを手元に置ける喜びはあります。しかし、筆者が本当に望んでいるのは、Huntr/xとともにデッキを組み、この映画ならではの音楽と物語を『マジック:ザ・ギャザリング』の遊びとして味わうことなのです。