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『マジック:ザ・ギャザリング』新セット「Reality Fracture」、キューブ環境からも着想

2026年09月26日 | #ゲーム紹介 | Polygon

『マジック:ザ・ギャザリング』新セット「Reality Fracture」、キューブ環境からも着想

『マジック:ザ・ギャザリング』の新セット「Reality Fracture」は、ドラフト向けの相乗効果を考える際、キューブ環境やそのプレイパターンも参考にしていました。プレインズウォーカーが多く登場するセットで、10種類のドラフト archetypeをすべて支えながら、どの色の組み合わせにも遊ぶ理由を持たせています。

10種類のアーキタイプをどう支えるか

「Reality Fracture」は、2019年の「War of the Spark」以来、プレインズウォーカーの比重が高いセットです。ジェイスの新たな世界「Echoverse」を舞台に、カードゲームの歴史に登場した人気キャラクターの別バージョン「Echoed Legends」が描かれます。筆者は「Magic Arena」の先行アクセスで数時間プレイし、歯ごたえのある楽しい体験だったと評価しています。

本作のリミテッド開発を主導したWizards of the Coastのシニアデザイナー、Ben Weitz氏によると、ドラフトには10種類のアーキタイプがあります。アーキタイプとは、カードプールによって支えられるデッキの方向性です。5種類は魔法学校Hexhavenの各学寮を表し、友好色の組み合わせを軸にしています。Hexhavenは、ジェイスの世界におけるStrixhavenの別バージョンです。残る5種類は敵対色の組み合わせで、ジェイス、チャンドラ、リリアナ、ガラク、アジャニという「Lorwyn Five」のプレインズウォーカーをそれぞれ中心に据えています。

1セットに10種類もの方向性を盛り込むのは簡単ではありません。直近の例である「Lorwyn Eclipsed」では、5つの色の組み合わせがほかよりカードの支援に乏しい結果になりました。一方、Weitz氏によれば、「Reality Fracture」では10種類すべてを十分に支えており、特定の組み合わせ向けのカードを減らすことはしていません。

ただし、友好色と敵対色ではテーマの目立ちやすさに差があります。Weitz氏は、敵対色のテーマは友好色より控えめだと説明します。それでもテーマのカードを引けなかったときに、デッキで目指せるものを用意することが大切だといいます。「Echoed Legends」は、そのためのシナジーを仕込む機会になりました。たとえば「Jiang Yanggu, Alone」と「Yuriko, Blade of the Mighty」を組み合わせると、「単独で攻撃する」サブテーマを強化できます。

筆者はアーキタイプの少ないセットを好むものの、Weitz氏の説明を受けて、本作ではさまざまな色の組み合わせを試したくなったと述べています。Weitz氏は、強さに差が生じるとしても、どの色の組み合わせにもドラフトする理由を持たせたいと語りました。

「Empower Jace」が土地事故を和らげる

リミテッドで注目されるメカニズムの1つが「Empower Jace」です。「War of the Spark」のように多種多様なプレインズウォーカーを使うのではなく、どのデッキでも「Empower Jace」から生成される同じジェイス・トークンを使えます。トークンには「諜報」かカードを引く能力があります。

Weitz氏は、このメカニズムの調整は難しくもやりがいがあったと話します。互いにシナジーを生むため、カードの収録枚数を慎重に調整しました。また、後のパックでドラフトできる選択肢として、無色クリーチャーの「Keeper of the Quiet Hour」にも「Empower Jace」を持たせています。

カードに付く数字は、戦場に出るジェイス・トークンが持つ忠誠カウンターの数を示します。Weitz氏によると、特に遊びやすかったのは「Empower Jace 2」でした。出したターンにジェイスの能力を使え、その後、次の「Empower Jace 2」カードをプレイしたときにカードを引けるためです。カードを引くことを主な役割とする青の呪文を除き、3の倍数はなるべく避けたといいます。

筆者が先行アクセスで感じた「Empower Jace」の利点は、土地を引きすぎる「フラッド」や、必要な土地を引けない「マナスクリュー」といったリミテッドの悩みを和らげることです。Weitz氏は、リミテッドでは土地の枚数を整え、相互作用のあるゲームを促す「調整役」のメカニズムがあると遊びやすくなる、という社内セミナーの教えを紹介しました。本作では2マナや3マナのカードに「Empower Jace」を持たせることで、必要な土地を確保しやすくしています。「Campus Crier」「Keeper of the Quiet Hour」「Solve for Disappointment」などがコモンに収録されています。

キューブ環境もデザインの参考に

「Empower Jace」と「Echoed Legends」は、本作のデザインを支える柱です。Weitz氏によると、「Empower Jace」を持つコモンのカードを魅力的にする作業は比較的進めやすかった一方、「Echoed Legends」の開発には苦労しました。伝説のキャラクターは能力や性格をメカニズムに反映させる必要があり、さらにEchoverse版との違いがひと目で分かるようにしながら、カードとして魅力的にする必要があったためです。

デザインの参考としてWeitz氏は、プレインズウォーカーが多い「War of the Spark」や、「準備」能力を持つクリーチャーが登場した「Secrets of Strixhaven」を挙げています。さらに意外な着想源となったのが、キューブ環境です。キューブは、ドラフト用に選んだカードプールを組み立てて遊ぶ人気の形式で、「Vintage Cube」や、その「Magic Arena」版である「Arena Powered Cube」などがあります。Weitz氏は、参考にした個々のカード名は明かさず、Echoverse版を見れば元のカードが分かるはずだと話しました。

「Reality Fracture」は10月2日発売予定で、プレリリースイベントは9月25日から10月1日まで開催されます。