『Gears of War: E-Day』レビュー、12人で共闘するHorde Siegeがシリーズの魅力を引き出します
2026年10月09日 | #レビュー | Eurogamer
『Gears of War: E-Day』は、昔ながらのカバーシューターの楽しさを、操作の改善と充実した共闘で磨き上げた作品です。最大の魅力は、12人で戦う「Horde Siege」。仲間との連携から生まれる熱い展開には、長く遊び続けたくなる力があります。物語の粗さや各モードの不満は残りますが、派手な流血表現、撃ち合いの緩急、単純な男臭さも含め、シリーズに求める楽しさをしっかり味わえます。
原点に戻って際立つ、撃ち合いの楽しさ
本作が描くのは、ローカストが地中から現れ、人類への攻撃を始めた日です。タイトルの「E」は出現を意味する「Emergence」に由来し、2006年のGears of Warで登場した惑星セラを、惨劇の始まりまでさかのぼって描きます。
誰も気にしていない疑問に答えるだけの、ありきたりな前日譚になっていても不思議ではありませんでした。しかし、開発元のThe Coalitionがここで目指したのは、シリーズを根本から変えることではありません。キャンペーンの先行レビューに寄せられた反応からも、熱心なファンが複雑さを求めているわけではないことがうかがえます。
Gears 5は、初期3部作を特徴づけた男臭さから離れようとした作品で、その仕上がりは悪くありませんでした。本作は再び血みどろの戦いへ向かい、手応えのある難しさも取り戻しています。低迷するXboxに活気を与える作品が、20年前の成功作とよく似ているという事実には、少々居心地の悪さもあります。ただ、それ自体が本作への批判になるわけではありません。
カバーを使った撃ち合いに、タランティーノ映画を思わせる喜劇的な暴力表現を組み合わせたゲームとして、本作は非常によくできています。一方、物語は少し考え込むだけで、飛び散るローカストの内臓のように崩れてしまう程度のものです。それでも、頭を吹き飛ばす射撃や軽快なカバー戦闘、うなりを上げるチェーンソー付きの銃を楽しむうえでは、大きな妨げになりません。文学賞級の物語を期待する作品ではなく、その遊びを評価するなら、見事な出来です。
12人の戦いが生むHorde Siegeの高揚感
キャンペーン、「Versus」、Horde Siegeという3つの柱のなかで、シリーズの魅力を最も強く感じられるのがHorde Siegeです。
2008年のGears of War 2で登場したHordeは、強さを増す敵の襲撃を50回しのぐ、比較的単純なモードでした。いわばシリーズ版のCoD Zombiesで、その後もさまざまな形で受け継がれてきました。本作のHorde Siegeは、分かりにくい導入と使いづらいUIを抱えながらも、過去のどの形より優れています。
今回は12人が参加し、4人ずつの3部隊に分かれて複数の目標へ取り組みます。舞台となるのは、キャンペーンに登場する自由に動き回れるエリアです。物語のなかでは煩わしく、存在意義も薄く感じられた場所ですが、このモードでは広さと構造が生きています。
各部隊が自分たちの目標を進めつつ、必要に応じて別の部隊へ加勢する流れは、Destinyを思わせます。マップ全体に慌ただしい活気があり、コープサーやブルマックが突然地中から現れると、各部隊の任務を続けるためにも、12人全員で巨大な脅威に立ち向かうことになります。
難易度は部隊ごとに選べ、与えるダメージと受けるダメージがそれぞれ調整されます。「Allfather」の部隊と「Rookie」の部隊が同じ巨大な敵を攻撃していても、各部隊には異なる手応えが生まれる仕組みです。この機能はキャンペーンでも利用できます。長年技術責任者を務めるKate Rayner氏とチームが、Unreal Engine 5の機能を巧みに生かした成果といえます。
出撃前にクラスを選び、戦闘中に集めたエネルギーで武器、弾薬、防衛設備、部隊の強化を購入します。戦いが続くにつれて装備を整えられるため、目標の達成だけでなく、その場の状況に応じた判断も重要になります。
仲間を救い、脱出に滑り込む一瞬の興奮
筆者がHorde Siegeを15時間遊ぶなかでは、予想もしなかった展開が何度も生まれました。特に印象的だったのは、自分の部隊の目標を終え、脱出地点へ向かう途中で、別部隊がミニガンを持つグラインダーに壊滅させられかけている場面へ遭遇したときです。
ヘッドショットで敵を倒すと、スライディングと回避をつなげて1人目を蘇生。低い遮蔽物を越えて2人目を助け、角で素早く向きを変えて3人目も救いました。その後は前傾姿勢のダッシュでヘリへ駆け込み、脱出まで残り1秒で到着。自分の部隊はヘリから援護射撃を続けていました。腕時計が有酸素運動を検知するほど、緊張と興奮に満ちた場面でした。
これほど仲間との連携に高揚したのは、筆者にとってDestiny 2を遊んでいた頃以来です。Horde Siegeだけでも、本作をストレージに残しておきたいと思わせます。マッチメイキングも安定しており、疲れた日の終わりに見知らぬ仲間と組み、ローカストの頭を吹き飛ばして気分を晴らす遊びとして、非常に魅力的です。
ジャンプと移動の改善で変わるカバー戦闘
本作を遊ぶと、シリーズにはこれほどジャンプボタンが必要だったのかと感じさせられます。小さな変更に見えても、動かしづらさがそのまま死につながるカバーシューターでは、大きな意味があります。
Xbox 360時代の作品では、自然な地形の上を、チェスの駒のように限られた動きで進んでいる感覚がありました。本作のキャラクターはより身軽で、遮蔽物へのよじ登りや乗り越えも直感的です。スライディングや回避から、少し離れた遮蔽物にも滑らかに入れるため、動きが映像として映えると同時に、狙った行動を取りやすくなっています。
焼夷グレネードやイミュルシオンを使うショットガンなどの武器も、遮蔽物を移りながら戦う必要性を高めています。どのモードでも、同じ場所に居座れば手痛い攻撃を受けます。マップ設計と3段階のカバーの仕組みが組み合わさり、VersusとHorde Siegeには過去作とは違う新鮮さがあります。筋肉だらけのキャラクターが血をまき散らす、子どもじみた遊びは卒業したと思っている人にも、試す価値を感じさせます。
Versusの爽快さと、負ける側のつらさ
シリーズの対人戦は、うまく戦えているかどうかで、非常に楽しい時間にも、非常に腹立たしい時間にもなるものでした。本作では身軽な動きが加わり、その単純な振れ幅に変化が生まれています。
落ちれば即死する穴を飛び越えるだけでも爽快ですが、着地してトルクボウを構え、向こう側でおびえる初心者の頭を撃ち抜く瞬間には、さらに強い快感があります。その矢が相手を貫通し、別の熟練プレイヤーの脚に刺さり、味方へ近づいたところで2人まとめて爆発する。こうした無茶な連鎖は、まさにシリーズならではです。
もちろん、逆の立場になれば話は変わります。壁への張り付きと離脱を繰り返す熟練者に、部隊を数秒で全滅させられることもあります。ジャンプのタイミングを誤って即死する穴へ落ちたり、陣地を守る最中に弾切れを起こし、35時間のプレイで1度しか触っていない使いづらい銃に頼る羽目になったりもします。
それも対人戦の一部ではありますが、うんざりする体験です。自分の頭の破片が相手の有料スキンを飾る頃には、Horde Siegeへ戻りたくなります。Versusはカバーを使う対人戦を緊密にまとめている一方、バランスと操作の仕組みに問題があり、気軽に遊びたい人には楽しみにくい面が残っています。
古い設計を磨き上げた、魅力と欠点のある1本
本作には、褒めたくなる要素のすぐそばに、それを少し損なう問題があります。Horde Siegeはシリーズの遊びを見事に発展させていますが、UI、導入、進行のテンポが不安定です。Versusには引き締まった撃ち合いと、気軽な参加を難しくする問題が同居しています。
キャンペーンもテンポがよく、設計と戦闘は楽しいものの、不可解なチェックポイントと繰り返しが気になります。同じ橋を少なくとも3回行き来させられる構成は、その分かりやすい例です。
それでも本作は、保守的な設計を技術力と着実な改良で磨き、古いアイデアを今も夢中になれる遊びへ仕上げています。最先端の映像と20年前の設計思想が、血まみれの親しみやすさのなかでうまくかみ合い、懐かしさを生かしています。
2026年のXbox独占作の成功が、2006年とよく似た姿をしていることは象徴的です。しかし、それはThe Coalitionの仕事を貶める理由にはなりません。本作は過去の名声だけに頼らず、独立した魅力を備えています。かつてこのシリーズを存分に楽しんだ世代へ、再び満足できる体験を届けたことは、容易な成果ではありません。
レビューには、Xboxから提供されたゲームを使用しています。