『Kingdom Hearts Collection [I~III]』レビュー、PS5版ではKH3の映像とロード時間が改善
2026年10月13日 | #レビュー | DualShockers
『Kingdom Hearts Collection [I~III]』のPS5版は、Kingdom Hearts 3などの映像やロード時間に改善が見られる一方、トロフィーの仕様変更には大きな不満が残る移植版です。旧作の変化は控えめですが、画面表示や操作まわりの便利な機能も加わっています。
現行機への移植で変わったこと
本コレクションは、Steam版をPS5やSwitch 2へ移植したものです。Switchで提供されていた、筆者がひどい出来だと評するクラウド版に、ようやく代わる選択肢となります。今回のレビューでは、PS5版を実際にプレイし、PS4版との違いを確認しています。
PS4版から移る場合、以前のセーブデータは引き継げません。トロフィーの獲得状況も引き継がれないため、改めてプレイすることになります。
1.5+2.5 HDの収録作は、引き続きゲーム部分が60fps、カットシーンが30fpsで動作します。筆者としてはKingdom Hearts 2を120Hz対応で遊びたいところですが、現時点でそうした選択肢があるのはPC版だけです。
トロフィーを集める楽しみに水を差す変更
やり込み派にとって、特に残念なのがプラチナトロフィーの扱いです。Kingdom Hearts 1 Final Mixでは獲得できますが、Kingdom Hearts 2などのトロフィーリストはDLC扱いとなり、すべての条件を達成してもプラチナトロフィーを得られなくなっています。
Kingdom Hearts 1 Final Mixを完全にやり込めばプラチナトロフィーに届く一方、ほかの収録作では同じ努力が報われません。筆者はPS4版ですでに達成しているため、自身への影響は大きくないものの、この変更には落胆しています。とりわけファンの人気が高いKingdom Hearts 2を、今回こそ隅々まで遊び尽くそうと考えていた人には、残念な仕様です。
その一方で、Kingdom Hearts 3は、シリーズでもプラチナトロフィーを取りやすい作品から、最も難しい作品へと変わりました。Re Mindのトロフィーが本編のリストに統合され、プラチナ獲得にはDLC側の条件も満たす必要があるためです。ヨゾラの撃破も含まれます。
ただし、筆者はEZコードを使わずにヨゾラを倒す体験そのものには、格別の達成感があると評価しています。難易度の上昇に不満はあっても、この戦いには正面から挑むだけの価値があるという姿勢です。
旧作のロード時間は小幅な変化、KH3は明確に改善
1.5+2.5 HDの収録作は、PS4版の時点で十分に快適に動いていました。PS5のSSDを使うことでロード時間が多少短くなっている可能性はありますが、筆者がKingdom Hearts 1、Kingdom Hearts 2、PSP向けに作られたBirth by Sleepを試した限りでは、PS4版との違いはほとんど感じられませんでした。人によっては速く感じるかもしれませんが、評価を大きく変えるほどの差とはいえません。
対してKingdom Hearts 3では、ロード時間の短縮がはっきり分かります。映像も整い、PS4版で気になった輪郭のギザギザやアンチエイリアスの粗さが目立ちにくくなりました。背景、キャラクターモデル、エフェクトがより鮮明になり、画面の縁の粗さに気を取られる場面も減っています。
映像を一から作り直したわけではありませんが、もともと美しい作品が現行機でさらに見栄えを増しています。筆者には「デフォルト」と「安定」の描画モードの差がほとんど分からず、「安定」を選んでも目立った落ち込みなく60fpsでプレイできました。
Fragmentary Passageも同様です。以前のような長いロード待ちが軽減され、PS5の性能による恩恵を受けています。アクアの美しさをようやく十分に楽しめる点にも、筆者は強い満足を示しています。
AIによる高解像度化と、遊びやすさの追加
本コレクションはSteam版を直接移植したもので、多くのテクスチャには、以前からAIによる高解像度化が使われています。プレイを妨げるものではありませんが、この手法に抵抗を感じる人がいることも筆者は理解しています。倫理的な理由でAIの利用を受け入れられない場合、手持ちのPS4版を遊び続ける判断も尊重できるとしています。
一方で、以前の移植版にはなかった便利な設定も目を引きます。Kingdom Hearts 1では、色覚に配慮した設定が充実し、ゲーム内の音量も調整しやすくなりました。冒頭のカットシーンに加え、ワンダーランドの白うさぎが登場する特定のカットシーンもスキップできます。
Kingdom Hearts 2では、タイトルメニュー前のロゴ表示を飛ばせるため、すぐにゲームへ戻れるのがうれしいところです。Birth by Sleepのセーブ枠も最大99個に増えています。
PS5版の魅力は、Kingdom Hearts 3やFragmentary Passageの映像とロード時間の改善、そして細かな遊びやすさの追加にあります。ただし、旧作の動作には大きな変化がなく、プラチナトロフィーを目指す人には仕様変更が重く響きます。映像面の向上は歓迎できるものの、やり込みの成果をトロフィーで残したいファンにとっては、素直に喜びきれないコレクションです。