CocoがDisney Lorcanaとキングダム ハーツ4で大きく動き出す
長く単独作品として扱われてきたCocoが、Disney Lorcanaへの参戦を皮切りに、ゲームやテーマパーク、続編へと展開を広げています。特にキングダム ハーツ4では、死者の国を舞台にミゲルやヘクターが登場することが明らかになり、作品の再始動を印象づける動きが相次いでいます。DisneyがCocoを、FrozenやToy Storyのような継続的なシリーズへ育てようとしている点が今回の大きな注目点です。
Disney Lorcanaに登場するCocoのカード
Ravensburgerは、Disney Lorcanaに登場するCoco関連カードを初公開しました。カードは音楽をテーマにした拡張セット「Hyperia City」に収録され、先行発売にあたるプレリリースイベントは10月16日、一般販売は10月23日に始まる予定です。Cocoのカードが登場することは1月の時点で予告されていましたが、今回のプレビューで具体的な内容が示されました。
Hyperia Cityは、アートやテクノロジー、魔法、そして音楽が集まる新たな舞台です。『グーフィー・ムービー』のパワーラインがスタジアムでライブを行うほか、「Goofy – Dancing Superstar」はSinger能力を持ち、クエストによってほかのSingerを強化します。音楽がゲームシステムにも組み込まれたこの拡張セットは、物語の中心に音楽を据えたCocoとの相性がよい舞台になっています。
公開されたカードの中でも、「Mama Coco – Visiting the Park」は、山札からカードが捨て札置き場に置かれるたびに追加のロアを得ます。記憶が積み重なるほど価値が高まる能力であり、失われつつある記憶によって父親の存在まで消えかけたママ・ココを表現したデザインです。
一方、「Ernesto de la Cruz – Ruthless Musician」は攻撃的な効果を持ち、場に出た直後にSinger能力を持つ別のキャラクターを追放できます。映画で競争相手を排除したエルネストの人物像を、対戦相手のキャラクターを直接除去する能力として再現しています。対象にはミッキーマウスのようなキャラクターも含まれます。
楽曲「Remember Me」は、捨て札置き場にあるキャラクターをそのターンのあいだ再利用できるカードとして登場します。戻したキャラクターは行動済みの状態で場に出て、同じ名前のキャラクターを複数体対象にすることはできません。それでも、必要なインクを用意できれば多数のキャラクターを一度に再登場させられるため、強力な再利用手段になります。大切な人を思い続けることで存在をつなぎ止める映画の主題を、ゲーム上の効果に落とし込んだカードです。
プロモーション用の楽曲カード「Everyone Knows Juanita」では、ヘクターがチチャロンとともに演奏します。通常はカードを2枚引きますが、捨て札置き場に10枚以上のカードがあれば3枚引けます。捨て札置き場を死者の国に見立てる仕組みも含め、Hyperia CityのCoco要素はイラストだけでなくプレイ内容にも反映されています。
Hyperia CityにはOld Towne Hyperia、Greenway、Kingswell Port、未来的なGearwheelなど複数の地区が存在します。その南西部に位置するMarigold DistrictはCocoをモチーフにしたエリアで、西側の運河にはMarigold Bridgeが架けられています。これは生者の国と死者の国を結ぶ、マリーゴールドの花びらでできた橋を思わせる景観です。
キングダム ハーツ4で死者の国へ
Cocoの展開で最も大きな動きの1つが、キングダム ハーツ4への登場です。2022年に公開された最初のトレーラーでは、現実感の強い都市Quadratumが描かれました。この場所はシリーズ内で別の次元に属する「死後の世界」と説明されており、キングダム ハーツ3の終盤でソラが「目覚めの力」を使いすぎた結果、自分の現実から切り離されてたどり着いた場所とされています。
生者と死者の境界を越え、異なる側に取り残された人物たちを描く点で、Cocoはキングダム ハーツ4とテーマ的に結びつきます。どちらの物語でも、記憶は人を存在させ続ける力である一方、忘れられればその存在そのものを消してしまうものとして扱われています。
8月にD23で公開された拡張トレーラーでは、死者の国が本作で初めて確認されたDisneyワールドとして登場しました。映像にはCocoの場面を再現したシーンが含まれており、ヘクターが「Everyone Knows Juanita」を歌う場面や、チチャロンがFinal Deathを迎える場面が描かれています。
さらに、ソラはミゲルやヘクターと行動をともにし、死者の国で戦います。ソラには骸骨を思わせる新たな姿が用意され、手にするキーブレードもギターを連想させるデザインになっています。単に背景として登場するのではなく、Cocoの主要人物とゲームシステムの両方に関わるワールドとして描かれるようです。
テーマパークと続編にも広がる展開
Cocoの再始動はカードゲームとゲームだけにとどまりません。Ravensburgerによると、Hyperia Cityの構想にはDisneyのテーマパークも影響を与えています。DisneyはDisney California Adventure向けに、Cocoを題材にした初のテーマパークアトラクションを開発中です。
このアトラクションは2024年のD23で発表され、その後のD23では建設がかなり進んでいることが報告されました。物語は映画本編の1年後から始まり、待機列はInside Out Emotional Whirlwindの隣、Pixar Pierに設けられる予定です。そこではヘクターの音楽に捧げられた「casa museo(博物館の家)」を訪れる形になります。
乗り物はボートライド形式で、ヘクターの記憶を通じて死者の国を巡る内容です。ミゲルたちの物語だけでなく、登場人物や音楽、メキシコ文化を前面に押し出したアトラクションになるとされています。映画の世界を別の体験へ広げる展開として、カードゲームやゲームとは異なる形でCocoを再訪できる場になりそうです。
続編Coco 2の現在
Disneyは2025年3月、Coco 2を正式発表しました。発表時点ではPixarによる開発がまだ初期段階で、内容の詳細はほとんど明かされていません。ただし2026年8月の報道では、物語は成長したミゲルが10代になった時期を中心に描き、エルネスト・デ・ラ・クルスが復讐のために戻ってくると伝えられています。公開時期は2029年11月21日が予定されています。
Cocoは劇場公開から長く、続編を持たない単独のPixar作品として扱われてきました。しかし現在は、Disney Lorcana、キングダム ハーツ4、テーマパーク、そして映画続編という複数の分野で世界が拡張されています。作品が描いてきたのは、忘れられないことと、受け継いだものを尊重することの大切さでした。今回の一連の展開は、Disney自身がCocoを再び大きく取り上げ、その記憶と遺産を次の世代へつなごうとしている動きといえます。