2026年11月5日に発売の『Theos: Cities Of Myth』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「71 点」で「賛否」という評価になっています。
2026年11月5日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは4件、最高は75点、最低は65点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
小さな判断の積み重ねが満足感のある都市の成長を生む

『Theos: Cities of Myth』の特徴を象徴しているのが、あるささやかな機能です。サービス施設を選んで道路沿いに旗を置くと、労働者が指定したルート通りに動くようになります。本来はサービスの範囲外になる住宅へも、しっかりサービスを届けられる仕組みです。ただし、都市が複数の地区へ広がり施設が増加するにつれて、この機能が建設そのものを左右し始めます。思い描いた都市の姿よりも、労働者の巡回しやすさを優先して道路を敷くようになってしまうのです。土台となる街づくり自体の完成度はとても高いため、このトレードオフを受け入れられるかで評価が分かれます。
都市づくりは、大きな建物である Sanctuary から始まります。開始早々から宗教が街の配置に組み込まれる設計です。続いて道路と住宅を敷き、その後に水と安定した食料供給を整えていきます。ただ、食料を用意するだけでは足りません。農場には適した土地が必要ですし、収穫物には保管場所が欠かせず、さらにアゴラが住民の元へ品物を運ばなければ機能しないからです。住民は生産やサービスを回し続ける労働力でもあるため、街の一部が成長すると別の場所で新しい需要が生まれます。建物の維持管理や防火にも早いうちから気を配る必要があります。人口が増えて住民の要求が高くなると、哲学学校や劇場も都市計画に加わります。住宅は必要な条件がそろったときにだけ発展し、発展した住宅にはより多くの人が住めるようになるため、増えた住民がさらなる成長を支えてくれます。
『Theos: Cities of Myth』が面白いのは、どの建物も単体では機能しない点にあります。一歩前進するたびに、いくつもの小さな判断がかみ合わなければなりません。市場が届く範囲にあるか、倉庫に物資がそろっているか、噴水が置かれているか、そしてそれらを動かすだけの労働者がいるかといった条件がすべて求められます。質素な集落が少しずつ紀元前350年の文明らしい暮らしを手に入れていく様子を眺めるのは、とても満足感がありますし、それを支える建設システムも優秀です。
都市の成長は、本作が一番面白くなるところでもあります。住宅が増えれば養うべき人が増え、物資を届ける道路も増やさなければなりません。その一方で、産業同士が限られた労働力を奪い合うことになります。特定の物資が豊富にあっても、次の段階に必要な資源が不足していたり行き渡っていなかったりすれば、都市の成長は止まってしまいます。その穴を埋めてくれるのが交易です。たとえば倉庫が陶器でいっぱいなら、Corinth に送って木材と交換できます。植民地の存在も、このパズルにさらなる奥行きを与えています。地区を広げるたびに支える仕組みを考え直す必要があり、こここそが『Theos: Cities of Myth』の最大の魅力であると同時に、後々問題が積み重なっていく原因にもなっています。
序盤は親切で始めやすいが問題の原因は突き止めにくい

『Theos: Cities of Myth』は導入が親切で、スムーズに始められます。道路の配置や基本的な住宅、各種サービス、産業同士のつながりが順を追って説明されるため、広がっていく建物の状態もすぐに把握できるようになります。昔ながらの歴史系街づくりゲームに慣れた人にはテンポが遅く感じられるかもしれませんが、初心者にとっては、見落としで成長が止まるようなストレスを未然に防いでくれる親切な設計です。全体として『Pharaoh: A New Era』よりかなり取っつきやすい印象を受けます。ボリュームも控えめで、Adventure mode のプレイ時間は約20〜30時間とされており、『Pharaoh: A New Era』と比べてもかなり短めです。
ただ、チュートリアルの指示通りに進められることと、特定の地区がなぜ発展しないのかを理解できることは別の話です。たとえば近くに噴水があっても、水を運ぶ労働者のルートが住宅の前を通っていなければ、そこには水が届きません。本作は、こうしたトラブルの原因究明をプレイヤー任せにしがちな印象があります。住宅に何かが不足しているとき、本来カバーすべきサービス施設と結びつけて分かりやすく表示してくれないためです。サービスが届く範囲について、問題の原因を見つけて改善する練習がもう少し用意されていれば助かったはずです。導入部で基本ルールはしっかり学べるものの、大規模な都市で最大の悩みとなる「サービスが届かない問題」への備えとしては物足りなさが残ります。
巡回ルートの指定は便利だがやがて煩雑な管理に変わる

サービスがどこまで行き届くかは、patrol system で決まります。各施設は道路沿いに労働者を送り出し、道路に旗を置くことでその巡回ルートを細かく編集できます。ルートには帰り道も含めた距離の上限があるため計画性は求められますが、編集画面には上限距離がしっかり表示されます。そのおかげで、労働者を当て所なく歩き回らせる無駄を省き、本当にサービスを必要としている住宅へ確実に届けられます。丁寧にルートを引けば、計算上は届かないはずの遠くの地域までカバーすることさえ可能です。新しい施設には自動でルートが割り当てられ、近隣の施設と既存ルートを共有できるなど、設定の手間を減らす工夫も見られます。旗の配置によって曖昧な巡回範囲が目に見える道筋となり、有効なルートから外れた建物には警告が出ます。一時停止や速度調整などの機能とあわせて、現代のプレイヤーに向けた実用的な配慮といえます。
問題は、労働者が指定された巡回範囲内でしか働かない点と、自動ルートがあまりあてにならない点です。自動生成されたルートは無意味な堂々巡りに陥ることがあり、道路や地域全体がサービスを受けられないまま取り残されてしまいます。その結果、噴水のすぐ隣に建てた住宅に水が届かないという、理不尽な事態さえ起こります。水を運ぶ労働者がすぐそばを通ってくれないからです。これは都市運営において深刻な損害にも直結します。たとえば建物が火事になった際、消防士の巡回ルートが1軒手前で途切れていれば、火は燃え尽きるまで消えず、その建物は失われてしまいます。防火、維持管理、給水、文化のすべてが巡回に依存しているため、実際のところ都市のあらゆる場所に全種類の労働者を行き届かせなければなりません。
小さな町の間は手作業でルートを修正するのも苦にならず、むしろ楽しいとさえ思えるほどです。しかし管理すべき地区が増え、数十ものサービス施設が絡んでくると、途端にうんざりするような作業へ変わります。街を拡張するたびにルートの手直しを迫られ、その都度都市計画が中断してしまいます。やがて、自分が思い描く理想の街づくりを後回しにして、巡回の管理しやすさを最優先して建てる本末転倒な状態に陥ってしまいます。この負担は新しい地区や施設が増えるほど重くなり、ゲームの醍醐味である都市拡張と比例して増大していくのが厄介なところです。給水や劇場のようなサービスには、もっとシンプルな「影響範囲」方式が用意されていれば、余計な手間や時間を大幅に省けたはずです。
建物の劣化スピードが早い点も、プレイヤーの負担に拍車をかけています。建物の傷みが早く、街の反対側で建設作業に気を取られているうちに、気づけば複数の建物が壊れてしまっている場面によく直面します。巡回ルートの管理だけでも手一杯なところに、余計な気配りが一つ増える形です。そうして建物の破損によって、維持管理の労働者が届いていなかった場所が容赦なくあぶり出されます。
戦闘は一応機能するものの戦術的な面白さには乏しい

都市が発展するにつれ、他都市との関係も悪化していきます。外交要素はかなり単純で、主に交易や脅し、軍事力による抑止が中心となっており、戦争はあくまで最終手段という位置づけです。戦闘は、防衛対象または攻略対象となる都市を中央に配置した専用マップで行われます。最初に部隊を配置した後は、どちらかの軍が全滅するまでリアルタイムでユニットを動かしていく流れです。基本的には軍の規模が大きい側がかなり有利になります。
戦闘システム自体は一通り機能しているものの、戦術的に面白い選択肢があるわけではありません。ユニット同士はじゃんけんのような単純な相性関係にとどまり、毎回似たような展開が繰り返されるため、戦略の幅はかなり狭いです。軍事面の作り込みは、その軍備を支える経済システムと比べて明らかに一段劣っています。迫力や手応えに欠けて物足りなさを感じる場面も多く、単なる気分転換として付け足されただけで、街づくりへの集中を削ぐ要素に見えてしまうことさえあります。都市の防衛は本来、都市運営の自然な延長として感じられるべき要素です。しかし実態はこなすだけの義務のように感じられ、本作の魅力がほぼ都市運営の一点にかかっていることを実感させられます。
活気ある街並みや巨大な神々は手を止めて眺めたくなる

細かな管理の手間を乗り越えて築き上げた都市には、確かに見惚れるだけの価値があります。発展を遂げた都市は活気に満ちあふれています。何十人もの住民が住宅を行き来して仕事に励み、環境が悪化すれば街を去っていきます。乾いた岩場を抜ける道路を荷車を押した労働者が足早に行き交い、市民たちは立派な水場でくつろぎます。細部まで緻密に作り込まれた巨大な神殿が街並みを見下ろし、降臨した神々は人混みの中でも圧倒的な存在感を放ちます。自分が丹精込めて作り上げた都市の前で手を止めて眺める時間は、ほっと一息つける安らぎを与えてくれます。
神々のシステムは、本作ならではの個性を生み出す最大の要素です。守護神は7柱から選択可能で、それぞれ固有の要求とボーナスを備えています。たとえばアテナは景観用のオリーブの木や住民用のオリーブ油、戦闘時の被ダメージを軽減する盾をもたらしてくれます。Hera の神殿は羊毛の生産が中心で、Ares は兵舎を強化してユニットの育成を早めてくれます。劇的な違いとまではいかないものの、都市に人々の暮らしが息づくにつれて、街ごとに異なる表情を見せてくれます。こうした魅力的な都市の姿を見られるからこそ、煩わしい巡回管理に手間をかける価値が生まれます。
街づくりをじっくり楽しみたい忍耐強い人に向いた一作

『Theos: Cities of Myth』は、都市をコツコツ建てること自体に喜びを見出せる人なら、遊ぶ価値が十分にある作品です。都市の発展はいくつもの小さな判断がかみ合うことで実現し、交易や植民地の導入によって、街の拡張は手応えのある計画パズルへと進化します。道路や住宅、各種サービス、それらのつながりが順を追って紹介されるため、都市開発シミュレーションの入門作としても親しみやすい仕上がりです。にぎわう通りや細部まで描き込まれた神殿の前で手を止めて眺めるのが好きな人なら、大いに満足できるはずです。
その一方で、あらかじめ注意しておくべき点も明確です。複数の地区と多数のサービス施設を抱える巨大都市を目指す場合、序盤は便利だった巡回ルートの指定が、終わりのない手作業の管理へと変わってしまいます。ルートの手直しで街の拡張がたびたび中断され、やがて巡回の都合に合わせて街の配置まで決めることになります。そこに建物の急速な劣化が重なるため、プレイヤーにかかる負担はさらに増大します。なぜ特定の地区が発展しないのかをゲーム側から手取り足取り教えてほしい人は、住宅の不足要因と巡回範囲のズレを自分で結びつけて考えなければならない点に覚悟が必要です。長大なキャンペーンを期待しているなら、Adventure mode は約20〜30時間と短めで、『Pharaoh: A New Era』と比べてもかなりコンパクトです。また、戦術的な奥深さを戦闘に求めるなら、別のタイトルを探したほうが賢明でしょう。戦闘は単純な三竦みの相性と単調な戦いに頼っており、経済システムと比べて作り込みに大きな開きがあるからです。
『Theos: Cities of Myth』は、巨大な都市を作りたいという野心よりも、じっくり建てていく忍耐力に応えてくれる作品です。本作を楽しめるかどうかは、自由な建設の代わりに巡回ルートを地道に引き直す作業へ、どれだけ時間を割けるかで決まります。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | Theos: Cities Of Myth |
| 原題名 | Theos: Cities Of Myth |
| ジャンル | インディー, ストラテジー |
| プラットフォーム | PC(Steam) |
| 発売日 | 2026年11月5日 |
| 価格 | Steam ¥2,600 |
| 体験版 | あり |
| 公式サイト | https://www.dotemu.com/games/theos-cities-of-myth/ |
| 開発元 | Triskell Interactive |
| 発売元 | Dotemu |
ストアページ
| ストア名 | URL |
|---|---|
| Steam | https://store.steampowered.com/app/3002130/ |










