家族が引きこもりニートでも幸せに暮す方法

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2000年くらいから無職やニートが問題視され始めたように感じます。内閣府の報告によれば15~34歳の若年無業者は63万人だそうです。また引きこもりに関しては15~39歳の間だと69.6万人もの数になるそうですね。

20年前は学校に1〜2人くらい不登校児がいるくらいでしたが、今はクラスに1〜2人くらいいる学校があるそうです。昔はどこか他人事だった問題が、今まさに身近な問題となっています。

僕の弟が完全に引きこもり状態で部屋から出ませんでした。今は普通に出てきますが働いておらず、いわゆるニートです。しかし生活は割と安定しており、特に荒立てる事件もなくゆったりとした時間が流れています。
もちろん昔は家の中が荒れて、母親や僕が病んで家族が崩壊する寸前までいきました。それらを踏まえて今感じていること、引きこもりが家族にいた場合にどうすれば良いのかを考える事が多かったので記事にしてみました。

同じように家族に引きこもりやニートがいる方の少しでもヒントになれば幸いです。ただし、すでに年齢が30〜40過ぎている場合はどうしようも無いことが多いと断っておきます。すでに成長期を終えて人間性が形成されすぎているのでリカバリーは困難です。

目次

過去の話し

中学生の弟が引き込もりになる

始まりは中学2年生くらいだったと記憶しています。調子が悪いと言って休む日が徐々に増え始めました。中学3年生にもなると殆ど学校へ通わず、高校はもちろん通っていません。通信制の高校へ入学はしましたが制服の袖にも通していません。

弟の普段の状態は「完全なる引きこもり」です。部屋から出ず顔を見る日が殆どありませんでした。ご飯はみんなが寝静まった頃にのそのそと出てきて食べます。

引きこもりが始まった当初から父親が無理やり外へ出そうとして扉を壊したり暴力を振るうなど、今思えば最悪な対処法を弟に対して行っていましたね。僕はその間に立って庇ったり、雨の中裸足で家出した弟を探しにいったりしていました。

母親は精神的にきており、情緒不安定でよく家の中が散乱していました。

一緒に暮らす家族も病む

家にいることの多い母親がいつからか情緒不安定になり、弟と争うようになりました。そのせいで家の中で壊れるものが多くなります。壁に穴が空いたり皿が投げられて割られたりなんてことも。

その間に入っている僕自身もかなり疲れ始めます。だんだん家に帰る前になると心拍数が上がり、「今日は誰か死んでいるのでは」と本気で思うようになりました。実際、弟が包丁やカッターをこちらに向けたこともあります。母親もキレて弟を殺してしまうの可能性もありました。

そんな心配をしていると僕の精神も日に日に削られるんですよね・・・。当時、結婚するんじゃないかと思っていた彼女と理由なく泣きながら別れを告げたりと理由のわからない別れ方をしました。後で判明したのですが、彼女と別れようと言った時点ですでに「うつ病」になっていたようです。

その後の僕の生活すら一変して上手く回らないようになります。沢山あった趣味もできなくなりました。僕自体は鬱になった後少し休憩して、上京して実家から逃げたので何とか今は結婚して子供2人を育てるくらいまで生活できるようになりました。あの時、実家から逃げなかったらやばかったかもしれません。

なぜ引きこもるのか

普通に過ごしていたら学校に行って就職して自力で生活をし始めます。しかし一定数の引きこもりは必ず出てきます。引きこもる理由は沢山あると思いますが一言で言えば「自力で生活する能力が無い」です。

学校で虐められたから、病弱で学校を休みがちだったから、何もなかったけど行きたくないなど理由がありますが、結局は集団社会の中で過ごして鍛えることができなかったOR鍛えても馴染めなかった人が引きこもります。学校なんて通わなくても社会に馴染める強メンタルの人がいたりしますが、社会に馴染める特性がそもそもかけているなら今の現代社会では自活できないです。

学校から真面目に通っていれば社会に馴染みにくい人でも鍛錬されるのである程度は自活できるようになると思います。しかし、社会に出てある時つまずく時期も来るでしょう。1度仕事を辞めてしまったら復帰するのが非常に大変なので集団生活が苦手だった人は引きこもり予備軍だと思って気を引き締めたほうが良いと思います。

かくいう僕も集団生活が苦手です。瞬間的な人付き合いは得意ですが、そもそも人にあまり興味がないと言うか1人でいることが大好きなのでお金の問題さえクリアできればいつでも引きこもりたいと考えています。そんな思いがあったからWeb系の仕事を始めて自分で稼げるように頑張っている今があります。

引きこもりと幸せに暮すには

引きこもりをどうにかしようと思わないことです。自活して欲しい、少しでも働いて欲しいと願う気持ちはとても良くわかります。でも無理なんです。なのでそこにエネルギーを使うことをやめましょう。

引きこもりと接するためにはまず部屋から出てもらわないと何もできません。怒ったりアレコレやらせようとしてもどんどん殻に籠もっていきます。無理やり何かさせようとしても絶対に長続きしません。

何とかしようとエネルギーを使っていると家族も消耗してしまい、最終的に離散してしまうくらいなら、引きこもっていることを気にせず笑いながら生活するほうが有意義だと思いませんか?

「なんで働かない奴にそんな気を使わなきゃいけないのか」と思うでしょう。僕も思います。でも頑張って働かせようとして働くなら今問題になっていません。

発達障害を疑おう

引きこもりは感情が無いわけではありません。本人自体もどうにかしたいと考えています。でもできないんです。ぶっちゃけ引きこもりの殆どは発達障害だと思っています。いわゆるグレーゾーン。国から支援をもらうこともできず周りからの理解ももらえない非常に生きにくいラインの人たちです。発達障害じゃなくても何かしらのPTSDを持っていたり、HSPなど多感すぎる人たちもいます。

昔はASPやADHDの人でも会社に務めることができて、その中でじっくりと経験を積むことができました。今は学校という弱年齢時期からくじけるような社会になっています。ハッキリと発達障害だと分かるのであれば福祉が充実しているので自立支援を受けることができますが、発達グレーだと怒られてばっかりで心が折れるでしょう。

ムダウチ

暴れたりする引きこもりの場合は薬を処方してもらうことで落ち着く可能性があります

まずは一家が幸せになれるかたちを探そう

先にも書きましたが、何とか自活できるようにするより、ゆっくりと平穏に過ごせる生活を作ることにエネルギーを使いましょう。精神的に疲れて全員が壊れてしまうより、自活できないけど仲良しのスネカジリがいるほうが幸せです。

発達障害の人は同じ年齢より3歳若い精神だと言われています。僕の弟も若い頃はどうしようもなく荒れていましたが、今は精神的にかなり大人になっています。コミュニケーションはしっかりと取れますし、手伝ってほしいことがあったら頼めばやってくれます。頭も悪くなく、手も器用なのでやる気さえ出てくれれば色々と可能性がありますが自分から何かを始めようとはしませんね。

それでも良いんです。親が一軒家のローン支払い終わってもうすぐ年金生活できますし、親が死んでも遺産が残るので弟が死ぬくらいまでは細々と生活できるようになっています。

引きこもりと仲良くするには

まず前提として部屋に籠もってしまう状態にさせないことです。そのためには家族の理解が重要で、引きこもり自体を問題としないようにしましょう。

家族を安心できる場所にする

引きこもりにとって社会は倒すことのできない恐ろしい敵です。家族からも否定されたら本当に部屋から出られません。まずは家の玄関から内側にいれば安心できる空間を作ってあげましょう。

家族と仲が良ければ外で困難なことにあっても元気を取り戻すことができます。完全にリラックスできる家があれば外に出かけることも可能になるでしょう。
もしかすると人によってはそこから働きに出ることも可能になるかもしれません。

大事なのは自分の部屋だけしか安心できる場所が無い・・・なんて状況を作らないことです。

そして重要なのは「社会的コミュニケーションが取れる機会が家にしか無い」ということ。家族とすら仲良くできないなら社会に出られるはずがありません。

何か役割を与える

ゴミ出しや皿洗いなど何でも良いので簡単な作業を担当してもらいましょう。それに対して報酬を与えてもいいと思います。

引きこもりに絶対的に足りない要素があります。それは「承認欲求」を満たすことです。人に認められたり、何かしらの成功体験が圧倒的に欠如しています。

特別に褒める必要はありませんが、タスクを消化することはただ生きているだけではなくて家族の一員として生活していると実感する経験にもなります。

発達障害あるあるですが、頭がごちゃごちゃして手一杯になるという事があります。そんな場合にはタスク表を作ってあげて、達成したらチェックを入れるようにすると上手くやりやすいです。
例えば8:00起床、12:00昼食、19:00夕食、20:00お風呂洗い、と普通は書く必要のない項目でも書きます。これで1日のスケジュールを上手く進められる人もいます。

不定期で参加できる仕事があるならやらせる

人によっては不可能ですがたまに数時間程度働ける場所があるなら誘ってみましょう。相手方の理解も必要とするので条件がかなり厳しいですが、親族経営などのコネがあるならお願いしましょう。上手く行けば社会復帰できるかもしれません。しかし、こんなことで社会復帰できるなら引きこもりなんてしないでしょうね。

自宅で覚えられるスキルを習得させる

今は動画で勉強ができる時代なので学校へ行かなくても自宅で勉強が可能になっています。これをフルで活用しましょう。義務教育範囲内はもちろん、プログラムやWeb作成などIT関連も充実しています。将来的に会社に務めないと発揮できないスキルはありますが、プログラムやWebはアフィリエイトを利用することで小遣い稼ぎをすることが可能です。また、ライターなど個人受注できるサービスが多くあります。

まずは引きこもりが何を好きなのか知ること。そして得意なことも把握しましょう。「やれ」と言ってもやらないでしょうが、選択肢の一つとして考えてみましょう。まだ学生なら学校へ行かないかわりに動画で勉強しなさいと言えばもしかするとやってくれるかもしれません。

これも承認欲求に関わってくきます。自分で勉強することはかなりの達成感を感じるため、ハマれば自分からどんどん新しい勉強をするようになるかもしれません。

心療内科へ通う

引きこもりになった時点でうつ病の可能性があります。また、ADHDやASPなどの発達障害の可能性も高いため心療内科でチェックしてもらいましょう。うつ病の薬の中にはADHDにも効果があるものがあるため並行して改善が可能です。

発達障害はその名の通り障害ですので、生まれ持った特性で治すことができません。うつ病は病気ですが、一度なってしまうと治りません。治らないと言うか考え方や脳処理が変わります。気分が下がる状態は解消できるのですが昔できていたことができなくなります。僕は以前は3桁の掛け算を暗算でできていましたがうつ病の初期は2桁の足し算も難しくなりました。今はある程度計算できるようになりましたが計算能力や集中力は以前と比べられないくらい落ちています。

発達障害は治らないと書きましたが、脳のパンク状態は解消できたりするので合う薬があればかなり改善されます。

ムダウチ

個人的な見解を述べると発達障害=障害ではないです
あくまで人の特性で、今の時代では社会性に不都合が出るタイプを発達障害と区分している感じです
もちろん学習障害という明らかにIQが低い方がいますが、その人はかなり若い段階で療育等に通われます

発達障害だと気づかれない高機能型の方は多くいます。例えばうちの奥さんはADHDです。29歳になって初めて診断されました。特性的にはおもいっきり引きこもり予備軍ですね

最後に

散々言っていますが引きこもりをどうにかしようとせずに、家族が幸せになる事を考えましょう。ご自身の子供が引きこもりになってしまった場合はとても悔しく悲しいと思います。自分を責めることもあるでしょう。

でも深く考えないでください。だってどうしようもないんですから。どうにかしようと考えると最低最悪の事しか頭に浮かばなくなります。周りの家族もまだまだ長い生活が続くので、まずはご自身の生活を優先させましょう。そのために必要なのが引きこもりと笑いながら生活できる環境づくりです。

そして必ず心療内科へ連れて行って上げてください。薬を処方してもらうだけで大部分の問題が解決する場合があります。

自分の子供が引きこもりになってしまったら・・・

すでに引きこもっても良いように覚悟しています。そもそも生まれる前から色々と障害について調べて知識を蓄えて多方面へ理解できるように勉強しました。まだまだ子供は小さいですが、これから発達障害の問題が出てきたりするでしょう。学校で虐められて登校拒否になる可能性だってあります。

そのために僕は今、家にいるだけで自立できる方法を構築しています。もし、子供が引きこもりになった場合は教えたり引き継げるように準備しているところです。

奥さんも登校拒否に理解があり、無理に行かせる必要はないと考えているようです。

引きこもりは社会問題として取り上げられてそれほど年月が経っていませんが、どんどん理解が増えていく問題だと思います。少し前にニートが立ち上げた会社なんてありましたが、そういった方向で活用できる環境が整うと良いですね。
※ニートの立ち上げた会社は当然のごとくすぐに倒産しています

ムダウチ

僕の息子もADHD&自閉スペクトラムの診断がおりました
高機能型なのでIQは普通より高めです
特に悲観することもなく、将来に問題があるとも思いません

学校に通うのに少しでも苦悩がなくなればと療育へ通っています