2026年8月13日に発売の『Agefield High: Rock the School』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「29 点」で「酷評」という評価になっています。
2026年10月9日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは13件、最高は50点、最低は5点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
悪ふざけのノリを支えるゲームシステムが機能していない

『Agefield High: Rock the School』の最初のステルスミッションを見れば、本作の全体像がほぼ分かります。プレイヤーはほぼ無人の家に送り込まれ、人気者の女子の下着を盗むことになりますが、邪魔になるのは主人公自身の母親だけです。彼女はロボット掃除機のように部屋をうろつき、壁にぶつかっては向きを変えるだけなので、床から下着を拾ってそのまま外へ歩いて出られます。潜入らしい緊張感は最後まで始まらず、以降のミッションがすべてここまで中身のないものではないとはいえ、これが全体の第一印象を決めてしまっています。本作は悪ふざけのお膳立てこそ用意しているものの、それを支えるゲームシステムを何も用意していません。
ステルスが実際に重要になってくると、判定の一貫性のなさから状況はさらに悪化します。視界の奥深くまで入り込んでも誰も反応しないことがある一方で、遠く離れた場所や壁越しから発見されてミッション失敗になることもあります。メインの敵役に捕まると即座に失敗となる半面、ほかの追跡者は軽く触れる程度で追いついてくるため、ボタン連打で簡単に押しのけられてしまいます。遭遇のたびに判定ルールが変わるために対策を覚えられず、何をもって発見とするかをゲーム側が定めていない以上、ステルスがプレイヤーの腕前を発揮する技術として成立することはありません。
悪ふざけを支えるもうひとつの柱であり、ミッションの大部分に登場する戦闘も同じくらいお粗末です。パンチもキックも攻撃の発生が遅く、コンボもないため一度に単発でしか攻撃できません。当てた攻撃に手応えがまったくない一方で、敵の攻撃でひるみ続けて一方的に殴られるスタンロックが頻発し、チュートリアルの戦闘でさえ起こり得ます。結果として、戦闘はボタンを連打して祈るだけの作業になってしまいます。最悪なのは集団戦で、複数の生徒を同時に相手にする場面が多いにもかかわらず、ロックオンできるのは1人だけなので、残りの敵に背後へ回り込まれて叩きのめされます。これは単なる磨き込み不足ではなく、基本的なインタラクションの失敗です。『Agefield High: Rock the School』のほかの要素もすべて、この脆い土台の上に成り立っています。
時刻縛りの待ち時間とファストトラベルのない長距離移動

その脆弱なアクションにたどり着くまでにも手間がかかります。『Agefield High: Rock the School』はゲーム内時間に従って進行し、ストーリーミッションは限られた時間帯にしか受けられません。しかもその時間帯は授業時間と重なっています。クエストマーカーは時間に関係なく常にマップ上へ表示されるものの、実際にいつ受けられるかは現地に着くまで分かりません。受注可能な時間帯を逃してもほかにできることはなく、何もない町をうろつくか、時間を進めるために就寝して翌日に再挑戦するしかありません。時間を先へ進める手段が睡眠しかないため、朝7時に起きてから次のメインミッションが始まるまで時計を眺めて待つことが、プレイの日常になってしまっています。
ミッションが始まってからも、時間の大部分は移動に費やされます。ミッションエリア同士が地区単位で離れているため、自転車を使っても到着までに数分かかります。ひとつのミッションで遠く離れた場所を次々と回らされ、各地点で潜入やダッシュをこなしてから次へ向かうことも珍しくありません。ファストトラベルが存在しないことがゲーム全体のテンポを損ねており、目的地に着いても大したイベントが起きないまま、依頼人のもとへ長い道のりを引き返すことになります。
ミッションの設定自体は豊富です。いじめっ子の家に忍び込んで自転車を盗む、泥棒を追って走る、隣人の芝生を刈る、いじめられている生徒を守る、ハンバーガーを自転車で配達するなど、多彩なシチュエーションが揃っています。多様な場面を見たい人なら、アイデアの幅広さだけでもプレイを続ける動機になるかもしれません。しかし実際には、同じ体育会系の連中と戦う、忍び込んで物を取ってくる、逃げる、尾行するといった少数の目的にすぐに落ち着いてしまいます。アイデアの可能性が多彩な遊びにつながることはめったになく、合間の移動と待ち時間が繰り返しの退屈さをいっそう際立たせています。
単調なクイズと破綻したリズムゲームが続く退屈な学園生活

学園生活を題材にするなら、学校での一日から何か面白さを引き出すべきですが、『Agefield High: Rock the School』はそれができていません。明らかな着想元である『BULLY』は、授業そのものを楽しいアクティビティになるよう仕立てていました。対して本作の授業は、教科ごとの選択式クイズに答えるだけで、場を盛り上げる会話すらありません。英語はスペルの穴埋め、数学は単純な計算、地理は拡大できない地図上で点のような国を当てる問題で、ドイツ語に至っては未習者にはただの当てずっぽうになります。どの授業も同じ形式の繰り返しなので、学期が始まって1週間も経つと、すでに義務のように感じられてしまいます。
クイズ形式から離れられる唯一の例外が音楽の授業ですが、こちらも散々な仕上がりです。『Guitar Hero』風のリズムゲームになっているものの、流れてくるノーツが聞こえる音楽ともボタン入力のタイミングとも噛み合っていません。コントローラーでは音符が十字キーの方向に割り当てられており、操作感もぎこちないままです。テンポに変化をつけるはずの唯一のアクティビティが、結局は別の雑用のように感じられてしまいます。
そもそも、どの授業にも真面目に取り組む理由がほとんどありません。授業をこなすとお金が手に入るものの、プレイ中にお金のありがたみを感じる場面はほぼありません。買えるのは外見を変えるアイテムや自転車くらいで、ストーリーにもほとんど関わらないためです。意味のある報酬がないことで、授業は学園生活を描く体験の一部ではなく、単に飛ばすべき邪魔立てになっています。そうなると、プレイヤーは結局また待ち時間と自転車移動の繰り返しへ戻ることになります。
進行不能バグや頻発するクラッシュがプレイを妨げる

中身の薄さに加えて、『Agefield High: Rock the School』は最後まで通してプレイできる安定性すら危うい状態です。たとえば、学校の自称「学校の王様」を追う尾行ミッションでは、彼が街角に居座り、静止したチアリーダーたちと何分も話し込んだまま次の段階へ進むトリガーが発生しなくなりました。何度セーブデータをロードし直しても正常に進行しません。これがすべてのプレイで起こるわけではないものの、たったひとつの不具合でゲームの進行が完全に止まり得ることを示しています。
クラッシュはさらに広範囲で起きている問題です。低スペック環境に限らず、初期の数回のアップデート適用後も、ミドルハイクラスからハイエンドのマシンで依然として発生しています。芝刈りアクティビティはその深刻さを示す例で、開始時に画面が真っ暗になり、途中で完全にフリーズしてゲームを強制終了せざるを得なくなります。約10時間のキャンペーンを通じてこうしたクラッシュが起きるため、こまめな手動セーブを習慣にしておく必要があります。
不具合の深刻さは様々で、進行が妨げられないプレイであっても、視覚的なバグは頻繁に目にします。キャラクターがTポーズのまま固まる、壁にめり込む、あるいは唐突に消えてしまうといった現象です。生徒たちが歩かずに道路を浮遊して移動し、自転車は背景にめり込んでプレイヤーをハンドルの向こうへ投げ出すこともあります。軽い場合でも未完成な印象を与え、深刻な場合にはミッションをクリアできなくなってしまいます。
ハードウェアやグラフィック設定で大きく変わる動作環境

本作の動作パフォーマンスは、ハードウェアと設定に大きく左右されます。RTX 2080を搭載したPCで、ゲームが自動で選んだHigh中心の設定を使った場合、当初は20 FPS前後で動作し、負荷の高い場面やカットシーンでは1桁台まで落ち込みました。すべてをMediumに下げるとフレームレートの問題は大半が解消したものの、完全に消えたわけではなく、硬くめり込みの多いアニメーションには何の効果もありませんでした。
全体としては快適に動作する環境であっても、不自然な引っかかりが生じることがあります。特定のカットシーンやミッション目標の進行中にフレームレートが急激に低下し、その場面が終わると正常に戻る現象です。しかし、画面上にはその原因となりそうな高い負荷は見当たりません。
最も厳しいのがSteam Deckでのプレイです。初期設定であるHighプリセットとBalancedアップスケーリングの組み合わせでは最高でも19 FPSにとどまり、ロード時間はクラッシュしたと見間違えるほど長くかかります。最低プリセットにUltra Performanceのアップスケーリングを組み合わせると約30〜40 FPSを維持でき、プレイ自体は可能になるものの、見た目はひどいものになってしまいます。ライティングの不具合で全キャラクターの髪が乱れ、低解像度のせいで木々はちらつき、看板の文字も読めなくなります。Steam Deckで遊ぶなら、見た目の美しさは諦めるしかありません。
無表情なキャラクターと棒読みの演技が生気を奪う

ティーン向けコメディには豊かな表情が欠かせませんが、『Agefield High: Rock the School』のキャラクターにはそれがほとんどありません。まるで動くマネキンのようです。カットシーンでは口も目もほとんど動かず、誰も話し相手の方を見ないため、感情の幅があまりに狭く全員が退屈しているように見えてしまいます。本作は顔のアップを多用しているため、生気のない目と音声からズレた口の動きが長々と映し出され、問題点がいっそう目立っています。
声の演技もその欠点を補えていません。台詞回しの多くは平板で感情がこもっておらず、キャラクターモデルと同じくらい淡白なため、演技がシーンを盛り上げることはめったにありません。キャラクターの描写や台詞回しが肌に合う人なら、声の演技もプレイを続ける理由のひとつになるかもしれませんが、全体の体験を引き上げるほどの力はありません。
音楽も疲労感に拍車をかけます。ありきたりな楽曲ばかりで、数曲しか用意されていないように感じられます。いたずらや警察とのチェイス中に流れる短いギターリフは、単体なら悪くないものの、あまりに頻繁に流れるうえに途切れては最初から再生し直されるため、すぐに耳障りになります。単体では機能している素材でさえ、無秩序な繰り返しによってすり減ってしまっています。
当たり外れの激しい下品なユーモアと説明過多なストーリー

ストーリーはコメディの土台としてほとんど機能していません。Samは卒業の数か月前にエイジフィールドへやってきて、2人のはみ出し者と仲間になり、学校で騒ぎを起こして年度末のプロムで派手に目立つという計画に加わります。この青春物語の展開はぎこちなく、説明的な台詞に大きく頼っています。キャラクターたちが自分が何者で何を望んでいるかを露骨に口にしてしまうため、良く言っても、たまに笑えるありきたりな学園コメディの背景にとどまっています。
もちろん、その笑いの中には本当に面白いものもあります。序盤のバナナのギャグはうまく決まっていますし、生徒の妊娠を防ぐことに異様な執着を見せる警備員は、あまりにバカバカしくて笑えます。下品で古臭い学園コメディのステレオタイプを許容できるなら、一部のキャラクターや掛け合いを純粋に面白く感じられ、ゲームの最大の長所だと思えるかもしれません。しかし大半のジョークは滑っています。使い回しだったり見せ方が下手だったり、元ネタのコメディから安直に拝借してきたようなネタが目立ちます。問題は下品な題材そのものではなく、コメディとしての見せ方の拙さにあります。
うまく決まったジョークでさえ、執拗な繰り返しによってすり減っていきます。町を自転車で走っていると、特徴のないNPCたちが限られた決まり文句をつぶやいているのを耳にします。その中には娘が妊娠したという一言もあり、最初は面白くても、20回目にはただの雑音になり、長時間プレイしているとゲームのユーモアの大半が同じ運命をたどります。
町並みの魅力に対して自転車の操作性と探索の旨味が追いつかない

エイジフィールドの町そのものは、本作で最もよく作り込まれた部分です。都市部と田園地帯の中間のようなこの町はうまくデザインされており、赤レンガの高校、住宅街、商業エリア、農場が、実在する小さな町のように配置されています。『BULLY』のインディー版としてふさわしい見た目で、本作が何を目指していたかを最もはっきりと示しています。
町の移動が快適かどうかは、自転車の操作感が自分に合うかどうかにかかっています。自転車の挙動は硬く扱いにくく感じられることがあまりにも多く、歩行者や看板、縁石にぶつかり、ちょっとした段差で妙な角度に投げ出されてしまいます。時には再び乗れない体勢で自転車が挟まってしまい、新しい自転車を出現させた方が早いことさえあります。きしむブレーキ音や加速ブースト、随所のジャンプ台を活かしたアーケード風の乗り味を楽しめるなら、サイクリングは本作で唯一うまく機能したシステムだと感じられるかもしれません。自転車に乗っている時間が非常に長いだけに、これは評価を左右する重要な点です。
とはいえ、町を走り回っても見つかるものはほとんどありません。クエスト以外で興味を引くスポットは少なく、壊せる木箱から得られるお金もわずかなので、わざわざ蹴り壊すのは時間の無駄に感じられます。舞台の雰囲気を味わうのが好きな人なら、景観を眺めて走り回ることにある程度の価値を感じられるかもしれませんが、何かを発見する楽しみはありません。結局のところ、この町は『BULLY』風ゲームの舞台として魅力的な見た目を備えているものの、そこを走り回ることで、最初のミッションが示唆していた欠陥が裏付けられてしまいます。悪ふざけを支えるゲームシステムが、どこにも存在しないのです。
根深い欠陥と不安定な動作から大半のプレイヤーには勧められない
大半のプレイヤーにとって、『Agefield High: Rock the School』は見送るべき作品です。学園生活という魅力的な前提は、遊びとして機能していない戦闘、ステルス、授業の上に成り立っています。戦闘はボタン連打に終始し、発見判定には一貫性がなく、授業は報酬に乏しい繰り返しのクイズにすぎません。時間割の縛り、表示されないクエストの受注時間、ファストトラベルのない長い移動が、もともと薄味なこれらのアクティビティをさらに引き延ばしています。クラッシュや発生しないミッションのトリガー、環境ごとのフレームレート低下は、プレイを完全に破綻させることがあります。特にSteam Deckでは、プレイ可能な動作と引き換えに画質の大半を失ってしまいます。町はよく作り込まれた舞台で、ギャグもときどきは決まるものの、作品が抱える根深い欠陥に比べれば小さな長所にすぎません。
メディアの間では、いくつかの要素について評価が分かれました。ミッション設定が多様性を生むのか単調な目的に落ち着くのか、サイクリングが硬いのか唯一手応えのある要素なのか、下品なコメディが面白いのか滑っているのか、といった点です。とはいえ、そうした意見の相違がゲームの抱える本質的な問題を変えるわけではありません。この『BULLY』風のファンタジーにどうしてもこだわり、下品なユーモアと動作の不安定さを我慢できるプレイヤーだけが検討すべきであり、その場合も期待は低くしておくべきです。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | Agefield High: Rock the School |
| 原題名 | Agefield High: Rock the School |
| ジャンル | アクション, アドベンチャー, インディー |
| プラットフォーム | PC(Steam), PlayStation 5, Xbox Series X|S |
| 発売日 | 2026年8月13日 |
| 価格 | Steam ¥3,400 / Xbox ¥3,200 |
| 公式サイト | https://www.refugiumgames.net |
| 開発元 | Refugium Games |
| 発売元 | Refugium Games |










