2026年8月7日に発売の『リ・ストーリー: 思い出修理屋』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「81 点」で「好評」という評価になっています。
2026年10月9日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは17件、最高は100点、最低は60点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
懐かしい電子機器を丁寧に分解して磨き上げる心地よい時間

『リ・ストーリー: 思い出修理屋』の核となるゲームサイクルはシンプルです。作業台に届いた機器のネジを一本ずつ、カバーを一枚ずつ外して分解し、すべての部品の汚れをブラシで落として元どおりに組み立てていきます。ゲーム機や家電をばらしてきれいに磨き上げる作業は本当に心が落ち着くもので、気づけばその心地よいリズムに引き込まれてしまいます。各部品を取り付ける位置はガイドの影で示されるため、組み立て直しが面倒な作業になってしまう心配もありません。作業がだれてくる前にはコミック調のストーリーが挟まれ、新しい客やトラブル、あるいは翌朝また店を開ける理由を届けてくれます。
このルーティンをプレイヤーにとって身近な体験にしているのは、店で扱う機器そのものの存在です。修理店にはゴム製ボタンの分厚い携帯電話や黄色いMotorolaの無線機、Atari Lynx、初代Game Boyといった、当時の電子機器があふれています。その多くは権利関係に配慮して別の名前が付けられ、外見も少し変えられていますが、元ネタが何かは一目で分かります。あの時代を覚えている人なら、かつて自分で分解した懐かしい機器にきっと出会えるはずです。この店でそれらを組み直す時間は、作業というより、ささやかに思い出をたどる行為のように感じられます。分解の手順は機器ごとに異なっており、その順序を覚えて手際よくこなせるようになっていく過程も、本作の楽しさの大きな部分を占めています。
本作の満足感は手を動かす工程そのものにあり、高度な技術で問題を解決することにあるわけではありません。部品が壊れている場合でも、大半は店の古いパソコンで交換パーツを注文し、組み立て直すときに取り付けるだけで済みます。「修理」と銘打たれている割には作業内容があっさりしている印象で、序盤に求められる繊細な技術といえば、小さなネジをなくさずに外すことくらいです。それでも魅力が損なわれないのは、そもそも本作の楽しさの中心が故障診断ではないためです。見覚えのある機器を開け、丁寧に汚れを落として元どおりの姿で返すことこそが、本作の何よりの楽しさになっています。なお、作業場で行う内容はゲーム後半に進むにつれて少しずつ複雑になっていきます。
修理で得たお金で道具やライセンスを購入し作業場を広げていく楽しさ

この地道なルーティンに目的意識が生まれるのは、『リ・ストーリー: 思い出修理屋』がシンプルな経営シミュレーションの枠組みを取り入れているためです。修理で得た収入を使ってライセンスを購入すると、新しいカテゴリーの電子機器が解禁され、以前のカテゴリーよりも高い報酬を得られるようになります。仕組み自体はシンプルですが、携帯電話をもう一台きれいにすれば次のライセンスに一歩近づくといった形で、すべての依頼に明確な目標を与えてくれます。特に次のライセンスで解禁されるのが子どもの頃に持っていた愛用の機器だと、お金を貯めていくモチベーションもぐっと高まります。
稼いだお金は道具のアップグレードにも使え、作業の手触りが目に見えて変わっていきます。より良いドライバーや大きなブラシを使うことで作業は目に見えて速くなります。さらにラチェットドライバーや電動ドライバーを手に入れれば、時間のかかっていた手作業のネジ外しも一瞬で終わるようになります。また、別の作業をしている間に部品をきれいにしてくれる洗浄装置や、ゴミをお金に変えてくれるシュレッダーも登場します。どのアイテムも、のんびりしたリズムを崩さずに作業を効率化してくれるため、リラックス感を軸に作られたゲームとして絶妙なバランスを保っています。手際が良くなっていく実感そのものが、プレイの楽しさの一部になっています。
作業場自体もゲームの進行に合わせて拡張を続けていきます。序盤の依頼は掃除と部品交換がメインですが、数時間進めるとはんだ付けステーションが登場し、傷んだ基板の修繕ができるようになります。その後も客の好みに合わせてゲーム機を彩る塗装ツールが加わり、ファームウェアのアップデートを行う手段まで手に入ります。新しいステーションが加わるたびに作業の種類が増えるため、物語終盤の店は、最初のほこりっぽい奥の部屋とは比べものにならないほどにぎやかな場所になります。
部品を回収して修理に役立てる面白さと気分転換になる競技モード

メインの依頼をこなすだけでなく、『リ・ストーリー: 思い出修理屋』には手応えのある部品回収の要素も用意されています。持ち込まれる機器には、部品が焼き切れたり割れたりしているものも少なくありません。足りない部品を定価で新品購入することもできますが、日替わりのお買い得品から同型の故障品を探し、必要な部品を取り出して残りを在庫として確保することも可能です。新品の部品を一つも買わずに手持ちの在庫だけで修理を終えられた瞬間は、本作の中でも特に大きな満足感が得られます。ただし、回収した部品を集めて販売用の完成品を一台組み上げるまでには、それなりの時間がかかります。
気分転換として用意されている競技モードも良いアクセントになっています。バラバラになった機器を、ミスなくどれだけ速く組み立て直せるかを競う内容で、普段の丁寧なブラシがけとは一味違うテンポの速い挑戦が楽しめます。ただし得られる報酬は通常の作業より目に見えて少ないため、次のライセンスのためにお金を貯めているなら、進んで参加する理由はほとんどありません。
ローファイ音楽と2000年代半ばの東京が醸し出す心地よい空気感
『リ・ストーリー: 思い出修理屋』が持つ穏やかな空気感は、ゲームのシステムそのものにしっかりと根づいています。プレイヤーは自分のペースで作業を進めることができ、唯一期限が設定されているオンライン依頼でも3日間の猶予が与えられています。期限を過ぎると客から低評価を受けてしまいますが、後から十分に挽回可能です。ゲーム内の時間は進み、夜になれば店は閉まるものの、先へ進むよう軽く促される程度で急かされるようなプレッシャーは一切ありません。
舞台設定もこの落ち着いた雰囲気を力強く後押ししています。『リ・ストーリー: 思い出修理屋』で描かれる2000年代半ばの東京はとても居心地よく作られており、当時のテクノロジーがあふれています。色使いはけばけばしくなく落ち着いたトーンに抑えられ、生き生きとした誇張気味のキャラクターデザインが店を親しみやすい場所にしています。作業スペースを自由に飾り付けて「zen」を高め、自分好みの空間に整えていく楽しみも用意されています。
作業場のラジカセから流れるローファイ曲は手作業のお供にぴったりで、全体の雰囲気にもよく合っています。ただ、長時間続けてプレイしていると曲の繰り返しが気になってくるため、気に入った曲だけで自分用のプレイリストを作りたくなります。しかし残念ながら、そうした選曲機能は用意されていません。
繰り返しの手作業を癒やしと感じられるかで分かれるプレイヤーの評価

『リ・ストーリー: 思い出修理屋』を飽きずに長く楽しめるかどうかは、作業の繰り返しをどう受け止めるかにかかっています。作業台での作業を癒やしにしている要素、つまり同じ丁寧な手順を何度も繰り返すこと自体が、人によっては飽きの原因にもなりうるためです。
繰り返しの手作業そのものを楽しめる人であれば、このゲームのサイクルは十分に心地よく感じられます。新しい機器や新しいステーションが次々と登場し、見慣れた機器を分解する手際が上がっていくこと自体が大きな見返りになるからです。ストーリーのクリアまではおよそ10時間ですが、クリア後も作業を続ける姿は容易に想像できます。エンディング後もさらに約5時間ひたすら掃除や修理、販売を続けたプレイヤーがいるという話にも、このルーティンが肌に合えば十分にうなずけます。
一方で、長時間まとめて遊ぶ人や、収入の効率を追求したい人の場合は少し事情が異なります。高額なライセンスやツールのアップグレードを目指してお金を貯めようとすると、最も稼げる少数の機器ばかりを繰り返し扱うことになってしまいます。古い機器の稼ぎが2万〜3万円にとどまるのに対し、新しい機器は8万〜9万円になるため、安い仕事に戻る理由はほとんどなくなってしまうのです。その結果、同じ数種類の機器ばかりが何度も作業台に載ることになり、ブラシがけやネジ回しへの忍耐力に限りがある人だとすぐに単調さを感じてしまいます。『リ・ストーリー: 思い出修理屋』は一気にやり込むよりも、短時間ずつ区切って遊ぶか、ポッドキャストなどを流しながら気楽に触るスタイルが最も向いています。
持ち込まれる機器のバリエーションも、ゲームの進行に合わせて同じような推移をたどります。最初の数日間は約3種類ほどの電子機器しか持ち込まれず、この序盤は確かに同じ作業の繰り返しに感じられがちです。しかし、より多くの機器が解禁されると製品ごとに分解の構造が異なるため、作業の感触はかなり新鮮になります。携帯電話や電気ケトル、カメラ、トランシーバー、ロボットペットなどは、それぞれ分解の手順がまったく違います。ただし、機器が違っても本質的には同じ作業だと感じてしまう人にとっては、ラインナップが増えても単調さの問題は完全には解消されません。
個性豊かな客たちとの交流とやや散漫さが残るメインストーリー

単調になりがちな作業ルーティンに人間味ある温かさを与えているのが、店を訪れる客たちです。恋に夢見るロマンチストや大会に備えるゲーマー、ペットを直してほしい小さな女の子など、客たちとのちょっとしたやりとりは作業の合間に思わず笑顔にさせてくれます。こうした温かい交流は、ドライバーを置いて一息つき、また次の機器のほこりを払い続ける確かな理由にもなります。ただし登場人物の描写は一様ではなく、性格付けが単純すぎたり、場面のトーンがちぐはぐだったりするキャラクターも見受けられます。終盤になると客が店を訪れる間隔が空き、息抜きの少ないままオンライン依頼が続く期間が長くなるため、これが作業の繰り返し感を強める要因に直結しています。
東京の下町を舞台に、ショッピングセンターを建てようとする開発業者と対立するというストーリーは、修理作業の背景として十分に機能しています。コミカルで親しみやすい語り口のおかげで、一日一日とテンポよくプレイを先へ進められます。一方で、深く感情移入できるような重厚なプロットを求める人にとっては、やや物足りなく感じられます。物語自体にそこまでの深みはなく、後半に進むにつれて筋が込み入ってしまう場面もあります。個々の場面は印象に残るものの、キャラクター同士の血縁関係や同居関係、ひいては自分がいったい何のために戦っているのかが分かりにくくなってしまう瞬間もあります。
常連キャラクターとの会話で登場する選択肢はささやかなおまけ要素であり、本作を購入する決め手になるほどのものではありません。選んだ選択肢によってキャラクターのストーリーが一部変化し、もう一度プレイして確かめたくなる場面もあります。その一方で、選択肢を選んでもセリフが1〜2行変わる程度にとどまり、目に見える影響が生じない場面も少なくありません。物語上の意味のある分岐を重視するなら、本作にはあまり期待しないほうが無難です。
道具切り替えの操作性や携帯機でのバッテリー消費に関する注意点

自分のプレイ環境に当てはまるなら、事前に把握しておくべき実用面での不便さもいくつか存在します。特に気になるのが道具の切り替え操作です。切り替え用のショートカットキーがないため、ブラシやはんだごてを手に取るだけでも画面内を何度かクリックする必要があります。ゲームパッド操作でも、ショルダーボタンでパソコンのタブを切り替えたり道具を選んだりできないため、何百回もの修理を重ねるうちに小さな手間が積み重なっていきます。
作業ステーションが増えてくると、作業場での動線もスムーズさを欠きはじめます。パソコンや塗装ツール、カウンターの間を行き来する移動が少し面倒に感じられることもあります。また、コントローラーをデフォルト設定で使う場合、修理中のカーソル操作は正確ですが、机の上を見渡したいときには移動速度が遅すぎます。机の左右を確認するためだけにカーソルを画面の端まで大きく動かさなければならず、操作のテンポをやや損ねています。
Steam Deckでは、画質を「Low」プリセットにしてFPS上限を解除すると約60 FPSで滑らかに動作し、低下も57〜58 FPS程度に収まります。しかしその代償となるのがバッテリーの持ちです。立ち止まっているときでもCPUやGPUの負荷が不規則に跳ね上がるため、30 FPSに制限した場合も含め、どの設定でもバッテリー消費は激しいままです。
懐かしい電子機器の修復に癒やされる一方で作業の繰り返しには人を選ぶ一作

『リ・ストーリー: 思い出修理屋』は、心が落ち着く手触りのある修復作業を求めるプレイヤーには、迷わずおすすめできる一作です。見覚えのある当時の電子機器のおかげで、どの依頼も懐かしく身近な体験になります。さらにライセンスの取得やツールの強化、新しいステーションによって成長していくビジネスが、日々の作業に心地よい目的と推進力を与えています。締め切りに追われない設計と居心地のよい2000年代半ばの舞台のおかげで腰を落ち着けやすく、作業台の上の見慣れた機器たちが作業ループを無機質なものに感じさせません。評価の分かれ目になるのは、作業の繰り返しをどこまで受け入れられるかです。丁寧な手作業の反復に癒やしを感じられるなら、『リ・ストーリー: 思い出修理屋』はタイトルにある「chill」の言葉どおりの体験を届けてくれます。ストーリーが終わった後も、心地よいリズムのまま長く作業台の前に座り続けたくなるはずです。一方で、長時間のプレイで収入を稼ぎ続けたい人や、同じ作業の繰り返しにあまり忍耐がない人にとっては、ルーティンが単調に感じられてしまう可能性があります。
長く楽しめるかどうかについては、メディアの間でも意見が分かれています。一部のメディアは、特に最も稼げる機器ばかりを繰り返し扱う場合に作業がどんどん単調になると指摘しています。その一方で、新しい機器や進行要素のおかげで、ストーリークリア後も作業ループを楽しめたと評価するメディアもあります。また、ストーリーがプレイを牽引するほど魅力的かどうかや、会話の選択肢がキャラクターの物語を意味のある形で変えるかどうかについても評価が割れました。より限定的な懸念点としては、物語の軽さや道具のショートカットがない点、コントローラーカーソルが遅いこと、Steam Deckでの激しいバッテリー消費などが挙げられます。ただし、これらが問題になるのは自分の遊び方に影響する場合だけです。機械いじりが好きで当時の機器を覚えているプレイヤーにとって、『リ・ストーリー: 思い出修理屋』は時間を過ごすのにぴったりの、温かく没頭できる場所になってくれます。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | リ・ストーリー: 思い出修理屋 |
| 原題名 | ReStory: Chill Electronics Repairs |
| ジャンル | インディー, シミュレーション |
| プラットフォーム | PC(Steam), Xbox |
| 発売日 | 2026年8月7日 |
| 価格 | Steam ¥1,999 / Xbox ¥480 |
| 公式サイト | — |
| 開発元 | Mandragora |
| 発売元 | tinyBuild |










