2026年8月6日に発売の『Doloc Town』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「78 点」で「好評」という評価になっています。
2026年10月9日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは8件、最高は86点、最低は70点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
狭い平地を飛び出して縦へ伸びる、自由で高密度な立体農場

一般的な農業シムは土を耕すところから始まりますが、『Doloc Town』の拠点は荒れ果てた高層ビル群の中にあります。地面の汚染がひどく直接耕せないため、作物は段ボール箱などの鉢で育て、建材もガラクタの山から拾い集めるしかありません。初日から工夫と間に合わせを迫られるこの生活は、廃墟という舞台設定も手伝って、おなじみの農作業をこれまでにない体験へと変えてくれます。
2Dの横視点では横方向に広げるスペースが限られるため、一歩間違えれば窮屈な足かせになりかねませんでした。しかし本作は、農場を上へ上へと伸ばすことでこの問題をうまく解決しています。木材がある限り足場を高く積み上げられるので、プランターや精錬炉、発電機、コンテナを並べ、後々は家畜小屋や温室まで詰め込めます。その結果、ポストアポカリプスの世界観にふさわしい高密度の立体農場が組み上がり、横視点から受ける印象よりもはるかに広い建築スペースを確保できます。
農場をいつでも気兼ねなく作り直せる自由さも、本作の大きな魅力です。設備や足場はクワで叩くだけでそのまま手元に戻り、すぐに別の場所へ設置し直せます。チェストも中身を入れたまま持ち運べるほか、中盤に解放される専用のbuild modeを使えば、見下ろし視点でまとめて配置を調整できます。あらかじめ解体が必要なのは建物くらいで、配置換えのコストが極めて小さいため、一度決めたレイアウトに縛られるストレスがありません。発電機の周りにバッテリーを美しく並べるのも、効率を重視して機械類を敷き詰めるのも思いのままで、拡張が進むにつれて自然と何度も組み直すことになります。
過酷な世界設定は、日々の作物の世話にも反映されています。酸性雨は弱い作物を枯らし、照りつける猛暑は水分を奪いますが、耐酸性を持つendyamのようにタフな作物なら天候を気にせず育てられます。一方でデリケートな作物にはビニールシートをかけたり、鉢ごと屋内に運び込んだりして守らなければなりません。日課にちょっとした工夫を求める人にとって、このひと手間はポストアポカリプスらしい風情を感じられる心地よいアクセントです。雨が降れば水やりが省け、雷雨を避雷針で受けて電力を賄えるといった実利もあります。ただし、環境に適応していない植物のところへ毎回歩いていき、手作業で覆いをかける作業をわずらわしく感じる人には、単なる日課の雑用に映るかもしれません。
手作業の開拓から自動化へ移り変わる、奥深い生産ラインの構築

農場が休むことなく進化し続ける点も、本作に引き込まれる大きな理由です。プレイを進めるにつれて設計図やレシピ、種、道具に加え、作物を利益に変える手段が次々と手に入ります。それに伴い、農場の目的もその日暮らしの生存から、電力網や作物の遺伝子交配、加工ラインを束ねる本格的な生産事業へとスケールアップしていきます。
生産チェーンはすぐに枝分かれし、複雑さを増していきます。たとえばクエストで要求されるゴムを1つ作るにしても、まずは樹脂プレスを用意しなければなりません。プレスを動かすには電力が必要で発電機を建てることになり、発電機の材料にはインゴットが、インゴットの精錬を続けるには石炭の供給が必要になり、その燃料を確保するために木材と専用の機械がさらに求められます。たった1つの依頼がインフラ全体の整備へと広がっていく構造になっており、集めた資材のほぼすべてがクラフトや研究、新たな機械の導入へとつながっていきます。
その苦労に見合う成果は、ゲームが進むにつれてはっきりと返ってきます。終盤には生産の大部分が自動化され、ドローンが種まきから収穫、運搬、資材の積み込みまでこなし、機械類が裏で淡々と加工を進めてくれます。プレイヤーはその間に心置きなく荒野へ探索に出られますし、少し離れた場所から自作のシステムが規則正しく動くさまを眺めるだけでも満たされます。泥臭い手作業から完全自動化へと至るステップを、これほど手応えを伴って実感できる農業ゲームはめったにありません。
何手も先を読んで段取りを組み、新しい配置を試すために農場を作り直す時間を惜しまない人なら、『Doloc Town』は長く熱中できる作品です。設備をアップグレードするたびに次の目標が自然と見えてきます。ただし、のんびりとした素朴な農作業を望む人には根気が求められすぎるきらいがあり、要素が幅広い反面、一つひとつの掘り下げが浅いと感じる可能性もあります。手に入れたい目標があっけなく達成できて拍子抜けすることもあり、実際に熱心に狙っていたギルドの帽子が、道端の雑魚敵からあっさり2つもドロップした場面がありました。効率化や基地の構築そのものに面白さを見いだせる人なら遊び続けられますが、個別のシステムに濃密な見返りを期待する人は物足りなさを覚えるかもしれません。
アクションで広がる探索の楽しさと、移動速度に残るもどかしさ

『Doloc Town』の魅力は農場の中だけにとどまりません。町の外には従来の農業シムと比べものにならないほど広大な世界が広がっており、森や洞窟、裏山をつなぐ入り組んだ道や、すぐには届かない高所の足場や崖が点在しています。この世界は移動アクションの強化によって次第に開拓できるようになります。主人公のプロティは早い段階で2段ジャンプと空中でも使えるダッシュを習得しますが、各マップは明らかにこれらのアクションを活用する前提でデザインされています。正確なジャンプ操作を要求されるルートもあり、貴重なアイテムが入った宝箱は一筋縄ではいかない場所へ巧みに隠されています。
隠されたギミックの数々が、ジャンプアクションに明確な目的を与えてくれます。隠し壁や秘密の小部屋がマップのいたるところに用意されており、探索を重ねる楽しさがあります。大半は簡単に見つかりますが、中には巧妙に隠されたものもあり、そこから大量の資源やショートカットを開通させるレバーが見つかることもあります。地域ごとにそこでしか手に入らない素材があるため、荒野へ出かける冒険が農場の新しい機械や道具の作成に直結します。この循環こそが本作の醍醐味であり、探索範囲を広げる移動アクションを手に入れた瞬間には確かな達成感を味わえます。
一方で、探索の足を引っ張っているのが普段の移動速度です。お使いなどで同じ道を何度も行き来させられると、プロティの足の遅さにはどうしても苛立ちを覚えます。序盤で手に入るダッシュはアクションの手触りを良くしてくれるものの、長距離の移動時間を縮める助けにはほぼなりません。資材を1つ拠点に忘れただけで長い道のりを丸ごと1往復する羽目になることさえあります。後半に乗り物が手に入ってもこの問題は根本的には解決せず、自転車はバッテリー消費の制約が厳しいため、爽快な移動手段というよりは扱いにくくて退屈な道具に感じられました。
ドローン任せで危険を切り抜ける、気楽ながら単調さも覗く戦闘

戦闘は武装ドローンに射撃を任せるスタイルで進行し、戦士ではなくただの生存者であるプロティの境遇によく馴染んでいます。プレイヤーが回避に専念している間にドローンが敵を撃ち倒してくれ、強化を重ねるごとに目に見えて頼もしく育ちます。武器や強化チップのバリエーションも十分に用意されており、組み合わせを工夫して火力を引き出すサイクルには心地よい手応えがあります。戦闘自体はあくまで探索に適度な緊張感を与え、単調になりがちな素材集めにメリハリをつける脇役に徹しています。とはいえ、ゲーム後半になると似たような敵を避け続ける立ち回りが続き、次第に作業感が漂い始めます。
この戦闘システムでは操作デバイス選びが快適さを左右します。コントローラーを使った手動エイムは初期設定で8方向にしか撃ち分けられず、本格的なツインスティックシューターのような滑らかなアナログ操作ができないため、ややぎこちなさが残ります。マウスとキーボードを使えば360度狙い通りの角度へ撃ち込めますが、コントローラーでも右スティックの押し込みでオート射撃モードに切り替えられます。ドローンに攻撃を任せて自分は立ち回りに集中できるこの設定は、作品全体の落ち着いたテンポともよく噛み合っています。
退廃的な廃墟と愛らしいドット絵が調和する、居心地の良い世界観

ポストアポカリプスの退廃的な空気感こそが、類似の農業シムの中で『Doloc Town』を際立たせている最大の個性です。舞台となる町は列車が立ち往生した巨大な鉄橋の残骸の上に築かれており、住人たちは錆びた貨車や崩落しかけた足場の下で身を寄せるように暮らしています。空からは依然として酸性雨が降り注いでいますが、重苦しい設定が農作業の楽しさを損なうことはありません。ガラクタの山から少しずつ拠点を立て直していく過程は、世界全体の復興に加わっているような実感をもたらし、見慣れた農作業にも自然と特別な動機付けを与えてくれます。
親しみやすいアートワークも、殺伐とした世界に温かみを添えています。ぽてぽてと愛らしく動くデフォルメ調のピクセルアートが荒廃したロケーションの重さをほどよく和らげており、世界からUIに至るまで統一感が際立っています。朽ちた廃墟や絡まり合った鉄骨、打ち捨てられた廃材や錆びついた金属の質感は不思議と眺めているだけでも心地よく、訪れるロケーションにも十分なバリエーションがあります。キャラクターの愛らしさと背景の荒涼感は互いを打ち消すことなく、しっかりと引き立て合っています。
心地よいサウンドトラックも、この独特な空気感を支える大きな要素です。冒険心をくすぐる軽快なポップ調から落ち着いたローファイサウンドまで幅広く揃っており、長時間の農作業や拠点の改築にもよく馴染みます。各地に散らばるカセットテープを集めれば好みの楽曲でプレイリストを組める仕組みになっており、探索のご褒美としても嬉しい工夫です。じっくりと腰を据えて作業に没頭したいときにも、耳を優しく癒やしてくれます。
温かい絆が描かれる一方で、会話の単調さが惜しまれる住人たち

『Doloc Town』で出会う住人たちは、個性的な人間とロボットが入り混じった賑やかな顔ぶれで、それぞれが持つ物語も互いに深く結びついています。住人同士が日頃から噂話を交わしたり、隠された町の歴史の断片を語ってくれたりするため、ひとりと仲良くなることで別の住人の意外な一面が見えてくることも珍しくありません。友好イベントやサブストーリーでは大破局の後を懸命に生きる人々の姿が丁寧に描かれ、住人同士の温かい絆が、過酷な廃墟の町をいつしか我が家のように感じさせてくれます。散りばめられたエピソードからコミュニティの輪郭を組み立てていくのが好きな人にはたまらない体験です。ただし、深みのある会話テキストを期待していると、普段の雑談はクエスト中であっても極めて簡素で同じセリフの繰り返しが多く、底浅く感じられるかもしれません。たとえば伝説の魚を納品するギルドの依頼では、魚を渡した後でも受注前と全く同じセリフが返ってくるなど、大雑把な部分も見受けられます。
英語のテキスト自体は全体として手堅くまとまっており、文字に添えられる視覚演出もちょっとしたアクセントになっています。しかしセリフの細かいニュアンスに目を向けると、文脈のつながりを欠いたぎこちない言い回しが散見されます。特に風変わりな口調で話すキャラクターほど、この違和感が目立ちやすい印象です。
なお、住人との関係はあくまで友情にとどまり、恋愛や結婚といった要素はありません。住人とロマンスを楽しみたい人にとっては、プレゼントを贈って好感度を稼ぐモチベーションが薄れる要因になり得ます。とはいえ、恋愛ではなく日々の生存に焦点を当てた世界観にはむしろ合っているとして、割り切って楽しめる人も多いはずです。
マイペースに遊べる寛容さと、進行につれて膨らむ資源の重み

日々のゲーム進行に関して言えば、『Doloc Town』の時間はとても穏やかに流れていきます。丸一日を釣りや農作業、住人との会話だけに費やしても何らペナルティはありません。期限付きの依頼や掲示板の急ぎの仕事、季節の行事が迫っていない限り、農場の改装や次シーズンの準備に没頭して何週間もメインストーリーを寝かせておくことすら可能です。お祭りイベントも数日間にわたって開催されるケースが多く、準備不足のまま見逃す心配もほとんどありません。プレイヤーが自分のペースを守りたいなら、ゲーム側も急かすことなく付き合ってくれます。ただし、農場の足場が大規模に広がり始めると、自動化を取り入れていたとしても管理の手間が一気に膨らみ、時間がいくらあっても足りない忙しさに追われる瞬間があります。
また、長期的な成長にかかるコストは決して軽くありません。自宅の増築や各種設備の設置、新技術の研究など、どれを進めるにも多額の資金と大量の資材が求められます。気軽にのんびり農業を楽しみたいプレイスタイルでは、完全自動化された農場は遥か遠くに見え、終盤を面白くする高度な機械を手に入れるまでに膨大なコストを払う必要があります。
もっとも忍耐を試されるのは序盤の数時間です。バス路線が開通するまでは広大なマップを徒歩で踏破しなければならず、道端の資材を拾い集めるために何度も足を止めることになります。とはいえ、この地道な作業が延々と続くわけではありません。研究を進めて拠点で資材を自給自足できるようになれば、アイテム集めの負担は劇的に減り、探索本来の楽しさを存分に味わえるようになります。
必須条件の説明不足によって、唐突にストーリーが停滞する落とし穴

『Doloc Town』の最も手痛い欠点として挙げられるのが、メインストーリーを進めるための必須条件を十分に伝えてくれない点です。ゲーム中盤に差し掛かったあたりで、長大なクエストラインの先にある重要アイテムの未入手を理由に、進行がピタリと止まってしまう場面があります。本来なら序盤からコツコツ準備しておくべき代物だったにもかかわらず、事前の誘導がないため、プレイヤーにとっては突然目の前に巨大な壁が現れたように感じられます。その条件を満たすためだけに、これまでのプレイ時間に匹敵するほどの作業を求められる感覚に陥り、達成できるまで物語は足踏みを強いられます。
この不親切さはエンディング直前の展開にも影を落としています。メインクエストの最終段階ではいくつかの条件が提示されるものの、文脈があいまいで達成必須なのかどうかが判然としません。一見すると任意のやりこみ要素のように見えながら、実際にはゲーム内のほぼ全要素をやり尽くすレベルの進行を強いてきます。コンテンツの幅広さは本作の大きな長所ですが、そのうちのどこまでがクリアに必須なのかをゲーム側が明示しないため、ここではその広さが裏目に出てしまっています。物語を追うことを重視する人にとっては、購入をためらう最大の要因になりかねない粗さです。
試行錯誤と自動化を楽しむ、計画好きなプレイヤーに響く良作
『Doloc Town』は、先を見据えてじっくりと計画を練るのが好きな人には自信を持っておすすめできる一本です。廃墟の中に縦方向の拠点を組み上げ、ドローンや機械がすべてを代行してくれるまで生産ラインを最適化し、秘密が散りばめられた世界を探索する、といった要素が合わさり、独自性のある没入感の高い農業シムに仕上がっています。愛らしいドット絵とのどかな楽曲も、錆と瓦礫に覆われた世界を魅力的に彩ってくれます。多段階の生産チェーンの構築や自由度の高い立体建築、軽快なアクションを交えた探索、そして自動化へ至る手応えある道のりが好みに合うなら、存分に楽しめるはずです。
一方で、購入にあたって注意すべき点もいくつか存在します。気軽に遊びたい人にとって、設備の強化や自動化にかかるコストは重く、序盤は単調な作業と徒歩移動が中心になります。また、進行に必要な条件の説明が不親切なため、中盤と結末直前の2度にわたってストーリーが停滞しかねません。奥深い会話テキストや恋愛要素を求める人、コントローラーで手動エイムを行いたい人、作物を手作業で天候から守る手間を惜しむ人も、事前の検討が必要です。メディアの間でも、農場が広がった後のペースが心地よい忙しさなのか手にあまる負担なのか、住人同士のつながりが魅力的なのか会話の単調さに足を引っ張られているのかについて意見が割れています。さらに、多彩なゲーム要素が長期的なモチベーションを保つ原動力になっているか、あるいは一つひとつが浅すぎて飽きを早めているかについても評価が分かれました。
道筋が分かりやすく手軽な農業体験を求めるなら、こうした要求の重さを踏まえておく必要があります。しかし、多少の不便や試行錯誤を受け入れて奥深いシステムを楽しめる人なら、『Doloc Town』はその期待にしっかりと応えてくれます。瓦礫の中で空へと築き上げた巨大な立体農場は、やがてプレイヤーが探索へ繰り出している間も、唸りを上げてひとりでに回り続けるはずです。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | Doloc Town |
| 原題名 | Doloc Town |
| ジャンル | アドベンチャー, カジュアル, インディー, RPG, シミュレーション |
| プラットフォーム | PC(Steam) |
| 発売日 | 2026年8月6日 |
| 価格 | Steam ¥2,000 |
| 公式サイト | — |
| 開発元 | RedSaw Games Studio |
| 発売元 | Logoi Games |
ストアページ
| ストア名 | URL |
|---|---|
| Steam | https://store.steampowered.com/app/2285550/ |










