2026年7月23日に発売の『GUREI(愚霊)』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「77 点」で「好評」という評価になっています。
2026年10月9日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは15件、最高は95点、最低は50点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
ボスを倒すたびに残りの神が強化され攻略ルートが変化する

黄色のPeafowlと戦うと、『愚霊』のシステムがよくわかります。序盤に挑めばPeafowlが持つ武器を霊が選べますが、後回しにすると全武装を一度に相手にする羽目になります。このボス1体を見るだけでも、どのタイミングで神と戦うかという選択が敵のステータスを上げるだけでなく、戦いそのものを変えてしまうことがはっきりと伝わってきます。
ゲームの構造自体は非常にシンプルです。廃城の敷地には10体の神が棲んでいて、どの順番からでも自由に挑めます。神を1体倒すごとに霊は新たな力と残機を1つ獲得しますが、同時に残ったすべての神が強化され、最後まで残したボスが全能力を備えたラスボスとして立ちはだかります。どの神も最初や最後の相手になり得るため、討伐ルートの順番に応じた異なる形態が用意されているのも特徴です。たとえば赤いSnakeは最初に戦えば攻撃パターンが2種類しかありませんが、ほかの神を6体ほど倒した後では警戒すべき攻撃が4〜5種類まで増加します。オレンジのCatfishもランの開始直後なら簡単に倒せるものの、最後の4体まで残してしまうと、硬い外殻と増えた攻撃手段のせいで手に負えなくなる場面も出てきます。
こういった仕組みがあるため、プレイヤーはどの挑戦でも真剣な駆け引きを迫られます。後の戦闘を楽にしてくれる防御系ツールをはじめ、欲しい能力を優先して取りにいくルートも選べます。一方で、苦手なボスが弱いうちに挑んで手持ちのツールが少ないまま戦う道もあり、どちらを選んでも何かしらの代償が伴います。最適なルートはプレイスタイルや苦戦する相手によって変わるため、他人のアドバイス通りにはいかず、どのルートを選ぶか自体が厳しくも意味のある決断になります。
このシステムが上手く成立しているのは、順番が変わることでそれぞれの戦闘がまったくの別物へと変化するからです。登場する神には固有のギミックや技構成、攻略法がしっかりと用意されています。たとえばBeetleは怯ませることに成功すると自ら切腹し、Catは制限時間内にプレイヤーを倒そうと焦るため、後回しにするほど投げつけてくる飛び道具の数が激増します。単に見た目を変えただけの使い回しではなく、それぞれが独立したパズルとして成立しており、どの形態と戦うかが攻略ルートによって左右されます。
敵の隙を見極めて忍耐強く立ち回ることで勝利の満足感が得られる

『愚霊』の戦闘はボタンの連打で勝てるような作りにはなっておらず、敵の攻撃タイミングを覚えて隙を見極め、退く前にもう1発攻撃を欲張りたくなる衝動を抑える姿勢が求められます。欲を出せば手痛い反撃を受け、冷静に耐え忍べばチャンスが巡ってくるため、立ち回りが噛み合って守護者を撃破できたときには、自分の力で勝利をもぎ取った手応えを存分に味わえます。
牛の神はその好例です。ランの3体目あたりで挑むとあっさり倒されてしまうこともありますが、リトライを重ねて弱点を覚え、相手のパンチやキックを正確なタイミングで避けられるようになっていきます。時間をかけて動きを見極め、ようやく撃破できたときの達成感は格別です。また、牛と序盤に戦っていればもっと楽に勝てたはずですが、その分の手強さがほかの神へと引き継がれるだけだと気づかされるのも面白いところです。
霊が神から吸収する力は、戦闘の組み立てを根本から変えてくれます。盾を手に入れればこれまで回避するしかなかった攻撃をガードできるようになり、デコイを召喚すればボスの注意を霊から引き離せます。体力が残りわずかになった際に発動する起死回生のギミックも、本来なら敗北していたピンチから逆転するための貴重な猶予を生み出してくれます。これらは単なる数値の底上げではなく新しい立ち回りをもたらす要素なので、どの能力を優先して集めるかがルート選択に直結します。
もっとも、獲得できる能力の使い勝手が均等というわけではありません。トカゲから得られるパーフェクト回避後のダメージ強化や、Catfishの巨大なパリィ用シールド、Beetleの溜め槍攻撃などは非常に頼りになります。これらに比べると、狙いを定めるのが難しい弓やクールダウンに15秒かかる空中ダッシュは、どうしても見劣りする選択肢に映ってしまいます。もちろんダッシュを軸にした構成を好むプレイヤーなら強みを引き出せる可能性もありますが、優先して倒す価値が高い神とそうでない神が存在するのは確かです。
モノクロの廃城に鮮やかな神々が映える独自の世界観と演出

『愚霊』のアートスタイルは非常に目を引く仕上がりです。城全体がモノクロのグレースケールで描かれているのに対し、各ボスだけが固有の鮮やかなカラーで灰色を切り裂くように現れるため、視線は自然とバトルのアクションへと引きつけられます。アニメーションの出来も滑らかで、動物を独創的にアレンジした神々のビジュアルも個性的です。ヘラクレスオオカブトの侍をはじめ、城の深部に潜むオレンジのCatfishや、高所に巣を構えてエネルギー弾を放つ緑の鳥など、どれも一目で識別できるデザインになっています。
簡素なプロローグで始まる物語に、神々のキャラクター性が豊かな生命感を吹き込んでいます。撃破された神は単に消え去るのではなく、それぞれの一部が霊の元に留まり、ほかの神やNPCについてコメントを残すことで背景やキャラクターに肉付けしてくれます。時には攻略に役立つヒントを教えてくれることもあるため、彼らの会話には耳を傾ける価値があります。築いた関係性は倒れてリスポーンした後も引き継がれ、本来なら孤独な旅の中で霊の良き話し相手になってくれます。外見のデザインと掛け合いの両面から、各ボスの個性は一目でしっかりと読み取れます。
ストーリーそのものは比較的控えめな味付けです。世界観や設定は戦う動機を与えてくれますが、それ以上の役割はあまり果たしておらず、あくまでゲームプレイに主眼が置かれています。物語の展開を面白いと感じるかは好み次第なものの、本作の魅力の中心は筋書きそのものよりも各キャラクターの放つ強烈な個性にあります。
1周がコンパクトだからこそ何度もルートを変えて挑戦したくなる

『愚霊』は何度も繰り返し遊ぶことを前提に設計されています。一度エンディングを迎えても終わりではなく、隠されたTrue Endingも存在します。クリア後であっても、新たな攻略ルートを模索したり、NPCのサイドクエストをこなしたり、序盤に倒した神と全力の状態で戦ってみたりと、一からやり直す理由は十分にあります。挑む順番を変えれば各ボスのどの形態と対峙するかも変わり、そこに本作の価値の大部分があります。
ボスラッシュ系やアクションが好きなプレイヤーにとって、このリプレイ性の高さは非常に奥深い魅力です。10体すべてのボスがラスボスになり得るため、何度周回しても新しい発見に出会えます。
1回のランにかかる時間は非常にコンパクトです。ラスボスの直前まで進んで失敗に終わった初回の挑戦でも所要時間は約50分ほどで、プレイ体験がいかに凝縮されているかがうかがえます。全体のボリュームが短すぎると感じるかどうかはプレイヤーの期待次第ですが、ルートの再挑戦から面白さを引き出すタイトな構成を好むなら、ボスの数は絶妙なバランスです。充実感を得られるだけのバリエーションがあり、飽きが来るほど長くもなりません。1本の長いキャンペーンに腰を据えてじっくり付き合いたいプレイヤーにとって、この短さは受け入れにくいかもしれません。
成長要素も難易度設定もないシビアな設計がプレイヤーを鍛え上げる

『愚霊』のゲーム設計には一切の甘えがありません。残機には厳しい制限があり、すべて使い切るとキャンペーン全体を最初の神からやり直すことになります。最後の1機になった際に表示される「ラストチャンス」という不穏な警告が、まさに生きるか死ぬかの瀬戸際であることを突きつけてきます。順調だったランを失ったときのショックは大きいものの、その取り返しのつかなさこそがあらゆる戦闘を緊迫させ、指先の操作だけでなく精神面まで試される戦いに仕立て上げています。そして、その重圧を乗り越えて勝利を手にしたときには、非常に大きな満足感が得られます。
先へ進むための手段は、プレイヤー自身の腕を上達させること以外にありません。難易度設定も調整可能なオプションも永続的な成長要素もなく、霊は何度倒れてもレベルアップせず、強くもなりません。ラン中に集める力以外に装備やキャラクタービルドの概念はなく、獲得した力も挑戦が終わればリセットされます。ボスは挑戦のたびに体力全快で復活するため、残機が増えても挑戦回数が増えるだけで戦闘自体が楽になるわけではありません。歯ごたえのあるアクションを求めるゲーマーには願ったり叶ったりの仕様ですが、普段はレベル上げや難易度の引き下げで壁を越えてきたプレイヤーには、ほかの抜け道が用意されていません。
こうした妥協のない頑なさには、確かな代償も伴います。アクション操作に不慣れなプレイヤーだと、エンディングまでたどり着けない可能性も十分にあります。もう少し柔軟な救済策があれば、現在の設計では離れてしまいそうな層も引き留められたかもしれません。
攻略ルートの選択が難易度を過酷な罰に変えてしまう危うさ
ルート選択の醍醐味を生み出しているスケーリングそのものが、ときには牙をむいてプレイヤーを苦しめます。ルートの選び方によっては終盤の戦闘が本来あるべき以上に過酷になり、過去に下した選択のせいでゲームから罰せられているように感じることがあります。その影響の大きさは、倒す順番や特定の攻撃への対処スキルによって変わってきます。スケーリングをうまく管理できれば全体の難しさが分散されるため、挑む順番が自由であることによって各ランのバランスはおおむね保たれます。最初から厳しい挑戦を求めているプレイヤーにとっては、どのランでも最初のボスが簡単すぎると感じられ、難易度のカーブが最後まで物足りなく映る可能性もあります。
ボスの攻撃パターンについても同様です。敵の予備動作を読み取って戦いを反復練習するのが好きな人なら、大半のパターンは丁寧に練られており、どれほど苛烈な攻撃であっても公平で習得しがいがあります。しかし、終盤のボスに苦戦しているプレイヤーからすると、一部のパターンはあからさまに理不尽で、回避行動への対抗手段があらかじめ仕込まれているように思えることもあります。もっとも、このシステムには解決策も用意されており、ランの序盤でそのボスの易しい形態に慣れるまで練習しておけば、強化された後の形態にもずっと対処しやすくなります。
シンプルな操作体系の裏で動作のディレイには好みが分かれる
基本操作はとても覚えやすくまとまっています。霊のアクションは移動、ジャンプ、攻撃、回避で、新しい力もボタン入力を増やすのではなく、既存のアクションを拡張する形になっています。覚えるボタンが少ないため、操作の感覚はすぐに体に馴染みます。PS5のDualSenseでは回避がR2に割り当てられていて最初は少し違和感がありますが、序盤を過ぎれば霊の操作感は非常に心地よく感じられます。
とはいえ、操作が簡単であることと操作のレスポンスが良いことは別問題であり、一部のプレイヤーにとっては入力の感触が現実的なリスクになります。回避に組み込まれたわずかなディレイにストレスを感じることもあれば、ジャンプの反応が約0.2秒遅れているように感じられる場面もあります。剣の攻撃判定が当たっていないように思えたり、霊の歩行や方向転換が鈍く感じられたりと、どこが気になるかは人それぞれです。動作に重みを持たせたシンプルなアクション構成に抵抗がなければ、操作は一貫して良好なレスポンスに感じられます。しかし、タイミングに敏感なプレイヤーなら、この点は慎重に考慮すべきです。入力のタイミングを一度誤るだけでランを失い一からやり直しになりかねないゲームだからこそ、わずかな時間差が命取りになるからです。
ボス部屋までの移動の単調さとクラッシュの発生がテンポを削ぐ

主役はあくまでボス戦であり、そこへたどり着くまでの道中はゲーム体験としてほとんど何も付け足していません。城の規模は小さくランドマークも多いため迷う心配はなく、序盤のフィールドは操作を覚えるための安全な場所として機能します。しかし何度も周回を重ねると、敵のいないがらんとした道を行き来する時間が長いロード画面のように感じられ始めます。ボス選択画面へ直接スキップできるオプションがあれば、スピードランを狙っていないプレイヤーにはありがたかったはずです。
用意されたサイドコンテンツの出来にはばらつきがあります。なかでも優れたイベントでは、手に入れた力を巧みに活用させてくれます。背中の痛みを訴える老犬の精霊は背中に扇子が刺さっているものの、背後に回ろうとするたびにこちらへ向き直ってしまいます。ここで猿の神を倒して得たデコイの分身を使えば、陽動を作って彼を救い出すといった工夫が楽しめます。こうしたパズル要素には挑戦する価値を感じられる一方で、それ以外のイベントの大半はわざわざ足を運ぶほどではない一発ネタにとどまります。任意要素の中で魅力が大きいのは戦闘系のチャレンジで、全力形態の神と戦ったり、緊張感に満ちたDeath Modeに挑んだりできます。
ゲームのクラッシュが、移動の手間をさらに悪化させています。Switchではほぼ毎回のランでクラッシュしてホームメニューに戻されることがあり、ボス戦の最中に発生するのではないかという不安が常につきまといます。オートセーブのおかげで進行状況が失われることはないものの、クラッシュのたびに再起動してボス部屋まで戻る必要があり、道を覚えていても約30秒のロスが生じます。ただでさえボス戦の合間に感じるわずらわしさが、この不具合によってさらに増してしまいます。
厳しいやり直しを乗り越えて自らを高められるかが評価の分かれ目
『愚霊』は、ボスの順番が本当の意味で戦略的な決断になることを望み、パターンの習得にやりがいを感じるプレイヤーには迷わず勧められる一本です。どの力を先に取るか、どのボスが強くなる前に挑むか、自分を叩きのめした守護者をいかに危なげなく倒せる相手に変えるかを考える楽しさは格別です。多彩な神々や戦術を変える力、目を引くグレースケールと色彩のビジュアル、生き生きとしたキャラクターたちなど、本作には魅力的な要素がそろっています。リプレイする価値のあるルートが用意されているため、そうしたプレイヤーにとってはやり直しすら魅力の一部になります。
ただし、無視できない懸念点もあり、それによって購入の判断が変わる可能性もあります。残機を使い切るとキャンペーン全体がやり直しになり、難易度調整のオプションもありません。ルート次第で終盤の戦闘の難度が跳ね上がることがあり、タイミングに敏感な人なら入力の感触が気になるかもしれません。ボス間の移動は単調になりやすく、Switchではオートセーブで進行は守られるものの、クラッシュがその移動をさらに苦痛にしています。ルート依存のスケーリングと後半のパターンについては、公平さを保っているのか、過酷すぎるのか、それとも十分に難しくならないのかでメディアの意見が分かれました。霊の操作が一貫してレスポンス良く感じられるのか鈍重なのか、コンパクトなキャンペーンが短すぎるのか妥当な長さなのかについても、メディアの評価は割れています。難しい戦闘を乗り越えるために難易度設定やアクセシビリティオプション、永続的な成長要素を求めるなら、様子を見るか見送るべきです。一回一回の挑戦で上達していくことをいとわないなら、ルートを選ぶことこそが『愚霊』を歯ごたえのあるゲームにしており、同時にやりがいのある作品にもしています。






製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | GUREI(愚霊) |
| 原題名 | Gurei |
| ジャンル | アクション, アドベンチャー, インディー, 2D格闘 |
| プラットフォーム | PC(Steam), PlayStation 5, PlayStation 4, Nintendo Switch |
| 発売日 | 2026年7月23日 |
| 価格 | Steam ¥1,999 / Nintendo ¥2,499 |
| 体験版 | あり |
| 公式サイト | — |
| 開発元 | Lobo Sagaz studio |
| 発売元 | Astrolabe Games |










