『Tormentum II』メタスコア77点、高く評価された点とちょっとした不満

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2026年7月24日に発売の『Tormentum II』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「77 点」で「好評」という評価になっています。
2026年10月10日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは6件、最高は90点、最低は70点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。

77Tormentum II好評 4|賛否 2|不評 0
PC77(6件)

緻密な手描きアートで描かれる、美しくもおぞましい悪夢の世界

緻密な手描きアートで描かれる、美しくもおぞましい悪夢の世界

『Tormentum II』は、ダークな画集のページをめくっているような感覚を味わえる作品です。画面はおよそ200に及ぶ手描きの一枚絵で構成されており、機械と融合した肉体や呼吸するような壁、肉と骨で築かれた神殿など、まさに本来の意味でのGiger風の世界が広がっています。緻密なディテールと丁寧な色使いが陰鬱で恐ろしい世界を美しく際立たせているため、首吊りの木が立つ死んだ島や、崇拝者たちを見下ろす肋骨の像といった光景も、素通りせずにじっくり眺めたくなります。どの画面にも惜しみなく手間がかけられていることが、はっきりと伝わってきます。

作中に広がる光景は強く記憶に残ります。窓辺には神経の網のまま未完成の人間が横たわり、エレベーターはチューブにつながれた男を動力にして動いています。終盤に登場する2つのギャラリーには壁一面に約40枚の絵画が掛けられており、ゲーム自体が不気味な芸術作品でありながら、飾られた一枚一枚もそれだけで完結したアートになっています。次の扉の先に何があるのかを想像することに大きな楽しみがあり、本作がその期待を裏切ることはめったにありません。ただし、この魅力は好みに左右されます。Beksińskiの色合いを帯びたバイオメカニカルなホラーイラストに惹かれるなら『Tormentum II』はまさにごちそうですが、このスタイルに心が動かないなら、本作を遊ぶ最大の理由を失うことになります。

最後まで通して遊んでも、この世界の魅力が色あせることはありませんでした。これほどグロテスクな要素が多いと、過度なショック演出や救いのない陰鬱さに偏りがちですが、不気味なクリーチャーや朽ちゆく建造物は、恐ろしさはあっても絶望感までは与えてきません。住人の多くは主人公に意外なほど温かく接してくれるため、過酷な世界を必死に生き延びようとする姿には共感を覚えます。もちろん、それで生ぬるい雰囲気になっているわけではなく、過激なゴア描写を交えながら物語は非常に暗い領域へと踏み込んでいきます。それでもプレイヤーを疲れさせることなく、悪夢のさらに奥へと引き込み続けてくれるからこそ、アートの力だけでこの長いアドベンチャーを支えきれているのです。

恐怖を引き立てる重厚なサウンドと、無口な登場人物たちの静けさ

恐怖を引き立てる重厚なサウンドと、無口な登場人物たちの静けさ

この不穏なビジュアルを際立たせているのは、サウンドトラックによるところが大きいです。物悲しい管楽器と重低音を基調とし、緊迫した場面では力強くクレッシェンドへと高まっていきます。教会の聖歌隊を思わせる合唱や壮大な器楽曲、メタルの要素まで取り入れられており、少なくとも一箇所では激しいインダストリアルギターも鳴り響きます。さらに楽曲の底では、湿った有機的な音や亡者のうめき声、鎖のこすれ合う音が絶え間なく鳴り続けているため、苦悶の地にひとり取り残されたような感覚が常に保たれます。

その一方で、キャラクターたちが言葉を発することはありません。前作と同様にどの登場人物にもボイスがついておらず、独創的なストーリーと奇妙なキャラクターが揃っているだけに、声がない点は明らかな機会損失です。また、映像面もほとんど静止画に近く、アニメーションは少なくて単純です。特にキャラクターのぎこちなさは目立ち、別の地点へそのままテレポートしてしまう場面すらあります。クリックしてもDavidが歩くことはめったになく、場面によってはギャラリーの絵画のように静的に感じられます。この静けさは厳かなトーンにある程度合っているものの、本作の雰囲気はあくまで映像とサウンドから生まれるものであり、キャラクターの演技から生まれているわけではありません。

プレイヤーの道徳的決断が、世界の行く末と主人公の転落を左右する

プレイヤーの道徳的決断が、世界の行く末と主人公の転落を左右する

『Tormentum II』は、仮に単なるアートギャラリーだったとしても見る価値のある作品ですが、プレイヤー自身の選択がこの世界に確かな重みを与えています。Davidが深みへと落ちていくにつれて、プレイヤーの選んだ行動に応じて周囲からの扱われ方も変化していきます。誰かにとって大切だったものを犠牲にすれば怪物と罵られ、苦しみを終わらせる手助けをすれば立ち去り際に感謝されるように、一つひとつの決断が彼の転落の一部となって刻まれていきます。

突きつけられる選択は具体的で、鎮痛剤を飲むかどうか、誰かを救うか殺すか、何を捧げ物にするかといった判断を迫られます。なかには物語の行く末を大きく左右するものもあり、助けた相手が実は敵だったり、後々世界全体の運命に関わるクリーチャーを生かしておいたりする展開へとつながっていきます。終盤に差し掛かる頃には、それまでの選択次第でDavidに最大3人の仲間が同行していることもあれば、完全にひとりきりになっていることもあります。

もっとも、すべての選択が劇的な分岐をもたらすわけではありません。道徳的な決断のなかには、ストーリー展開を大きく変えるというより、場面のトーンを穏やかに変化させる程度のものもあります。単なる善悪の二者択一はほとんどなく、大半はその場で直面した状況への率直な対応を求められ、選択肢が2つに限られないこともあります。影響の度合いが控えめなものから決定的なものまで幅広く用意されているからこそ、世界があらかじめ用意された筋書きではなく、プレイヤーの行動に反応しているように感じられます。

結末が読めない選択の不透明さと、それが生み出す再挑戦への動機

結末が読めない選択の不透明さと、それが生み出す再挑戦への動機

この選択システムにおける弱点は、プレイヤーに事前に与えられる情報が少なすぎることです。自らの決断がどんな結末を招くのかはめったに示されません。思いやりのある選択肢に見えるものを選んでも、守ろうとした人物が命を落としたと後から知らされることもあり、ある行動が何につながるのかを事前に予測するのは極めて困難です。

この不透明さは、ときにフラストレーションへと転じます。選択をしている自覚すらないまま決断を急かされ、残酷な結果の責任だけを一方的に押し付けられたように感じられる場面もあります。決断に不安を抱かせることと、そもそも選択肢を与えられたのかすら分からない状態にすることは別物です。さらに、一見無害に見える判断の積み重ねによって過酷なエンディングに至った場合、自ら招いた結果というより罰のように感じられてしまいます。そのうえ、何が「良い」エンディングと「悪い」エンディングの境目になっているのかも判別しにくい作りになっています。

しかし、この先が読めない不確かさこそが、もう一度最初から遊び直したくなる理由にもなっています。作中のいくつかの場面で、二択の選択が物語を複数のエンディングへと分岐させます。最初のプレイを終えると、自分の判断は正しかったのか、自分のせいでこの世界を破滅させてしまったのではないかと考えさせられます。終盤付近のデータをロードして別の結末を見られる作りにはなっていないため、ゲーム全体をもう一度最初からやり直したくなるのです。結末が分からない手探りの状態を受け入れられるなら再プレイの強い動機になりますが、誰かの命に関わる前にきちんとした警告がほしいプレイヤーにとっては、苛立ちを覚えるシステムかもしれません。

冒険の舞台が大きく広がった一方で、パズルの手応えは控えめに

冒険の舞台が大きく広がった一方で、パズルの手応えは控えめに

購入を判断するうえで、最もはっきりとした判断材料になるのがパズルです。『Tormentum II』は凝った仕掛けを好む傾向があり、新しい装置が登場するたびに込み入った解法を要求してくるように見えます。しかし、実際に手こずる場面はめったにありません。こうした装置の大半は、Davidの手記にあるメモと何かを一致させるか、コンソールでコマンドを総当たりで試すだけで事足ります。ノートが絶えず更新されていくため、ほぼすべての仕掛けや施錠された箱が簡単に解けてしまうのです。所持品が2〜3個を超えることはめったになく、画面内をくまなく探すピクセルハントもほとんどありません。次にどこへ行くべきかも、大抵はゲーム側が教えてくれます。全体として難易度が低い傾向にあるものの、すべてのパズルが簡単なわけではありません。タトゥーに合わせて端末の周波数と振幅を調整するものや、謎めいたなぞなぞからポーションを調合するものなど、じっくり頭を使う必要があり、ときに行き詰まるパズルも用意されています。それでも大半の場面では、深く推理する余地はあまり残されていません。

この難易度設定は、一部のプレイヤーにとっては朗報であり、別のプレイヤーにとっては物足りない点でもあります。普段クラシックなアドベンチャーゲームを避けているプレイヤーにとっては、長く行き詰まることがないため、入りやすい作品になるはずです。しかし、経験豊富なアドベンチャーゲームプレイヤーにとっては簡単すぎると感じられ、もっと頻繁に自らのひらめきを実感させてほしかったと不満を抱く可能性が高いです。

難易度とは関係のない別の問題として、ときにゲーム側の都合が進行を邪魔してくる点も挙げられます。せっかく解法を思いついても、カットシーンやゲームプレイ上のちょっとした引っかかりに中断され、すぐに行動へ移せないことがあるのです。頻繁に起こるわけではありませんが、発生したときには、プレイヤーの推理と実行の間にゲームそのものが立ちはだかることになります。

パズルの手応えの不足を、続編である本作はボリュームで補っています。前作は3つの領域で構成され、物語の大半が城の中で展開しましたが、本作の規模はそれよりはるかに大きくなっています。見覚えのある導入を抜けると島々が点在する海のマップへと舞台が広がり、各島に独自のパズルとサイドストーリーが用意されています。島を攻略するとさらに先が開けることもあり、クリアした島には大きな×印がつけられていきます。全体のプレイ時間はおよそ8〜9時間におよび、満足のいくボリュームに仕上がっています。鋭い推理力を試すものではなく、緩やかな難易度曲線を描きながら進む、中身の詰まった旅のような作品です。

多くを語らない抽象的な物語と、考察を促す哲学的なテーマ性

多くを語らない抽象的な物語と、考察を促す哲学的なテーマ性

Davidは汚染された未来に生きるプログラマーで、Tormentumと名付けたシミュレーションを構築しています。そんな彼が、自ら設計した覚えのない世界に閉じ込められた状態で目を覚まします。あるはずのない場所にテクノロジーの断片が繰り返し現れるものの、彼が自分のプログラムの中にいるのかどうかを、ゲームがはっきりと語ることはありません。考察を楽しむタイプなら、この曖昧さは本作の最も優れた魅力の一つに感じられるでしょう。現実とコンピュータープログラムの境界は曖昧なままで、エンドロールの後も疑問が頭から離れません。起きた出来事への明快な説明を求めるプレイヤーにとっては、答えを示さない姿勢がはぐらかしのように感じられるかもしれません。

物語の志は非常に高いものです。私たちはシミュレーションの中に生きているのかもしれないというおなじみのアイデアを出発点に、苦しみと死に満ちた独自の創世神話を築き上げています。注意深いプレイヤーであれば、そのような過酷な場所に人が生きているのかどうかだけでなく、どのように、そしてなぜ生きるのかを問おうとする哲学的な試みとして読み取れるはずです。

ただし、その語り口は安定しているとは言えません。明快で焦点の絞られたプロットを求めるなら、シナリオはまとまりがなく、入り組んでいて、難解に感じられるでしょう。多くのキャラクターは本題に触れずに遠回しに話し、世界設定の語りはときに冗長になり、その先に広がる世界ももっと十分に描き込めたはずです。細部までじっくり探ることを楽しめるなら、その野心はときおりの回り道に見合う価値がありますが、会話を焦って読み飛ばしてしまうと、本当に優れたアイデアを見逃してしまう危険もあります。考察を後押しする難解さそのものが、プロットを散漫に感じさせる原因にもなっており、それをどう受け止めるかは、物語に何を求めるかによって評価が分かれます。

ダークな画集のように世界を巡り、自らの爪痕を残していく一作

ダークな画集のように世界を巡り、自らの爪痕を残していく一作

悪夢のようなアート、不穏な音楽、物語の行き着く先を変える選択を目当てにする人なら、『Tormentum II』は迷わず勧められる作品です。丹念に描き込まれた世界には見どころが多く、マルチエンディングが再プレイへの確かな理由を与えてくれます。謎解きで行き詰まることがめったにないため、アドベンチャーゲームの初心者でも親しみやすい仕上がりです。曖昧なストーリーテリングを楽しめるプレイヤーなら、思いを巡らせたくなる未解決の問いを数多く見つけられるはずです。

ただし、無視できない懸念点もあります。パズルが本格的な推理を求めることはめったになく、選択はその代償を事前にほとんど知らせてくれません。演出面においてもボイスがなく、アニメーションの動きも控えめです。主に歯ごたえのあるパズルを求めてアドベンチャーゲームを遊ぶ人や、有害な結果や取り返しのつかない結果をもたらす決断の前に明確な警告がほしい人、ボイス付きのキャラクターや滑らかなアニメーションを重視する人は、まずこれらの制約を考慮すべきです。最も評価が分かれるのはストーリーでしょう。一部のメディアは現実をめぐる未解決の曖昧さと哲学的な野心を評価した一方で、別のメディアはシナリオにまとまりがなく、入り組んでいて冗長だと評しています。行間の解釈を楽しめるプレイヤーは報われるはずですが、わかりやすく語られるプロットを求める人は不満を抱くかもしれません。

ダークな画集と同じように、『Tormentum II』は解き明かすべきパズルボックスとしてではなく、歩き回りながら自らの爪痕を残す世界として味わうのが最適です。それを求めている人にとって、本作には見るべきものが数多く存在し、再びこの悪夢を訪れるだけの十分な理由があります。

製品情報

項目内容
ゲームタイトル名Tormentum II
原題名Tormentum II
ジャンルアドベンチャー, カジュアル, インディー
プラットフォームPC(Steam)
発売日2026年7月24日
価格Steam ¥2,599
体験版あり
公式サイトhttps://www.ohnoo.com/tormentum_II_press.html
開発元OhNoo Studio
発売元OhNoo Studio

ストアページ

ストア名URL
Steamhttps://store.steampowered.com/app/931060/

メタスコアについて

Metacriticで集計されているゲーム評価のスコアです。大手メディアに投稿されたレビューのスコアを平均された数値になります。メタスコアは大きく変わる機会は少ないですが、集計サイトが増えるにつれて頻繁に変動します。

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