2026年7月22日に発売の『LIFTED』のメディアレビューが公開され、Metacriticのメタスコアが集計されました。総合点数は「70 点」で「賛否」という評価になっています。
2026年10月9日時点での集計内容となっており、採点対象のレビューは7件、最高は80点、最低は50点という結果でした。以下にレビューの総まとめを記載しているので購入の参考になれば幸いです。
※スコアは寄稿記事が増減して一定期間は上下しますが、大きく変動することは稀です。
映画的なカメラワークが生む迫力とジャンプの視認性の難しさ

『LIFTED』は、Ariがソリで斜面を滑り降り、木々の間をすり抜けながら敵をかわす場面から始まります。勢いのある導入によって、本作が何を目指しているかがストレートに伝わってきます。カメラはアクションに合わせてダイナミックに動き、滑降シーンを映画のスタントのように映し出してくれるのが印象的です。しかしゲームが進むと、そのカメラが次の足場までの距離をつかみにくい角度で止まってしまう場面も出てきます。本作の長所と短所はいずれもカメラから生まれており、迫力ある見せ場を作り出す一方で、肝心のジャンプの着地点を見失わせることがあります。
まず見せ場について触れると、そのバリエーションはかなり豊富です。ソリを皮切りに、トロッコでの疾走や泥まみれの崖を滑り降りる場面が続き、テーマパークのアトラクションを思わせるスピード感を味わえます。こうした見せ場はステージの合間のおまけではなく、ゲーム自体を成り立たせる最大の理由となっており、頻繁に登場するため冒険のテンポを崩すこともほとんどありません。
この疾走感を支えているのが、独特なゲームの構造です。舞台となる世界は完全な3Dですが、Ariはその中に敷かれた固定の2Dルートに沿って走ります。ルートは決して平坦なだけではなく、墓所が爆発したり部族がジャングルを追ってきたりする中で、景色を縫うようにカーブや下り坂を描いていきます。基礎となるアクション自体はかなりシンプルながら、カメラが場面ごとにドラマチックな角度へ絶えず回り込むため、実際以上に複雑で華やかに見えます。すべてがうまく噛み合っているときは、まるでワンカットで撮影された映画に入り込んだような感覚になり、苦労を意識しないまま長い区間を一気に駆け抜けられます。
多彩なロケーションも、プレイの新鮮さを保つのに一役買っています。ステージの構造自体は一本道ですが、変化に富んで細部まで作り込まれており、雪や雲のテクスチャもAriの動きに合わせて反応を見せます。冒険の舞台は古代エジプトに始まり、熱帯のTortugaの海岸にある海賊のドクロ洞窟、そしてメキシコの神殿へと移り変わっていきます。それぞれの舞台に独自の色合いと個性があるため、最後までビジュアル面で退屈することはありません。『LIFTED』の魅力の大半はこの演出と勢いから生まれていますが、そうなると当然、同じ演出手法で精密なアクションを支えきれるのかという疑問も浮かんできます。
移動アクションの爽快感は高いものの終盤の一部区間が足を引っ張る

魅力的なのは派手な見せ場だけではありません。ステージを駆け抜ける基本的な移動そのものにも爽快感があります。壁ジャンプやロープスイング、足場の狭い地形といった要素が適度な刺激を与え、使えるアクションも冒険を通じて着実に増えていきます。こうした移動アクションは『LIFTED』で最も楽しめる部分であり、プレイ時間の大半でその魅力を保っています。ただし、終盤近くにある一部のプラットフォームアクション区間は、楽しさよりもストレスが勝る作りになっていました。それ以外の部分が終始快適に遊べるだけに、この一区間だけが悪い意味で浮いてしまっています。移動の気持ちよさが確かな強みだからこそ、それを取り巻く作りの粗さがより際立って感じられます。
カメラの死角とぎこちないアニメーションが精密な操作を妨げる

『LIFTED』の演出を盛り上げているカメラは、時にプレイの足を引っ張ります。常に視界が悪いわけではありませんが、次の足場との距離感を掴みにくい角度で視点が止まることがあり、普段なら簡単に跳べるはずのジャンプが当てずっぽうになりがちです。キーボードでプレイする場合はこの影響がさらに深刻で、カメラがアクションを追って視点を切り替えた拍子に、直前までAriを前進させていたキー入力で突然逆走してしまうことがあります。細かなスティック操作ができるコントローラーなら狭い足場にも対応しやすいのに対し、キーボードではこの入力方向の反転が最悪のタイミングで痛手になります。
また、スイングアクションにも別の難点があります。グラップリングフック自体はギミックとして役立つものの、梁からスイングする際のアニメーションがどこか未完成に見えます。Ariがスイングのどの位置にいるのかが掴みにくく、見た目も手応えも最後までしっくりきません。さらに枝やツタでは判定そのものに問題があり、飛び移っても当たり判定がまったく反応しないことがあります。ツタに飛びついたつもりがそのまま落下死し、チェックポイントからやり直す羽目になるわけです。毎回起きるわけではないものの、プレイ中に気付く程度には頻繁に発生します。なかでも厳しいのは、当たり判定の不調と不適切なカメラアングルが重なった瞬間です。ジャンプの目測を誤ったのかゲーム側の不具合なのかが見分けられないため、不満が一気に募ってしまいます。
岩登りのアクションはさらに興味深い仕立てになっています。Ariは岩肌の手がかりをテンポよくよじ登ることができ、タイミングよく素早く入力すればよりスピードを上げて登れます。リズムさえ掴めれば正確な操作に見返りがあり、登攀に心地よいスリルも加わる満足度の高い仕組みです。しかし、このリズムにうまく乗れないと、終盤の脱出シチュエーションで大きな壁にぶつかります。周囲の世界が崩壊していく中でスピード勝負の脱出を迫られるためです。こうした崩壊シーンは難易度のピークとなっており、一度ミスをすると区間の最初からやり直しを強いられます。登攀のリズムに乗れない代償が最も重くのしかかるのがこの場面です。体験を盛り上げるための演出がそのまま具体的なストレス源にもなっており、難易度の印象を左右しています。
プレイスタイルや腕前によって体感難易度と適正が大きく分かれる

『LIFTED』の難易度をどう受け止めるかは、プレイヤーの経験によって大きく分かれます。プラットフォーマーを長年遊んできたベテランでなければ、標準設定でもほどよく刺激的なチャレンジとして楽しめます。狭い足場やシビアなタイミングは手応えとスリルのバランスが取れており、理不尽な厳しさを感じる場面はめったにありません。リスポーンも素早く、見せ場では適度に緊張感を高めてくれます。ただし、難しさのすべてが意図された設計というわけではありません。ぎこちないアニメーションによって操作のリズムが乱されることがあり、そうしたミスは設計された腕試しではなく作りの粗さに起因しています。
一方で、このジャンルを何十年も遊び込んできた人にとっては印象が異なります。オーソドックスなアクション、箱を押すパズル、派手な見せ場という基本の流れにはすぐに慣れてしまいます。熟練のプレイヤーにとっては、実際のゲームプレイは没頭するほど熱中できるものでも、十分な手応えを感じられるものでもありません。旅の雰囲気を楽しむことはできても、自らの腕前が試されていると感じる場面はまずないはずです。
本作はさらに難易度を下げるアシスト機能も備えています。用意された2種類の難易度オプションの片方はアクションとパズルの両方を易しくするほか、メニュー内にはジャンプやパズルを個別で緩和する設定も並んでいます。これらを有効にすれば、『LIFTED』はコントローラーの操作に慣れていない小さな子どもでも遊べる作品になります。難易度の一側面だけで評価が決まるわけではなく、誰が遊ぶかによって、初心者や家族向けのアトラクションにもなれば、標準設定で手頃な刺激にもなり、熟練者には少し物足りないゲームにもなり得ます。
古典的なパズルがアクションの合間にほどよい小休止をもたらす

激しいアクションシーンの合間には、パズルによって適度に進行のペースが落ち着きます。箱を決められた順序でスイッチまで押し、邪魔な板をどかし、レバーを動かすといった作業です。仕掛け自体に目新しさはないものの、全体のテンポをうまく整え、次の追跡劇に入る前に一息ついて考える時間を与えてくれます。ゲーム全体を通じて、パズルの大半は箱とレバーの組み合わせの域を出ません。この定型を破るのは最終ステージくらいで、光の反射を利用した謎解きではしっかり立ち止まって思案することになります。コンパクトなゲーム規模の割には、思いのほか手ごわく時間を取られるパズルも含まれています。パズルは作品を牽引するというよりアクションの引き立て役に留まっており、その古典的な構造が『LIFTED』は使い古された型を踏襲しているという印象を強めています。
常に続く主人公たちの掛け合いは好みがはっきりと分かれる

AriとProfessor Raventhorpeは道中ほぼ絶え間なく喋り続けており、このやりとりを好意的に受け止められるかどうかで全体の印象が大きく変わります。親しみやすいファミリー向けの凸凹コンビが好みなら、この掛け合いは同ジャンルの作品にはない個性を『LIFTED』に与えており、素直に笑えるシーンも少なくありません。定番の持ちネタとなっているのは、長めのアクション区間の最中にProfessor Raventhorpeがふと姿を消し、後から合流しては「楽な抜け道を見つけた」と言い張るくだりです。作中で何度も繰り返されますが、そのたびに妙な可笑しさが増していきます。全体のプレイ時間が短めに抑えられていることも幸いし、軽口の応酬が鼻につく前に物語の幕が下りるため、くどさを感じずに済みます。
しかし、気の利いた軽口を狙いすぎた台詞回しに辟易している人なら、同じ会話が耳障りに聞こえてしまうはずです。AriとProfessor Raventhorpeのセリフ運びは、キャラクターが無理に軽薄さを装う近年のスーパーヒーロー映画を連想させます。そうした作風に普段から煩わしさを感じているなら本作でも引っかかる可能性が高く、静かにプレイできる時間は作中にほとんど用意されていません。
さらに、この会話パートにはシステム上の不都合も生じています。次のエリアへ移動するペースが早すぎると、進行中だった会話が途中で途切れてしまう仕様です。移動速度を細かく調整できないキーボード操作では、前に歩いているだけでもこの現象が頻発します。『LIFTED』はスピード感あふれる進行を促す一方でキャラクターの掛け合いにも引き込もうとするため、テンポよく進めるほど大事なセリフを聞き逃すジレンマを抱えています。キャラクターのやりとりを楽しみたい人にとっては特に無視できない難点です。掛け合いが作品の個性を大きく担っている以上、このノリと仕様をどこまで受け入れられるかが満足度に直結します。
結末が読める物語とクリア後に再訪したくなる動機の乏しさ

物語の構成は低年齢層を意識した作りで、映画やアニメに親しんできた人ならすぐに気付くお約束の展開に頼っています。最初から最後まで展開の先が読めてしまうため、結末が分かりきっているせいでドラマとしての面白みが薄れてしまっています。時代を股にかける冒険の骨組み自体はそれなりに楽しめますが、旅の結末を熱心に見届けたくなるほどの動機づけには欠けています。
エンドロールを見届けた後、再びこの世界へ戻ってくる理由もほとんどありません。再挑戦の動機になり得るのは取り逃した隠しオーナメントの回収くらいで、集めるとAriの新しい衣装が手に入る程度です。隠しステージや追加で開放されるコンテンツもないため、『LIFTED』は基本的に一度きりのプレイを前提とした作りであり、その評価は一通りのクリア体験をどれだけ楽しめるかにかかっています。
演出と勢いを楽しむ短時間の旅としては魅力ある一作

『LIFTED』は、活気に満ちた演出が光るシネマティック・プラットフォーマーです。短時間で映画のようなアドベンチャーを味わいたいなら、派手な見せ場や色彩豊かな歴史の舞台、テンポのよい移動アクションは体験してみる価値があります。ソリやトロッコによる高速チェイス、崩れる墓所や密林での追走劇、古代エジプトからカリブ海の海岸、メキシコの神殿へと巡る旅はいずれもしっかりとした迫力を見せてくれます。賑やかな会話や、Professor Raventhorpeの「抜け道」をめぐるお約束のギャグを好意的に楽しめるなら、主人公コンビの個性が旅をより明るく彩ってくれるはずです。まだコントローラーの操作に不慣れな子どもがいる家庭にとっても、ジャンプやパズルを緩和する豊富なオプション設定は大いに役立ちます。
それでも、手放しで誰にでも勧められる作品ではありません。カメラは時にジャンプの距離感を狂わせ、梁を使ったスイングのモーションには粗さが残り、枝やツタの判定が不発に終わることもあります。精密なアクション操作を求める人にとっては、こうした細かな粗の積み重ねが気になってくるはずです。またキーボードで操作する場合は、視点の転換に合わせて移動方向が反転する仕様にも慣れなければなりません。手応えのある挑戦を求める熟練者にとっては、全体的に難易度が低く物足りなさを感じる可能性があります。近年のスーパーヒーロー映画のような軽口の応酬に疲れを感じる人であれば、ひっきりなしに続く掛け合いをスルーするのも難しいでしょう。そして新鮮な物語や奥深いパズル、周回プレイのやり込みを期待するなら、お約束通りの展開と簡素な謎解き、衣装集め程度のやり込み要素では物足りなさが残ります。
メディアの間でも、アクションが手頃な挑戦なのか熟練者には易しすぎるのか、あるいは二人の掛け合いが愛らしい魅力なのか鼻につく軽薄さなのかで賛否が分かれました。岩登りのタイミング入力についても、満足感のある仕組みと評価する声がある一方、終盤の脱出シチュエーションでリズムを掴みにくい点を指摘するメディアも見られます。『LIFTED』はカメラ演出が示す通り、精密な腕前を競い合うゲームでも何度も遊び直すゲームでもなく、テンポよくガイドされる短い旅として受け止めるのが最も適しています。操作の厳密さやボリュームよりも、見せ場の迫力とキャラクターの個性を気楽に楽しみたいライト層や家族連れに向いた一作です。その一方で、骨太な手応えを求めるアクションファンや、おしゃべりなキャラクターが苦手な人には勧めにくい作品です。








製品情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ゲームタイトル名 | LIFTED |
| 原題名 | LIFTED |
| ジャンル | アクション, アドベンチャー, インディー |
| プラットフォーム | PC(Steam), Xbox Series X|S |
| 発売日 | 2026年7月22日 |
| 価格 | Steam ¥2,300 |
| 体験版 | あり |
| 公式サイト | https://adventure.works/pages/lifted |
| 開発元 | Adventure Works L.L.C. |
| 発売元 | Adventure Works L.L.C. |
ストアページ
| ストア名 | URL |
|---|---|
| Steam | https://store.steampowered.com/app/2184020/ |










