2025年12月4日に発売の『メトロイドプライム4 ビヨンド』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『メトロイドプライム4 ビヨンド』に対する海外ゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
評価は70点台後半。緻密に作り込まれた惑星と気持ちのいい戦闘が高く評価される一方で、移動の煩わしさやNPCの過剰なナビゲーションには批判も多く、良い部分と気になる部分がきれいに半々といった内容でした。購入の参考になれば幸いです。
最高の惑星に、ちょっと余計なお世話が付いてきた
この『メトロイドプライム4 ビヨンド』は、約20年ぶりのナンバリング新作にふさわしい圧倒的な惑星探索の魅力と、洗練された戦闘の手触りを持っている作品です。ただ、その体験を支えるはずのゲーム構造にいくつかの問題を抱えていて、手放しで絶賛とはいかない仕上がりになっています。
舞台となる惑星ビューロスの各バイオームは、「プログレッシブ・ロックのアルバムジャケットのよう」と表現されるほど緻密に描き込まれていて、ジャイロエイムを活かした射撃も非常に快適。スキャンバイザーで環境を読み取り、新しい能力で道を切り開くメトロイドヴァニアの快感は健在です。一方で、ファストトラベルのない広大な砂漠を何度も行き来させられたり、味方のエンジニアに次の目的地を逐一教えられたりと、シリーズの持ち味だった「孤独な探索」の味わいが薄まっている部分もあります。良い素材が揃っているのに、盛り付けで少しつまずいたかもしれません。
惑星ビューロスの空気感がとにかく素晴らしい
本作最大の魅力は、やはり舞台となる惑星ビューロスの環境構築でしょう。雷雨が吹き荒れる工場「ボルトフォージ」、緑豊かなジャングル「フューリーグリーン」、凍てつく研究施設「アイスベルト」と、各バイオームがそれぞれ全く異なる空気感を持っています。単なる「氷のステージ」「炎のステージ」という記号的な分類ではなく、施設の電源が復旧するにつれて暗かったエリアが光に満ちたダイナミックな空間へ変化していくなど、世界が生きている感覚がしっかり伝わってきます。
サムスのバイザーに雨粒が伝い落ちたり、チャージビームの閃光がバイザーに反射してサムスの顔が映ったりと、一人称視点ならではの細かい演出もかなり丁寧。環境音楽も電子音やインダストリアルなサウンドに「幽玄で不気味なエイリアンの聖歌」が混ざり合い、シリーズ最高峰と言っていい雰囲気を作り出しています。
操作感と戦闘の手触りがとにかく気持ちいい
操作まわりも非常に充実しています。従来のデュアルスティックに加えてジャイロエイムの精度が非常に高く、ロックオンしながらコントローラーを少し傾けて弱点を狙い撃つ、という直感的な操作が可能です。さらにJoy-Conを横にして滑らせる「マウスモード」まで実装されていて、PCのシューターに慣れた人にも刺さる操作体系になっています。
武器面では、おなじみのアームキャノンに炎・氷・雷の属性ショットが追加されました。十字キーを押すだけで瞬時に切り替えられて、弾薬も全属性で共有されているのでリソース管理のストレスがほとんどありません。スキャンバイザーでボスの弱点を見極めてから属性を切り替えて撃ち込む、というテンポの良い戦闘フローはかなり気持ちいいですね。
探索の幅を広げるサイキック能力
古代種族「ラモーン」から授かるサイキック能力も見どころのひとつ。見えないレールの上を滑走する「サイキック・ブースト・レール」や、モーフボール状態から爆弾を遠隔で投げる「サイキック・ボム」など、空間の捉え方が変わる新要素が探索と謎解きに幅を持たせています。各エリアのパズルは「最高の『ゼルダの伝説』のダンジョンにも匹敵する」と評されるほど、独創的でやりがいのある設計です。
ただ、気になる点もけっこうあります
砂漠「ソルバレイ」の移動がひたすらつらい
本作で最も批判が集中しているのが、各バイオームを繋ぐ巨大な砂漠エリア「ソルバレイ」の設計です。エイリアン・バイク「ヴァイオラ」自体の挙動や操作感は「最高にクールで楽しい」と絶賛されているのですが、問題はそのヴァイオラが走るフィールドのほう。景色は単調で探索できる要素が極端に少なく、レビュアーからは「何もない広大な荒野」「見事に空っぽ」と厳しい言葉が並んでいます。
しかもファストトラベルが存在しないため、新しい能力を手に入れて以前のエリアに戻りたいときも、この砂漠を毎回横断しなければなりません。「ゴンドラに乗り、エレベーターを降り、砂漠をバイクで横断し、カーゴキャノンで飛ばされ、また砂漠を走る」という移動が頻発して、メトロイドヴァニアの醍醐味である「再探索」が単なる作業になってしまっている場面が目立ちます。砂漠でグリーンクリスタルを集めるミッションも「ラチェット&クランクのラリタニウム集めよりも退屈」と酷評されているほどです。
サイキック能力のテンポの悪さと焼き直し感
ポジティブな面もあるサイキック能力ですが、実装方法には不満の声もあります。特に「コントロールビーム」は、バイザーを切り替えてフルチャージして撃ち、また元のバイザーに戻す……という手順が必要で、戦闘中に使うにはテンポが悪すぎるという指摘が出ています。また「サイキック」と銘打っていても、実態は過去作のグラップルビームやスパイダーボールに紫のエフェクトを付けただけの焼き直しも多く、新鮮味に欠けるという声も。デフォルト設定で人間形態とモーフボール形態でジャンプボタンが異なるという、直感に反するUI設計も地味にストレスだそうです。
サムスの不自然すぎる沈黙
過去作『Metroid: Other M』でサムスが饒舌すぎると批判された反動か、本作のサムスは一切言葉を発しません。ただ本作には無線で話しかけてくるキャラクターや対面する兵士が多数登場するので、話しかけられても黙って頷くか無視するサムスの姿が「非常に失礼に見える」という指摘が出ています。『ゼルダの伝説』のリンクのような無口主人公を目指したのだと思いますが、周囲がフルボイスで語りかけてくる環境では、その沈黙がかえって不自然に浮いてしまっていますね。
amiiboに閉じ込められた魅力的な機能
バイクのカラーリング変更や、ドライブ中に歴代BGMを流せる「ヴァイオラ Radio」といった楽しそうな機能が、有料のamiiboを買わないと使えない仕様になっています。「これまでで最も高価なDLC」「強欲だ」と反感を買っているのも無理はないかもしれません。ゲーム内の探索報酬としてアンロックされるべき機能だったと思います。
意見がまっぷたつに割れているポイント
おしゃべりエンジニア「マッケンジー」は味方か敵か
本作で最も議論を呼んでいるのが、サムスを無線でサポートするエンジニア「マッケンジー」の存在です。
否定的な意見としては、エリアを移動するたびに「次はこちらへ行け」と指示され、あたかも『時のオカリナ』のナビィのように付きまとわれるのが不満だという声があります。通信やヒントを完全にオフにするオプションがない点については「プレイヤーの知性を信用していない」と強い批判も。メトロイドプライムの核である「孤独感と自力で道を見つけ出す喜び」を損なっていると感じるファンは少なくありません。
一方で、事前の懸念ほど「出しゃばり」ではないという擁護もあります。具体的な指示が入るのは主に目印の少ない砂漠エリアに限定されていて、ダンジョン内部では通信が途絶えるため従来通りの孤独な探索に没頭できるとのこと。「Booyah!」と口走るオタク気質なキャラクター性も、殺伐とした世界観の中で良い息抜きになっているという意見もあります。全体的には「事前の懸念よりは悪くなく、許容範囲内」とする声が多数派ですが、少なくとも「ナビゲーションをミュートするオプション」は必須だったという点では、両派の意見が一致しています。
ハブ構造は進化か退化か
世界の構造についても意見が割れています。従来のメトロイドヴァニアのように「ドアを開けたら全く違う環境がシームレスに繋がっている」構造のほうが探索密度が高くて優れていた、という否定的な意見がある一方で、過去作の「ドア1枚で熱帯雨林と氷河が隣り合う」構造はゲーム的には機能しても世界観としては不自然だったという反論も。広大なハブエリアを挟むことで各バイオームが地理的に自然に繋がる説得力が生まれ、惑星のスケール感が増したと歓迎する声もあります。ただ、探索密度の薄さがプレイ時間の水増しに見えてしまうのは事実で、ここは好みが分かれるところですね。
メディアレビュー紹介
高評価
PCMag — 100
Switch 2の性能を引き出した驚異的なビジュアルが光る、今年最高のSF傑作だ!超能力を用いたモーフボールなどの知的なパズルと銃撃戦のバランスが完璧である。新ビークル「Vi-O-La」で駆けるソル渓谷は、特有の孤独感を損なうことなくシリーズを新たな次元へ引き上げた。サムスのクールな魅力が爆発している!
→ レビューを読むGiant Bomb — 100
初代『プライム』や『スーパーメトロイド』に肩を並べる歴史的傑作だ!「Volt Forge」の美しい環境や素晴らしい音楽の演出に魂が震える。バイク「Vi-O-La」でソル渓谷を駆ける感覚は『時のオカリナ』を彷彿とさせ、洗練されたジャイロ操作により時間を忘れて探索に没頭してしまう。至高の体験である!
→ レビューを読むLevelUp — 95
シリーズの伝統を見事に昇華させた傑作である!探索やホラー要素など、過去作の長所を巧みに融合させたレベルデザインと秀逸なアートが圧倒的な没入感を生む。オープンエリアの単調さなどの不満は残るものの、新たな超能力を駆使した謎解きとアクションは極めて爽快で、メトロイドの華麗な復活を確信させる!
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低評価
Cubed3 — 70
メトロイド本来の「孤独な探索」という核心を自ら破壊している。同行者Mylesが絶えず行き先を指示するお節介さはシリーズの精神に反し、非表示設定すらないのは致命的だ。無意味に広大なソル渓谷でのバイク移動は単調な作業にすぎず、新要素の超能力も大半が活用されていない。過去作の完成度には遠く及ばない。
→ レビューを読むGamingBolt — 70
映像美やマウス操作の完成度は素晴らしいが、肝心のレベルデザインが期待外れだ。過去作のような迷宮を探索する奥深さは失われ、単調で一本道な構造に成り下がっている。さらに、NPCが過剰にヒントを喋り続ける現代風のお節介な仕様は、本シリーズの魅力である「孤独感と発見の喜び」を完全に奪い去っている。
→ レビューを読むMetro GameCentral — 70
ファンが求めていたものとは対極にある的外れな続編だ。探索要素は極端に簡略化され、もはやメトロイドヴァニアとは呼べないほど一本道な進行が続く。空っぽで無意味な砂漠エリアに加え、口うるさい味方キャラが付き纏うせいでシリーズ特有の孤独感は皆無だ。大衆向けに単純化されたパズルと浅薄な展開には深く失望した。
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まとめると
- 惑星ビューロスの各バイオームは緻密に作り込まれていて、雰囲気と環境音楽はシリーズ最高峰
- ジャイロエイムやマウスモードなど操作の選択肢が豊富で、属性ショットの切り替えも快適
- スキャンバイザーとサイキック能力を組み合わせた探索はメトロイドヴァニアの醍醐味が健在
- 砂漠エリア「ソルバレイ」は空虚で、ファストトラベルがないため移動が作業になりがち
- サイキック能力の一部はテンポが悪く、過去作の焼き直し感もある
- サポートNPC「マッケンジー」のナビゲーションをオフにできないのは大きな不満点
- 周囲がフルボイスで話しかけてくるのにサムスが無言なのは不自然
- amiiboでしか解放できない魅力的な機能がある
製品情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | メトロイドプライム4 ビヨンド(Metroid Prime 4: Beyond) |
| ジャンル | FPA(ファーストパーソンアドベンチャー) |
| 発売日 | 2025年12月4日 |
| 対応機種 | Nintendo Switch 2 |
| プレイ人数 | 1人 |










