2025年10月7日に発売の『Blood of Mehran』のメディアレビューが公開されMetacriticのメタスコアが集計されました。このページではMetacriticへ寄稿された『Blood of Mehran』に対するゲームメディアのレビューを翻訳してまとめています。
厳しい評価が並ぶ結果となりましたが、その中でも光る部分がないわけではありません。何が良くて何がダメだったのか、率直にお伝えしていきますので、購入の参考になれば幸いです。
古代ペルシャの野心が砂に埋もれた一本
この『Blood of Mehran』は、古代メソポタミアを舞台に家族を殺された元戦士の復讐劇を描いたアクションRPGです。『ゴッド・オブ・ウォー』や『アサシン クリード』を明らかに意識した作りになっていて、肩越しのカメラワークやR3+L3で発動するレイジモードなど、参考ゲームがはっきり分かるシステムになっています。
ただ、スコアが30台後半という数字が示すとおり、全体的にはかなり厳しい出来だと思います。戦闘の手触りが致命的に悪く、技術面の粗さやストーリーの破綻が重なって、意欲的な世界観を活かしきれていません。一方で、背景グラフィックの美しさや「頭を空っぽにして遊べるB級の心地よさ」を評価する声もわずかにあって、完全にゼロとは言い切れない不思議な作品ですね。
剣を振っても手応えがない絶望的な戦闘
まず一番の問題は、攻撃を当てた手応えが一切ないことです。効果音が抜け落ちていたり、ヒットストップがなかったりするせいで、「敵の頭上にある体力バーが減らなければ、ダメージを与えているかどうかも分からない」と酷評されています。敵がバク転で回避している最中に剣を振ると、見た目には身体を貫通しているのにダメージ判定が消えてしまうなど、ヒットボックスもかなりズレているようです。
さらに回避周りの設計も破綻しています。敵がガード不能攻撃を繰り出す際、赤い予兆エフェクトが表示されるものの、それが出た時にはすでに攻撃モーションに入っていて回避が間に合わないかもしれません。しかも回避アクションに無敵フレームが存在しないため、敵に囲まれるとなす術がないという状態。その一方で、盾を構えると向いている方向に関係なく全方位の飛び道具を自動で弾き返せてしまう。「映画『マトリックス』のネオのようだ」と皮肉られるほど、難易度バランスが極端で大雑把ですね。
「便秘の原始人」と呼ばれた主人公の挙動
Unreal Engine 5を採用していて、遠景の背景は確かに美しいのですが、キャラクターの品質はPS3初期レベルに留まっています。主人公は「便秘の原始人のように走り」「『オブリビオン』のキャラクターのように足を動かさず床を滑って移動する」と形容されていて、乗馬シーンでは「たった今、自分に後ろ脚があることを知ったかのように走る馬」という痛烈な比喩も飛び出しています。
カットシーンの剣戟は「素人劇団の振り付け」のように硬く、リップシンクは完全に欠如。オプションでオフにできないはずの過剰なモーションブラーも重なって、シリアスな場面が意図せずコミカルに見えてしまうことも。技術力がエンジンの性能に追いついておらず、炎のエフェクトや敵が密集するシーンではフレームレートが20fps台まで落ち込むという報告もあります。
復讐劇なのに牢獄でイチャつく脚本の崩壊
「愛する家族を殺された戦士の復讐劇」という導入自体は王道なのですが、脚本の感情線が完全に崩壊しています。家族を殺された直後に牢獄で出会った女性と軽いノリでイチャつき始めたり、周囲に誰もいないのに冷静な声で敵を「チンピラ」と呼んで挑発したり。声優の演技も驚くほど平坦で、「アリババというより、アリ・ブラブラブラ(中身のない退屈な話)」と揶揄されるほどです。
レベルデザインも問題だらけで、進行ルートは黄色いペンキで丁寧に塗られた一本道。宝箱には換金アイテムや見た目だけの防具しか入っておらず、「イギリス人の一般的な銀行口座よりも空っぽ」と評されるほど探索の旨味がありません。特定の場所でしかジャンプできない仕様も、ただ移動を間延びさせるだけの退屈な作業になっています。
ただ、光る部分もある
バザールの黄金色とB級の心地よさ
すべてがダメかというと、そうでもありません。Unreal Engine 5の恩恵を受けた環境グラフィックは数少ない明確な強みです。黄金色に焼け焦げたバザールや、水面に光が反射する宮殿の内部は遠目に見ると「かなり洗練された」印象で、伝統的なペルシャ音楽を取り入れたBGMも雰囲気にマッチしています。
また意外なことに、一部のレビュアーはこの作品に独特の魅力を見出しています。複雑な操作を要求されず、何も考えずに敵をなぎ倒していく手軽さが「ゲームにおけるコンフォートフード(安心できる定番料理)」として機能しているという評価です。PS2時代のアクションゲームを彷彿とさせる単純明快な構造が、口直しの「パレットクレンザー」として、ジャンクフードをつまむように無意識に楽しめるという。なかなか奇妙な褒め方ですね。
さらに、墓場エリアでの魔女とのボス戦は「場外ホームランを狙って見事に出塁した」と比喩されるほど、ゲーム全体の中で唯一クリエイティブな輝きを放つ瞬間として特筆されています。
「PS2時代の遺物」か「現代ゲームへの清涼剤」か
『ゴッド・オブ・ウォー』や『アサシン クリード』の骨格をそのままなぞった作りについて、評価は真っ二つに分かれています。
圧倒的多数派の意見としては、「独自のアイデアが一切なく、現代の基準に達していない時代遅れのクローン」という厳しい批判です。単調な戦闘、苦痛な探索、破綻したストーリーが組み合わさった結果、ただただ不毛で終わりのない「退屈な苦行」であると一刀両断されています。『ゴッド・オブ・ウォー』や『The Last of Us』以降の成熟したゲーム業界においては、もはや居場所のない作品だという結論です。
しかしごく少数ですが、PS2時代の凡作と割り切れば、難しく考えずにボタンを連打して進める「居心地の良さ」があるとする声も存在します。同月に発売された『Ghost of Yotei』のようなAAA級タイトルとは「月とスッポン」ほどの差があるとしつつも、複雑化する現代ゲームへの一種の清涼剤として機能しているという見方ですね。
また、UE5のグラフィックについても意見が割れています。遠景の環境美術はペルシャ神話の雰囲気を十分に感じさせる一方で、多数派は「UE5の輝きはプレイヤーを騙すための煙幕に過ぎない」と断じています。テクスチャのポップインやパフォーマンスの低下が目立ち、キャラクターの表情は「ホラー映画に登場する悪魔に取り憑かれた子供のような虚無」と酷評されています。
メディアレビュー紹介
高評価
TheSixthAxis — 50
『ゴッド・オブ・ウォー』や『アサシン クリード』の息吹を感じさせる、ノスタルジックな魅力に溢れた熱いアクションゲームだ!敵の矢を盾で防ぎ、弓で反撃する武器切り替えの戦闘には確かな戦略性が光る。緻密なステージ美術、特に水面の表現は圧倒的だ。古き良きリニアアクションの興奮を味わえる情熱的な意欲作である!
→ レビューを読むDualShockers — 45
無心でハック&スラッシュに没頭できる本作は、まさに「ゲームのコンフォートフード」だ!UE5による美しい光の反射など、アートスタイルは一見の価値がある。PS2時代の名作を思わせる懐かしさと居心地の良さに満ちており、大作の合間にプレイしたくなる極上の癒やしアクションである!
→ レビューを読むFinger Guns — 40
黄金に輝くバザールを駆け抜ける光景や、城の塔での熱いボス戦は驚くほど壮大で魅力的だ!口笛で衛兵を誘い出して仕留めるステルスや、空中からのド派手なテイクダウンなど、多彩なキルモーションが血を沸き立たせる。中東の砂漠という希少な舞台で繰り広げられる、野心に満ちた痛快な復讐ハクスラアクションである!
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低評価
Movies Games and Tech — 20
過去の傑作に便乗した粗悪なPS2ソフトのようだ。20fpsまで落ち込むフレームレートや、便秘の原始人のように走る主人公のモーションには閉口する。吐き気を催すブラー効果は設定が壊れておりオフにすらできない。物語も戦闘も時代遅れの極みであり、現代の水準に到底達していない惨憺たる駄作である。
→ レビューを読むGameOver.gr — 30
独自性が皆無の退屈なアクションの雛形だ。黄色いペンキの場所でしか飛べないジャンプや判定が曖昧なステルスキル等、粗悪なシステムが目立つ。モーションキャプチャーを欠いた不自然な動きに加え、頻発するポップアップと不安定なフレームレートが苦痛を増幅させる。開発者の野心が微塵も感じられない薄っぺらい作品である。
→ レビューを読むFinger Guns — 40
復讐を誓う主人公が直後に女性とイチャつく支離滅裂なシナリオは失笑ものだ。戦闘も劣悪で、敵のガード不能攻撃は回避困難な反面、盾は全方位の矢を無条件に防いでしまう極端なバランスだ。底の浅い戦闘や無に等しい探索要素が重なり、プレイヤーを終わりのない退屈な苦行へと追いやる惨めなアクションゲームである。
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まとめると
- 背景グラフィックはUE5の恩恵で美しいが、キャラクターのモデルやアニメーションはPS3初期レベル
- 攻撃の手応えがゼロで、ヒットボックスのズレや無敵フレームの欠如など戦闘システムが根本的に破綻している
- 回避が間に合わない一方で盾は全方位無敵など、難易度バランスが極端で大雑把
- 復讐劇の導入直後に軽いノリでイチャつくなど、脚本の感情線が崩壊している
- フレームレートが20fps台まで落ち込み、モーションブラーをオフにできない不具合もある
- 一本道のレベルデザインで探索の旨味がほとんどない
- ステルスは敵の視界がガバガバで緊張感ゼロ、カバーキルも正常に動作しない
- 「頭を空っぽにして遊べるB級の心地よさ」を評価する少数意見もある
- 墓場エリアの魔女戦はゲーム中唯一のクリエイティブな瞬間として高評価
製品情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| タイトル | Blood of Mehran |
| ジャンル | アクションRPG |
| 発売日 | 2025年10月7日 |
| 対応機種 | PS5 |
| 使用エンジン | Unreal Engine 5 |










